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Takedown:Red Sabre

【ていくだうん れっどさーべる】

ジャンル FPS
対応機種 Windows(Steam)
Xbox 360
メディア ダウンロード専売
発売元 505 Games
開発元 Serellan
発売日 【Win】2013年9月20日
【360】2014年2月21日
定価 【360】1,543円(税込)
【Win(Steam)】498円
レーティング CERO:D(17歳以上対象)
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 2014年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
自称「リアルでハードコアなFPS」
完成したのは不自然で理不尽なFPSだった
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

自称「リアルでハードコアなFPS」。
プレイヤーは民間軍事会社「RedSabre」の一員となり、テロリストに占拠された施設に潜入。爆弾解除や人質の救出を行うという設定。

入り組んだ屋内での戦闘を中心としたFPSで、基本的なデザインはいわゆるタクティカルシューター。
プレイヤー+NPC3人で分隊を組み、いくつかの目標をクリアしたのち回収地点に到達すればステージクリア、というのが基本的なミッションの流れになる。

特徴

  • ゲームモード
    • ミッション
      • 一般的なFPSにおける「キャンペーン」に相当する。ステージごとに設定されたミッションをこなすモード。
      • 解放や順番は無いし、特にストーリー要素も無い。最初から全ステージが遊べる。
      • このモードのみ3人の味方NPCがついてくる。以下の2つは1人でプレイしなければならない。
    • 爆弾解除
      • ステージ内に3カ所設置された爆弾を探し出し解除するモード。
    • 敵殲滅
      • ステージ内の敵を全滅させるモード。
  • オンラインモード
    • 協力モードと対戦モードの2つがある。マップはゲーム中のものと同じ。
      • 協力モードでは6人までのプレイヤーでチームを組みミッションに挑める。NPCは連れて行けない。
      • 対戦モードには12人までが参加できる。3チームに分かれてのチームデスマッチか、2チームでの爆弾防衛。
  • カスタマイズ要素
    • 兵科は「リーコン」「アサルト」「ブリーチ」「スナイパー」の4つ。
      • 兵科ごとに初期設定の装備が違う。カスタマイズすれば差は無くなる。
      • カスタマイズできる要素はメインウエポンとサブウエポン、それぞれのアクセサリと弾薬、装甲の重中軽、ガジェット2つ、パッチの国籍。

問題点

ゲームコンセプトとゲームシステムの不一致

  • このゲームの基本的なコンセプトは、「閉所で索敵と作戦立案を的確に行い、能動的に有利な状況を作り出して敵を排除する」というもの。
    • 開発者によれば初代『レインボーシックス』*1に強く影響を受けたという。
  • こういったゲームでは索敵が非常に重要であるため、身を危険に晒さず偵察できる「ドローン」や壁越しに情報を得られる「ファイバースコープ」「赤外線カメラ」といったハイテク機器が登場することが多い。
    • …が、このゲームには一切無い。
  • また、状況を正確に把握するため、建物見取り図が表示できたり、発見した敵にマークがつけられたり、音の情報に非常にこだわっていることも多い。
    • …が、このゲームには一切無い。
      • 一応ミッション開始前のムービーで表示はされるのだが、演出レベルの時間しか見られない上、階ごとの情報は分からない。
  • 作戦立案という面では、味方NPCに「待機」「移動場所の指示」「突入口の指定」「攻撃条件の設定」などの詳細な指示が出来ることが多い。
    • このゲームでは「全員ついてこい」「全員ここで待て」しか無い。
  • こういった無い無い尽くしの状況で、前述の『レインボーシックス』から引き継いだシビアさをカバーする要素の無い、ただただ理不尽なゲームとなってしまっている。

