ダイナマイト刑事2 カリブの海賊編
【だいなまいとでかつー かりぶのかいぞくへん】
ジャンル
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ノンストップドラマティックアクション
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対応機種
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アーケード(MODEL2)
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販売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼動開始日
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1998年6月27日
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プレイ人数
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1~2人(同時プレイ)
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判定
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バカゲー
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ポイント
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『ダイ・ハード』のゲーム化から脱却 基板末期作ながらも作りこまれた内容 万人でもプレイしやすい適度な難易度 更に進化したゲーム内外のおバカ要素
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ダイナマイト刑事シリーズ ダイナマイト刑事 / 2 カリブの海賊編 / EX アジアンダイナマイト
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概要
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当時既に末期だったシステム基板「MODEL2」で製作された、『ダイナマイト刑事』の続編。開発は前作同様AM1研が担当。
前作の海外版は映画『ダイ・ハード』のゲーム化と扱われたが、今作から海外でもセガオリジナル作品の『DYNAMITE COP』として扱われ、同映画の雰囲気はほぼ無くなった。
グラフィックや動きだけでなく、おバカさも格段に進化し、プレイヤーキャラも前作のブルーノ警部に加え、Navy SEALs隊員2名の計3人から選択可能となった。
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色々な意味で前作よりパワーアップした作品だが、新たに導入されたパワーアップシステムはプレイヤーが異常に強くなるため、難易度はシリーズの中でも易しめ。
ストーリー
2015年12月31日に発生した「エターナルタワー占拠事件」は、SFPDのブルーノ・デリンジャー警部補とシンディ・ホリデイ警部の活躍により無事解決した。
しかし、逮捕されたテロリストのリーダー、ウルフ本郷はアルカトラズ島への移送中に飛行機が予定ルートを外れ、遠く離れたカリブ海の公海上で消息を絶ってしまう。
約半年後の2016年7月、米国大統領の娘を含む2000人の乗客を乗せた新造豪華客船「バミューダ号」が、ウルフ本郷が率いる「カリブの海賊」によりシージャックされた。
カリブの海賊の目的は米政府の脅迫。これを受けた米大統領は海軍特殊部隊SEALs、そして去年の事件の解決者、ブルーノ・デリンジャー警部に人質救出の命を下した…。
特徴
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基本システムは基本的に前作とほぼ同じ。
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1レバー+パンチ、キック、ジャンプの3ボタンの操作形態や、「アクションシーン」と「CAUTIONシーン」、上限を越えてライフを上げられる点もそのまま。
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前作では全ての敵に表示されていた敵側の体力ゲージは、本作ではボス敵のみ表示に変更となった。
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敵自機共にダメージを受け続けるとそのキャラの人影が赤く明滅しだし、体力が少なくなる程明滅が早くなるので、それで大まかな残り体力の把握は可能。
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プレイヤーキャラは前作からシンディが抜け、Navy SEALs隊員のジーン・エディーの2人が追加。1P・2Pを問わず、スタート時に選択可能。
前作では「ステージ毎にプレイヤーの服がボロボロになっていく」演出があったが、今作では単にライフ量により脱げていく方式になっている。
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ブルーノ・デリンジャー警部
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前作から続投したSFPD所属の「Mr.ダイナマイト」。前作での功績により大統領の信頼を得、大統領直々の依頼を受けて今回の事件に特別参加した。
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今作ではバランス型兼武器取り扱いのプロであり、武器の威力や振り回し攻撃の回数が他の2人より多く、パワーアップ時はそれが更に強化される。
前作から殆どの通常技が変わっているが、他の2人よりも良い意味でも悪い意味でも癖が少なく平凡で、エディーに次いで扱いやすいキャラだろう。
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ジーン・アイビー軍曹
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Navy SEALs所属の女性隊員。戦場で信じられるのは自分だけという、ストイックな性格のウクライナ美女。
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スピード型兼組み技のプロで、敵の関節をボキボキとへし折る投げコンボの攻撃回数と威力が他の2人より多い。
但し全体的な攻撃の速度や範囲が遅くて狭く、得意の組み技も殆どは標準体型でガードができない雑魚敵にしか効かない。
総じてゲームクリアには各技の性能・コンボを熟知する事が必要となる、とにかく扱いの難しい上級者向けキャラ。
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エディー・ブラウン伍長
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Navy SEALs所属の黒人隊員。バイであり、今回の事件がSEALs隊員としての初出勤だが、逞しい男ばかりな現場は彼にとって「天国」らしい。
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パワー型兼ムエタイを用いた打撃技のプロ。ジーンとは対照的に攻撃の速度や範囲が速く広いため、ボタン連打だけで敵を倒しやすい。
連続ヒット時の攻撃回数も他の2人より若干多く、パワーアップシステムの存在もあって誰でも簡単・爽快に扱える万能キャラ。
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キャラクター選択後、選択する「MISSION」によって、客船への突入方法やステージ構成が変わる。
