この記事の内容は2025/1/18に配信された「Saving the Saves Update」を基準にしています。
アップデートによる評価等の追記は1ヶ月経過してからお願いします。

テトリス フォーエバー

【てとりすふぉーえばー】

ジャンル パズル
対応機種 Windows (Steam/GOG.com)
Linux(Steam*1)
Nintendo Switch
PlayStation 4
PlayStation 5
Xbox One
Xbox Series X/S
発売・開発元 Digital Eclipse
発売日 2024年11月13日
【Switch】2024年11月14日
定価 3,960円
【Steam】3,900円
プレイ人数 1人
レーティング IARC12+
備考 ダウンロード版のみの販売
判定 良作
劣化ゲー
判定
(Saving the Saves Update以降)
良作
改善
ポイント テトリス40周年記念作品
BPSのテトリスを中心とした19本ものテトリスを収録
テトリスの深い歴史が知れる濃厚なドキュメンタリー
テトリスシリーズ



"他の全てのゲームが
消えても
テトリスは残り続けるだろう"


"テトリスをプレイしたまえ、友よ"



概要

Digital Eclipseが展開するインタラクティブドキュメンタリー「ゴールド・マスター・シリーズ」の最新作。
爆発的な人気を呼び起こし、後に「落ちものパズル」というジャンルが確立する『テトリス』。その作者であるアレクセイ・パジトノフ氏(以下、アレクセイ氏)と、パートナーでありザ・テトリス・カンパニー社(以下、テトリスカンパニー)の設立者であるヘンク・ロジャース氏(以下、ヘンク氏)によるテトリスの歴史についてのドキュメンタリー作品が本作である。 テトリスの歴史に関する様々な資料や映像の他、当時発売された一部のテトリス作品が本作で遊ぶことができる。
遊べるテトリス作品はかつて存在していたBPS*2開発のソフトがメインで、収録総数は現時点で19本*3


収録タイトル

機種 タイトル 発売年 備考
Elektronika 60 テトリス 1984 元祖となるテトリス作品の再現版。
MS-DOS テトリス(アカデミーソフト) 1986 ソ連の国務機関アカデミーソフトが開発したテトリス。日本初移植。
テトリス(スペクトラム・ホロバイト) 1988 スペクトラム・ホロバイト社が開発したテトリス。日本初移植。
ウェルトリス 1989 2024/12/21に配信された「'Welltris' Update」で新規追加。日本初移植。
AppleII テトリス 1988 日本初移植。
FC 囲碁 九路盤対局 1988 海外初移植。
テトリス 海外初移植。
テトリス2+ボンブリス 1991 海外初移植。
ハットリス 海外初移植。
ハットリス (NES版) 1992 海外向けに制作されたハットリス。日本初移植。
SFC スーパーテトリス2+ボンブリス 1992 海外初移植。
テトリス武闘外伝 1993 海外初移植。
スーパーテトリス2+ボンブリス 限定版 1994 『スーパーテトリス2+ボンブリス』売上50万本記念に制作されたマイナーチェンジ版。海外初移植。
スーパーテトリス3 海外初移植。
スーパーボンブリス 1995 海外初移植。
GB ハットリス 1991 海外初移植。
スーパーボンブリス 1995
スーパーボンブリスDX 1999 GB版『スーパーボンブリス』をベースにゲームボーイカラー対応かつパズルモードを加えたアップデート版。海外初移植。
オリジナル テトリス タイムワープ 2024 本作の完全新作。

権利関係の問題もあり収録されている作品のほとんどが日本もしくは海外初移植作品となる。
そして「テトリスのラインナップの中になぜ囲碁が収録?」と思う方も多いだろうが、これは当時ヘンク氏がBPSを立ち上げた際に制作した最初のソフトが『囲碁 九路盤対局』であり、これもテトリスの歴史に関わっていることから収録されている。