プレイヤーキャラの問題点

  • リアル志向にしても非常に脆い。
    • HPが設定されているが、 2-3発程度で死ぬ。回復手段も無いため撃ち合いになるとリスクが非常に高い。
    • 「高いところから飛び降りると死ぬ」という触れ込みだったが、実際は2階から飛び降りると死ぬ。これではスペランカーである。
  • 挙動に不自然な点が多い
    • スプリント中にマウス感度が落ちる挙動が発生したりしなかったりする。
    • スプリント中にリロードや武器の切り替えを行うと、その場では無反応だがスプリントが終わった瞬間リロードや切り替えを行う。キャンセル不可。
    • ホイールを回して武器の切り替えを行うと、1クリックしか回していないのに2枠以上切り替わったり、グルグル回しているのに1枠しか切り替えなかったりする。
    • スプリント中に射撃ボタンを押しっぱなしにし、スプリントのみ終了すると即射撃を開始するが、銃が射撃位置に入る間も弾が真正面から出ることがある。
  • アクションが非常に少ない。
    • 銃を撃つ、しゃがむといったFPSとして最低限のアクションしか無い。変わったアクションといえばせいぜいリーン程度だが、これも後述する問題点がある。
      • プローン(伏せ撃ち、匍匐前進)すらない。必要性も無いが…。
  • 実装されているアクションも不自然で使い勝手が悪い。
    • 壁に近づきすぎると銃を下ろす。
      • 発砲はもちろんエイムも不可能なので極めて鬱陶しい。室内戦が多く、狭い場所で遮蔽物を利用して戦うのでなおさら。
      • リアルな描写だと言えばそうかもしれないが、リアルではそもそも銃を下ろさなければならないほど壁に近づかない。
    • リロード、武器の持ち替えが極めて遅い。本当に特殊部隊か?
      • 一部のメインウエポンは武器持ち替えよりリロードの方が速い。なんのためのサブウエポンなのか。
      • 残弾ありのリロードと残弾なしのリロードの区別がない。残弾なしからリロードしても31発撃てる。
      • なぜかマガジン満タンの状態からもリロードできる。
      • 総所持弾数は表示されず、マガジン数で表示されるが、実際はマガジン単位で残弾を管理しているわけではない。残り弾数が把握しにくいだけ。
    • 足がかなり遅い。一番足が速い軽装甲設定でダッシュしても、他のゲームの歩行レベル。重装だと更に遅くなる。
      • Shiftキーのみのダッシュでは銃を構えたままの鈍足ダッシュだが、Ctrlで銃を下ろした速いダッシュができる。こちらはやや遅いかな程度の速度。Ctrlキーがダッシュに絡む類を見ないゲーム。
      • もっとも、本作においてダッシュをしようものなら即座に蜂の巣なので、どのみち超慎重に索敵をする牛歩戦術をとらざるを得ず、テンポがとても悪い。
    • 通常状態からスコープに移行する際、スコープの視界にズームインする演出が入る。
      • この演出自体はよくあるものだが、ズームイン完了に要する時間が長い。ただでさえエイムの速さが要求されるゲーム性なので非常に苛立たしい。
      • 倍率の入るスコープはスコープ外の視界が暗転する。周囲の確認が非常にしづらい。
    • 反動の発生が非常に早い。
      • 着弾の確認が困難。特に倍率入りのスコープを使用している場合顕著。
    • 前述したリーン(体を左右に傾け遮蔽物越しに覗き込むアクション)は視点変化が非常に小さく、ほとんど意味が無い。
      • 適当な筒を覗き込み、首だけを45度傾けてみて欲しい。大体そのくらいの変化である。
      • リーンしたまま動くことが出来ない。このため曲がり角に身を隠して狙撃したい場合には
        スコープ→リーン→見えない→スコープ解除→ちょっと右(左)に移動→スコープ→リーン→……
        という繰り返しの調整作業を強いられる。
        前述のスコープ演出や壁際で銃を下ろす問題なども平行して発生し、壁際の攻防が機能しないレベルで不便。
      • さらにグラフィック上では銃を構えて伸脚運動をするようなポーズをする。しかも 膝が体側より前に出る ため、このはみ出した膝を狙い撃ちできる。*2

