このページではSwitchのダウンロードソフト『ピクセル ライン DX』『ピクセル ライン DX ニューパズル500!』『ピクセル カラーズ』を紹介しています。
また、補足的にSwitchのジャケットソフト『ピクセル パズルパック 3-in-1』も紹介します。判定は全作品において「なし」となります。
ピクセル ライン DX
【ぴくせる らいん でらっくす】
ピクセル ライン DX ニューパズル500!
【ぴくせる らいん でらっくす にゅーぱずる500】
概要
レイニーフロッグ発売のSwitch専用ダウンロードソフト。開発はイラストパズルに関わる事が多いスコア・スタジオズが担当。
『ピクセル ライン DX』(以下:『DX1』)と『ピクセル ライン DX ニューパズル500!』(以下:『DX2』)の双方が発売されている。
ゲームルールは双方共に同じだが、収録されている問題は総入れ替えされている。『DX1』は600問、『DX2』は500問の問題を収録。
後のシリーズも含め、女の子「スコアちゃん」と相棒の「ギグ」を主人公として、「博士」の指示で様々なドタバタを解決していくという展開が描かれる。
ゲームルール
-
問題の解き方
-
マス集合体の中にある「数字マス」同士をラインを引く感覚で縦横に繋ぎ合わせていく。
-
数字マスは必ず「同じ色・同じ数字」同士でないと操作が受け付けない。繋ぎ合わせたマスは数字マスと同じ色として塗りつぶされる。
-
数字マスの数字は「お互いを繋ぎ合わせるマスの数」を示す。例えば「5」の数字マス同士では、数字マスを含めた5マス分を繋ぎ合わせる事を意味する。
-
「違う色及び数字マス同士」「斜め引き」「すでに塗られているマスの重複塗り」は行えないので、それを踏まえた操作が必要となってくる。
-
マス集合体にある数字マスすべてを繋げてマスを全部塗りつぶせば、問題クリアとなり絵柄が完成する。
-
問題によっては一部マスが塗られないままにクリアとなる場合があるが、このマスは「白色のマス」として扱われる。
-
クリアすると絵柄が問題選択画面に表示される。なお、プレイ中にゲームオーバーになる要因はなく、クリア時間の記録は一切なされない。
-
問題のプレイ途中で一旦中断し、後に途中からの再開ができる。一方でプレイをリセットして最初からやり直す機能はなぜか搭載されていない。
-
マス集合体は必ず縦マスと横マスのサイズが同じの正方形となる。問題サイズはピンキリだが、「32×32」「64×64」の問題が多めで、最大は「128×128」まである。
-
操作体系
-
本作ではコントローラー側の操作とSwitch本体によるスライドタッチ操作の両面に対応している。
-
コントローラーでの操作はアナログスティックか左側のボタンによるカーソル移動とボタンによる繋ぎ合わせ(塗りつぶし)を行う。
スライドタッチ操作はマスを直感的になぞる感じで繋ぎ合わせていく。コントローラー側に比べると操作の手間がかかりにくい傾向がある。
-
補助的な操作として「表示画面の拡大縮小」「繋ぎ合わせた・もしくは繋ぎ合わせ途中のマスのキャンセル」といった操作も行える。
-
マス集合体は一画面に収まりきらないので、先述操作と併用する形で画面の位置調整を行う必要がある。
-
ゲームモードについて
-
『DX1』限定でイベントを交えた「ストーリーモード」がプレイできる。5チャプター × 20問構成(100問)。
-
ゲーム開始時では最初のチャプターの問題しかプレイできないが、問題をすべてクリアすると段階的に選べるチャプターが選択可能となる。
-
このモード特有の演出として、「問題の絵柄がアニメ調に変換され、問題選択画面にクリアした分の絵柄が溜まっていく」というものがある。
-
『DX1』『DX2』の双方では「パズルモード」がプレイできる。双方共に25ジャンル × 20問構成(500問)。
-
ストーリーモードとは違い、最初からすべてのジャンル及び問題を好きな順でプレイ可能。ジャンル内の問題クリア達成率が棒グラフで表示される機能ある。
-
