対局囲碁ゴライアス

【たいきょくいごごらいあす】

ジャンル 囲碁
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 BPS
発売日 1993年5月14日
定価 14,800円
周辺機器 スーパーファミコンマウス対応
記録方式 オートセーブ。3箇所
判定 良作
ポイント SFC囲碁第1弾
日本棋院推薦
詰碁も90問収録
初心者お断りの高難度


概要

SFC初の囲碁ソフト。小川誠子先生と白江治彦先生の監修により発売された。
BPS発売の囲碁ゲームは6年ほど前のFC版『囲碁 九路盤対局』以来であり、19路盤では『ファミコン囲碁入門』からおよそ丁度1年半年ぶりである。両者とも日本棋院推薦のお墨付き。
発売日は碁石にかけたか5月14日。CPU対局に加え更に詰碁も収録された、まさに待望の1本だったといえる。
なおタイトルの「ゴライアス」とはSFC囲碁のCPUの名称である。
素材の質も良く、タイトルでは流暢なBGMとともに桜の樹と花びらが出迎えてくれる。

特徴

練習戦(対戦)、囲碁大会

  • CPUまたは人間同士の対局。
    • 盤面は、9路盤、13路盤、19路盤が用意されており、マス目や碁石のサイズも別々に用意されている。
      • 白黒の手番を選べたり、ハンデを付けたりできるので幅広いプレーヤーに対応していると言える。
    • 棋譜の保存が行えたり、マウスにも対応している。

詰め碁(手筋)

  • 初級、中級、上級からそれぞれ30問、計90問が収録されている。
    • 制限時間2分で10級~10分で六段の問題まで。

オートセーブ

  • 本作はオートセーブに対応して記録を残してくれる。
  • セーブファイルは3つまで登録可能。
    • 平仮名、カタカナ、アルファベット大文字小文字、記号「,」「.」「/」「─」で6文字まで。続いて、顔グラ(8人から選べる)、級位(20級~1級まで)。

評価点

構成について

  • CPUの強さ
    • 流石にプロには遠く及ばないものの、SFCの火力を手に入れた事によりCPUの強さはFC版に比べて上がっている。
    • そもそもゲームとして囲碁を作る事自体が難しい事で、本作を含め8作品しか発売されていない。
  • 詰碁
    • 実はファミコンの囲碁作品では有りそうで無かったのだが、本作で詰碁の方も初登場と言ったところ。しかも次のような付加価値も組み合わされている。
  • クリアマークの種類
    • 正解するとトロフィーのマークが付くが、金はノーミスで解く、銀は時間内に解く、銅は時間外に解くと3種類用意。更にその際のメロディーも3種類用意されている。
      • メニュー画面からは、解いた状況が見易く一目瞭然である。
    • 本作にはオートセーブも実装されているので埋めていく楽しみもある。
  • 正解手以外の流れを実演
    • 本作は基本的に正解手以外弾かれる仕様であるが、一部の打ってしまいがちな誤答には手順と文章で解説してくれる。
    • 詰碁と言っても片方が圧倒的に優位というわけではなく、少しでも緩めるとたちどころに反撃が来る。このあたりの手順も棋力の向上に役立つ要素と言える。

グラフィック

  • タイトルの桜の樹、作中では色々な場面の一枚絵が表示され雰囲気を向上。綺麗に描き込まれており、トンボなどが動きを見せる。それでいて主張が過ぎる事はなく良く調和している。
  • フォントは漢字が使われている。碁石を最後に置いた箇所には光るエフェクトで分かり易いなど良く作り込まれている。

賛否両論点

  • 初心者お断りの高難度
    • 初心者の学習に最適な機能とあるが、CPUは強いし、詰碁も最初から3手5手がザラに出題、ヒントの文章もコウ、ナカ手、セキ、ダメヅマリ、ウッテガエシ、コスミなどの用語が飛び交うため予備知識も要求される。ぶっちゃけいって中級以上の囲碁経験者レベルに向けた作品となっている。
    • 白死の問題でも石を全部取るところまではしないため、後は頭の中だけで読まなくてはいけない。
      • 問2では不正解の後に白4まで進み黒死になると言われるが、その後に黒がどう応じても白が勝つところを読み切らなくてはいけない。
    • 制限時間は長め、銀まではお手付き制限なし、選択肢が多いわけではないので正解に辿り着けてしまうのだが、その意味を完璧に理解したかは疑問が残る。

問題点

  • 操作性
    • 盤面を移動する際に十字ボタンを入力してから隣のマスに行くまでコンマ何秒かかる。一見大した事がないように思えるが、隣の箇所に石を置こうとしたつもりが元の場所に置いてしまう事が多い。
      • 本作では制限時間が厳しいわけではないので大きな問題にはならなかったのが救いか。
  • クリアマーク上書き
    • 例えば、金トロフィーをつけた問題を、銅トロフィーで正解すると、クリアマークが金から銅に置き換わってしまう。
  • 90問解いた後に表彰状の演出があるのは良いのだが、以降は解く毎に演出が入ってタイトルに戻るのが手間である。
    • 再訪したいプレーヤーは他のセーブデータで解くというのも一つではある。最初から90問表示されている。

総評

かなりの上級者向けであることや、操作性の面でやややりにくい部分もあるが、詰碁など新しい付加価値を付けてSFC囲碁の幸先の良いスタートを踏み出した作品と言えよう。

余談

  • BPSは後に『対局囲碁 韋駄天』を発売。
    • 詰碁400問が収録されており、ゴライアスの操作性は改善されている。
最終更新:2022年09月25日 08:09