味方キャラの問題点

  • 一応自律して索敵・応戦をするはずなのだが、AIがアホ。
    • 隊形を組む、遮蔽物を利用するといった行動パターンは一切設定されておらず、のこのこと一列でついてくるだけ。
      • すると、HPが低く撃ち合い不利のバランスから、ゲームの流れとしては
        「遮蔽物を利用して索敵→ステルスで処理→次の遮蔽物へ移動→索敵……」
        というものになる。後ろからついてくるだけの味方に出番が全くない。
    • モデル同士が干渉するにもかかわらず、道も狭くどいてもくれないため、後退するときは邪魔で仕方がない。
    • プレイヤーの追跡すら満足にできず、プレイヤーと違うルートで追ってきたり、詰まっていたりすることも多々ある。
      • 挙句に変なルートを辿ってプレイヤーの前に出てくることもある。こうなると判断の余裕が無いゲーム性もあり誤射の可能性が非常に高い。
    • プレイヤーが遮蔽物に隠れていても味方は棒立ちで、いつの間にかスナイパーや深追いしないタイプの敵に殺されていることも多い。
    • 前述したように、指示内容が「全員ついてこい」「全員待て」しかない。
      • 種類の少なさは勿論のこと、「お前はここに行け」「待機しろ」といった個別指示が無いのも問題で、複数箇所から同時に突入したり爆弾解除をさせながら護衛を担当するということができない。
    • 何と 救出した人質を撃ち殺す という裏切り行為までやらかす。当然ながらゲームオーバー。これがリアルさを表現する演出だとでも言うのか?
      • この不具合の原因は不明。解放された人質のオブジェクトがそのまま残っているので、近くに敵が現れた際に撃った弾が人質に当たってしまったのか、解放後の人質をAIが敵と誤認して撃ったかなどが考えられる。いずれにせよ回避する手段はほとんどない。*3
  • 残機として
    • ミッションモードでは、味方NPCは残機でもある。つまり、プレイヤーキャラが死ぬと他のNPCがプレイヤーキャラとなってゲームが続行される。
      • 結果、死ぬたびにプレイヤーの兵科が変更されることになる。装備も完全に変わるため残機として非常に使いにくい。
      • デフォルト装備を変更してもなぜかNPCの装備が変更されないため、この問題はついて回る。
    • AIが非常にアホなので、プレイヤーの死亡演出から他の隊員として復活するまでの間棒立ちしている。
      • NPCは列になっているので、プレイヤーキャラになった瞬間さっき殺された敵にまた殺されるという状況が多発する。特にドアを開けた瞬間の遭遇戦で多い。
    • これらの理由から、味方NPCは初期地点に待機させたままリスポーン地点として利用するのが最適解となっている。同行する味方としての価値は一切無いと言っていい。部隊とは一体…。
  • 分隊メンバーの名前は「ALPHA」「BETA」「CHARLIE」なのだが、なぜかALPHA→スナイパー、BETA→アサルト、CHARLIE→リーコン。
    • プレイヤー死亡時はリーコン→アサルト→スナイパーの順でバトンタッチしていくのに、なぜ順がちぐはぐなのだろうか?
    • というか普通に「RECON」「ASSURT」「SNIPER」と兵科を書いてくれた方がはるかに分かりやすかった。
      • この情報を活用するのは特定のNPCだけ出撃させない時であり、そんな機会はほぼ皆無*4なので問題はないが……

