この項目では、アーケード版・プレイステーション2版(前後期)共に解説します。
AC版は「判定なし」、PS2初期版は
劣化ゲー/シリーズファンから不評
、PS2修正版は
改善
です。
GUITARFREAKS 4thMIX & drummania 3rdMIX
【ぎたーふりーくす ふぉーすみっくす あんど どらむまにあ さーどみっくす】
ジャンル
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音楽ゲーム
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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コナミ
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稼動開始日
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2000年9月8日
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判定
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なし
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ポイント
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ENCOREステージ追加 GFdmで楽曲統一 異常に減りまくるゲージ 渋めの楽曲性 Musicians Roomページ登場 BEMANI初のボーカリスト公募 DAY DREAM爆誕
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GuitarFreaks & DrumManiaシリーズ
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概要
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『GUITARFREAKS & drummania』シリーズ(旧シリーズ)の4&3作品目。
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前作GF3rd&dm2ndでは、「SMOKE ON THE WATER」や「春~spring~」等有名な版権曲が多数追加され、盛り上がりを見せていった。
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その最中リリースされた今作は、新たなシステムや試みによって意欲作へと仕上がった。
特徴
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GFdmでの楽曲統一
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前作まではギタフリではギター専用曲、ドラマニではドラム専用曲、との用にGFdm共通曲とは別に、その機種でしか遊べない「専用曲」も追加されていた。
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今作では全ての新曲がギタフリとドラマニで共通になり、セッションプレー対応になった。
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ただし、この楽曲面の統一に対して『ギター(ドラム)専用曲が追加されなくなる』と危惧されていた事も。
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渋めの楽曲性
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前作は「春~Spring~」や「SUNNY DAY SUNDAY」といったメジャーな邦楽に力を入れていたが、今作は洋楽版権を中心にライセンス曲の収録が行われた。
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どちらかと言うと玄人向けの選曲であり、前作ほどキャッチーな曲は少ないが、
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洋楽からはBON JOVIの「BAD MEDICINE」、Queenの「KILLER QUEEN」、StepenWolfの「BORN TO BE WILD」、
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邦楽版権枠はPUFFYの「愛のしるし」、B'zの「LIAR! LIAR!」、AIKOの「桜の時」、何とSMAPの「ダイナマイト」まで収録された。
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渋めの路線とはいえ、バランスの取れた版権チョイスがなされていたのは評価が高い。
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コナミオリジナルにもその路線は踏襲されており、チュートリアル後の練習曲は「NA-NA-NA」というレゲエスタイルの楽曲、
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「Secrets of your heart」や「YOU ELEVATE ME」等の洋楽ナイズな楽曲も評価が高い。
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勿論キャッチー路線の楽曲も存在し、泉陸奥彦の「RIGHT ON TIME」、妹尾和浩の「I'm gonna get you!」、Paula Terryの「Carnival Day」は当時を代表する楽曲として現在も人気を博している。
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Musicians Roomページの登場
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公式サイトによる音楽情報発信も、このバージョンから初めてとなる。
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担当コンポーザーによる楽曲紹介やAOU2001で行われたライブのレポート、
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現在はKONAMIを離れた桜井敏郎や古川元亮、Jimmy Wecklや小野秀幸の貴重なコラムも読める。
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まだ当時はBEMANIコンポーザーをプッシュするという方向性が無かった為か、作曲者の露出も少なく、曲紹介でもイニシャルのみ記してあった。
評価点
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インターネットランキング(IR)の機能改善
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4th&3rd稼働中はコナミ公式サイト上でインターネットランキングが開催されていた。
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当時は筐体がインターネットにつながっていない為、筐体に表示されるパスワードを公式ランキングに送信する仕組みだった
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前作では最終ステージにクリアした曲しかパスワードが表示されなかったが、最終ステージまでプレーした曲の全てのパスワードが表示されるようになった。
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ENCORE STAGEの初登場
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今作よりEXTRA STAGEで好成績を出すと、さらにもう1曲プレー出来るシステムが追加された。
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GUITAR側は初代(1st)からEXTRAステージが存在していたが、drum側は今作より実装された。
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ちなみにENCORE STAGE楽曲であるDAY DREAMに関しては独自記述があるのでそちらを参照。
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GF筐体にサイドスピーカー増設
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増設前のGF筐体はかなりスリムだったが、これによりさらなる臨場感が生まれた。
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BEMANI初のボーカリスト公募
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当時の新たな試みとして、公式でボーカリストを募集し、当バージョンでインスト音源で収録されたNEWSPAPERのボーカルを担当出来る特典が付けられた。
