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A列車で行こう はじまる観光計画

【えーれっしゃでいこう はじまるかんこうけいかく】

ジャンル 都市開発鉄道シミュレーション
対応機種 Nintendo Switch
発売元 アートディンク
発売日 2021年3月12日
定価 7,678円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
備考 パッケージ版のみ早期購入特典にCD付属
判定(発売当初) なし
判定(ver1.1以降) 良作
改善
ポイント リアリティと自由度が大幅に向上
動作時間も増加
バグはアップデートである程度改善されつつあるが根絶に至らず
総じて差し引きな完成度
A列車で行こうシリーズ


概要

DS3Dと続いていったA列車で行こうシリーズ非ナンバリングがSwitchに延伸。様々な点において不満点が解消されており、ナンバリングとは違う方向に進化を遂げている。


新要素

本作の目玉要素その1:観光

  • マップには神社や復元城といった観光地が存在しており、そこに向けてマップ外から観光ルートを通すことによって観光客がやってくるようになる。
    • 観光ルートには鉄道やバスだけでなく、新たにフェリーを利用することもできる。
  • 観光碑が建っているところが観光地として認識されており、交通機関をその碑の近くまで整備することで観光ルートとして利用できるようになる。
    • 観光碑はコンストラクションモードのみ建設可能で、撤去すると観光客がやってこなくなり再設置させることもできない。
  • さらには遊園地やスタジアムといった一部の娯楽施設は観光地化するので、自社で観光地を整備して利用者数を向上させるという戦略も可能。

本作の目玉要素その2:車両制作

  • 前作では車両の帯などの位置は4種類の中から選べる程度だったのが、今作では様々なステッカーを貼り付ける形式に変更された。
    • ステッカーは丸形や四角型だけでなく、数字やアルファベット全種といった様々なものがある。
    • それだけでなく、窓枠や冷房、パンタグラフの種類や配置場所、ドア数といった様々なところを変更可能で、前照灯や警笛に至っては細かな位置調整まで可能である。
      • 前照灯自体も車両の上部中央に一個配置されるタイプや2個対照的に配置されるタイプがあり、より車両の再現性が向上している。
    • なお、本作では一度技術供与した設計図をさらに他のマップで技術供与することは不可能となっている。 アップデートにより可能になった。

シナリオ制作の強化

  • クリア条件の詳細化
    • 人口や鉄道総延長などはマップ全体だけでなく各地域ごとにも設定できるようになり、「特定のエリアを再開発することがシナリオ上の目的だが他のエリアの開発のみでクリア可能」というような状況が発生することが少なくなった。
    • シナリオの途中で新たなクリア条件を追加することも可能になった。
      • さらにクリア条件を減らしたり、期限を1年延長することも可能。
    • クリア条件自体も増えており、新たに借金返済や個別の駅単位の年間利用者数*1が求められるマップも登場している。
  • マップ設定も同様に詳細化
    • マップサイズを4段階から選択可能で、大きさによって地域の数が固定されている(減らすことは可能)。
      • 最小サイズのSSでは、空港の建築が不可能となっている。
    • 資源はマップによって取り扱いの可否を選択することができ、取り扱い不可とした資源はシナリオ上で一切使えなくなるようになった。
    • 用途地域を開始時点で固定させることができるようになった。これにより、例えば工業都市から脱却しニュータウンを整備することが目的のシナリオで、その地域が工業地域化しクリアが困難になるというような事態が起きにくくなった。
    • 前作では1マスあたりの大きさは100m四方であったが、今作は50m四方に変更され、同じ面積あたりの密度が4倍になった。これに伴い、子会社のサイズも全体的に大型化している。
  • 会話シーンにも様々な要素を組み込めるようになった。
    • 会話シーン中のBGMが新たに追加された。さらにSEも追加されより実際にその場にいるような表現ができるようになった。
      • もちろん指定しなければ前作と同じようにマップのBGMを流すこともできる。
    • 前述の通りクリア条件を会話シーンの中で追加・消去することができるようになった。
    • これまで社長は社員たちの話を聞くしかできなかったが、途中で選択肢を選ぶことができるようになった。
      • 選択肢によってその後のストーリーを変化させたりすることも可能。
    • 資金や社員状況の増減もできるようになった。公式シナリオでもこれを利用して、クリア条件を追加する代わりに追加の資金提供を受けるかを選択する場面がある。
    • マップ移動はスクロールに加え瞬時移動も追加された。
      • 前作では公式シナリオのみできる機能であったことから、ユーザーの意見を反映した形となった
    • さらに、株主信頼度の増減、取り扱い資源追加、機能制限のオンオフ、エンディングイメージの選択、エンディングテーマの選択もできるようになり、自由度が大幅に増した。
    • 特定のコマンドを組み込むことで、会社名や社長の名前を入れる事が可能になった。
    • 文字色の指定がカラーコードになったことから、前作の3色から大幅に増え、ほぼ無限に指定できるようになった。
      • この3つはゲーム内ヘルプにも載っているが、実は隠しコマンドが存在し、太字、取消線、下線、イタリック文字、文字サイズの指定などいくつかの隠し機能がある上、全て併用できるようになっている。
      • 会社名と社長名以外のコマンドは列車・子会社名や地名、シナリオ名、シナリオ説明文など文字入力の場面全てで使用できるため、これを応用したユーザーシナリオも幾つか存在する。
    • また、キャラクターを出さず文字だけの文章を表記する事もできるようになったため、ナレーターっぽく仕上げる、更には社長本人が喋っているかのような演出をすることも可能。

