この項目では『GUITARFREAKS』のアーケード版・プレイステーション版を共に解説しています。
判定はいずれも「
なし
」。
GUITARFREAKS
【ぎたーふりーくす】
概要
『Dance Dance Revolution 2ndMIX』が日本中で大ブームとなった1999年にBEMANIシリーズの第4弾として製作された作品。
ギター演奏をモチーフとしており、従来の音楽ゲームには無かった、実際にある楽器の演奏を体感する要素を強く押し出した作品となっている。
操作方法・ゲームシステム
ゲーム筐体にはテレビモニターの他に、実物のエレキギターとほぼ同じ形状のギター型コントローラが2個(2P分)設置されている。
これには3個の「ネックボタン」と1個の「ピックレバー」がついている。
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ネックボタン
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ボタンが3個(RGB)並んでおり、本物のギターと同じくネックを持つように押さえる。
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基本的に赤に人差し指、緑に中指、青に薬指を押さえるスタイルが一般的。
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ピック
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本物のギターと違い短いレバーとなっており、右手の指を使ってピックレバーを操作する。
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上と下に動かせるが、どちらに動かしても構わない。
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ノーツが判定ラインに来たら、ネックボタンを押さえながらピックを弾く。押さえながらというのがGFのミソであり、ネックボタンは判定ラインのいくら手前で押さえてもミスにはならない。Rが連打で来た場合でも、いちいちRを押し直す必要はなく、Rを押しっぱなしでタイミングを合わせてピックすればいい。
ノーツは2個、3個の同時押しで来る場合がある。例えばR→R+Gという順で来る場合、このルールに則り、1つ目の手前でRを押してピック、そのままRを離さずGを追加で押してピックでOKである。こちらもRを離してR+Gを押し直す必要はない。
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以上の通り、ギター型のコントローラを抱えて、ネックのボタンを押さえながらボディ側のピックレバーをつまびくという、実際のギター演奏と極めて似た形式の操作が最大の特徴である。本当にギターを弾いてるような感覚を味わえる。
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なおコントローラのボタン配置は左右対称なのでレフティ(左利き)プレーも問題なく可能。
ゲームの特徴・評価点
選択可能なモードと収録曲について
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PRACTICE
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このモードではゲームの操作方法や基本ルールが学べる他、1曲お試しでプレーが出来る。
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NORMAL
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GUITARFREAKSのメインモード、初期設定では3曲のプレーが出来る。
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プレー楽曲は入門曲である「CUTIE PIE(ジャンル:MOTOWN)」、「Chicago blues(ジャンル:BLUES)」や「THE ENDLESS SUMMER(ジャンル:OLDIES)」
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特に人気が高かったのは「Happy Man(ジャンル:PUNK)」、コミカルなクリップも相まって幸男という愛称が付けられた。
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人気の高さ故に他機種への移植機会も多く、初出がシリーズ処女作である本作ということも相まって、GFdmシリーズ全体を代表する一曲と位置づけられている。
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EXTRA STAGE(後述)は「HYPNOTICA(ジャンル:DIGI ROCK)」、DDRで一躍有名になったNAOKIがPARANOiAに続くボス曲としてリリース。
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EXPERT
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NORMALから譜面の難易度が上がり、「L.A RIDER(ジャンル:HARD ROCK)」「SHAKE IT UP!!(ジャンル:METAL)」といった激しめの曲が多い。
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渋めの路線ではJimmy Wecklの「JAZZY CAT(ジャンル:JAZZ)」、渡辺篤紀(Atsuki)の「Dry Martini(ジャンル:FUSION)」
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NORMALではEXTRAとして立ちはだかったHYPNOTICAだが、NORMALとは比べ物にならない程難易度が上がっている。
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EXTRA STAGEは「LUCKY? STAFF(ジャンル:PUNK)」、高速BPMに泣かされたプレーヤーも多いはず。
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初代GF限定でスタッフロール(後述)になっているのも評価が高い。
初代GF特有の特徴
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ツインギター
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GF初代~6thMIXまでは2人でプレーすると、1Pと2Pで譜面が変わる仕様になっていた。
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一方でバッキングギターを担当しつつ、もう一方ではギターソロを担当するなど、遊びの要素が強い仕様である。
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シークレットボーナス
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2Pプレー時のみ不可視ノーツが存在しており、弾くとボーナス点が貰える。
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他社の音ゲーではあるが、後の『GROOVE COASTER』にも似たようなシステムが存在している。
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HIGH SPEED EDITION
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曲自体の速さが2倍になる。スクロール速度も倍になる為、ゲームスピード自体が2倍になると考えてよい。
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単純に2倍にした分、曲によっては無茶なシーケンスも降ってくる。
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特にTHE ENDLESS SUMMERのHSEモードでは、現行作で猛威を奮っているIMI(BPM291の16分オルタ)より高速(BPM320の16分オルタ)なオルタ譜面が流れてくる。