新作『テトリス タイムワープ』

  • 本作唯一の完全新作。独自のモードとして「タイムワープ スコアアタック」が存在する。
    • このモードでは10ラインを消すごとに現れる特殊なミノを消すとタイムワープが発動し、別の時代に飛ばされるというシステム。
      • ワープ先は1984(Elektronika 60版)、1989(GB版)、1993(SFC版ボンブリス)の3種類。それぞれの時代に応じてホールドなどの「ワープ先の時代(作品)には無いシステム」が封印されるほか、「左右キーが押しっぱなしでも1マスしか動かない」等といった各時代独自の操作性やルールが適用される。
      • ボンブリスは原作とは若干仕様が違うものの、「爆弾ブロックをラインに含めて揃えることで爆発する」ルールは健在。
    • 制限時間が設けられており、20秒以内にラインを消した後、最後に各時代に設けられた条件を達成する事が目的となる。
      • 達成条件は各時代でそれぞれ「4ライン消す」、「ダブルで消す」、「デカボム*4を作って消す」と異なっている。
      • 制限時間内に条件を達成するか、もしくは制限時間が無くなると元の時代に戻る。
      • ただし、例外として1984と1989はそれぞれの時代を条件達成した場合のみ1989もしくは1993に再度ワープする。
    • タイムワープでラインを消すとスコアではなくボーナススコアとして加算され、消し続けるとボーナスに倍率がかる。
      • 各時代に設定されクリア条件を達成する事でボーナススコアが加算される仕組み。ただし、条件を達成できないとボーナスは加算されない。
    • 特殊なミノの中には金色が存在する。このミノを消すとタイムワープせずに別の効果が発動する。
      • 全てのブロックが下へスライドし、隙間を埋めてくれるというもの。隙間を埋めた際に揃ったラインは全て消去される。
    • タイムワープはエンドレス形式の「タイムワープ スコアアタック」、制限時間3分以内*5で最高スコアを目指す「3分タイムアタック」の2モードを遊ぶことができる。
  • 他のモードとしてタイムワープなしのガイドライン式テトリスで遊ぶことができる「モダンマラソン」、GB版『テトリス』を擬似的に再現した『1989マラソン』が存在する。
    • また、対戦も可能で最大4人まで遊ぶことができる。
  • 収録タイトルのうち、テトリスのガイドライン*6に沿っているのはこの『テトリス タイムワープ』のみとなる。

評価点

  • 収録タイトルのほとんどが初移植
    • テトリスは本作のドキュメンタリーでも触れられている通り権利関係に厳しい事で有名であり、長らく他機種への移植が実現しなかった。
      • 本作でその移植がやっと実現することとなる。ボンブリスなどの派生タイトルは任天堂機以外への初進出、国内ブームの発端となったFC版『テトリス』に至っては約37年ぶりの初移植となる。
      • 特にファミコン・スーパーファミコンのテトリス作品はバーチャルコンソールがあった頃から移植が行われなかったので、本作のラインナップは貴重なものとなっている。
  • テトリスの元祖とも呼べるElektronika 60版『テトリス』が遊べるのも大きい。
    • アレクセイ氏が初めて制作したElektronika 60版『テトリス』はかなりレトロなPCであったが故移植はなく、写真・映画*7・YouTube等の動画サイトの映像、そしてあるゲームのギミックぐらいでしか存在を知ることができなかったが、本作で(再現とはいえ)原型を遊ぶことが可能となった。
  • キーコンフィグに対応
    • キーコンフィグの実装が当たり前となった現代において一聞だけでは「これが評価点?」と疑問に思うかもしれないが、これがあるゲームにおいて重要な役割を果たしている。
      • それはFC版『テトリス』。この作品での操作は「下キーで回転、Aボタンでハードドロップ」と現在のテトリスの操作方法とは真逆の設計だった。
      • しかも当時はキーコンフィグ機能がなかったため、操作のしづらさが問題点として挙げられていた。この機能は操作性を大きく改良するという点としては評価点となっている。
    • また、XboxまたはWindows(steam)において収録作品の全てで「(Xboxコントローラー基準で)Bボタンが決定、Aボタンがキャンセル」とUI操作の決定・キャンセルボタンとは逆となっているが、こちらもキーコンフィグ機能で再設定が可能。
  • 当時の貴重な映像・資料群が見れるドキュメンタリー
    • テトリスに関する歴史を当時の映像や資料、アレクセイ氏とヘンク氏のインタビューで振り返るという内容。
      • その中でもゲームの雑学としてよく触れられる「テトリスの権利関係にまつわる話」は深く掘り下げて紹介されている。
      • ドキュメンタリー自体はおおよそ2~3時間程度で全て観れるものだが、その分資料としての価値は高い。
      • 当時のテトリスの広告資料やパッケージ画像、さらには「1988年のCESの映像」や「ヘンク氏が撮影したソビエト連邦の風景映像」など、今となってはとても貴重な映像や資料を見ることができる。
    • ローカライズの日本語もしっかりと翻訳されており、言い回しといった表現が難しい部分も違和感を感じること無く読むことができる。
      • なお、ローカライズは『UNDERTALE』等の評価の高い翻訳を行っている会社で知られるハチノヨンが担当している。
  • 良質なサウンドと新規ミュージック
    • その中でも『テトリス2+ボンブリス』のBGMは今なお評価が高い。
      • 作曲は『ドラゴンクエストシリーズ』で有名なすぎやまこういち氏が手がけており、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の制作直後でもあったのか全体的にドラクエ風味のBGMとなっている。
      • しかしこれらの楽曲はゲームデザインに調和しており、違和感を感じさせない作りとなっている。楽曲自体は以降の作品に収録されておらず、サントラも出ていないので実機以外で楽しめるのは貴重である。
    • 「テトリスタイムワープ」においてはGB版テトリスの「TYPE-A」をGB風味の音源を残しつつ大胆にアレンジされた楽曲が収録されている。