その他の新要素・変更点

  • 道路の大幅な仕様変更
    • 道路は地方自治体(NPC)が管理し、発展状況に応じて自動でも敷設されるようになった。これにより道路は自社資産ではなくなり、プレイヤーが手動で敷設した場合はその費用(土地の取得費+道路の構築物価格)が「寄付金」として会計上は赤字処理される。
    • 「小路」「歩行者道」などのような自動車が通行できない道も敷設できるようになった。このうちの「小路」「砂利道」は周辺の発展次第で、簡易舗装道や一般道路に変化するようになる。
  • 資源関連の大幅な仕様変更
    • これまで資源はマップ外に持っていけば好き勝手に売買できたが、今作では売買案件というものが追加され、これを受けないとマップ外との売買ができない仕様に変更された。
      • その案件を達成できなかったり途中で放棄しようとすると違約金が発生するため、たくさん受けてできなかったらおしまいとすることはできない。
      • ただし前作のように取引中に購入・売却価格が変わることはないため、管理しやすくなっている。
  • 駅/子会社建設の仕様変更
    • 前作までは駅や子会社の建設には豆腐*2の愛称でお馴染みの資材が必要だったが、今作では資材が無くても建設できるようになった。
    • これで過去作のように駅や子会社を作るためにわざわざ資材工場もしくは市外から資材を運ぶ必要はなくなり、駅や子会社の建設がよりやりやすくなった。
    • 建築の際に資材が完全に必要無くなったというわけではない。本作では建築中の建物の近くに資材を配置すると、資材を消費する代わりに建築中の建物の建設日数が短縮されるというブーストアイテムとして役割を持つこととなった。
      • これにより建築日数が長い巨大な建築物に関しては資材を使用することで約8割近く日数が短縮されるなどの効果が発揮される。
    • 年代によって建設可能な建物が制限される点に加え、「建設したことがない建物」を建設することで解禁されるケースが新たに加わった。
      • 解禁の順番はある程度法則があるが、解禁の条件はランダムであり、例えば公共の建物を建てるとビルが解禁されるといった状況も起こりうる。
      • これは車両開発についても同様であり、今まで完成させたことがない車両を新たに開発しないと、設計図が追加されない。
  • 子会社の施設追加
    • 子会社に後付けで施設を追加することができるようになった。
      • 大半の子会社は駐車場・駐輪場のみ追加可能だが、遊園地や動物園などは対応するアトラクションを追加することが可能だったり、レジャー牧場やスキー場は追加の牧場やスキーコースを建設することが可能。これにより、開発の自由度がさらに向上している。
      • 鉄工所に至っては煙突やガスタンク、サイロを建設出来るため増築を繰り返せば立派な工業地帯となる。
      • また施設追加は一つの子会社に20件まで建設可能で、状況によっては本体より建設費が高くなる場合もあり、この場合は立地次第で大きく利益を出すことも可能。
  • 駅や停留所の機能強化
    • 鉄道駅はホーム長が最長7→9両、本数が最大6→8本まで拡大できるようになった(一部の個別に上限が設定されている種別を除く)。
    • 既存の駅に駅舎の規模が違うバリエーションがいくつか追加された他、新しく「立体交差駅」を建設できるようになった。 前作でもバグ技で作成できたと言ってはいけない。
      • 地上階(1F)が駅舎、2Fと3Fに直交するホームを持つ構造で、分類上は高架駅となっている。最大で各階4本の合計8本まで拡張可能。
    • バス路線用の建物として商業ビルの機能を併せ持つ「バスターミナル」が新設された。
    • 地下車庫や地下信号場が追加された上、高架でも信号所が建設できるようになった。
      • 実は初期verだと高架でも車庫が建設できたが、どうやら不具合だったらしく、残念ながら後のアップデートで消去された。
      • これによって都営大江戸線のような車庫を含めて完全に地下にある路線、石勝線や北越急行のような山の中を通る路線など様々な路線を制作できるようになった。
    • ver1.1以降、高架駅が8階まで伸ばせるようになった。
      • これで宇都井駅*3のような異様な高さにある駅も再現可能になった。
    • また、子会社同様に駅についても施設追加が可能。利益こそ出さないが乗務員詰所や倉庫、レール置き場、変電所など鉄道会社に欠かせない施設が並んでいる。
  • バス・トラックの営業路線の仕様変更
    • 前作まではバスとトラックの営業路線は車両の線路と同様に分岐ごとに進行方向を決める形式だったが、今作では停留所もしくは道路のマスを指定するとルートが自動設定される仕様になった。
    • 線路とは違い道路は分岐点が増えやすい傾向にあるため、前作の仕様だとバスやトラックのルートが変わりやすくその都度設定しなおす事が多かった。
      • 今作ではルートが自動的に設定されるため、道路を敷く度にルートを再設定する必要はなくなった。
    • バスやトラックが停留所や駐車場へ向かう際に従来は左折進入しかできなかったが、今作は右折進入できるように改善された。
      • これにより、反対側にある停留所にも停車できるようになったが、バスベイの無い簡易バス停では従来通り不可能。
  • 助成金の仕様変更
    • 資源売買と同様に受託したもののみが対象となり、期限内に指定された種類の施設を建てることによって助成金が受給されるようになった。
    • 助成金も建物価格と土地価格に分けられるようになり、高額な建物なら建物価格、広い土地を使うなら土地価格という風に使い分けることで費用を抑える事ができる。
      • 建物の建設時に、CPUの物件の上に建設しようとすると、既存の建物を買収して取り壊すが、その費用は全て土地価格に転嫁されているため、それを土地価格の助成で補填可能。
    • 最初は一件しか受託できないが、繰り返し達成することによって信頼度が上がり、同時に受託できる件数も増える。
  • ボーナス設計図
    • シナリオを始めるときに他のマップで制作した設計図を入手できるようになった。
      • セーブデータと設計図は別々に保存されているようで、すでに消したセーブデータの設計図やコンストラクションモードでつくった設計図も選ばれることがある。
      • シナリオ制作時には、「なし」「少ない」「全て」の3段階が設定可能。「少ない」に設定すると他のデータの設計図がランダムで入手できる。ちなみに、公式シナリオは全て「少ない」に設定されている。
  • 価格交渉
    • 他社の建物を買収するときに追加された機能。一つの建物につき原則一回だけ交渉が可能。
      • 失敗すると通常価格での購入しかできなくなるが、成功すれば安い価格で子会社を手に入れる事ができる(成功しても必ず購入する必要はない)。
      • ただし、交渉後に一定期間放置しているとその物件が買収候補リストから外れる。その後は再度交渉できるようになり、一度失敗した物件でももう一度交渉すると値下げに応じてくれる場合がある。
  • キャラクター
    • 本作のキャラクターデザインは『世界樹の迷宮』シリーズを手がけた日向悠二氏が担当。全体的に可愛らしいデザインとなっている。
    • キャラクター毎に表情も1~2種類追加され、より表情豊かになった。前々作から続く経理部長の顔芸ももちろん健在。
    • 前作のように時代によって服装が変わるようなことはなくなった。
    • キャラクターが全体的に若くなったせいか、「都市計画課長」が「都市計画担当」に変更された。
    • 今作からの新たなキャラクターとして「観光課長」が登場。観光地の評価や観光ルートのアドバイスなどを手助けしてくれる。
      • なお、「線路が設置できません」というようなアナウンスはシステムが担当するようになった関係で、前作でそれを担当していた「工事責任者」はリストラされてしまった。 前作の時点で既に影が薄かったので仕方ないのだろうが。
  • 緑地保護の追加
    • これまで木は開発が進むと勝手に伐採され残すことはできなかったが、公共施設に緑地保護が追加され、保護した木は伐採されないようになった。
    • 一部の商業・娯楽施設や今作の要となる観光地は周囲に自然があることで価値が上がるため、観光地整備には欠かせない存在となっている。
  • 拡張機能
    • 前述の車両開発における詳細なパーツの配置や、駅名変更、列車の運転速度変更といった便利機能が拡張機能として扱われるようになった。
    • これら拡張機能はチェックを入れると使用できるようになるので、始めたての初心者の時はチェックを外して難しい機能を入れないようにし、慣れてきたらチェックを入れてより細かいダイヤ設定やより凝った街作りをするというようなプレイが可能になっている。
  • データのセーブ
    • 現データに上書き保存と新しく保存の二つのみになり、別のデータを上書き保存することはできなくなった。
      • これにより誤って別のセーブデータに上書きしてしまうようなミスは起こらなくなった。
    • 月末にオートセーブをしてくれるようになった。解除することも可能。