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様々な高速オルタ曲が増えた現在でもその暴力的な速さゆえ、当時のオーパーツ的な存在として語り草となっている。
GFdmシリーズ共通の特徴
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イメージクリップ
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プレー画面の中央(『drummania』では画面右側)に流れている映像で、1曲に1つ用意されている。
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基本的に使い回しは殆ど無く、その曲独自のイメージクリップが味わえるのも評価が高い。
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『DMXG2』 / 『V8』で描き下ろしクリップが廃止されるまで、全ての曲に作られた。
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EXTRA STAGE
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1ST STAGE~FINAL STAGEまで好成績を出すと、EXTRA STAGEに進出しEXTRA専用曲がプレーできる。
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『GF4th』ではさらにENCORE STAGEが登場することになる。
オプション
現行機種と違い、当時は「プレースタイル」画面が存在せず、オプションを使うにはコマンド入力が必要。
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FAST FLOW
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譜面のスクロール速度を上げる事ができる。
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ただし、現行作基準の3倍速しか無い為、高ハイスピに慣れた現在のユーザーにとってはタイミングが取りづらいであろう。
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HIDDEN
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譜面の途中からシーケンスが消失する。現在と異なり消失点は固定。
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RANDOM
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シーケンスが小節単位でランダムに変化する。
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例えばRレーンだけ降ってくる譜面では、GレーンやBレーンに降ってくることもある。
その他の評価点
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BEMANI初のシステムBGMのプレイアブル化
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本作のEXTRA STAGE楽曲の「LUCKY? STAFF」はエンディングの楽曲であるが、スタッフロールが存在するムービーと同時に譜面も流れてくるため、実際にプレーが可能。
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本作がリリースされた当時のBEMANI機種における選曲画面やオープニング、エンディングといったシステムBGMは基本的にプレーが不可能な物が多かったのだが、本曲はエンディング曲にもかかわらず実際のプレーも可能という事から、とても珍しく映っていたようだ。
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システムBGMをモチーフにした曲は本作よりも以前に『ポップンミュージック』の「すれちがう二人(ボーナストラック)」が存在していたが、システムBGMと同じものがプレーできるケースはこれが初である。
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以降も多くの機種でオープニングやエンディングBGMのプレイアブル化が行われる様になり、同曲は「システムBGMのプレイアブル化」を確立させた存在と言えよう。
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ビーマニ機種でも最もわかりやすく合理的に簡略化されたインターフェース
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所謂「ホウキでギターを弾く真似事」の延長線でありながら、ギターを弾く気分にさせ、当時の中高生男子の心を鷲掴みにした。
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後の『drummania』や『KEYBOARDMANIA』が真似事からシミュレータの様にリアルに変貌したのを見ても、ゲームとしてのコントローラーの落とし込みは秀逸。
賛否両論点
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収録曲は全てインスト曲。
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本作に収録されている楽曲には全て歌詞の無いインスト楽曲で構成されている。
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本作稼働当時のBEMANI機種の多くでは言語問わずボーカル曲が増加しつつある傾向があり、このためか本作のインストのみの楽曲構成は好みが分かれやすかった。
問題点
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PRACTICEモードでも普通にゲームオーバーになる。
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操作に覚えて慣れる為のモードでありながら、ノルマに失敗すると
問答無用でゲームオーバー
になる。
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例えるならば「リブルラブル」のステージ開始前の練習で宝箱を囲めなかった時点で「お前はこのゲームをやる資格なし」と突き放してゲームオーバーになるようなモンである。
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当作及び、後のギタドラシリーズ各作品ははBEMANIシリーズの中でも判定がかなり厳しめなだけに、これは頂けない...。
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もっとも当時のアーケード音ゲーにはチュートリアルモード自体が皆無だったため、初代『GUITARFREAKS』の時点で実装されていただけでもまだマシなレベルだったのかもしれない。
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収録曲数が少ない。
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本作はシリーズ処女作だけあってか、収録されている楽曲の数も12と少ない。
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曲数だけ見ると初期のBEMANIシリーズにしては許される部類ではある。が、当時のBEMANI機種の多くは続編の稼働によって収録曲数の多さを競い合っていた傾向にあったため、本作の収録曲数の少なさは特に顕著に見られてしまった。
総評
ギタドラの始祖とも言える第一作目でありながら、渋めの楽曲性を持ちつつ、現在にも通用するクオリティは流石BEMANIと言った所であろう。
その後の展開
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本作から5ヶ月後の1999年7月10日には次回作『GUITARFREAKS 2ndMIX』がリリースされた。