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MISSION一覧
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難易度は明記されていないが、AC版攻略本では大まかに2→1→3の順で難しいとされている。 ステージ名は共通で1面が「INVASION」・2面が「INSIDE SHIP」で、3面・4面はMISSION2以外は「ESCAPE」「ISLAND」、MISSION2のみ「HOLD」「ESCAPE」となる。
MISSION名
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突入法
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解説
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MISSION01
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デッキへパラシュート降下
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前作同様、ヘリから降下して屋上デッキからスタートするルート。ステージに初期配置されたアイテム量は並。 ゲーム序盤の難度は低いが、中盤から高くなり、海賊の本拠地である海賊島からはアイテム量も少なくなる。
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MISSION02
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船側面へ小型ボートで接近
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アドバタイズデモにも登場する、3等船室からスタートするルート。ステージに初期配置されたアイテム量は多め。 このルートのみストーリーが「バミューダ号」内で終始展開され、海賊島は一切登場しない。 全体的にボス戦ステージでは高威力の武器が置かれ、「CAUTIONシーン」成功で戦闘回避できる場面も多い。
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MISSION03
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船尾非常口へ潜水で侵入
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船尾非常口からスタートするルート。このルートのみ、最初のアクションシーンはウェットスーツ着用となる。 ステージに初期配置されたアイテム量は少なめで、3面終了後のボーナスシーンも存在せず、全体的に高難度。
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評価点及びおバカな点
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前作から様々な面でとっつきやすく進化したゲーム性。
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前作では敵味方共に移動は上下・横の4方向、攻撃は横の2方向のみだったが、今作で斜めが追加されて全8方向となり、操作性が大幅に改善された。
これによりステージを縦横無尽に移動する事が可能となった他、攻撃時には敵の方向にある程度キャラが向いてくれるため、攻撃も当てやすくなった。
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ステージにはテーブルやベッド等による高低差も追加された。もちろん上って戦う事も可能で、上ってきた敵に触れると無条件で投げ状態になる。
この際、ボタン同時押しでジャンピングパイルドライバーやジャンピングえび反りドライバーを決められるが、威力は低い「魅せ技」である。
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前作より無敵・攻撃判定が長くなった全ボタン同時押しの緊急回避、ジャンプボタン連続押しのクイックステップや武器の投棄等、プレイヤーの基本性能も向上。
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ハンドガンを持って雑魚敵と組んだ際、パンチボタンを押すと「逮捕」し即撃破できる点は前作同様だが、今作ではキックボタンで「アイテム奪い」が可能となった。
これは敵にアイテムを計4回催促できるが、敵がアイテム未所持で首を横に振った後も催促し続けたり、ゲームが進行すると雑魚敵と組んだ直後に逆に金的を受けてしまう。
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前作ではハンドガンのみだった「次エリアに持ち越し可能な武器」もマシンガンと斧が追加、前述の武器の投棄を利用してそれらを温存し、難所で使うという戦法が容易に取れるようになった。
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銃のマガジン(弾倉)もハンドガン用とマシンガン用の2種が存在した前作から1種共用に統一され、アイテム奪いの追加によりマガジン入手の機会、即ち、銃の利便性が大幅に増えた。
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プレイヤーが強化された一方で、敵の性能は僅かに弱体化された。
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雑魚敵の素手攻撃の威力や、強力なコンボ攻撃を行う頻度が若干下がった他、プレイヤーの攻撃をガードする敵はボスのみとなった。
一応中ボス的存在としてマシンガンや剣を2丁固定武装した敵が追加されたが、一部の特殊行動パターンと武器攻撃以外は、雑魚敵に毛が生えたレベルの強さである。
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全ての敵でコンボを決めたり、武器を投げつけると一定確率で気絶するようになった。これは倒れ・立ち両方で発生し、その間は無防備となる。
この際に前者は足を持つ事で敵を武器として使用でき、後者は触れる事で投げ状態となり、その間はご丁寧な事に画面下のアイテム欄に敵の名前が表示されるおバカ要素も。
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回復アイテムも様々な面で進化。
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今作では武装した雑魚敵やボスを倒すとほぼ確実に出るようになり、前作では非常に少なかった回復量も常識的なレベルにまで増加している。
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大塚製薬の飲料類と食べ物が乗った皿が追加され、後者はキックボタンで食べて回復・パンチボタンで食べ物(と皿)を投げつけて攻撃できる。
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エリア上の敵を全滅させるとすぐに場面が切り替わった前作と異なり、全滅後もアイテムがしばらく残るようになり、落ち着いて回収可能となっている。
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プレイヤーキャラが強化されるパワーアップシステムやスコアシステムが追加された。
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敵を倒した際に出たり、一部ステージに置かれている赤い「P」アイテムを5つ取得するか、稀に出る緑の「S」アイテムを1つ取得する事で自動発動される。
パワーアップ中の30秒間は全攻撃の威力や攻撃回数が強化される他、特定ボタンの組み合わせで各キャラクターの得意技を更に強化した必殺技も使用できる。