評価点

  • 車両制作の自由度の高さ
    • 旅客車両の設計図だけでも前作の8種から18種に増え、選択肢が大きく広がった。
    • 車体のデザインについてもパーツの種類が非常に多いので、美術センスのある人ならパーツを細かく駆使してラッピング車両などを再現することも可能となった。
      • 実際に実車再現やネタ車両を制作した人がtwitterに多数現れ、公式アカウントもそれらをたくさんリツイートしている。
  • 観光地という要素の追加による戦略性の大幅向上
    • これまでただ路線総延長という目標だけが提示されていてもただ雑に延伸していればクリアになることがあったのが、観光地へとお客さんを運ぶという目的ができたことで既存の路線からどのように接続してどのように伸ばせば観光地へたどり着けるのかという事を考えることが必要になった。
    • 観光地まで結ぶ交通機関についても途中で輸送力が急激に減るとその場にとどまる観光客が増えてしまうため、本数や定員もしっかりと考慮する必要がある。
    • そういった観光地へのルート作りは色々な事を考えながら楽しくでき、様々なマップでたくさんの観光ルートを作ることによって実際の観光と交通機関との関係性について学ぶこともできる。
  • グラフィックの大幅強化
    • ADS系統では初めて太陽光の表現とセルフシャドウが導入され、時間によって太陽光の向きや建物の影が変化するようになり、リアリティが大幅に増した。
      • ガラスや線路、水面などに太陽光が反射するようになった上、太陽の高度により建物の色も変化している。
    • A列車シリーズでは初めて被写界深度が導入され、クォータービューでは画面上部が、パースビューでは遠景がぼかされるようになり、ミニチュアっぽさが強調されている。
    • 水面の表現が大幅に強化され、水の流れが見えるようになった。
      • 特に太陽光を反射する水面は前作と比較にならないほど綺麗になった。ただ、Switch版はA9のように風景の映り込みは表現されていない。
    • グラフィックがフル3Dになったお陰で、建物のディティールが全体的に向上している。
      • 前作では平面的に描写されていた部分も立体的になっている。マンションのベランダを比較すると分かりやすい。
    • 季節により変化するグラフィックも健在で、特に積雪の表現が強化されている。
    • 空の表現も大幅に強化された。
      • 夜には星空が表れ、季節によって雲の種類も変化する凝りよう。ただし雲は動かなくなった。
    • 列車が駅に停車するとちゃんとドアが開き、乗客が乗り降りするところが見られるようになった。
    • 街を歩く人は駅から観光地に向かっているというように動きが明確になった。
      • 前作ではパースビューのみだったが、今作ではクォータービューでも歩行者を確認できるようになった。
    • 資材や観光客の動きがマップ上で見られるようになった。
      • 設定で消すことも可能。
    • Switchのゲームでは非常に珍しく、グラフィックの設定も可能。
      • 例えば、シャドウや被写界深度をオフにして動作を早くするなど、攻略するときは動作優先、街を散策したいときは見た目優先など、プレイスタイルによってグラフィックが調整できるので、これは非常にありがたい機能。
  • 圧倒的なBGM数
    • 前作で好評だった過去作のBGMは全て収録。新曲を含めると都市開発シムとは思えないBGM数になっている。
    • 「狂った歯車」「コミックスター」は新規アレンジ版が収録されている他、要望が多かった「街角の女(A7)」「Trem Norturno(A9 4月のテーマ)」も収録された。
    • 前述の通り会話シーン限定のBGMが追加されたほか、前作ではなかったシナリオ中のBGMも新曲として5曲追加されている。
      • 特にエンディングテーマの「Let's go on a journey」は前作とは雰囲気がガラリと変わり、歌詞には英語が使われ、若干エグみのあるポップスとなっていて人気も高い。
      • 「インストゥルメンタル版」も収録しており、こちらはスタッフロールで流れる他、早期購入特典のサウンドトラックには「カラオケ版」も収録する力の入れよう。
      • もちろん前作のエンディングテーマ「希望のレール」も収録されている。
  • 芸の細かいSE
    • 今作ではマップ上で様々な効果音が鳴るようになり、前述のグラフィック強化と相まって、より一層街が生きている様を体験できるようになった。
      • 一部を挙げると、学校では生徒がはしゃぐ賑やかな様子が聞こえ、役所ではタイピング音、ゲームセンターではゲームの効果音、駅のホームでは階段を降りる旅客の足音など、ここまでするかと言わんばかりの本気度。スタジアムに至っては特定の時間のみ歓声が上がる。
    • 橋を渡る時やトンネルに入るときに列車が警笛を鳴らすようになった。
      • 汽笛の音色も旅客列車、電気機関車及びディーゼル機関車、蒸気機関車とで異なるという徹底ぶり。
    • さらに、旅客車両にパンタグラフを設置しないと ディーゼルカーと判定され走行音にディーゼルエンジンの音が入るようになっている。