ゲーム初回時では必ず「チュートリアル」が開始される。必ずしもプレイする必要はなく、スキップやプレイ後回しも行える。
-
おまけについて
-
『DX1』ではゲーム中に特定条件を満たすと、複数の「トロフィー」が獲得できる。
-
『DX2』では作中のキャラデッサンやスコア・スタジオズの製作環境等が鑑賞できる「ギャラリーモード」がゲーム初回から選択できる。
評価点
-
問題数が非常に多くやりがいあり
-
『DX1』は600問、『DX2』は500問もの問題が収録されており、遊べる範囲はかなり広い。
-
比較的短時間でクリア可能なものからクリアに時間がかかる難問まで、問題のバリエーションはなかなか豊富。特に128×128の問題は長期戦必至。
-
各タイトルにおけるジャンルも豊富で、色々な趣旨の問題が楽しめる。もちろん、変な水増しによる問題の重複はなく、すべてが新規問題である。
-
各問題はきめ細かな色の種類で描かれるため、この手にジャンルにありがちな「完成させたはいいがアバウトすぎて何の絵柄か分からない」という心配は少ない。
-
ゲームオーバーになる要因はないため、制限を気にせずにじっくりと問題に集中できる。プレイ途中の後日再開が行えるのも親切な配慮。
-
登場キャラが可愛いらしい
-
アニメ調で描かれたスコアちゃん等のキャラが可愛らしく、愛着が沸いてくる。
-
『DX1』限定ではあるが、ストーリーモードによるキャラ同士のやり取りが発生するため、どういうキャラ付けがされているのかが把握しやすい。
-
『DX2』におけるギャラリーモードでは登場キャラのラフスケッチや完成絵が詳細に描かれており、なかなか見応えがあるものとなっている。
-
後のシリーズではキャラデザインが3DCGやレトロドット風で描かれるなど、本作とはまた違った外観で活躍する事になる。
問題点
-
若干長いロード時間
-
ゲーム起動時では各モードを選択するたびに長めのロードが入り、結構時間を待たされる。
-
とはいえ、特別にひどいロード時間ではない上に問題決定時のロードは一瞬で終わるため、全体的にいえばそこまで待たされるものではない。
-
コントローラー側の操作がやりにくい
-
コントローラーで操作する場合、カーソル移動に何かしらの不備が発生しやすく、その操作性は快適とはいえない。
-
アナログスティックで操作すると、カーソルの感度が機敏すぎてマスの繋ぎが予期せぬ方向へと曲がりやすい。ジグザグ方向の操作においてはより厄介となる。
-
左側のボタンで操作すると、カーソル移動があまりにも遅いのでマスを塗りつぶす手間がかかりやすい。それゆえに操作のテンポが悪くなってしまう。
-
その一方でスライドタッチは非常に快適な操作が行え、流れるようなテンポでさくさくとマスを繋げられる。
-
クリア時間の記録がされない
-
本作には問題のクリアまでの時間カウントや記録というものがなく、最速クリアを目指すといった目標が狙えない。
-
他作品のイラストパズルでは大方搭載されている機能であり、それを入れなかったのは謎である。なお、後のシリーズでは標準搭載されている。
-
『DX2』におけるトロフィーの不在
-
『DX1』のおまけであるトロフィーがなぜか『DX2』には存在せず、やり込み的な意味での不足感は否めない。
-
細かい事だが達成の目安として欲しかった要素である。なお、後のシリーズの多くはトロフィーを標準搭載している。
-
その代わりに『DX2』にはギャラリーモードが収録されている。ストーリーモードは不在だが、価格が『DX1』より安くボリュームのバランスはとれている。
総評
多少気になる部分はあるものの、ライン引き系のイラストパズルとしての出来は上々で目立った不備は特にない。
良心的販売価格でボリュームもかなりあり、長く遊べるという意味ではセットで購入しても損はないと思われる。
ピクセル カラーズ
【ぴくせる からーず】
概要(カラーズ)
レイニーフロッグ発売のSwitch専用ダウンロードソフト。開発はスコア・スタジオズが担当。『ピクセルシリーズ』の通算3作目にあたる。