弱い雑魚敵ならばボタン連打のコンボ1セットだけで倒せ、ガードを持つボスも途中でガードを破れる可能性もあるため、プレイヤーは爽快に大暴れできる。
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スコアシステムはランキングがなく、ハイスコアのみ記録される方式と地味ではあるが、やりこみ要素としては十分。
敵の攻撃を受けるとスコアが減り、「逮捕」では撃破スコアも入らないため、如何にダメージを受けずにアイテムを拾い、敵に余分な攻撃を叩き込めるかがカギになる。
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前作から引き続き登場しているおバカな演出は今作で更にパワーアップ、いい意味で悪化した。
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前作の「『ダイ・ハード』のゲーム化」という扱いから外れたお陰か、前作よりブッ飛んだデザインや設定が増えた。
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新プレイヤーの2人はどれも裏設定が強烈。ジーンは殆どの情報は極秘扱いとされておきながら、幼少から世界の特殊部隊を渡り歩き、
本名は「マリ・ストリチナヤ」で趣味は日本のアニメ鑑賞・両親は米・オーガスタでレストラン経営…と結構な情報が紹介されており、
外見が明らかにエディ・マーフィーなエディーは、その殆どの設定も同氏が主演した映画のパロディでありながら、
その声とモーションのせいで開発中にスタッフからバイ認定され、「新宿2丁目の盗塁王・英雄」という別称もつけられてしまっている。
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更に敵キャラは雑魚・ボス含め全員が「テロリスト」や「海賊」の一言では片付けられないレベルでド派手&おバカなデザインや設定がなされ、
ゲーム後半に登場する骸骨風のボディペイントが特徴の「古代バミューダ族」は、地面に倒れると秘術によって一定確率で分裂するという非人間ぶりをみせる。
生き物コスプレの○○男が4種類もいたり、1面の海賊夫妻と2面の料理人とボスの半分が肥満体で、3面ボスに至っては巨大ダコと人間ですらない。
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終盤のあるボスは騙し討ちを仕掛けた後に戦闘になるのだが、ボスが台詞を喋り終わる前にこちらが動けるようになり、無防備のボスに先制攻撃できる。
相手は悪党なので遠慮する必要は全くない。
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プレイヤーが使える武器も、おバカな方向でますます豊富になった。
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同社の汎用筐体であるブラストシティや、小便器、冷凍食材、マネキン、テーブル等様々なジャンルから追加されている。
今作では何故か電化製品の殆どが爆発物扱いされている。もちろんブラストシティ筐体や炊飯器まで。…中に火薬でも仕込まれているのだろうか。
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更に、対艦用ハープーンミサイルが何故か丸出しで落ちている。拾って発射するとキノコ雲が発生する大爆発を起こし、敵を大きく吹っ飛ばす。
だがやはり敵も味方もライフさえ残っていれば普通に立ち上がってくる。ミサイルとはそういうものでは無い筈だが…
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シリーズの特徴のおバカな点は、当然ながら3作目の『ダイナマイト刑事EX アジアンダイナマイト』にも引き継がれており、そちらでも更に悪化している他、
今シリーズと同じAM1研開発の『THE HOUSE OF THE DEAD』シリーズの番外編『ゾンビリベンジ』にも(毒島的な意味で)存在。
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音楽や効果音の製作にはHoward Drossin氏が前作から続投。ゲームの雰囲気に合わせた、派手なアクション映画風の作りとなっている。
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全ルートの第2シーンで流れる「Poop Deck Pursuit」は今作のメインBGMとも言え、海外版『PROJECT X ZONE』ではブルーノのテーマ曲として扱われている。
コイン投入時や「CAUTIONシーン」での効果音、ウルフ本郷のテーマ曲と、前作経験者ならばニヤリとするアレンジ要素も多数。
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おバカ要素代表の金的時の効果音も、今作では鳩時計風の音と共に被害者が男女毎に異なる情けない悲鳴を上げるものに地味に進化している。
問題点
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今作では3人の技がはっきりと区別され、キャラによって使い勝手が大分違うのだが、それ故のキャラ格差が激しい。
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はっきり言って、エディーが飛び抜けて強すぎる。特にコンボの蹴り技の火力が高く、ダウンを簡単に奪えるために状況を有利にでき、回し蹴り系統の技も多いため、少し軸がズレていても当てやすい点も拍車をかけている。
ブルーノはエディー程ではないものの使いやすく、前作と同じ感覚で技を出せる部分も多いため、クリアはそこまで難しくない。残ったジーンの使い勝手は間違いなくワーストである。
具体的にはリーチが短めな上に直線的な技が多く、見た目は非常に爽快な組み技コンボも、ボスキャラクターに掛ける事が出来ない他、実際の威力は3人中最低。そのため、他の2人でクリアできても彼女ではクリアできない、というプレイヤーは多い。
総評
高難度でウケが悪かった前作とは打って変わって爽快さを重視した低難度と、更にド派手で変テコに進化したおバカ要素の組み合わせは、とりあえずプレイするだけでも楽しく、このジャンルが苦手な人にもお勧めできる。
公式サイトのおバカっぷりも相まって、今作はライトユーザー層にも一定の人気を博し、当時の最新基板使用の他ゲームにも負けぬ高評価を受けたが、一部のコアな刑事ファンには難易度低下にそっぽを向かれたようだ。
余談
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ゲームプレイには直接影響しないタイムリリース要素があった。
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MODEL2基板の稼働時間計測機能により、ゲームオーバー時に表示される下記公式サイトの隠しページ「ぱすわーどの小部屋」閲覧に必要なパスワードの公開と、
「アイテム奪い」やステージ中のスロットマシーンで当たりを出した際に出る、隠し回復アイテムの種類が増加していくようになっていた。
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パスワードは基本的に1週間分で切り替わり、回復アイテムは基本的に100時間毎に追加されていく方式で、全解禁には何と5000時間稼働する必要が有った。
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追加される隠し回復アイテム一覧
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これらの回復アイテムの半分程は食料ではないが、取得すると中型ライフと同程度にライフが回復する。一部解説はAC版公式攻略本から引用。
アイテム名
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解禁時間
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解説