  • ダイヤ設定の自由度の大幅な向上
    • 前作までホームが3本以上ある駅での発車条件は「奇数番線」「偶数番線」の2通りしか条件を設定できなかったが、今作は最大8本のホームに対し個別で設定できるようになった。
      • これにより、いわゆる国鉄型配線が本格的に活用できるようになるなど、ダイヤ設定の自由度が大幅に増した。
    • 回送設定で営業設定と同じホームに入線する場合、設定を変更できるようになった。
    • 停車時間や発車時刻指定が1分単位で調整できるようになり、より細かな設定が可能になった。
    • 資源の積み下ろしを行う際、搬入or搬出が終わり次第すぐに発車する「貨物待ち」を設定できるようになった。
      これにより、資源扱いに必要な時間を手動設定する必要がなくなった(ただし、上限いっぱいまで積む資源が残っていないor降ろす先がない場合に停車し続けてしまう点は注意が必要)。
    • 運行路線において、駅間の距離や所要時間が表示されるようになった。
    • これがあることによって、ダイヤ設定時に発車時間と到着時間から所要時間を計算する必要がなくなった。
      • ただしポイントも距離測定の対象なので、駅と駅の間にポイントがあれば、駅からポイントまでの距離しか表示されない仕様になっている。
    • 時間設定が5分単位ではなく1分単位で行えるようになった。これによって、微調整がしやすくなり、より高度なダイヤを実現可能にしている。
  • カメラ操作のシームレス化
    • クォータービューではスティックを動かすだけですぐに回転することができるようになり、前作で90度単位だった回転角も45度単位に変更され、さらに上面から見ることも可能になった。
      • もちろんマップ回転中もシームレスに動くようになった。
    • クォータービューからパースビューへの切り替えも非常にスムーズになった。
      • 前作までは長いロードがあったが、今作では一瞬で切替可能。
    • カメラの操作性自体も大幅に改善している上、後のアップデートで設定から操作性を調整できるようになった。
  • ネタ要素だらけの会話シーン
    • 前述の選択肢が加わったことや、キャラ設定が濃くなり、ストーリー中の会話がより面白いものになった。
    • 会話の内容も、マップ上にあるお店めぐりや、経理部長の別荘の話、当時話題になった出来事など、バラエティーに富んでいる。
      • 中には前社長との対立など、シリアスな会話シーンも存在する。
    • 幼馴染となっている秘書と証券社員の会話はまちづくりに疲れた社長達をほっこりさせるだろう。
      • ただしあまりに女たらしで隙あらば観光課長を口説こうとする営業部長や、社長に想いを寄せるかのような言動を見せる秘書は少々くどく感じるかもしれない。
  • 建物があるところに線路を敷いたり土地を買収したりするときに、わざわざ子会社メニューで買収→撤去をする必要がなくなり、自動的に撤去されるようになった。
    • 非常に便利だが建設費がすごいことになるので注意が必要。
  • 難易度やさしいに限り、プランからクリア条件の達成期限を延長させる事ができるようになった。
    • 逆に期限を短くさせることも可能になった。これは全ての難易度で可能なので、余裕で達成できそうなときや難易度達人*4でも手応えがないと感じたときには使ってみるのもいいだろう。
  • 地上の駅を撤去するときに線路が残るようになった。
    • 前作では駅を撤去したら線路を再度配置する必要があったが、今作では地上線路に限りその必要がなくなった。
    • 線路を複線化して列車交換に使用していた信号場を廃止するときや利用者の少ない駅を廃止するときに地味に便利になっている。
  • 船舶による資源輸送の弱体化
    • 前作まで資金稼ぎのセオリーだった船舶による輸出だが、今作では国際貨物港が子会社からプランに編入され、資源の売買も案件として契約する仕様に変更されたほか、マップに1つしか設置できなくなった。
      • 資金稼ぎとしては相変わらず強いが、輸出したい資源を海外が受け付けてくれなかったり、上手く輸送経路を組まないと輸出によって得た額以上の違約金を支払う必要があったりするようになったため、これまで「何も考えなくても強い」だったものが「上手く活用できれば強い」に変化したと言えるだろう。
  • 前作ではゲーム開始から3年経たないと建てられなかった新幹線だが、今作では開始してすぐに建てられるようになった。
    • ただし街全体の人口が一定の水準以上でないと建設することができない。
  • 客車は前作の旧型客車に加え、寝台客車とトロッコ車両も追加された。
    • 客車はどれか一種類しか同時に編成できないが、ブルートレインやトロッコ列車といった様々な種類の車両を再現できるようになった。
      • 寝台客車は14系ないし24系客車、トロッコ客車はJR東海オハフ17やわたらせ渓谷鉄道を彷彿とさせる外見をしているほか、 寝台客車は定員数が少ないが運賃が高い というシステム的な実車再現もバッチリである。
  • 産業区分が住宅の子会社を売却しても、社員状況が下がらなくなった。
    • これにより、子会社売却で人口を増やすデメリットが無くなった。