敵キャラの問題点

  • 尋常で無く強い。
    • 索敵範囲・エイム精度に限界が無いらしく、とんでもない距離から頭をブチ抜いてくる。
      • キルカメラがないため、誰にどう殺されたのか分からない。特に狙撃で殺された場合は理不尽感が強く、オープンスペースのあるマップでは死に覚えすら困難という有様。
      • 薬品棚の瓶、ひび割れたガラス、階段の踏み板や手すりといった射線や視界を妨害するオブジェクトを物ともせず当ててくる。
      • 稀に壁を貫通して撃ってくる超能力者もいる。おそらく判定の無い壁があるのだが、見た目には分からないので回避も反撃も不可能。
    • エイム速度、反射神経も強烈。
      • エイム速度に手心は一切無い。警戒状態では初弾から正確に捉えてくるため、撃ち合いはリスクが非常に高い。
      • 一度警戒状態に入ると反射神経も鬼。ドア横などに立てこもり、いわゆる「角待ち」「決め撃ち」をCPUの反射速度でやってくる。
      • このように非常に強い警戒状態の敵への解法は、「別ルートをとる」「手首、膝などのはみ出し部分を撃つ」 「撃ちながら覗き込む」 などになる。リアルとは一体。
      • 「角待ち対策ならグレネードはどうか?」と思うだろうが、本作のCPUはグレネードを見るやそそくさと逃げていくのでほとんど効かない。*5
    • 当たり判定が不可解で、 間違いなく撃ち込んでいると思われるのに死なない、反応もしないケースが多々ある。
  • 一方でAIがアホなのは味方と変わらず、知覚や行動パターンに問題がある。
    • 銃声には反応するものの、追っては来ない。誘導・待ち伏せ戦法が不可能。
    • 手首や膝が遮蔽物からはみ出していることが多々ある。銃身ならまだしも当たり判定がある部分が出ているのは……
    • 反応の基準が不可解で、一歩にじり寄っただけで振り返るエリート兵士も居るが、真後ろについて歩いても反応しないポンコツもいる。
      • 銃声には反応して警戒状態に入るが、音が聞こえなければ目の前の味方が倒れても無反応。もちろん着弾にも反応しない。
    • 他、わざわざこちらに走り寄ってくる敵、逆になぜか逃げ出してから振り向いて撃ってくる敵、遮蔽物を探しているのか壁際に頭をこすりつけている敵などよく分からない動きをする敵も多い。
  • つまるところ、 遠距離は鬼エイム、出会い頭に決め撃ち、不利ポジションに誘導できるほど賢くもなく、ルーチンの裏をかけるほどアホでもない 、というひたすら厄介な敵になってしまっている。

