面影レイルバック

【おもかげれいるばっく】

ジャンル 対立する良家の2人に巻き込まれていく学園恋愛ADV ASINが有効ではありません。
対応機種 Windows Vista/7/8/10
発売・開発元 ハイクオソフト
発売日 2017年9月29日
定価 初回版:9,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント 何度も何度も 何度も何度も発売延期
ぶん投げられた個別ルート


概要

  • 2009年6月26日にハイクオソフトから発売された『さくらさくら』のサブキャラクター「吉岡 正志」を主役とするスピンオフ作品。
  • 2017年5月2日には本作の前日談『泥亀の月』(非エロゲー)がDMMで無料配信された。ボイスはない。
    • 美少女ゲームの割に男性が多く登場し、シビアな取引シーンなどが好評。本編への期待を高めるには十分であった。
    • 製品版には「椎名杳子の取材記録」のDLカードが付属している。これは『泥亀の月』にボイスを加えたエピソードである。
  • 原画家は「ひーで」、シナリオライターは「たとむ」「Keikei」の2人。
    • ハイクオソフトではお馴染みの面子であり、本作も作風が似ている。過去作をプレイしていれば絵・文の両面でキャラクターに既視感を覚えるだろう。

ストーリー

もう、恋に落ちていた―― 
学生最後の夏、吉岡正志は大企業・吉岡建設の若き経営者である義姉・樹里の仕事の都合により転校が決まる。
転校先は、線路が行き着く小さな町・櫓名(やぐらな)。
そこで正志は、この土地を守る小さな地主・櫓名いろは と出会い、同じ学園へと通い始める。
だが、吉岡建設の目的は櫓名の土地開発であり、正志は吉岡建設の跡取りであった。
(公式より抜粋)

ゲームシステム

  • 一般的な美少女ゲームと同じく、テキストを読み進めるアドベンチャーゲーム
    • どのヒロインを好いているかや移動先などの選択肢が表示され、物語が分岐する。
  • start - winter
    • エンディング後に追加されるアフターストーリー
    • 文字通り、冬に関するエピソードが収録されている。
  • item & episode
    • 過去作品にも採用されていたシステム。
    • 作中に登場した道具やキャラクターの説明文を閲覧できるTipsのようなモード。
    • 一部の項目はクリックすることでノベル形式でエピソードが語られる。
  • memory
    • 一般的な美少女ゲームの「シーン回想」に該当するモード。
    • エロシーンが主だが、エロシーン以外の一部のシーンも登録される。

特長・評価点

  • 土地開発・跡取りといった美少女ゲームとしては珍しい題材
    • 開始直後いきなり家計図が語られ、複雑な人物関係や土地開発の問題の提示により、引き込む力は十分。
  • キャラクター
    • 『さくらさくら』のキャラは序盤の言動や行動がキツく、人によっては「イジメのようで不快」とも言われていたが、
      本作のメインヒロインは丸い性格付けになっており、ヒロインに愛着を抱きやすい。この点だけは『さくらさくら』より好きという人もいる。
    • 尖った性格のキャラクターもいるが、サブキャラなので物語を盛り上げる要素となっている。
    • この手のゲームとしては珍しく、立ち絵のある男性キャラクターも多く登場する。
      • 渋い題材なので、雰囲気に合っていると言える。
  • 櫓名の雰囲気
    • 自然豊かでセミの鳴き声が聞こえ、朽ちた掲示板・特殊な風習が残っているなど夏の田舎の雰囲気が十分に出ている。
  • グラフィック・BGMはこれまでと似た傾向で好評。

問題点

  • 個別ルートが短く、内容も雑
    • 本作の問題点はこれに尽きる。共通ルートで提示された情報や問題をほとんど解消せずに終わってしまう。
    • 過去の因縁・現在に生きる人々の意思・ヒロインと主人公の関係など、いくらでも盛り上がる要素はあるが、それらをろくに掘り下げることがない。
    • エッチシーンまでの過程もいまひとつで、雑な理由で3Pが始まったりする。
    • 付き合う時間の短さや理由付けの乏しさから、キャラゲーとしても評価は厳しい。
  • winterも短い
    • ちょっとしたエピソードのみなので、ストーリーの重大な点は有耶無耶なまま。
    • 短い割に衣装差分などは凝っているが、そこで力尽きてしまっている。
  • キャラクター
    • サブキャラの多さや活躍は舞台設定を広げてはいるが、結局広げただけで終わっている。
      • 悪く言えば、結果的にメインヒロインの出番を食ってしまっている。
    • 男性のサブキャラ「本馬 太郎」
      • 女性に対して欲情を繰り返す。精神も外見も汚く、不愉快な要素でしかない。

総評

共通ルートまでは良かったが、そこからが問題だらけのガッカリゲーである。
最低限のゲームとしての体は保たれているが、途中で力尽きたであろうことは想像に難くない。
せめて発売日を守っていれば注目されない凡作だっただろうが、何度も発売延期を繰り返した上でこの出来だったため、ファンのショックはことさら大きかった。

ハイクオソフトのソフトを制覇したい、安い中古品を画集にする等の目的でなければ過去作を買った方が良いだろう。
その場合でも伏線はろくに回収されないため、流し読みすることをお勧めする。


余談

  • 客観的に評価しやすいボリューム不足で大きく評価を落としたため、中古が値下がりするのが早かった。
  • DVD-PG版も発売されている。
  • ブランドのファンからの悲鳴が多かったためか、クソゲーオブザイヤーinエロゲー板にも総評が投稿された。
    • しかし土台はしっかりしており、個別の雑さだけではクソゲーとして弱かったためか選外に終わっている。
  • 予約特典は処女作『よつのは』のメインヒロインのみが攻略対象のミニADV『プロポーズ作戦』。
    • 『幼なじみとの暮らし方』(よつのはのファンディスク)のアフターストーリーなので若干ややこしい。
    • 30分もかからない短さだが、こちらは大きな問題が無くまとまっている。
  • 発売からしばらくして、本作の公式HPのみ繋がらなくなった。
    • 他の作品の公式HPは閲覧可能である。
    • しかし、平成30年10月3日付け官報により、ハイクオソフトが破産手続きをしていることが明らかとなった。

発売延期

  • 2015年10月23日に予約が受け付けられ、2016年2月26日発売予定であった。
    • ところが実際に発売されたのは2017年9月29日となった。
    • しかも、一度に延期期間を延ばすのではなく、何度も何度も少しずつ伸ばしたためたちが悪い。あまりの長さに発売前から呆れや不安を覚えた予約者もいた。
    • しかし、スピンオフ元の『さくらさくら』も非常に延期が多かったがそれに見合う内容だったため、本作も延期した分中身は伴っていると期待するファンも居た。
      • もっともファンディスク『さくらさくらFESTIVAL!』のように延期した上で評判が悪い作品もある。
  • 補足情報としてエロゲ界隈での発売延期は頻繁にある。
    • もちろん悪い風潮だが、昔からいい加減なブランドも目立つ業界なのである。
  • OP曲で「何度も何度も 何度も何度も」という歌詞があるため、延期と合わせてネタにされた。

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最終更新:2022年12月24日 03:37