賛否両論点

  • 路面電車の廃止
    • 元から扱いづらくとても中途半端な立ち位置だった為*5廃止はしょうがないとする一方、「時代というものを語る上で重要」「近年では路面電車の見直しが行われている*6」「現実においても 観光財源としてそこそこ有能だしむしろ前作より今作向けの要素だったのでは 」という事で廃止を嘆く人もいる。
      • 実は、前作では「路面電車の専用軌道」を実装する予定だったとディレクターが明かしている。観光要素を導入するにあったって路面電車が消去されたことで、今作でも日の目を見ることはできなかった。
      • また開発段階では路面電車の構想だけはあったらしく、ゲーム内には路面電車と思わしきデータが残っている事が判明している。
  • 時代要素が曖昧になった
    • 車両に取り付けるライトだが、全ての年代で全種類使うことが可能なせいで、1960年に白色のLEDが存在する*7という状況が発生してしまっている。
      • 無論LEDを選ばなければいいだけだが、今作の前照灯の表現が種類関係なく白色LEDそのものなので、白熱灯の黄色がかった光の表現が無いのは、少し違和感を覚えるかもしれない。
    • とある公式シナリオのエンディングでは1970年代に秘書がスマホを持って山で自撮りをしようとしているという構図ができあがってしまった。
      • 秘書と社長が湖畔をハイキングするというイラストで、そのシナリオの会話シーンは社長と秘書の距離感が縮まるような内容であり、4つのイラストの中では一応ベストな選択にはなるのだが…
    • イラスト自体の出来は非常によいのだが、使い方によってはこのように違和感を感じてしまうこともある。
  • 前作にもあった「一定の年代を過ぎると特定の子会社が建てられなくなる」という仕様は本作にも引き継がれたのだが、製鉄所や蒸留塔が建てられなくなるのに製材所は建てられるなどその判定基準が曖昧。
  • 新幹線の線路敷設時のみ既存の建物に妨害される
    • 前述の通り、普通に線路を敷く時は自動的に買収撤去されるが、新幹線の線路は他社が行う為か手動で行う必要がある。
      • A3Dではこの仕様を利用したマップがシナリオコンテストで入賞し実際に遊べた経緯があるため、一概に不満点であるとは言い切れない。
  • 地上からでも地下駅に止まっている列車が選択されるようになった。
    • これで地下にある列車や自動車を選択するときにわざわざ階層を下げる必要がなくなった一方、その真上にある構造物は選択しづらくなっている。