賛否両論点

  • 良くも悪くも原作に忠実
    • 収録されている作品は当時のまま移植されており、クイックセーブ&ロード・巻き戻し・キーコンフィグ以外の機能は追加されていない。
    • ゲーム性や操作性はすべて当時のままで、これらの部分にアレンジもしくは変更されていない。
      • テトリスはガイドラインが定められており、その制定は2002年。本作に収録されているテトリス作品は新作を除き全てガイドライン制定前に制作されたものである。
      • そのため、壁蹴りやT-Spin、ミノの偏り*8補正等といった要素はなく、ガイドラインに馴染んでいるテトリスユーザーからすると操作性がとっつきにくい。
      • 前述の通りガイドラインに沿ったルールで遊ぶことができるのは新作の『テトリス タイムワープ』のみ。
    • また、各機種で発生していた処理落ちも当時のまま再現されている。
      • 中でもかなり重い部類とされる「ボンブリスで大爆発を起こした際の演出の処理落ち」も当時のままとなっている。
      • 現在は解決済みだが、Switch版でのみBGMの処理落ち問題が発生していた。これについては後述。
  • テトリスの歴史について
    • 本作品のドキュメンタリーはヘンク氏とアレクセイ氏を中心とした内容となっており、2人があまり関わりを持たないテトリス作品の紹介はかなり絞られている。
    • 権利関係の歴史に深く関わるテトリス作品はほぼ全て網羅・紹介されているのだが、その他の資料は任天堂開発のテトリス作品以外は大幅に省略されている。
    • このように他社のテトリス作品が少ない関係かドキュメンタリーでは90年代後半以降の作品紹介はかなり少なくなっており、「テトリスの歴史」と称している割には寂しいところがある。
      • もっとも、テトリスという作品自体のリリースがあまりにも多く*9、全てを紹介しようとすると膨大な量になるため作品数が絞られるのは仕方ない事でもあるが。
  • 収録タイトルについて
    • 収録タイトルもBPS開発のテトリス作品が中心となっており、他社作品の収録はほぼ無いと言って良い。
      • ラインナップは様々な機種で発売もしくは稼働されたそれぞれのテトリスを遊んでいた世代で賛否が分かれている。
      • BPSのテトリスを遊んでいたFC・SFC世代にとっては肯定的なのだが、他社開発が多く占める携帯型やアーケードで遊んでいた世代にとってこのラインナップは否定的な意見を見受けられる。
    • テトリスの所有権こそはテトリスカンパニーの親会社であるテトリス・ホールディング社にあるものの、開発されたソフトの権利はそれぞれのソフトウェアメーカーに属する。
      • そのためほとんどのテトリス作品は権利関係が複雑であり、BPS以外の収録交渉は難しかったと思われる。
      • 実例として開発関係者がsteamのコミュニティフォーラムで「アタリ(テンゲン)製のテトリスの収録交渉を行ったが、実現できなかった」と伝えている。
    • なお、前述の通りGB版『テトリス』に限り原作そのものは遊べないが擬似的に再現したモードが『テトリス タイムワープ』に収録されている。