その他の問題点

  • 多数のバグ
    • ミッション目標の爆弾が出現しない 武器を下ろしたまま発砲不能になる 人質に絡むと高確率でクラッシュする といった致命的なバグが多数存在する。
      • 他、敵の声のみすべて左側から再生される、ポーズ画面が維持されない、特定のドアが開いているとミッション目標にインタラクトできない、など意味不明な現象が多々発生する。
      • バグの多くは再現性が低く、再インストールの度に新たなバグが現れたり消えたりする。ファン(?)曰く「 個体差がある 」。
      • プレイヤー有利のバグがほとんど存在しないのも厳しいポイント。
  • ガジェット関連
    • ガジェット使用時は、他作品で一般的なG投擲などではなく、武器持ち替えを要するためやたら時間がかかる。
    • グレネードの投擲はまさかのチャージ式
      • ショットボタンを押しっぱなしにしてゲージを溜め、溜まり具合によって投擲力が変わるという謎の仕様。しかもチャージ速度は遅い。
      • 投擲力が極端で、ノーチャージだとほぼその場に落ちるし、フルチャージだとエイム線よりかなり上に投げるのでコントロールが困難。
      • グレネードの爆発カウントダウンがチャージ開始時から始まるので、爆発寸前のグレネードを足元に転がすなどのコントロールが不可能。
      • グレネードの発生地点がキャラクターより僅かに前方らしく、壁などに密着すると壁を貫通してグレネードを投げ込める。
    • ブリーチングチャージはドアしか破壊できずほぼ無意味。
    • フラッシュライトの光に射程がある。照らしている先から影が駆け寄ってくるという奇妙な光景が拝める。
  • 音関連
    • 音の方向の表現がつたなく、情報として非常に頼りない。
      • 音量が段階的に変化する。ある瞬間いきなり足音が変化するので心臓に悪い。
    • 足音が出る基準も不可解で、おなじような床面・動作なのに鳴ったり鳴らなかったり、音質が違ったりする。
      • プレイヤーが足音を抑えるためしゃがんでいても、味方AIは突っ立ってカンカン音を立てながらついてくる。
    • ボイス情報が全く頼りにならない。
      • 敵ボイスと味方ボイスの区別がつかない。敵は興奮気味のトーンで、味方ボイスは4パターン程度しかないので慣れれば判別できるが……
      • 「eyes on tango(敵を発見)」「firing(射撃中)」などと味方が喋るが、発見報告だけで位置を教えてくれるわけではないし、ファイアリングと言いつつ一発も撃っていないことが多く、ボイスがなんの助けにもならない。
  • マップについて
    • 公式曰く、「実際の建物を参考にし、専門家の監修を経たリアルな建物」。
      • 結果、小部屋、ドアが非常に多く、リスクの高い遭遇戦が発生しやすくなっている。敵の動きも読みにくい。
      • 一方で開かない飾りのドアも多く、敵の全滅が求められるマップは本当にしらみ潰しに当たらなければならない。
      • 胸丈のカウンターなどの遮蔽物向けのオブジェクトが無く、高難易度に拍車をかけている。
    • 敵の密度が低い。
      • 3人以上の敵を考慮する場面はほぼ無い。人質を確保している重要な部屋でも1人しかいない。
      • 配置も意図が感じられず、ターゲット部屋のドアは誰もいないのに、どうでもいい階段の巡回が3人もいたりする。
      • いつ現れるか予想がつかない敵に怯えながら、そーっと角を覗き込み、重要地点は拍子抜け……という何とも締まらないプレイ体験になる。
      • 大勢出てきてもまず捌ききれないので、難易度調整と捉えられなくもないが……
    • 前述したように敵のスナイパーとしての能力が極めて高いため、オープンスペースの危険度が非常に高い。
      • にもかかわらず、完全クローズのマップはバイオラボしか無く、他のマップは危険度の高い建物間の移動を強いられる。
  • グラフィックが技術的にも設定的にも稚拙。
    • テクスチャが貧相で、全体にのっぺりしている。影などの描写も不自然。
    • 敵にも装甲の違いがあり、見た目で判別できるのだが、チェストリグが微妙に違う程度で見分ける余裕は無い。
    • 敵はテロリストのはずなのだが、バイオラボでは迷彩服にベレー帽、ヘッドクオーターではシークレットサービス風のスーツ、レーダー基地では特殊部隊風の寒冷地迷彩など設定的にも不可解なものが目立つ。
      • 特にレーダー基地の敵はシルエットがほとんど味方と同じで、誤射が非常に多くなる。
  • 「様々な国籍やバックストーリーの隊員が登場する」としていたが、袖の国籍パッチが変えられるだけ。
    • ちなみに本作に登場する隊員達は民間軍事会社の社員であり国家に帰属する兵士ではないため、普通は国籍を表示しない。リアルとは一体。
    • そもそも、なぜ研究所やレーダー基地を民間軍事会社が奪還しているのだろうか。軍や警察の特殊部隊が出てくる場面では?
  • 爆弾解除モード、敵殲滅モードはプレイヤーキャラ一人(=残機ゼロ)で始まる。クリアはまず無理。
  • オンラインモードのサーバーが不安定で、時期によってはサーバーエラーが頻発し満足にプレイできなくなっていた。