問題点

  • 全体的に動作が重い
    • そもそも起動にかかる時間がとても長い 。Switchのホーム画面からオープニングデモ表示(=操作可能)まで1分以上かかる。
      マップ全てが3Dモデルで表示されるようになったためか、新規シナリオを開始するにしてもセーブデータを読み込むにしても(マップ規模によりけりではあるが)更に1分前後の待ちがある。
    • 早送りの時や資料写真*8の撮影時も顕著に出る。資料写真撮影時はアップデートで大きく改善されたが、初期ではかなり長いロードがあった。
    • これでも無印3DSでプレイした際の前作より全体的な動作はかなり早くなっている。快適に動いていたAPCをプレイしていた人は本作の動作にストレスを感じてしまうだろう。
    • メモリ解放がうまく機能していない影響か、連続起動時間が長くなってくると画面遷移からセーブ&ロード・タイトルに戻るなど、あらゆる動作が非常に重くなってしまう。
      再起動によって一度メモリリセットをしないと改善されないが、前述の通り起動しなおすにも数分かかることになる。
    • ver1.1.0パッチでは動作の最適化が行われ、起動や読み込みの速度が改善されたが、依然として重いには変わりない。
  • 駅・子会社建設の問題点
    • 前作からの大きな変更点である「駅や子会社を1種類新規で建てる毎に建設できる建物が増える」仕様であるが、これにより「特定の駅や子会社を建設したくてもできない」場面が多々発生するようになってしまった。
      • これが例えば「タワーBを建設するにはタワーAを建設した実績が必要」というように単純な上位・下位の関係で制限解除されるなら大きな問題ではないのだが、建てたことがある子会社の総数を参照している上、開発要素を主眼に据えたSLGの一部でみられる「技術ツリー」のような要素もないため、何をすれば特定の駅や子会社を扱えるようになるのか、あるいは年代によって建設できないのかをプレイヤーが判断できない構造となってしまっている。
      • 建設可否はボーナス設計図などと同様にマップのセーブデータごとではなく全体のシステムデータ内で管理されているため、別のセーブデータで駅や子会社を大量に建設することで制限を解除できるのだが、この方法で解除するのが問題ないのなら一々制限する必要は果たしてあるのか……*9
    • 駐車場・駐輪場が単独での建設ができなくなり、すべて他の子会社の施設追加でしか建てられなくなった。コンストラクションモードの個別編集でも同様。
      • さらに1×2マスの広さとなっている駐車場2はまさかの地下に構造物が必要な建物となっている。
    • 駅を改築するとき、例えホームの長さや本数の変更がなくても駅の上にある列車は自動的に撤去されてしまうようになった。
  • 操作性が悪化したところがある
    • 例えば前作でダイヤを設定するときは「列車メニュ-」→「列車を選択」→「運行計画」と選択する必要があったが、今作ではその後に「営業路線」と選択する必要があり、必要な操作数が増えてしまっている。
      • 一応、ver1.0.5でメニューを一度に閉じることはできるようにはなった。ただし、メニュー内の目的の場所に向かうには未だに時間がかかるようになっている。
  • 車両設計の問題点
    • 複数のステッカーを選択して移動させた場合、まれにステッカーの位置が若干ズレる。
      • ほんとに僅かだが、細かい調整が必要になるステッカーでこの現象が起こるのは大問題ともいえる。
      • また、ごくまれに完成した後にステッカーがズレることがある。車両カスタマイズが売りの今作では致命的な不具合だが、現在に至るまで改善されていない。
    • パーツ・ステッカーの配置をするときに細かい調整ができない。
      • こちらはver1.0.3で改善された。Lスティックを押し込むと微調整モードにできる。さらにZLを押しながら方向キーで0.01m単位で位置を調整可能になった。
    • バスは前面と背面で同一のステッカーとなっており、違う装飾にすることができない。
  • 車両の性能が初期状態で固定になった。
    • これによって最高速度や加速性能が違う車両を改良によって同じ性能に揃える事ができなくなり、理想の路線整備と容易なダイヤ設定の両立が困難になっている。
      • このためダイヤ組みの観点においては極力同じ車両を使用する事が推奨されている。 ある意味現実の鉄道会社に通じるものがある。
  • 高架線を敷設するとき、前作だと橋脚は2マス間隔で建設されていたのが、今作では1マス間隔になった。
    • このため、複線と交差させるときの操作が少し面倒になっている。
      具体的には「立体交差させたい箇所の一方から1マス分高架線路を伸ばす→反対側から同じように1マス分高架線路を伸ばし、接続する」といった具合で、必要な手順が大幅に増えてしまっている。
      • Ver1.1.0で改善され、橋脚が建つ部分に障害物があり、跨げる場合は自動的に間隔が調整されるようになった。
      • また、高架二車線道路では橋脚が片方のみで済むようになったため、真下に一車線分の道路か単線の線路を敷くことも可能になった。
    • 高架線そのものの仕様は変わっておらず、高架橋脚1か所につき各方向2マス分まで許容され、後から橋脚のみを撤去することで最長4マス分まで間を空けることができる。
  • 本作でも設置可能な線路のポイント(分岐)数に限界が存在するが、 限界近くまで作らないと設置可能数が表示されない。
    • ちなみに設置可能数は前作と同じく300。前作では最初から設置可能数が表示されていたが、本作では270箇所作らないと表示されない。
  • 社員状況(やる気)に関わる問題点
    • 前作までは折れ線グラフである程度の数値的状況を把握できた業務負荷や社員状況が文字情報のみと実質的にマスクデータ化してしまい、シナリオ進行中の細かな現状把握が難しくなってしまった。
    • 文字情報もリアルタイムで更新されるわけではなく、業務負荷が適正でない場合は毎月1日の夜にようやく通知されるという具合である。通知されない間も社員状況は徐々に悪化する点が厄介。
      • Ver1.1.0で改善され、運営必要人数がプランメニューの「人員増強」から確認できるようになり、業務負荷については正確な値を算出できるようになった。
  • 前述の通り観光碑は撤去すると復活できないのだが、土地の買収や線路の延伸などで撤去しようとしても警告が出てこない。
    • 観光地の位置をちゃんと理解すれば誤って撤去するというような事にはならないはずだが、撤去していることに気付かず時間を進めてしまい、気がついたらもう手遅れという事態になったら…
  • セーブ時にエラーとは別にフリーズすることがあり、泣く泣くリセットしなければならないことがあった。
    • 1.0.4から応急措置として動作が不安定である時にセーブを実行した場合はセーブを優先するようになったが、それでも再起動する必要があり根本的な改善には至っていない。
    • ちなみに動作が不安定な状態になると 画面上に表示されるコンパスが明滅を繰り返す という独特な挙動が発生する。この状態を確認した場合はエラー落ちしやすい状況と判断できるため、すぐに新しいセーブデータを保存するのが無難である。
  • 高架駅は外側に壁がついたため、ホームから外の景色が見られなくなった。
  • 新幹線、貨物船、旅客機と、今作で追加されたフェリーは車窓が見られなくなった。
  • コンストラクションの土地造成が「盛る」「削る」「平ら」の中にある造成範囲を選択する方式になったのだが、一番小さいサイズで2×2マスなので、一マス単位での造成がやりづらくなった。
  • 前作同様CPU限定の建物を新装出来ない。このため老朽化した学校や市場を新装出来ないという問題点はそのまま。
    • ただし需要が大きい学校施設である「大学」をプレイヤーの手で設置出来るようになったのは改善点ではある。
  • 道路が勝手に伸びるようになった都合上、いつの間にか簡易舗装道路が乱雑に敷設されている事があり、開発時にわざわざ金をかけて撤去しなければならない状況になるようになった。
  • 駅名や列車名などに使える文字数が前作の16文字から12文字に減少。

