囲碁 九路盤対局
【いご きゅうろばんたいきょく】
| ジャンル | 囲碁 | FCD版 
 FC版
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| 対応機種 | ファミリーコンピュータ ディスクシステム ファミリーコンピュータ
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| 発売・開発元 | BPS | 
| 発売日 | 【FCD】1987年4月14日 【FC】1987年8月11日
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| 定価 | 【FCD】3,500円 【FC】6,050円
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| プレイ人数 | 1人または2人 | 
| 記録方式 | 棋譜セーブ5箇所 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | FC囲碁第1作目 日本棋院推薦
 チュートリアル実装
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概要
『ファミコン将棋』から2年、ファミコン囲碁が発売された。
本作はファミコン囲碁第一弾、またBPSのファミコンソフト第一弾でもある。
内容は、CPU対局、2人プレイなどはもちろん、棋譜の保存、チュートリアルなど充実しており、日本棋院推薦のお墨付きである。
特徴
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1 PLAYER
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本作のメイン。CPUと対局する。
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勝っても何も起こらない。対局するのみである。
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難易度はLEVEL1~14まで用意されており、5子の黒番~9子の白番までの手合いで初心者から上級者まで幅広く対応している。
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最高レベルの9子置きなんてどう考えても勝てなさそうであるが、勝つ方法はある。
 
 
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2 PLAYER
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2人で対戦する事が出来る。こちらも力量差に応じて14段階のハンデが用意。
 
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REPLAY
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記録した棋譜を再現する。セーブは棋譜の記録の専用であり最大5箇所まで可能。
 
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LESSON
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囲碁のルールから実演まで10分にわたって行われる。
 
評価点
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ファミコンで囲碁を作った事
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ファミコンという制約が厳しい環境、それもノウハウも不完全だった初期にである。
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技術力は飛びぬけており、ファミコン後期のゲームと比べても見劣る事は無い。
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これだけ複雑な作品でありながらバグが一切報告されていない。
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ファミコン囲碁としては細部までこだわり抜いた仕様で、日本棋院の監修が隅々まで行き届いているのが伝わってくる。
 
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思考時間
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指し手が早いのでプレーヤーを待たせる事はない。局面が複雑だから途端に遅くなるという事もない。
 
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ハンデ戦
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先手or後手や、置き石に応じた14段階のハンデが用意。これにより初心者~上級者まで対応できる。
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もちろん対人戦でも設定する事が出来る。
 
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チュートリアル
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ルールの説明から丁寧に実演してくれるのは本作だけ。
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将棋の方はSFC最終作までCPUが猛威を振るって来るばかりであったが、囲碁の方はチュートリアルが実演されており、初心者にとっては非常に助かる内容となっている。
 
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棋譜の保存
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今でこそ珍しくは無いのだが、棋譜の保存が出来る仕様は便利と言える。
 
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グラフィック
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碁石の質感が良く黒石にはハイライトが考慮されて立体感がある。しかもチュートリアルの際は必要に応じて四角や十字のマークを併用しているので分かり易い。
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忍者が手裏剣の代わりに碁石を投げるという動作が用意されている。
 
賛否両論点
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19路盤ではない
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囲碁と言えば19路盤と言いたいところであるが、流石にファミコン当初の性能で19路盤は厳しいので9路盤のみにしたのは妥当とは言える。
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局所戦に強いCPUの特質もあってか、9路盤では強さに対しては不満の声は聞かれなかった。
 
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チュートリアルの仕様
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一度始めたら通しで見なければならない。
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好きな個所から始める事も、見逃した部分を巻き戻す事も出来ないので本当に不便なところである。
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ただそれでも、CPUが猛威を振るって来るだけの他作品とは違って有難いという意見はあった。
 
問題点
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「待った」が実装されていない。
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うっかり悪手やクリックミスをやってもそのまま続けるしかないのは厳しい。
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2P対戦でも、相手の承諾があったとしても「待った」が出来ないのは非常に不便なところである。
 
総評
将棋に続いて、9路盤という形ながらも囲碁の方もファミコンで実現した。
ファミコンの厳しい制約条件の中で囲碁を作った記念碑的作品であり、しかも初心者にも優しいLESSONという付加価値も用意されており、ファミコン囲碁の幸先の良い第一歩を踏み出したと言える。
その後の展開
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FCの9路盤としては本作が最初で最後の作品である。
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19路盤のゲームが多く作られている現在では需要が少ないためか、投げ売りされている。
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囲碁ゲームの制作は難しいためかFC~SFCまで発売された種類は少ない。
 
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BPSは後に『対局囲碁ゴライアス』を発売しており、SFC囲碁の幸先の良い第一歩を踏み出す事に成功している。
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2024年にテトリスのオムニバスソフト『テトリス フォーエバー』にまさかの収録。
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本作はテトリスシリーズと無関係だが、多くのテトリス作品を手がけてきたBPSのファミリーコンピュータ参入タイトル第1弾ということで収録されている。(参考記事)
 
余談
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ディスクシステムではセーブが実現されているが、ROMカートリッジ式のバッテリーバックアップとしては本作と同日に発売された『森田将棋 (FC)』が初である。
最終更新:2025年03月02日 01:40