問題点

  • 新作『テトリスタイムワープ』について
    • タイムワープで再現されるテトリス作品が3種類のみとバリエーションが少ない。
      • また、各時代の達成条件もそれぞれ1つのみ固定されており、ゲームの進行に応じて条件が変化することはない。
      • バリエーションの少なさに踏まえ変化が全く無いことからこの演出自体が「ただの作業」と感じやすく、特に「タイムワープ スコアアタック」においては飽きやすいものとなってしまっている。
    • タイムワープ演出中、演出完了前にゲーム中のミノが動く現象が発生する。
      • タイムワープにそれぞれの時代に移動する際にフラッシュが入るのだが演出が終了する前にミノが動き始めており、プレイヤーがミノを目視できる時点である程度移動されてしまっている。
      • ミノが最高速になると画面の効果が切れたと同時にミノが一番下にいるという現象が発生しており、理不尽さを感じやすい。
    • タイムワープのボンブリスの挙動が怪しい。
      • 爆弾の入った列を揃えても爆発しなかったり爆発後のブロックが落ちず浮いたまま*10になっているなど、原作にない問題が発生している。
  • 『スーパーボンブリス』の特定の操作でフリーズ
    • 『スーパーボンブリス』においてソフトウェアリセットコマンドが使用可能なのだが、本作ではこのコマンドを使うとフリーズする。
      • あくまでフリーズするのはゲーム内のみであり、本作側のメニューは動くので完全に操作できなくなるというわけではない。
      • 実機ではこのコマンドを使用するとフリーズせずにリセットがかかるので本作特有の不具合とされる。
  • 一部作品で巻き戻し機能が効かない (※ Switch版のみ)
    • 収録されている作品うち、FC・SFC・GBの3つで動作するテトリス作品は巻き戻し機能が実装されているのだが、Switch版ではSFCのテトリス作品のみ動作しない。
      • 初期版では巻き戻し機能が使用可能になっていたのだが、後のアップデートにより使用不能になった。
    • これは後述するBGMの不具合を解決するために暫定的に対応したものであり、今後のアップデートで改善予定とされている。

アップデートで改善された問題点

  • セーブデータの不具合
    • 『テトリス2+ボンブリス』をはじめとした一部タイトルはスコアや進行状況を保存するバックアップ機能が搭載されているのだが、本作ではこれが一切機能しなかった。
    • プレイヤーデータなどの保存を目的としたデータが作成できるにもかかわらず、別のタイトルを選んだりメニュー側で「リセット」を選ぶとセーブデータごと消去されてしまっていた。
    • 本作はクイックセーブ&ロード機能があるのでそれで代用可能ではあるものの、この不具合は別の問題を引き起こすこととなる。
      • ボンブリスが収録されている作品すべてで「エンディング画面で(実機の)リセットボタンを押してタイトルに戻ると裏面*11を遊ぶことができる」という隠し要素があるのだが、本作の不具合により実現不可能となっていた。
      • ほとんどの収録タイトルにおいてエンディング画面は実機のリセットボタン以外の入力を一切受け付けない仕様となっており、本作のリセット機能を行うとセーブデータも消えてしまうため正規の方法では裏面を遊ぶことができなかった。
      • 一部の作品はスタートボタンでタイトル画面に戻れたりソフトウェアリセットコマンドや面セレクトの裏技コマンドを使用することで回避が可能なものの、「原作ではできたことができなくなってしまってる」という点では不便さを感じやすいかった。
    • この「実機で保存可能だったスコアや進行状況が本作では保存できない」や「ボンブリスの裏面が遊べない」といった不具合が本作の評価を大きく下げ、劣化移植要素の一因になっていた。
      • この問題は 『テトリス2+ボンブリス』をはじめとした当時のバックアップ機能対応作品をやりこんでいた人ほど落胆は大きかったと思われる。
    • 2025/1/18に配信された「Saving the Saves Update」で本不具合が修正され、スコアや進行状況が保存されるようになった。
      • 本作のアップデートに合わせ『テトリス(アカデミーソフト)』と『テトリス(スペクトラム・ホロバイト)』のスコアも保存されるようになった。
  • SFCテトリス作品のBGMの不具合 (※ Switch版のみ)
    • Switch版のSFC作品においてプレイ中、BGMにノイズが混じったりテンポが遅くなるなどの現象が発生していた。
    • 原因は前述の巻き戻し機能にあったと思われる。実際BGMの不具合が解決したアップデートでは巻き戻し機能がSFC版に限り封印されている。
    • なお、この現象はSwitch版のみで発生していた現象で、他の機種では発生していない。

