ピクセル パズル&ウォッチ コレクション
【ぴくせる ぱずるあんどうぉっち これくしょん】
概要
レイニーフロッグ発売、スコアスタジオズ開発によるNintendo Switch専用ダウンロードソフト。『ピクセルシリーズ』の通算6作目にあたる。
架空の電子(LSI)ゲーム機「パズル&ウォッチ」の3種類のペンシルパズルが収録されたという設定。スコアちゃんなどのシリーズキャラはゲーム中の背景として登場。
ゲームルール
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本作では「Piczle Cross」「Piczle Pattern」「Piczle Loops」という3種類のゲームがプレイできる。すべて初めからプレイ可能。
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ゲームのプレイだけではなく、バーチャルでの「パッケージ」「本体」「説明書」の鑑賞が行え、さらには様々なアングルへと視線変更もできる。
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全ゲームにおいて難易度やルールの差別化が図られた「Aタイプ」と「Bタイプ」のプレイモードがある。また現実世界における時間表示がされる機能もある。
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下記の紹介はコントローラー側の操作を前提で表記しているが、Switch携帯モードにおける画面両端に表示されたボタンをタッチする事でも操作が行える。
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Switch本体にJoy-Conを接続しない状態で持ちながら、両手両指で画面を押さえつける感じで操作すると、電子ゲームらしい直感操作が可能。
収録ゲーム
Piczle Cross
本体カラーは黄色。『ピクロス』等に代表されるモノクロのイラストロジックと呼ばれるパズルゲーム。
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ヒントを元に「10×10」のマス集合体の正解マスを塗りつぶせばクリア。問題はA・Bタイプ共に各100問。各問題別で最短クリア時間の記録がされる。
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Aタイプは間違ったボタン操作をするとライフ1ポイント消費となり、3ポイント失うとゲームオーバー。Bタイプはペナルティはないが、間違いを知らせる目安もない。
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アナログスティック等でカーソルを移動させ、「マス塗り」「×印のチェック」のボタン操作を行う。仮塗り等の操作はなく、ヒントチェックの機能も非搭載。
Piczle Pattern
本体カラーは赤。マスの塗りつぶしが目的のパズルゲーム。
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「5×5」のマス集合体をすべて塗りつぶせばクリア。問題はA・Bタイプ共に1問のみ。クリア後は最短操作回数が記録される。
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5マス分の十字形マスをアナログスティック等で操作し、ボタンでカーソル内を塗りつぶす。すでに塗られたマスを再度塗ると白紙化される。
Piczle Loops
本体カラーは青。いわゆるスリザーリンクやナンバーラインと呼ばれるパズルゲーム。
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ヒントを元に「6×6」のマス集合体のラインを途切れる事なくすべて繋ぎ切ればクリア。問題はA・Bタイプ共に各36問。記録対象は各問題別におけるクリアの有無のみ。
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アナログスティック等でカーソルを移動させ、4つのボタンで「ライン塗り」「×印のチェック」を行う。
評価点
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徹底的な電子ゲームの再現
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架空の存在ながら80年代風の電子ゲームを徹底的なまでにリスペクトされており、その再現度はかなり高い。
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限られた小画面サイズの内で「あらかじめ刻まれた絵柄の明暗でゲームを表現」「数字はすべてセグメントで表記」といった再現がなされている。
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効果音は「ピッ」といった電子音のみで構成され、電子ゲーム特有のチープ感もばっちり再現。なおBGMはピアノ主体の癒し系楽曲が流される(OFFも可能)。
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本体などを詳細に鑑賞できる機能もあり、「もし『ピクセルシリーズ』の電子ゲームが実在していたら…」という願望をバーチャル内で堪能できる。
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元ネタは明らかに大ヒットしたあの電子ゲームシリーズで、タイトルフォントまで似せている徹底ぶり。あまりにも似すぎていて心配になりそうだが…。
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3種類のプレイルールを収録
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歴代の『ピクセルシリーズ』の各タイトルは原則1種類のパズルのみの採用だったが、本作では3種類のパズルがプレイできる。
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3種類のパズルのどれもが全く異なるルールなため、気分次第で異なるパズルが楽しめる。これは単独のシリーズタイトルとしては本作が唯一である。
問題点
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パズルゲームとしての小粒さ
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やはり小さな画面の電子ゲームの再現という制限ゆえに、パズルゲームとしてボリュームやスケールという意味での小粒感は否めない。
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全ゲームにおけるマスのサイズが小さく、問題数は過去の『ピクセルシリーズ』と比べると控えめ。歴代シリーズの多くに搭載されたトロフィーも非搭載。
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演出面としてみても過去作ほどの華やかさは少なく、レトロな電子ゲームの忠実再現をなぞった外観で、悪くいえばかなり地味に感じる。
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Piczle Crossのプレイのし辛さ
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Piczle Cross限定の問題点として、今時のイラストロジックでは標準搭載されているヒントのチェック機能が搭載されていない。
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画面がモノクロ表示である状況も相まって、ヒントの感覚がいまいち掴みにくい。特にAタイプの問題では凡ミス操作連発によるゲームオーバーと化しやすい。
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デフォルトにおけるボタン操作が「Bボタンでマス塗り」「Aボタンで×印チェック」という操作体系なのが紛らわしい。
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幸いにもボタン配置を反転させる機能があるため、やりにくいと感じたプレイヤーに対する配慮はなされている。デフォルトがなぜこの配置なのかは謎だが…。
総評
かの電子ゲームシリーズを徹底的なまでにリスペクトした再現度の高さと、3種類のペンシルパズルをお手軽にプレイできる点は魅力的な一作といえる。
どちらかといえば『ピクセルシリーズ』のファン向けとしての趣旨が強く、他のシリーズに比べるとボリュームやスケールは劣る点に注意。
最終更新:2023年07月01日 17:01