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同作では本作に加えて新曲が収録されたことによって、大幅にボリュームがアップした。また、前作でプレーヤーから希望があったボーカル曲も同作でようやく収録されることになった。
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加えて、同日より『drummania』とのセッションにも対応。当時は機種固有楽曲の多さからそれぞれ別の機種として扱われていたが、後に二つで一つの機種に統一されることになる。
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当初は本体のみであったが、後に踏み台ステップとサイドのスピーカーが追加された。
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本作のサントラは存在するが、ゲーム版全曲が2ndのサントラにも収録されている。
しかし「CUTIE PIE (CD Version)」、「L.A. RIDER」と「SHAKE IT UP」のロングバージョンが、他のどのサントラにも再録されていないので上位互換とはなっていない。
GUITARFREAKS (PS)
【ぎたーふりーくす】
ジャンル
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音楽ゲーム
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対応機種
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プレイステーション
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売元
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コナミ
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開発元
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コナミコンピュータエンタテインメントジャパン
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発売日
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1999年7月29日
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定価
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6,980円
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プレー人数
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1人~2人
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セーブデータ
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1ブロック以上使用
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周辺機器
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専用コントローラー付属
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廉価版
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コナミ ザ ベスト 2000年7月19日/オープン価格
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判定
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なし
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ポイント
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専用コントローラの出来はそこそこ EDITモード実装 ACとの連動隠し曲
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概要(PS)
アーケードでギター演奏を体感できるGUITARFREAKSの家庭用初移植作品。
2ndMixからの先行収録曲をはじめ、ACとの連動要素が取り入れられた作品でも合った。
評価点(PS)
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EDITモードの搭載
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家庭用独自の要素として、音色を自由に配置できるEDITモードが挙げられる。
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EDITモードを使いこなすにはある程度の慣れと音感は必要になってくるが、極めればオリジナリティの強いアレンジも作成出来るようになれる。
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また他の曲のメロディーを割り当てて、1つの作品に仕上げている動画もあり、そちらも一見の価値は高い。
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また、当作で作ったEDITデータをゲームセンターに持ち込んで、当時稼働していた『GUITARFREAKS 2ndMIX Link version』でプレーする事も可能だった。
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PS2以降の作品ではカップリング収録によるディスク容量の問題なのか、同モードは収録が見送られている。
問題点(PS)
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隠し曲の解禁条件
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本作では8曲の隠し曲が存在する。うちCS書き下ろし2曲と2ndからの先行収録3曲の計5曲を解禁するためにはアーケードの2ndMIX Link ver.のプレー時に、PS版のデータがあるメモリーカードを通さなければならない。
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現在では2ndMIX Link ver.はおろか、V筐体の設置でさえ大変少なくなっており、メモリーカードを通した解禁方法は全く現実的ではないだろう。
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ただしプレー回数でのタイムリリース解禁も存在するため、致命的な問題点には至らない。
総評(PS)
ギタフリの家庭用初移植作品となった一作は、EDITなどの家庭用独自の要素も取り込み、シリーズとしては好発進の運びとなった。
ACとの連動要素には若干の難はあるが、プレー回数という代替案もある為、問題点としてはそこまて尾を引いている訳ではない。
プレー環境のセッティングが大変な『drummania』と違い、専コンさえあればACに近いプレー環境を味わえるのも、現在でも需要が高い理由の一つになっている。
特にEDITモードは現在にも通用するクオリティで、これはきっかけに作曲に目覚めたアーティストも多いだろう。それだけにPS2版以降では未実装である事が悔やまれる。
とはいえ、現在は次回作の2ndMixに本作収録曲の殆どが再録されているため、本作の存在意義はやや落ちているのは否めないだろう。
その後の展開(PS)
本作発売の翌年の2000年2月24日には次回作の2ndMIXもPSに移植された。
同作は当時の家庭用BEMANIシリーズが得意としていたアペンドディスクとしての発売で、本作をキーディスクとして起動させる必要がある。
もっとも、3rd以降はアペンドディスク制が廃止されたPS2での発売という関係上、本作のキーディスクとしての役割は1回限りで終わったのだが。
最終更新:2024年05月18日 13:28