リアルでハードコアな仕様

  • 上記の不可解な一部現象であるが、有志によってダメージ制の仕様について検証が行われた結果、本作の仕様に基づく現象だと結論づけられている。
    • HP制かと思われていたが、実は弾薬ごとに「クリティカル率」の様なパラメータが設定されており、クリティカル率40%の弾薬であれば被弾ごとに40%の確率で死亡判定を行い、判定に失敗すればダメージ演出(内部的には無傷)、成功すれば 即死 という仕様となっているとのこと。
      • 推測ではあるが、「弾薬の種類によるクリティカル率」と「部位ごとの装備によるクリティカル率の減衰」の様なパラメータを組み合わせて、装備の有利不利と言った相性の演出や部位HITによる戦闘能力の減少などを再現したかったのではないか。
      • 現実でも、HP弾・FMJ弾、けん銃弾・ライフル弾といった相手側の想定装備に合わせたボディーアーマーを導入しており、ゲームで再現されていればリアルな装備編成と呼べるものになっていたのではないかと思われる。
      • ちなみに、被弾で緑から赤に変わる人型のアイコンがあり、HP制という認識の原因だったが、これの意味は不明。赤くなっても特に挙動に変化が無く、緑からの即死もある。
    • ただし、本作における「プレイヤーが脆い」という問題点の大部分がこの仕様の完成度の低さ、調整の悪さに起因すると思われる爆弾仕様でもある。
      • 敵の索敵性能・エイム精度の高さから、超遠距離からの即死弾が飛んでくるという恐怖のマップ構成になってしまった。おそらくスナイパー弾のクリティカル率が高く、しかも距離減衰が無い*6ためと思われる。
      • 敵のショットガンは強いのに自分が持つとなかなか死なないという印象があるが、自分が軽装で相手は重装の場合の装甲値の差が極端に出た現象ではないかと推測される。
      • 当たっているのに敵が無傷に見えるのは、クリティカル判定に連続失敗した結果と思われる。
    • プレイヤー側のメリットが「まぐれヘッドショット」以上は無いのに対し、「狙撃で前触れ無く即死」「有利ポジションから撃ち合いに入ったのに抽選で敗北」「セミオート武器の不遇」といった数々のデメリットが生まれている。
    • 革新的な発想とは言えるが、理不尽なゲームバランスに拍車をかけるだけになってしまっている。

評価点

  • とりあえず敵を撃って倒すというFPSとして最低限の機能は持っている。
    • 対戦FPSとしてなら、プレイヤー全員に平等にクソ要素が課せられるためそれなりに遊べる。
  • 死にゲーとしては非常に快適
    • 死亡演出が短く、ロード時間もかなり短いため、死んでから数秒でリスタート可能。サクサク死ねる。
    • まあ多数回リトライしたからといってクリアには直結しないのだが……
  • 銃のカスタマイズ要素が豊富。
    • 同系統の銃でも口径違いなどが無駄に用意されている。
    • 弾薬を選べる。弾薬の違いに着目するゲームは希少であり、上記仕様と合わせてもう少し練り込まれていれば個性的な要素になり得たのだが。
      • 軽装に有効なホローポイント、重装に有効なフルメタルジャケット、威力は低いが消音効果が高い亜音速弾などがある。
      • 編集者の検証では、消音効果の違いについては実感できなかったが……*7

総評

コンセプトだけは良かったが、リアルと称してプレイヤーに理不尽を押しつけるゲームになってしまった。
本作をプレイして真っ先に気づくのは 意味も分からずいきなり死ぬ ことであり、慣れてくると 解決策が無い ことに気づいてしまう。
超優秀な狙撃と索敵能力を併せ持つ敵に、被弾3発で死亡する自キャラで、カメラもマップもガジェットも無しで立ち向かえというのでは、シビアを通り越して自殺行為である。
敵味方のAIがアホでハメ技も使えず、残機のはずなのに棒立ちで殺される味方、キルカメラも無いため死に覚えも困難とわずかな希望も潰してくる。
かろうじてFPSとしての体裁だけは保っており、激ムズFPSとして遊べないこともないが、わざわざ本作を選ぶ理由は何もないだろう。