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ボタン
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100時間
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本来は服に付いている筈の黒いボタン。
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チョコレート
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200時間
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黒い板チョコ。「オンラインコミックによると刑事の世界ではハーシー製が人気」らしい。
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カイチュウドケイ
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300時間
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シンプルな白い懐中時計。「残念ながら花組の奴ではない」らしい。
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アマイクッキー
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400時間
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よくあるシンプルな茶色いクッキー。「強いて言えば某M社の奴に似ている」らしい。
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サイコロ
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500時間
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大きなサイコロ。
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フロッピーディスク
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600時間
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黒いフロッピーディスク。「2016年の時代設定なので、大容量に違いない」らしい。
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ホットドッグ
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700時間
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マスタードがかかったホットドッグ。
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アイスクリーム
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800時間
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コーンに乗った白いアイスクリーム。一見ジェラートにも見える。
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シンビーノ ジャワティストレート
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900時間
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一部ステージに置かれているものと同一。
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クルマノカギ
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1000時間
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黒い持ち手の鍵。
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オウショウ
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1100時間
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将棋の「王将」そのもの。「何故これが有るのかは刑事2の7不思議の1つ」らしい。
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オオキナオニギリ
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1200時間
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読んで字の如く、非常に大きなおにぎり。
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オロナミンCドリンク
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1300時間
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一部ステージに置かれているものと同一。
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キャンディー
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1400時間
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白い下地に、ピンクの渦巻きが入った丸型のキャンディー。
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ケイタイデンワ
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1500時間
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細長の黒いPHS。「米製で、衛星軌道が少し狂っただけで使えなくなる」らしい。
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ポカリスエット
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1700時間
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一部ステージに置かれているものと同一。
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ギンノスプーン
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1900時間
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銀色の食器。「某社の腕時計ではない」らしい。
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トランプ
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2200時間
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黒のスペードのエースが書かれている。
