ヤッターマンDS ビックリドッキリ大作戦だコロン
【やったーまんでぃーえす びっくりどっきりだいさくせんだころん】
ジャンル
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3Dアクション&メカバトル
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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タカラトミー
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開発元
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サンアート
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発売日
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2008年4月24日
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価格
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5040円
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判定
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なし
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ポイント
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良くも悪くもキャラゲー
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タイムボカンゲームリンク
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概要
このゲームの原作は(リメイク版)ヤッターマンで、そのキャラゲー。リメイク版が放送されていた当時、ブームとなっており、映画や実写映画が製作されるなど子供たちから好評だった。そのタイアップの一環としてゲーム版がとうとう発売決定となった。
発売元はかのクソゲー量産の会社として知られるタカラトミー。この時点で物好きに注目されていた。
公式で3Dアクションを自称しているがまずどう見ても2Dの横スクロールアクションでグラフィックに3Dポリゴンが使われているだけ。メカバトルも自称しているが、どう見てもロボットバトルに見えず、実質ロボが出るだけの状態に近い。
評価点
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ボイスがかなり多い。さらにリメイクと同じ声優。ただそれもテレビの使いまわしなのが欠点。
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ただし多いと言ってもDSとして考えるとである。またボイスがあっても、原作のようなハチャメチャな会話は無い。
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操作性はかなり簡単。説明書が必要ないレベル。子供に使いやすいように考慮されている。
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ドロンボー達にタッチでのおしおきが可能。細かい。
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グラフィック自体はこの手のゲームにしては珍しく汚くは無い。むしろ綺麗な方。またKOTYWikiの項目にも書いてあるが、ドロンボーの自転車こぎの際のドット絵は無駄に力が入っている。
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専用の『ヤッターコード』の入力で隠しのメカが出せる。
問題点
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本当にやれるアクションが少ない。原作の多彩な攻撃方法はどこにいった。
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近年のゲームでは珍しく、ステージ中に配置されているフックにひっかけてのワイヤーアクションが可能なゲームだがこれが何にも生かされていない。すなわち何故搭載したのか意味不明な代物。
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このワイヤーアクションは基本的にフックに掴まっての移動に使うぐらいで、これを生かしたアクションやステージギミックなど無い。しかも操作していての楽しさはほとんど皆無。
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雑魚敵が4種類しかいない。残りは色違いのコンパチ。しかも敵の攻撃はパターンが一切変わることがない。
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色違いは無駄に体力が増えただけであり、攻撃方法やパターンなどは一切変えてこないため、相手にするだけかったるい。しかも適当に攻撃していれは時間がかかるだけで普通に倒せる。
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3Dでデフォルメ表示されたキャラが大きく、画面が見えにくい。そんな状態で崖へのジャンプをしなけれはならないことが多々あるため、本作のプレイヤーキャラの死亡率の8割は転落死が占める。
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上記のとおりゲームオーバーの多くがこんな感じに理不尽な死に方。まず敵キャラにやられることはない。
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ワイヤーアクションでの移動や、フックにつかまっていると、何故かいきなり画面外に吹き飛び勝手に死ぬことがある。まさに意味不明な仕様。
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ボス戦はジャンケンと原作のロボバトルが再現されていない『ジャンケン』のうえに、プレイヤーに有利になるように仕掛けられている。このため負ける方が難しい、というか大人のプレイヤーが負ける事自体がまず不可能に近い。
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確かにジャンケンである以上ある程度の運も絡んでくる部分はあるのだろうが、せめてジャンケンゲームの『甲虫王者ムシキング』のように難易度によって敵の出すパターンが変わるといったようなことは出来なかったのだろうか。
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原作のヤッターマンは敵味方関係なく出てくるメカは特徴的な機能を持っており3Dアクションなどぴったりだったのだが…そもそも何故ジャンケンにしようと思ったのか。
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ヤッターワンなどのメカが操れると思った購入者は肩透かしを食らったことであろう。
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中ボス戦もほとんどがコンパチであるなどの手抜きが目立つ。しかも適当に攻撃すれは雑魚と変わらないレベルの労力しか使わない。
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背景グラフィックはカラフルで綺麗だが、一面につき一枚しかない。
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ストーリーもダラダラしたまま終わる。しかもコミカルさも無く面白くない。
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会話パートも単調なセリフばかりで、原作の小ネタやコミカルさは全くと言っていいほど無い。
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ガンちゃんも一人称が俺ではなく僕になっている。低年齢層への配慮という説もあるが、はっきりいって製作者がガンちゃんのキャラクターを掴めていない可能性が高い。
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この一人称のため性格がおかしい。かといってドロンボー側は特におかしい点が見当たらないのでかえってガンちゃんの変さが目立つ。
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上記の理不尽な死に方を入れてもクリアにかかる時間は2、3時間程度。やりこみ要素も4時間。これで5040円は値段に釣り合わない。
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一応難易度変更はあるが残機数と体力を適当に調整しただけであり、実質変わっていないも当然な雑な調整。さらにセーブデータは共有の状態である。
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アニメの画像を観覧できるが、選ばれた画像が一部を除いて「何故これを?」と言いたくなるような画像が多く、前述の会話パートの部分と言い、開発側がヤッターマンを本当に見ているのかが正直疑わしい。
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そもそもこの機能よりもっと良いオマケは思いつかなかったのだろうか。
総評
キャラゲーということや、タカラトミーということを考慮すると比較的マシな出来である。しかし原作に対する愛情も中途半端で、ゲームの質は『よくある駄キャラゲー』である。また大人プレイヤーにはやりがいのある要素が皆無であり、酷評されても仕方が無い。
実際に「子供しか楽しめないし大人が楽しむのは難しい」「一昔前のキャラゲーのようだ」とネット上では酷評されている。
なんといっても最大の難点は雑な部分がファミコンレベルなのや、ボリュームが少ないことだった。ここが少しはマシだったら、「凡作だがキャラゲーとしては良作」、もしくは逆だった可能性があるので非常に残念。しかも次回作で改善されていないので学習能力のなさが考えられる。
余談
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KOTY2008携帯部門の選外作である。選評も投下されたが、さすがにKOTYのクソゲー達と比べるとゲームとしてぶっ壊れているわけでもなかったためか、選外であった。
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またコロコロコミックのスピンオフ漫画でドロンジョがオモッチャマにこのゲームを欲しいか問いかけるシーンがあるのだがオモッチャマは『別に…』と答えている。実際に人にオススメできるソフトでないのが皮肉か。
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一応言っておくとこの話は本作の発売前に掲載されたものであり、前述のセリフも当時流行していた沢尻エリカのパロディである。しかし本当にいらないような出来になってしまった…
最終更新:2021年06月22日 23:56