本作はいわゆるカラーイラストロジックのジャンルとなるが、従来の同ジャンルとは少しルールが異なる。
アニメ調だった『DX』『DX2』(以下:前作)とは違い、本作におけるキャラは丸っこい3DCGで描かれている。また、メール風の会話イベントがなされる演出がある。
ゲームルール(カラーズ)
-
問題の解き方
-
従来のカラーイラストロジック同様、縦側と横側の数字ヒントを元に、マス集合体にあるマスを着色していく。
-
ただし、従来のものはヒントの意味が大きく異なるため、以下にどういった意味合いがあるのかを表記していく。
-
ヒントの数字は大きく分けて「丸で囲まれた数字」と「丸のない数字」の2タイプがある。
-
丸あり数字は「その数字のマスを連続で塗る」事を意味する。列の数字「5」の場合、その列に連続で5マス塗るという意味となる。
-
丸なし数字は「その数字のマスを分割して塗る」事を意味する。列の数字「5」の場合、可能性として列に3マスと2マスを分割して塗るという意味となる。
-
本作における数字ヒントの意味合いは、他社のイラストロジックゲームでいうところの『立体ピクロスシリーズ』における数字ヒントに近い。
-
ヒント通りにマス集合体のマスすべてを塗りつぶせば、問題クリアとなり絵柄が完成する。
-
各問題における選択色は2~4色となる。また、空白のマスを残さずにすべて塗りつぶさなければクリアにはならない。
-
クリアすると絵柄が問題選択画面に表示され、1枚の「メダル」が獲得できる。プレイ中にゲームオーバーになる要因はなく、クリア時間の記録は問題別でされる。
-
問題のプレイ途中で一旦中断し、後に途中からの再開ができる。プレイをリセットして最初からやり直す機能も搭載された。
-
問題サイズは最小で「5×5」、最大で「縦10×横15」のマス集合体が用意されている。
-
操作体系
-
原則としてコントローラー操作がメインだが、Switch本体のタッチ操作にも対応している。
-
コントローラー側はアナログスティックもしくは左側のボタンでカーソル移動。右側のボタンでマスの塗り及びキャンセル。LRボタンで塗る色の切り替え。
-
タッチ側はペン感覚で直感的なマス塗りを行う。塗る色の切り替えは画面右側にある複数色のペンキアイコンをタッチしていく。
-
ゲームモードについて
-
7色のカテゴリーの中から好きなものを選び、そこからプレイしたい問題を選択していく。全340問。
-
ゲーム開始時では選べるカテゴリーが限られており、メダルを複数溜めると段階的に選択可能範囲が増える。後者のカテゴリーほどに問題の難易度が上がる傾向あり。
-
ゲーム初回時では必ず「チュートリアル」が開始される。必ずしもプレイする必要はなく、スキップやプレイ後回しも行える。
-
ボーナスについて
-
ゲーム中にメダル集めなどの条件を満たすと、以下のボーナス(おまけ)が順次解禁されていく。
-
やり込みの証である「トロフィー」やジオラマ風の3Dキャラを鑑賞できる「3Dビューア」が獲得・鑑賞できる。共に複数の種類あり。
-
今までプレイした問題のランダム選択や自動問題作成機能を搭載した「ランダムパズル」がプレイ可能となる。ただし、問題のクリア記録はなされない。
-
その他にも「それまでに発生したメール風イベントの再鑑賞」「詳細なプレイ履歴の確認」「塗り絵で遊ぶ」といった機能もある。
評価点(カラーズ)
-
新感覚なイラストロジックパズル
-
一見では従来のカラーイラストロジックと同じだが、ヒントの意味合いが異なる差別化が図られている。
-
「ヒントの数字が必ずしも直結型ではない」「マスを全着色しなければならない」といったルールにより、他のイラストロジックとは違う感覚でのプレイが楽しめる。
-
この特異性のあるルールはスタッフ側も承知しているらしく、チュートリアルでは「プレイヤーの知っているルールとは違うかもしれない」という忠告がされる。
-
前作の問題点の改善
-
前作における問題点の多くが大方改善され、プレイがより遊びやすくなった。
-
「ロード時間の短縮」「コントローラー側の操作性向上」「問題のクリア時間の記録がされる」「トロフィーの復活」といった改善がなされている。