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ビデオテープ
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2600時間
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「内容は秘密。開発者が女装しているビデオではない」らしい。
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ウデドケイ
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3000時間
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黒いベルトに白い盤面の腕時計。
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タマゴゲーム
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4000時間
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明らかに白の初代「たまごっち」。「ドリームキャストのビジュアルメモリではない」らしい。
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セガサターンパッド
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5000時間
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俗に言う「白サターン」のコントローラー。 「2016年にサターンがあるかより、これが出るまで刑事2が稼働してるか不安」だったとか。
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本シリーズを語る上で外せない、おバカ・おふざけ要素全開の公式サイトも進化。
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前作から引き続き、一部開発及び販売スタッフによる「挺身過激団・爆組」が製作したため、相変わらず殆どのページでおバカネタ・伏字ネタ・身内ネタだらけだった。
トップページだけでも、デザインが『バイオハザード2』のパロディで、AM1研開発のAC野球ゲームのジョークページがあったり、タイトルロゴ中の「K」をクリックすると『北へ。』へ飛ぶ…等とネタだらけ。
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やはりここでは説明しきれないので、具体的にはアーカイブ保存された公式サイトや「ぱすわーどの小部屋」のまとめを参照してほしい。極一部は閲覧不可だが、それでも如何にブッ飛んでいるかが分かるはず。
ダイナマイト刑事2
【だいなまいとでかつー】
ジャンル
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アクション
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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ドリームキャスト
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メディア
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GD-ROM 1枚
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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発売日
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1999年5月27日
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定価
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5,800円
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プレイ人数
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1~2人(同時プレイ)
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レーティング
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セガ審査:全年齢推奨
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周辺機器
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VGA、アーケードスティック対応
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判定
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バカゲー
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ポイント
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充実したオマケ要素も、AC版から削除された要素も…
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概要(移植版)
アーケード版稼働の翌年である1999年5月27日にドリームキャストに『ダイナマイト刑事2』として移植された。
評価点(移植版)
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AC版以上の性能を持つハード性能やGD-ROMの大容量を生かした半透明描写やプリレンダムービー、充実したオマケ要素が追加。
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通常モードの「カリブの海賊編」の他、超高難易度モード「激闘編」や、「百人組み手」「対戦刑事」「TONY画伯 イラストギャラリー」「オンラインコミック閲覧」が追加された。
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おまけとして懐かしのゲーム『トランキライザーガン』を収録。最初はプレイ不可だが、「カリブの海賊編」をクリアしていくとクレジットが増える。
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前作同様、音関連もリメイクされて収録。相変わらず音楽のクオリティは15年以上経った現在でも堪えられる程に豪華。今作では一部効果音も新規のものに差し替えられている。
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DLCの「刑事の素」も追加。認証させると全モードで隠しキャラが選択可能となる他、「スタンガン」等の武器数種、「イラストギャラリー」で更なるイラストが閲覧可能となる。
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隠しキャラ一覧
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これらの隠しキャラの性能や声はベースキャラと同じで、ダメージによる脱衣も存在しない。
キャラ名
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ベースキャラ
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解説