改善済の点

  • やたらバグが多く発売初期には様々なバグが頻発していた。
    • 特に 「本当にデバッグをしたのか」 「未完成なまま発売したんじゃないか」と言われるほどエラー落ちやフリーズが多く、折角開発していたマップが消えてやり直しになってしまう事態が頻発してまともに遊べる状況ではなかったこともあり、それが原因で評価を落としてしまっていた。
      • 例えば、建物の乗客需要が「大」なのに「なし」と表示されていたり、子会社の利益の計算が誤っていてどうあがいても利益が出なかったり、工夫すれば地下駅を地上に建てることができたりと、散々な有り様だった。
      • 加えて不具合の発生条件も不明瞭で、資料写真を撮影するとフリーズ、建物を建てようとするとフリーズ、マップを移動するとフリーズ、 セーブしようとしたらフリーズ など、あらゆる場面でフリーズが頻繁に発生していた。
    • 複数回にわたりパッチが配布されてその都度修正が行われたため、現在はある程度問題なくプレイできるくらいにはなっている。
      • ただし、バグが完全に解決したというわけではない。そればかりかセーブ時のフリーズ等は 一度パッチによる修正で解決したはずが、次の修正でまだ生じる ようになるなどエラーやフリーズ、後述の自動車関連のバグが解決するにはまだ時間を要すものと思われる。
      • 最新のVer1.1.1でセーブ時のフリーズは再び改善されたが、今度は低確率とはいえ セーブしようとしたらエラー落ちする バグが確認された。そして最新(Ver.1.1.2)においてもセーブ時のエラーやプレイ中のエラー落ちは完封できでいない状況にある。
  • 車両設計の途中で設計画面から抜け出すと途中まで設計した車両が保存されなかった。
    • Ver1.0.3で改善され、設計画面から抜けても制作状態が保存されるようになった。そのシナリオデータを一旦セーブして読み込んでも保持される。
  • 資材工場や物流センターなどの資源生産・消費施設は資源関連の利益を除いて利益を出さなかったので、経営の面から見ると完全に邪魔な施設となっていた。
    • 特に資材は開発において非常に重要な要素であるため「マップ内に無いと資材不足になりがちだが建てたところで赤字になりやすい」「隣町から買おうにも取引状況は運次第な上にあったところで価格面での折り合いがつくかもわからない」という歯がゆい状況になりがちだった。このため資材工場は市街地から離れた所に立てるだけ立てておいて即売却するという手口が推奨された。 観光主体の作品なので工業が邪魔になるのはある意味正しいかもしれないが。
    • Ver1.0.5で想定されていない挙動だったことが発覚し修正され、ちゃんと利益が出るようになった。
  • フル3D化の影響か、断面表示が廃止されたため、地下に構造物を建設するときに地上を確認しづらくなっていた。
    • 地上を確認するためにはいちいちカーソルを確認したい位置に合わせた上でマップの階層を切り替えないといけなく、面倒くさくなっている。
    • Ver1.1.0で改善され、地下で駅や線路などを敷設する場合は地上と地下を交互にブリンク表示するようになり、確認しやすくなった。
  • 前作では駅を発車するときの進行方向を「直進」「折り返し」「必ず北or東へ進む」「必ず南or西へ進む」の4通りから設定できたが、発売直後は「直進」「折り返し」の2通りに減ってしまっていた。
    また、回送運転中の発車設定が駅ごとにホームの本数に関わらず1通りしか設定できなかった。
    • 環状線や単純な折り返し路線を運行する分には問題なかったが、車庫や留置線へ待避させる場合に前作と同じような運行設定ができない場面が多々発生したため、複雑なダイヤ設定をする際にこの部分が足かせとなってしまっていた。
    • Ver1.1.2で改善され、方向指定の発車が可能になった。

改善されていないバグ

  • 自動車関連のバグ
    • バス及びトラックが特定の場所で立ち往生して渋滞が発生したり、自動車の運行計画をコピーした上で設置すると何故かもう1台が勝手に撤去されてしまう等の自動車関連のバグが多い。こちらは未だ改善されていない上に発生条件も不明。
      • 自動車が立ち往生するバグは前作でも問題点として挙がっていたため、そろそろ改善して欲しいところ。
  • 観光客におけるバグ
    • 発生条件は不明だが、観光客が待っている駅やバス停に満員ではない電車やバスが来ても乗らず観光客が留まり続けてしまう事がある。
    • 駅周辺に観光地が無いばかりか乗換判定も生じていない駅やバス停に停車した際に、乗車している観光客が消滅することがある。こちらも発生条件は不明。
  • その他のバグ
    • 直線の線路を敷設しているのに当該のマスだけ90度曲がった状態で敷設されてしまう。地形が原因と思われるが具体的な要因は不明。