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公募の結果、一般の女性ボーカリストが勝ち残り、次作にVocal versionとして収録された。
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後のDDRMAXのボーカル公募、現在のSOUND VOLTEXのFLOOR公募にも、募集要素は受け継がれていく。
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ちなみにAC4th&3rdの筐体画面には、楽曲クリップにもボーカリスト募集の告知があった(CS4th&3rdでは無くなっている)
問題点
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異常に減りやすいゲージ
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今作ではゲージの減りが異様に早く、全体を通してクリア難易度が大きく跳ね上がった。
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例を上げると、LIAR! LIAR!(ドラムパート)のイントロのスネア5連打を全てスルーしただけでDANGER状態まで削られるほど厳しい仕様に。
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その反動か、次作のGF5th&dm4thではゲージの減り幅が大幅に甘くなる、という処置が設けられた。
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ギター側の譜面難度が急上昇
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前作(GF3rd)はそれほど突出して難しい譜面は少なかったが、今作のEXTREME+(V以降のEXTREME相応)譜面では前作を大きく突き放す位のインフレが起こった。
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難易度を強引に上げる為か、FLY HIGHやBAD MEDICINE等の楽曲に16分の螺旋階段(RGBGRGB…)といった、音階を無視した無茶配置が多数存在。
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ただ当時はプレーヤーのレベルが今ほど高くなく、EXTREME+も隠しコマンドの入力が必要だった為、あまり積極的に選ばれずそこまで問題視されてなかった。
賛否両論点
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無茶すぎる譜面のDAY DREAM
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今作のENCORE STAGEは前述の通りDAY DREAMだが、その譜面はあまりにも凶悪だった。
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ドラム側は隙間無く降ってくるシンバルの16分連打、ギター側は不均一オルタのギターソロが立ちはだかる。
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当時稼働してた音楽ゲームのボス曲(パワーフォーク2(ポップン4)、DRUNK MONKY(beatmania 4thmix)、PARANOiA Rebirth(DDR3rdmix)等)とは比べ物にならない程の無慈悲さ。
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あまりにも早すぎた登場であったためか、作曲者の泉陸奥彦は「世界に2、3人クリアできる人がいれば良いと思って作りました」とコメントを残している。後に「(難しすぎて)申し訳ない」とも。
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ドラム側は、スティック2本でのフルコンボが確認されたのは初登場からなんと8年後。さらにEXCELLENT達成は12年後。
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ギター側は、フルコンボ達成まで8年、EXCELLENT達成者が出るまで22年かかったことからも常軌を逸した難易度であることが分かる。
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当時のクリップは豪華であり、スタッフロールの演出があった。GF8th&DM7th以降から、新クリップの仕様に変更されている。
総評
DAY DREAMの存在には賛否両論ありつつも、前作と同じく安定した作品に仕上がっている。
黎明期のGFdmシリーズに実装されながら、現在まで受け継がれているEXTRA、ENCOREというシステムは、
楽曲の話題性やプレー難易度的にも、大きなポジショニングを持つ存在へと進化を遂げていった。
その意味では、このバージョンは大きなターニングポイントになったと言えよう。
次作(GF5th&dm4th)では『KEYBOARDMANIA』とのマルチセッション機能、難易度表記の大幅変更など、システム面で更なる転機を迎えることになった。
余談
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増設スピーカーと足場について
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スピーカーの増設パーツは金具1個のみでくっつけられている為に大変不安定。後に対策パーツも出たが「重心が上部、中はほぼがらんどう」なので改造時に「一旦前に出して、備え付けてから元の場所へ」をすると金具が歪む等不安定な物であった。また、増設された踏み台も店によっては全く固定していない所も多かった。
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これはソフトバージョンアップやメンテナンスで意外な頻度でバックドアを開けるのだが、増設スピーカーと踏み台にキャスターがついていない事による店側の事情が大きい。
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大したことのない様に見えるが、PL法施行以降でここまで不安定な設置をしているのは問題であった。大手系列店はガチガチに固定する所が殆どだったが、「スピーカーが倒れた」「踏み台でつまずいた」等多々発生している。
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スピーカーはあっても踏み台が無い所が見られたのは大概がこの「つまずきの事故」によるもの。また、Vシリーズ以降に発売された筐体(通称赤筐体)では足場がオミットされている。
ギタドラ! GUITARFREAKS 4thMIX & drummania 3rdMIX
【ぎたどら ぎたーふりーくす ふぉーすみっくす あんど どらむまにあ さーどみっくす】
ジャンル
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音楽ゲーム
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対応機種
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プレイステーション2
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発売・開発元
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コナミ
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発売日
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2001年9月20日
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定価
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6,800円(税抜)
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判定(交換前)
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劣化ゲー
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シリーズファンから不評
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判定(交換後)
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改善
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ポイント
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無反応等の致命的バグ CSギタドラ凍結の原因 無償交換こそ行われたが… 時既に遅し 質の高いCSオリジナル曲
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GuitarFreaks & DrumManiaシリーズ