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ブルーノ・デリンジャー警部補
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ブルーノ
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前作1面での青いジャケットを着たブルーノを再現。但し顔つきは『2』のものなので、少々違和感があるか。
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シンディ・ホリデイ警部
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ジーン
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前作1面での白/赤ジャケットを着たシンディが復活。但し性能はジーンなので、攻略には苦労するだろう。
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サル
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エディー
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今作のエンディングやコミックにてブルーノが飼っている小型サルがまさかの人間サイズになって登場。
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賛否両論点(移植版)
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DC版専用の演出やモードが追加された一方で、AC版に存在した一部要素が削除されている。
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各ステージ開始時のステージ名紹介とワイヤーフレーム風の現在地表記の演出が削除され、カットシーン後直ぐにステージが始まるようになった。
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舞台の豪華客船は屋内が多いため、特にDC版が初プレイのプレイヤーにとっては、自分達が船内をどう移動して何処で戦っているのかが分かり難くなっている。
シリーズファンからしてみれば、AC版の演出は前作での演出に準じたものだっただけに、「シリーズ伝統の描写」が無くなった事になり、少々不評を買った。
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敵味方共に、AC版から省略された演出やモーションがあり、プレイ感覚が異なる部分がある。
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通常攻撃以外の攻撃・被弾エフェクトや、壁際に関するモーションが軒並み削除・統一されている。
前者は被弾した際の出血・刺さった矢が暫く残る演出やジーンの投げ技の関節部にスパークが走る演出が削除され、何れも「オレンジ色のスパーク発生」に統一。
後者は壁際で銃撃された際に壁に打ち付けられる演出と、敵を壁際に振った際に敵が壁にハマり、ハマった頭を引き抜こうと四苦八苦する演出が削除されている。
一部演出は当時の残虐表現問題に引っかかりそうでもあり、それに関する自主規制・変更とも受け取れるため、まさに賛否両論と言えるかもしれない。
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キャラクターの人影が低ライフでは赤く明滅し、パワーアップ時には数色に明滅する演出が削除されている。
雑魚敵のライフが表示されなくなった今作では、前者は一定の目安として非常に重宝していたのだが、DC版ではそれが不可能。
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一部武器やタイムリリースアイテムが削除され、大塚製薬の飲料類も差し替えられている。
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具体的には「ぶんまわす武器」である「ナツカシイデンワ」「イカリ」「アイロン」が何故か削除され、
大塚製薬の飲料類は兎も角、タイムリリースで追加された「アイテム奪い」やスロットの当たりで出る回復アイテムも軒並み削除されている。
AC版での上記武器の使い勝手は微妙で、後者はプレイ自体に関わるものですらなかったが、ACゲームの移植という観点では問題点である。
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DC版ベースの続編である『EX』でもこれらの演出は復活せず、シリーズファンから不評を買う事になった。
問題点(移植版)
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MISSION1以外はコンティニュー制限がある。
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それぞれ通常モードのMISSION2が5回、MISSION3が3回まで、「激闘編」では何れのルートもコンティニュー不可。1人プレイは勿論、2人プレイでは相当な足かせとなってしまう。
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しかも前作とは異なり、おまけゲームをプレイしても本編のクレジットは増えず、逆に本編の各ルートを初クリアすると、おまけゲームのクレジットが増える。
前作のシステムもただ本編をプレイしたいプレイヤーにとっては面倒だったが、今作のこの仕様はそれ以上の問題点である。
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イラストギャラリーのイラスト解禁が非常に面倒。
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イラスト解禁には「ステージの特定地点を攻撃してイラストを見つけ、更にパンチボタンで回収」という手順を踏む必要が有るのだが、肝心のイラストは目に見えず、
捜索法はコントローラーに装着されたビジュアルメモリ音だけが頼りで、「敵を全滅させないようステージを虱潰しに回り、VM音が鳴った周辺をこれまた虱潰しに攻撃し続ける」という作業に陥る。
普通にプレイする分にはVM音が鬱陶しくなりがちで、オプションでオフにする機能もあるのだが、イラストの捜索はVM音以外のヒント機能が無いため、結局はオンにしてのプレイとなりやすい。
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更に一部のイラスト解禁に至っては「刑事の素」が必須で、2017年現在では解禁はほぼ不可能と言って等しい。
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「刑事の素」を使用しないと一部隠し要素が楽しめない。
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上記にも記述しているが、隠しキャラ及び一部のイラスト解禁には公式サイトと体験版に収録されていたDLC「刑事の素」が必須。
当然ながら公式サイトはとっくの昔に閉鎖され、もう一つの体験版ディスクも非常にレア物となっているため、2017年現在ではこれらの隠し要素の解禁はほぼ不可能と言って等しい。
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一応、セーブデータ配信サイトで「刑事の素」を収録したデータが配信されてはいるようだが、現在のパソコンではDCのセーブデータ移植はほぼ不可能である。
総評(移植版)
前作に引き続き全力で斜め上に突っ走った追加モードやオマケ要素があり充実した作品に仕上がった。しかしAC版で一部要素が削除されたりするなど、無視できない点もある。
それでもなお、一部のコアな刑事ファンには愛されている証なのだろう。興味があれば、ぜひプレイしていただきたい。
最終更新:2024年08月18日 10:18