総評

ゲームの再現度という意味ではある程度不具合を抱えていたが、積極的なアップデートにより現在は快適に遊ぶことができるようになった本作は「当時の名作を最新機種で楽しむことができる」という点では評価が大きい。
そしてテトリスの歴史を知る上では充分なドキュメンタリーが収録されてることから「テトリスの資料」としては優秀な作品であり、「『テトリス』の40年の歴史を網羅した決定版」という言葉に恥じない作品であることには間違い無いだろう。

(BPS開発の)ファミコンもしくはスーパーファミコンのテトリスをよく遊んでいた人はお勧めできる作品である。
ガイドライン制定後のモダンなテトリスに慣れたユーザーにとってはとっつき辛いかもしれないが、「昔のテトリスを知る」という興味を持っているのであれば是非ともお勧めしたい。


余談

  • Switch版が一時期配信停止、Steam板も1日だけ購入不能となっていた。原因はレーティングの抵触。
    • 販売当時のIARC汎用レーティングでは「3歳以上」とされており、ゲームそのものには問題が無かったもののドキュメンタリー映像の言葉遣いがレーティングに抵触しており、変更のため一時配信停止となった。
      • 現在のレーティングは「12歳以上」に設定されている。この「ゲーム自体は全年齢対象だが映像や資料の問題でレーティングが引き上げられている」現象は同社が開発・販売した『Atari 50: The Anniversary Celebration』でも起こっている。
  • 本作のテトリスの歴史は任天堂が深く関わるためゲーム画面はもちろんのこと、当時のニンテンドーオブアメリカの本社外観やカスタマーサポートの社内風景といった貴重な資料を見ることができる。
    • そして本作はマルチプラットフォームのため、「ライバル機(PS・Xbox)で任天堂のゲームが映像や画像で閲覧することができる」という珍しい現象が起きている。
  • 『テトリス2+ボンブリス』のプロデューサーでもあり後に株式会社ポケモンの代表取締役となる石原恒和氏が「『テトリス』を作りたい一心で権利を取得するため、ソビエト連邦に向かってた」という事実が本作で明かされる。
    • 権利そのものは取得できなかったが後に当時のゲームクリエイターの強豪メンバーを集結し、『テトリス2+ボンブリス』を開発してBPSで販売されたという経緯がある。
    • 氏は著書を出すほどテトリスが好きなことで知られており、今回の話もいかにテトリスが好きだったかがよくわかる内容となっている。
  • テトリスの亜種であるLogical Design Works開発・California Dreams販売の『ブロックアウト』*12が本作の歴史で触れられており、『テトリス』の生みの親であるアレクセイ氏が実際に遊んでいる映像を本作で観ることができる。
    • 『ブロックアウト』に対してアレクセイ氏は「嫌いだった」と踏まえた上で「人間への脳の負荷が強すぎると思った」とけっこう辛辣に評価しており、この作品をヒントに作られたのが『ウェルトリス』であると語っている。
    • ある意味、『ブロックアウト』もまたテトリスの深い歴史に関わる作品であったことが証明された……のかもしれない。
  • テトリスの歴史においてはテトリスに関わった人物の当時の姿が見れる写真もしくは映像があるのだが、その中になぜかドリフトキングと呼ばれた土屋圭市氏と子役で有名だったタレントの内山信二氏の姿も見ることができる。
    • 内山信二氏は『テトリス2+ボンブリス』のCMに出演しており当時の姿がそのまま掲載されており、チャプター4のトップ画像となっている。
    • 土屋圭市氏は本作に収録されているSFC版『テトリスフラッシュ』の広告画像において同時期に『ドリフトキング 土屋圭市&坂東正明 首都高バトル'94』が発売されていたことから氏の姿を見ることができる。
      • 首都高バトルが掲載されていたのは「BPS社から発売されたゲーム」という共通点だけでテトリス要素は全く無い。
      • ちなみに『テトリスフラッシュ』も日本での販売こそはBPS社なものの、開発とSFC版の販売以外は任天堂のため本作には収録されていない。
  • 前述の通り本作はテトリス40周年を記念した作品であり、テトリスカンパニーでは本作以外にも様々な発表やコラボ、イベント展開が行われている。(当時のプレスリリース(英語))
    • Minecraft』ではテトリスとコラボしたDLCが販売。テトリスをテーマにしたダンジョンアドベンチャーやDLCにしかないアイテム、敵キャラが登場するほか、ゲーム内でテトリスを遊ぶことが可能。
    • 任天堂からは2024年12月12日に『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』でNES版『テトリス』、『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』で『テトリスDX』が配信された。いずれも日本初移植となる。
      • また、『TETRIS 99』ではNES版『テトリス』の配信を記念して当時の雰囲気を再現したテーマ入手できる「テト1カップ」が2024年12月6日から2024年12月10日まで開催されていた。
    • アリカからは約20年ぶりのTGMシリーズの最新作『TETRIS THE GRANDMASTER4 - ABSOLUTE EYE』がテトリス40周年記念のタイミングで発表された。2025年4月4日にWindows(Steam)版が発売されている。
  • 本作の配信日以降、積極的なアップデートが行われている。
    • 2025年2月時点で新規タイトルとして『ウェルトリス』が追加される「'Welltris' Update」、前述のセーブデータの不具合が修正された「Saving the Saves Update」といったアップデートを配信された。
      • アップデートの中にはバグの修正やユーザーのフィードバックを受けて改善した要素も含まれており、スタッフによる「本作のアップデートに対して積極的な姿勢」を伺うことができる。
    • 公式情報によれば今後もアップデートを予定しており、本作の機能改善の他に『テトリス タイムワープ』のアップデートも予定していると告知している。
最終更新:2025年03月23日 16:00

