Call of Duty: Modern Warfare Remastered
【こーるおぶでゅーてぃー もだんうぉーふぇあ りますたーど】
ジャンル
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FPS
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対応機種
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プレイステーション4 Xbox One Microsoft Windows
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発売元
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Activision
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開発元
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Raven Software
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発売日
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【IW Legacy Edition】2016年11月4日 【PS4単体パッケージ版】2017年6月27日 【One/Win(DL専売)】2017年7月27日
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定価
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7,776円
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レーティング
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CERO:C(15才以上対象)
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判定
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良作
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Call of Dutyシリーズ
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概要
『Call of Duty 4: Modern Warfare』のハードを変えたリマスター作品。
開発元こそ、これまでの『CoD』シリーズのDLC開発や開発サポートを務めているRaven Softwareに変わっているが、オリジナル準拠で制作されているためプレイした際の違和感等は少ない。
当初は『Call of Duty: Infinity Warfare』の「Legacy Edition」にバンドルされる形のみで「単体販売はしない」と公式に報じられたが後に単体販売された。
リマスターによる変更点
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グラフィック等はもちろんのこと、旧作であった誤訳や銃の雑なディテール等も修正されている。
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マルチプレイヤーでは『Black Ops 3』にて実装されたサプライドロップ要素やスキン、キャラ変更等の要素や新武器も実装されている。
評価点
さらに強化されたグラフィック
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グラフィックは『CoD4』に違和感を覚える程綺麗になっている。
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皺の一つ一つや汗、ライティングの陰影等もかなりリアルなものとなり、キャンペーンのドラマチックな展開をさらに引き立てる良い働きをしている。
新要素の追加
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マルチプレイヤーで従来のファンを飽きさせないような作りになっている。
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また、新武器はオリジナル版の銃を喰わないような性能のバランスに作られているため極端に新武器が強武器、ということもない。
誤訳の修正
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前作に存在した「動力を止めろ」や「ギャズ、うか?」等の珍訳は完全になくなっている。
タイムアタックを競える機能の追加
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キャンペーンの最初のステージ「新入り」にて行えるCQB訓練の記録をオンライン上で競うことができるようになった。
細かい動作の追加
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「新入り」でのCQBテストのシーンで最初に降下する際や「クルーの価値」のヘリ降下シーンで旧版ではロープを掴まずに降りていたが、今作ではロープを掴むシーンが追加されていたりと不自然さを無くすディティールの追加がなされている。
続編との整合性を追加
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『MW3』にてザカエフの取引現場にマカロフとユーリがいるシーンの後付けがなされており、オリジナルではトラックに乗っているのがモブだったが今作ではマカロフとユーリに変更されており、彼らを撃つこともできる。
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マカロフを撃つと『タイムパラドックス』というトロフィーが貰えたり、ユーリを撃つと味方誤射扱いでゲームオーバーになったりとファンに向けた変更をしっかりと行っている。
問題点
容量が多い
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100GB近くあり、容量を非常に圧迫する。
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グラフィックが非常に綺麗な為、仕方ないとはいえるが本体である『IW』の68GBよりも容量が多い。
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余談での後述通り、本作の起動には『IW』Legacy Editionのディスクが必須であるが為に『IW』のインストールも避けられず、合計約168GBの空き容量が必要である。
リメイク前の方が良かった訳がある
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「クルーの価値」の終盤にてヘリから落ちかけたソープをプライス大尉がキャッチし「おっと、逃がさねえぜ」というシーンが旧版にはあるのだが、本作では「キャッチしたぞ!」というシンプルな訳になっている。
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後者の方が訳としては正しいのだが、前者の方がよりソープとプライスの友情が深まっていることを感じられるため、旧訳の方が好みというプレイヤーが多い。
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「偽装完了」にてマクミラン大尉が狙撃を成功させたプライスに「見事だ (ビューティフォー)」というシーンも「バッチリだ」という微妙な訳になっている。
再現度の不完全さ
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操作面、表現面でも再現しきれていない部分があり、原作プレイ経験者には違和感がある。
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投げ物を構えたまま段差の昇降が出来ない、LMGグリップの効果が異なる、キャンペーンで待機中のヘリにスティンガーのロックオンが働かない等の原作の仕様を把握していない事による再現性の問題も。
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マルチでのナイトビジョンが全く機能していない、マップの明るさが全体的に上げられるなどの表現の再現性にも問題あり。
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光源や粉塵の処理も追加され見栄えするようになったがはっきり言って邪魔。視認性が悪くなっただけである。その割に前述のナイトビジョンはポンコツ化している。何をしたかったのか。
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マルチでのリスポーン位置は最低の一言。交戦中の遮蔽物も無い場所に放り出されたりする。原作ではもちろんあり得ないことだった。
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通信の処理周りも不快感を煽る作りで、出会い頭に突然死や壁に隠れた瞬間に敵弾が回り込んで来て死亡、といったようなことが頻発する。弾抜けは日常。
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インターフェースデザインも劣化。家庭用ゲームを作るのに慣れていない人間にありがちな、小さい文字で表示されるインターフェース。見づらい。オリジナルにはあったPING表示も消されている。
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これも家庭用ゲーム製作に慣れていない人間によくあることだが、敵の足音が小さい。ヘッドホンを着けて開発するためにTVスピーカー環境でのテストを怠ったのだろう。
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マルチプレイでのスモークグレネード、スタングレネードは有効時間などの面でかなり劣化している。
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”放置稼ぎ”の対策が皆無。通報しても効果なし。
マルチプレイにおける新要素の不評点
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当初マルチプレイのバランスは変えていないと謳っていたが、後述の課金ガチャが導入されていることからも分かる通り真っ赤な嘘である。
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マルチの新要素にポップなものがあり、旧作の硬派なイメージを壊している。
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爆撃機がサンタになる、等は流石にやり過ぎと言える。また、このマップはクリスマス以降も何故か実装され続けている。
新武器のデザインが架空
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旧作『CoD』のリロードモーションを使いまわして作られている為、「あ、コレが元ネタか」となる銃も多くあるのだが、その中には露骨な架空デザインがあり偽物感を強めてしまっている。
総評
マルチの新要素はある程度不評だったが、キャンペーンの出来等は相変わらず高くリマスター作品の手本と言える出来に仕上がっている。
余談
販売形式の問題
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ゲーム本編自体は良好な作品として評価されているのだが、『MWR』を釣り餌にしたような『IW』のLegacy Editionの販売形態は評判が悪い。
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また、ディスクが無ければ『MWR』を起動できない為、(本作を破棄しない限り)プロダクトコードだけを抜き取って『IW』を売るという行為もできない。
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何故かLegacy EditionのOne版はプロダクトコードではなくディスクに『MWR』が内蔵されている為、一回こっきりで終わりではなく中古の価格がPS4と比べて高い。
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挙句単体販売されたのは『IW』発売から半年以上後である。
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問題点で先述した『IW』Legacy Edition同梱版における、抱き合わせインストールによる容量の逼迫問題も放置状態である。
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PS4のパッケージ版は増産がされていない故に『CoD』シリーズとしては珍しく中古価格が高騰しており、現在でも3000円以上の値段で取引されている。
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その後、2019年3月のPS Plusのフリープレイで本作が無料配信された。当然ながら本作の販売形式に不満を持っていたファンは幻滅したのであった。
実装はされなかったがデータ解析で見つかった要素
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データの中には『MW2』以降で実装されたピストルのデュアルといった要素が作りかけのまま残っており、オリジナルのバランスを尊重しするというコンセプトの都合上、実装されなかった可能性が高い。
最終更新:2023年10月28日 23:33