ピクセル クロス アドベンチャー
【ぴくせる くろす あどべんちゃー】
概要
レイニーフロッグ発売のNintendo Switch専用ダウンロードソフト。開発はスコア・スタジオズが担当。『ピクセルシリーズ』の通算4作目にあたる。
本作はモノクロのイラストロジックのジャンルだが、街中を探索していくアドベンチャー要素も含まれている。
「モナ・クロマティック博士」の企みによって色んなものがピクセル化された街中を元に戻すため、スコアちゃん一味が活躍するという設定。
粗いドットで描かれたレトロ風のグラフィックが特色で、前のシリーズとはまた違った印象を持つ外観となっている。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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スコアちゃんを操作して、トップビューによる街中を探索しながらピクセル化された「黒ずんだもの」をパズルで解いて元に戻していく
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パズルの問題をクリアすると、黒ずんだものは元の姿へと解放される。対象物によっては閉ざされた通路が開いたり、アイテムが入手できる局面あり。
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問題をクリアして黒ずんだものを解放し、レベル上げやアイテム入手などで探索範囲を広げていき、最終的な目標を達成すればエンディングとなる。
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直接的な目標ではないものの、「チュートリアルのプレイ」「ゲームに関する助言集」「息抜きのミニゲーム」といった寄り道が発生する場面もある。
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問題をクリアすると特定の「経験値」が獲得でき、一定まで溜めると「レベルアップ」ができる。
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各問題には「挑戦できるレベルの最低値」があり、このレベル未満の状態では問題そのものがプレイできない。そのため、経験値稼ぎは無視できない課題となる。
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一度解放した黒ずんだものは街中から二度と登場しなくなるため、同じ問題を繰り返しクリアして無限に経験値を稼ぐといった行為はできない。
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クリアした問題数やイベント発生状況によって、進行状況の「達成率」がカウントされていく。
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達成率は100%まで溜められるが、それ未満の達成率であってもエンディングを迎える事は可能。どこまで達成率を上げるかはプレイヤー次第。
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問題の解き方
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問題はモノクロのイラストロジックのみのルール。縦側と横側の数字ヒントを元に、マス集合体にあるマスを塗りつぶしていく。
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ルールとしてはごくスタンダードなイラストロジックであり、ここでの詳細解説は割愛。簡素にいえば「マス塗りと空白マス(×印)を分けていく」タイプのもの。
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任意で「問題開始時における一部マスの塗りつぶしヒント」や「塗ったマスの自動修正」の各機能があるが、使用してしまうと達成率が反映されない。
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ヒント通りにマス集合体のマスすべてを塗りつぶせば、問題クリアとなり絵柄が完成する。
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問題のプレイ途中で一旦中断して後に途中からの再開をしたり、プレイをリセットして最初からやり直す機能が搭載されている。
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プレイ中にゲームオーバーになる要因はないが、1時間以上経過しても問題をクリアできないと先述同様に達成率が反映されず。クリア時間の記録は問題別でされる。
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問題サイズは最小で「5×5」、最大で「縦15×横20」のマス集合体が用意されている。また、複数の問題をクリアすると1つの絵柄が完成するパターンもある。
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操作体系
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コントローラー操作専用となっており、Switch本体のタッチ操作には対応していない。
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アナログスティックもしくは左側のボタンでカーソル移動。右側のボタンでマスの塗りや×印のチェック、及びそれらのキャンセル。
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オプションについて
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プレイ中にオプションを開くと、以下の項目が鑑賞もしくはプレイできる。
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所持している複数ある「アイテム」や「トロフィー」の確認が行える。前者は例外を除き自動効力なのでここでは使用できない。後者はやり込みの証である。
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探索場所でプレイした問題の再挑戦ができる。あくまでも本編とは別枠扱いなので、ここで問題をクリアしても経験値は入手できない。全360問超の問題あり。
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他にも「レベルや達成率の確認」「問題関連のオプション設定」「問題のスキン選択」「タイトル画面に戻る」などの行為もできる。
評価点
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イラストロジックとしての安定感
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パズルゲームとしてはスタンダードなイラストロジックそのものであり、プレイヤーを選ばない安定感がある。
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総合的な難易度は低めで、従来のイラストロジックに慣れているプレイヤーであればオールクリアはさほど難しくないと思われる。
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一方でヒントなどの初心者向け機能もあり、イラストロジックに慣れていないプレイヤーにも配慮がなされている。
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達成率やトロフィーなどのやり込みも豊富にあるため、慣れているプレイヤーにとっても十分に楽しめる。
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街中のものを解放していく楽しみ
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「問題をクリアして黒ずんだものを解放していく」という目的により、いびつだった街中の外観が、徐々にカラフルになっていくのが楽しい。
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他のイラストロジックの多くは原則として問題のクリアを目標とするが、本作では「黒ずんだものの解放」という二次的な目的が加わっている。
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解放していくたびに禍々しい黒ずみが解消され、虫食いを埋めていく感覚で問題をクリアしていく過程が非常に面白い。
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街中の探索範囲はさほど複雑なものではないので、極度に迷う心配は少ない。そのため、テンポ良く解放に専念できる。
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レトロドット風の外観とストーリー性
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アニメ調や3DCG調だった前のシリーズとはうって変わり、本作のグラフィックはレトロドット風となっている。
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全編通して粗いドットで描かれた外観には独特の味わいがあり、それでいてカラフルかつバリエーション豊かな街中が映し出されるきめ細かさも併せ持つ。
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レトロドットで描かれたスコアちゃん達が可愛らしく、登場キャラの仕草がなかなか細かいのも作り込まれている。
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前のシリーズに比べてもストーリー性が重視されているのも特徴的。
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前シリーズは部分的にイベントが発生する程度のものだったが、本作では本編全体がまとまったストーリーであり先の展開が気になる内容となっている。
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イベント自体は軽いノリかつ手短に終わるので、ゲームのテンポが削がれる心配はない。ストーリー重視とはいえパズルがメインとなるのはシリーズ通り。
問題点
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一部システムに不便さがある
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致命的な欠陥というほどのものではないが、部分的に気になる点がいくつか見受けられる。
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他のイラストロジックには大方搭載されている「仮塗り」が本作にはない。難易度控えめとはいえ、仮塗りに慣れていると少々やり辛い。
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オプションの問題選択は「問題の答え(文字)が縦一列にずらっと並んだ」形で表示されるため、プレイしたい問題が見つけにくい。
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他にも「粗いドットであるがゆえに文字が若干見辛い」「探索におけるごく一部のフラグ条件がわかりにくい」といった点も挙げられる。
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とはいえ総合的にいえば快適なシステム周りであり、プレイ環境への気配りはなされている。
総評
イラストパズルとしての安定感はシリーズ通りのブレのなさで、アドベンチャー要素も加えられており問題をクリアする以外での面白みを持つ一作。
ややコンパクトな内容に収まっているが、価格を考慮すれば十分に楽しめる出来であるのは間違いないだろう。
最終更新:2023年07月01日 17:00