ピクセル セル
【ぴくせる せる】
概要
レイニーフロッグ発売、スコアスタジオズ開発によるNintendo Switch専用ダウンロードソフト。『ピクセルシリーズ』の通算5作目にあたる。
対象物をスライドさせていくトップビューのパズルゲームであり、シリーズの通例であるペンシルパズルではない異色作。
顕微鏡に映る様々なセルの結合を行うという設定。作中の登場人物は博士のみで、スコアちゃんなどの他のレギュラーキャラが登場しないのも異色といえる。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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5難易度×20ステージ(全100ステージ)をプレイしていく。ステージセレクト制。先の難易度はある程度のステージをクリアしないと選択できない。
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各難易度のプレイ前には「新たなセルや仕掛けにどういう意味があるのか」を確認できるムービーが発生する。一度見たムービーはいつでも再鑑賞が可能。
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ステージルール
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「縦6マス×横8マス」のフィールドの中で、複数存在する1マス分の「セル」(細胞)を結合させて残り1体にすればステージクリア。
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「1つ顔のセル」をスライドさせると上下左右へと移動し、他のセルへの結合や停止が行われる。移動先に何もない場合は元の位置へと戻る。
フィールドの両端はループで繋がっており、例えばセルを左にスライドさせて左端まで移動させると右側の端へと出現移動する性質がある。
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ステージ中に登場するセル及び仕掛けに関しては下記参照の事。なおセルは操作しない限りは終始不動であり、配置のランダム性は含まれない。
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クリア後は最短のクリア時間と操作回数がステージ別で記録される。また全ステージの総合最短クリア時間と操作回数も記録対象となる。
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セルと仕掛けの種類一覧
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公式におけるセル及び仕掛けの正式名称は不明なため、初稿執筆者による独断ネーミングで表記している。
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セル
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本作のおける主要操作対象物にあたる。「1つ顔のセル」と「2つ顔のセル」及びそれぞれ4色のカラーが存在。
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「同色の1つ顔のセル」を「同色の1つ顔のセル」にぶつけると「同色の2つ顔のセル」へと結合。
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「同色の1つ顔のセル」を「同色の2つ顔のセル」にぶつけると「上位別色の1つ顔のセル」へと結合。
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「別色の1つ顔のセル」を「別色の1つ顔もしくは2つ顔のセル」にぶつけても結合はされず、直前に停止するのみに留まる。
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セルを上位別色へと結合せると「水色」⇒「青」⇒「黄」⇒「緑」へと変化し、セルのサイズも大きくなっていく。
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操作できるのは1つ顔のセルのみで、2つ顔のセルは操作を受け付けない。また下記の特殊セルすべても操作不能。
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入れ替えセル
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3段階目の難易度から登場する灰色の特殊セル。いかなる要因でも結合や消滅はせず、残してもクリアの影響はない。
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「1つ顔のセル」を「入れ替えセル」にぶつけると、お互いが左右もしくは上下に入れ変わった状態で停止する。
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爆発セル
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4段階目の難易度から登場する赤い特殊セル。セルを爆発消滅させる性質を持つ。残してもクリアの影響はない。
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「1つ顔のセル」を「爆発セル」にぶつけると、お互いが爆発の後に消滅してしまう。
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セルの消滅のさせ方によってはセルの数の帳尻が合わなくなりクリアが詰む。逆に余分なセルを消滅させないとクリアできない場合もある。
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壁
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2段階目の難易度から登場するストッパー的な仕掛け。「1つ顔のセル」を壁にぶつけるとその場で停止する。
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コンベア
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5段階目の難易度限定で登場する通路系の仕掛け。「1つ顔のセル」をコンベアの流れる通路に触れさせると特定の方向へと流されていく。
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操作体系
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コントローラー側とSwitch本体側の双方に対応。メイン操作は「スライドさせたい1つ顔のセルの選択」と「スライドさせる4方向の選択」のみ。
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ゲーム中のオプションとして「操作を一手戻す」「ステージリセット」「画面のアングルを微小に変更」といった操作が行える。
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ポーズ中のオプションとして「操作を一手戻す」「ステージセレクトに戻る」「背景色の切り替え」といった操作が行える。
評価点
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シンプル操作の詰め将棋的スライドパズル
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「位置を見極めながらセルをスライドさせる」という、シンプルな操作で詰め将棋的なスライドパズルが楽しめる。
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イメージとしては「"おはじき"を弾く」感じのパズルゲームであり、他のシリーズはまた異なる趣旨の思考性が試される内容となっている。
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フィールドの範囲がそう広くなく、難易度的にも簡単すぎず難しすぎずの絶妙具合。試行錯誤を繰り返せば難しいステージでも十分にクリア可能。
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機敏なアクション性は必要なく、忙しい操作に悪戦苦闘する心配はないものの、最短クリア時間と操作回数を目指すやり込み目的は存在する。
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セルが可愛らしい
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ぷるぷるボディとつぶらな瞳がキュートなセルが可愛らしく、カラフルなセル達がわちゃわちゃと集合する様が賑やかである。
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しかし悲しいかな、本作のクリア条件は「セルを結合させて1体にする」事なので、賑やかな顔ぶれが徐々に減っていく様に哀しさを漂わせる。
問題点
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ボリュームはやや控えめ
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数百問(ステージ)収録が通例な他のシリーズと比べ、本作は100ステージぽっきりとボリュームがやや控えめである。
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ステージ単体のプレイ時間は他シリーズと同等かそれ以下でクリアできるものも少なくなく、総合プレイ時間はじっくりプレイでも推定3時間前後ほど。
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オープニングムービーは用意されているものの、オールクリアしてもエンディングらしき描写がなく、締めの達成感が感じにくいのも残念。
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外見上の問題点
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仕掛けの一種である壁が周囲と同化しているかのように溶け込んでおり、凝視しないとどこに壁があるのかが分かりにくい。
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背景色によっては同色のセルと同化してしまい、セルの配置箇所が分かりにくくなる場合がある。同化しない背景色を選べば問題は回避できるが…。
総評
シリーズの異色作ではあるものの、パズルゲームとしてはごく無難に遊べる出来であり、安定感という意味では他のシリーズとの差はない。
価格は抑えられているとはいえボリュームはシリーズの中でも控えめであり、その辺の物足りなさはどうしても否定できないところ。
最終更新:2023年07月01日 17:00