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概要(PS2)
前作(GF3rd&dm2nd)に引き続き『GUITARFREAKS & drummania』の家庭用カップリング作品。
キャッチコピーは「ギタドラ」とよんでくれ!!」
今作はCSオリジナル曲を充実させ、AC版にも引けを取らぬボリュームの作品になる筈だったが…
今作は初期出荷分を前期ROM、改善されたバージョンを後期ROMとして便宜的に取り扱う。
前期ROMの問題点(PS2)
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シーケンススクロールの不具合
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ドラムの演奏画面で一定のハイスピード値を超えると、ゲームとして成立しないレベルでスクロールがガタガタになる。
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一応、ギター側のみで本作をプレーすれば、特に問題も無くプレー出来るのだが…
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デバイスの無反応
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接続している専用コントローラーが反応しなくなるバグ。
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レコード機能の不具合
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レコードモードの曲別記録ではハイスコア上位3位まで記録されているが、1位~3位までMAX COMBO数が全て同じになっている。
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不可視ノーツ
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一部の楽曲で見えてないのに、叩かないとミスになるチップが存在している。
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トレーニングモードで確認可能だが、強制片手3連打やバスドラ32分のフラムという無茶な配置もある。
これらバグは発売直後から発覚しており、発覚後程なくしてメーカーとの修正版ROMとの無償交換対応が行われる事になった。(現在は対応終了済)
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ただし中古品としては未修正版が残留している可能性はあるが、こちらもパッケージから判断可能。
前期ROMと後期ROMの見分け方はケース側面の番号に"・"がついているか否か。付いている方が修正済みである。
その他の問題点
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一部の版権曲が未収録
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『桜の時』と『Killer Queen』の2曲。
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その代わりCS3rd&2ndでは収録されなかった『ANARCHY IN THE U.K』が、ギター譜面を追加して収録された。
評価点(PS2)
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電子ドラムの初対応
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前作までは音ゲー用の専用コントローラー、もしくはアナログコントローラーしか感知されなかったが、電子ドラムの対応により、よりACに近い体感を味わうことができる。
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CSオリジナル曲について
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今作ではCSオリジナル曲も多く追加され、家庭用独自の要素として楽しむことが出来る。
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ザ・サーフコースターズによるサーフロック『Happy Easter!!』、電子ドラムが特徴の『Prety G』
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変わりダネとしては、ギターで三味線を演奏しドラムは太鼓と銅鑼を演奏する『風馬天空』、極楽殿とGROOVEYのコラボによるハードコア『JET -G- CREW 絶好調』
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最も評価が高いのが、鈴木健二による『STAR OF MUSE』。CS収録当初から人気が高く、後にACV4に移植されたが、V6で削除された。
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この曲はACではGF/DM共に譜面が変更されており、GF側ではOPEN譜面が追加されている。
開発者のインタビューによると、CSとACでは譜面データの形式が異なることによりそのまま移植できないことが判明したので、新規に作り直したためである。
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当時稼働してたAC5th&4thからも先行収録が行われた。人気が高かったコナミオリジナル曲『Silly Girl』、版権曲からは『MARIONETTE』と『Depend on You』の3曲。
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エンドレスモード
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全曲全譜面プレーした時の隠しモード、ランダムに選ばれる曲をゲージが空になるまで演奏できる。
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当然あの悪名高いDAY DREAMも選ばれるので、それなりのスリルは味わえる。
総評(PS2)
電子ドラムへの対応や数多くのCSオリジナル曲の追加等により、前作から順当な進化を遂げる筈だったが、発売直後に発覚した致命的バグにより地に落ちてしまった一作。
幸い、早期に多くのバグが修正されたROMとの無償交換が行われ評価も回復したのは事実なのだが、初回版でのバグ騒動はユーザー側だけでなく会社側の信用まで地に落としてしまい、
結果、4年間もの長期に渡る家庭用シリーズ凍結を招いてしまった事は否めないだろう。
その後の展開(PS2)
本作以降、家庭用ギタドラは4年後の『GuitarFreaksV & DrumManiaV』で復活するまで間を空けることになる。
余談(PS2)
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本作に収録された家庭用オリジナル楽曲のうち、クリスマスソングのアレンジである『Session X'mas』(ショート版・ロング版の2種類存在)は、後にPS2版『ポップンミュージック10』にて『クリスマスプレゼント / Pop'n Xmas 2004 ~天使ノウタゴエ~』としてショート版の方がボーカルアレンジで収録された。
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家庭用ギタドラ出身曲は数が少ない関係で他のBEMANI機種への移植はあまり行われていないが、本曲の場合はボーカルアレンジされているものの貴重なケースと言える。
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同曲は後に2018年に稼働した通算25作目に当たる『peace』にてAC版ポップンにも移植された。
AC版pop'nでは『12 いろは』で同一ジャンルかつ類似曲の『クリスマスプレゼント / Pop'n Xmas 2004 ~電子ノウタゴエ~』が収録されていたが、今回の移植によって2曲共に一つのバージョンに揃った。
ちなみに、CS曲のうち「初出からAC版ギタドラシリーズへ移植される前に他のAC版BEMANI機種に移植された」という例は本曲だけである。
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キャッチフレーズ『ギタドラ』に関して
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今作のタイトルやキャッチフレーズにも見られていたが、『ギタドラ』という呼称は当時の個人サイトやBBS等のユーザーコミュニティで広まった用語であり、公式にも知れ渡った事もあって今作のコンセプトとして命名された。
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当時の音ゲーとしては珍しい『ユーザースラングの公式化』である。
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その後、この呼称は『GITADORA GuitarFreaks & DrumMania』以降、公式に作品タイトルとして昇格している。
最終更新:2024年04月16日 06:47