*1 Proton互換対応。Steam Deck認証済み。ProtonDB - Platinum判定

*2 Bullet-Proof Softwareの略称。テトリス作品や初期の『首都高バトル』シリーズの販売を担当していたゲーム会社だったのだが、2001年3月31日に解散した。BPSのテトリス作品の知的財産はテトリスカンパニーに譲渡されている。

*3 初版で18作品、アップデートで1作品追加。

*4 爆弾ブロックを4つ集め正方形を作ると大きな爆弾を作る事ができる。このブロックを「デカボム」と呼ぶ。

*5 ただし、タイムワープ発動中は制限時間が減らない。

*6 テトリスは作品によって操作性や仕様が大きく異なっていたが、そういったものを統一するための公式指標。

*7 本作にも触れられているテトリスの権利関係を巡る内容の映画でApple TV+限定コンテンツとして配信中。なお、劇場での公開は行われていない。

*8 同じミノしか来なかったり逆に特定のミノが来ない現象。これはプログラムにおいて純粋なランダム性を用いると必ず発生するもので開発者が意図したものではない場合がある。

*9 後にテトリスカンパニーが「テトリスはゲーム機1種類につき1作品のみ」というルールを設けるほどテトリス作品のリリースが過剰な時期があった。

*10 テトリスでは基本的にブロックは浮いた状態になるのだが、ボンブリスにおいて浮いているブロックは他のブロックに接地しない限り一番下へ落ちる。

*11 例外として『スーパーテトリス3』のスパークリスにも存在する。また、『スーパーボンブリス』では裏面が存在しない。

*12 『ブロックアウト』も様々な会社から販売されていたが、日本ではアーケード版のテクノスジャパンが特に有名。