余談

  • 本作が選考にかかった2014年のKOTYは選考3作と不作だったが、大賞は『仮面ライダー サモンライド!』に譲り次点に留まった。
    • 覚えられない死にゲーとして猛烈なストレスはかかるものの、単品のゲームとしてプレイできないとは言えない辺りがポイントとなったか。
      • 実際、当初「圧倒的に不評」であったSteamレビューもタクティカルシューターというジャンルとして激ムズFPSが知名度を上げてきた後の現状で「賛否両論」まで持ち直し、本作も再評価の流れにある。
      • 選評ではクリア困難とされているバイオラボ以外のマップもクリア動画がアップロードされ、RTAに挑むプレイヤーも現れるなど、 狂人 コアなファンも生まれている。
  • 本ゲームはクラウドファンディングサイトの「KickStarter」で資金を集め制作された。1ヶ月の期間に実に2500万円の資金を集めたことから、期待は高かったことが分かる。*8
    • 要するに開発前に購入予定者に代金を先払いしてもらい、その資金で制作されたゲームである。
    • しかし実際のゲームの出来がこの有様だった上、問題点が指摘されてもほとんど全てを「リアルさを表現する仕様である」として大きな修正を行わなかった。
    • 特に事前購入者からは、「メーカーを信頼して資金を託したのに、クソゲーを掴まされて居直られた、ほとんど詐欺だ」と憤る声が聞かれた。
      • 本作はゲームとしてだけでなく、クラウドファンディングという商法のリスクが浮き彫りになった事件として度々話題に上がるようになった。
  • 本作のデベロッパーであるSerellanはかつて『Ghost Recon2』や『Ghostr Recon:Advanced Warfighter』、『Halo:Reach』のリードデザイナーを務めた経験を持つChristian Allen氏が2011年に立ち上げたデベロッパー。*9
    • その後、2015年にはステルス要素強めのタクティカルFPSである『EPSILON』をSteamのアーリーアクセスの形でリリースしたが、開発者の健康状態の悪化などが重なり、2016年9月にアップデート予定の告知を最後に開発が途絶えている。
  • 販売元の505gamesは、パブリッシャーセールから本作だけ除外する、パブリッシャーページに本作を載せない、本作のストアページからパブリッシャー検索をかけても505gamesのページに飛ばない(キーワード検索した扱いになる)など、本作を完全に黒歴史として扱っている。
    • 一応公式のWebページには掲載されている。タイトルが間違っているが……
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  • 2014年
  • Xbox360
  • Steam
  • KOTY次点

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最終更新:2023年05月12日 19:45

*1 テロ対策部隊をテーマにしたFPS。リアル志向で、シビアな体力設定と充実した指揮・作戦要素で人気を博した。

*2 CPUには膝・手首などのはみ出しを狙う行動は無い。

*3 「人質にインタラクトしたらすぐにその場を離れる」程度であろうか。PCが移動してもAIがピッタリついてくるわけではないので確実ではないが……

*4 RTAで活用されるテクニック。普通のプレイでは単純に残機が減るのでデメリットしかない。

*5 本当に「そそくさ」という感じでゴキブリでも見つけたかのように逃げていくのでちょっと面白い。バイオラボの吹き抜けなどから試してみてほしい。

*6 サブマシンガンでも根気良く狙えば遠距離でキルが取れたりする

*7 中装→軽装にする(足音が小さくなる)と追ってこない敵がいるため音の設定自体は機能していると思われる。

*8 2012年3月2日から同年4月1日までの期間、目標額の20万ドルに対し、約22万1800ドルと目標額の1割増しの金額を集めている。

*9 設立の翌年には同年にスタジオが閉鎖された『SOCOM』シリーズで知られるZipper Interactiveに所属していた開発メンバーの一部が合流している。