-
おまけ要素が豊富
-
前作に比べるとおまけが豊富になっており、本編以外でのお楽しみが増えている。
-
トロフィーや3Dビューアといった鑑賞的なものから、塗り絵ができるという奇抜なおまけがプレイできるこだわり様。
-
ランダムパズルは自動問題作成機能により、プレイできる問題は実質無限。ただし、自動作成の関係上、クリアしても謎の絵柄になってしまうのはご愛敬。
-
ゲームルールでは記載しなかったが、実は隠しミニゲームがプレイできる裏技がある。これは次回作の伏線的な内容にもなっている。
-
登場キャラが可愛らしい
-
本作の登場キャラは3DCGによる丸っこいデザインで、アニメ調だった前作とはまた違った可愛らしさが表現されている。
-
メール風会話が中心なのでストーリー描写は淡泊ではあるものの、言い換えればゲームに集中できる配慮ともとれる。
問題点(カラーズ)
-
問題バリエーションの狭さ
-
問題の使用色とサイズは最大でも4色かつ縦10マス×横15マスしかなく、そのバリエーションは前作の比にならないほどに乏しい。
-
完成しても出来上がる絵柄はアイコンデザインのレベルなもので、前作の繊細な絵柄とは程遠いほどに荒々しい外観となってしまう。
-
問題数も前作に比べて一回り減っているが、むしろ前作の問題数が奮発していただけで本作の問題数も販売価格を考慮すれば少なくはない。
-
パズルとして簡単すぎる節あり
-
ヒントの意味はやや特殊であるものの、意味を理解してしまえば簡単に問題をクリアしてしまいやすい。
-
問題開始時におけるヒントのマス確定枠がかなり多く、それを塗りつぶしてしまうと自力で考えて塗るマスがごく少数にとどまってしまう。
-
初期のカテゴリーの問題位であれば、確定マスを全部塗りつぶすとクリア寸前だったという現象が起こる場合すらもあり、思考性が皆無な局面になりやすい。
-
こういった難易度になってしまった原因としては以下の理由が考えられる。
-
上記でも述べた通り、使用色とマス集合体のサイズがあまりにも限定的なので、問題のバリエーションがどうしても似たり寄ったりとなりやすい。
-
従来のイラストロジックでいうところの空白マス(×印)を空ける必要がないので、マスの空白を気にせずに列すべてを塗りつぶせば難なくクリアできやすい。
-
なお、ランダムパズルの自動作成機能の問題では、異様なまでに難易度が上がりやすい。
-
これは「絵柄によるマス着色配列の制限」というリミッターがなくなるために、マスの色配列が複雑分離化するためだと思われる。
-
ある意味上級者向けへの提供策といえるが、ランダムで作成されているためヒントが特定しにくい問題もあり、ゲームバランスという面でのいびつさは否めない。
-
ギラギラした背景の派手さ
-
問題中の背景がビビッドな原色でうつされるため、問題画面がギラギラとして視覚的にきつい。
-
背景の色変更ができないので、こればかりは慣れるしか対処のしようがない。なお、前作や次回作では普通の背景色であり、本作だけの問題となっている。
-
本作は他のシリーズと比べても「色を派手に塗りつぶす」というイメージが強調されているために、こういうデザインになってしまったと推測される。
総評(カラーズ)
前作同様にイラストパズルとしては無難に遊べる出来であり、前作の問題点の改善やおまけの増強といった嬉しい面もある。
一方で前作に比べるとイラストパズルとしてのボリュームとやり応えは大幅にダウンしており、前作のプレイヤーからは厳しい目で見られやすい。
ピクセル パズルパック 3-in-1
【ぴくせる ぱずるぱっく すりーいんわん】
概要(パズルパック)
『DX1』『DX2』『カラーズ』の3作を収録したオムニバス集。パッケージ専用ソフトでありダウンロード版は配信されていない。
ゲーム内容に一切の相違点はなく、Switchのホーム画面では3作が独立したアイコンで表示される。そのため、厳密にいえばゲーム自体が新作ソフトというわけではない。
最終更新:2023年07月01日 17:00