総評

Switchに入線してきた本作は観光地開発とオリジナル車両開発という今までのA列車になかった要素を引き連れて、より需要を高めた形態に変化した。
だが、前作でできたことができなかったり、エラー落ちやセーブ時のフリーズが頻発するなど機能的な面では問題が多々あり、そこが原因で評価を落とす事態となってしまった。
バグ関連の修正は進んでおり、Ver1.1.0では機能の追加やシナリオの追加など遊びやすさにも修正が入り、現在は楽しく観光開発ができるゲームとなりつつあるものの、発売から2年が経過した現在においてもバグの完封には至っておらずまだまだ改善が求められている状況にある。


余談

  • 当初は異世界転生がテーマだった。(ソース)
    • 本作ディレクターの飯塚氏が『カルネージハート』での反省*10からプレイヤー層の拡大を狙っていたときに最初に出した企画がこれである。
      • 社長を異世界に転生させて、ファンタジーな世界に鉄道を敷くものだったのだが、アートディンク社長の永浜氏に「そんなのA列車ではない」あまりに真っ当な事を言われあっさり没になった。
        次に、黎明期の鉄道を建設する事への苦労に焦点を当てた企画を出したものの、「そんな苦労を誰もがしたいとは思えない」と言われた。*11
    • 1番売れるA列車は従来の路線を踏襲したものであるが、それではプレイヤー層の拡大が出来ない。八方塞がりとなった彼が昔の鉄道を調べていた時に、神社へ参拝する目的で鉄道を引いた例*12がいくつかあることに気付き、そこから「観光」というキーワードにたどり着いた。と言うのが本作のコンセプトが決まるまでの流れである。
      • ただし異世界転生とまではいかないものの、やや超常現象的な要素のある公式シナリオがVer1.1.0で追加された。更にその内容は神社への参拝を促すものでもあるため、ある意味初期のプロットや製作秘話を凝縮したシナリオとなっている。
  • 早期購入特典として、パッケージ版のみ本作のBGMが収録されたCDが付属していた。
  • 2021年3月6日にARTDINK公式にて発売前先行プレイが配信され、チュートリアルマップ二つが遊ばれた。
    • 配信中には観光地の城に向かう鉄道を一足先に複線化させた結果営業部長が複線化を提案した頃には終わっているという事態が発生し出演者や視聴者の笑いをとった。
    • そしてその放送の終盤、体験版が発売前の3月8日に先行配信されることが発表された。最初のマップを1年間のみ遊ぶことが可能となっている。
      • 体験版をダウンロードした上で製品版を購入した場合は当該のシナリオを引き継いで遊ぶこともできる。
  • Ver1.1.0配信に合わせ、公式YouTubeで解説動画が公開された。
    • 全5作で、毎週更新されていた。経理部長が爆発する場面や、前作の工事責任者が登場するなど、公式とは思えない編集のチープさがいい意味で話題になった。
      • 内容はダイヤの組み方やシナリオの作り方など、今作を遊ぶ上で非常に参考になるので、ぜひ必見すべし。
  • 2021年7月9日から7月31日まで、Twitter上で「はじまるA列車フォトコンテスト」が開催された。
    • 受賞者には豪華賞品と特製フォトフレーム入り応募写真がプレゼントされた。
    • 受賞作品には、今作の隠し仕様を見事に利用したものや、ステッカーを駆使し廃車体を再現したものもあり、その完成度には思わず舌を巻くだろう。
  • 前作及び前々作と異なり社員に年齢の設定がされた。経理部長や銀行員はまだ役職相応の年齢だが、証券会社社員である天草雛と秘書の松島彩華は23歳という設定である。
    • 彼女たちの最終学歴は不明だが仮に大卒の場合、彼女達は入社1年目である。更に証券会社社員は 23歳には見えない風貌はともかく シナリオ中で部署の稼ぎ頭である旨が語られている他*13、秘書は入社1年目で秘書という重要な地位に就いているという事となる。前者はともかく後者はいったいどういう採用がなされたのだろうか。
  • 2021年10月22日、Steam版が発売予定であると発表され、同年12月8日に発売された。
    • 任意のタイミングで止まる「ストップタイマー」や列車の発車方向を指定できる「方向指定発車」というような、今作で廃止された機能の復活、グラフィックオプションの拡充、運行できる列車や駅、子会社の数の向上、さらには新マップが2つ追加されるなどさらに進化を遂げている。
    • 一部の要素はSwitch版にも2022年1月26日にVer1.1.2.として追加され、鉄道開業150周年となる2022年10月14日にVer1.2.0.としてシナリオの追加などさらなる機能追加が行われた。
  • 2022年6月16日、まさかのモバイル版「A列車で行こう はじまる観光計画 MOBILE」が配信開始された
    • クラウドゲームで追加ダウンロードは必要なく、最初の30分間動作確認を兼ねた無料お試しプレイが可能、お試し終了後の本編購入価格が通常5,980円となっている。それ以降の追加課金はない。
  • そして2022年7月28日、本作の観光要素をさらにピックアップさせた「A列車で行こう ひろがる観光ライン」が発表され、同年11月3日に発売された。
    • ナンバリング作品のように日本各地を走る実際の車両が登場する他、建物などの追加、マップの地形をテンプレート化させて共有することも可能となる。
    • すでに「はじまる観光計画」を持っている場合は追加コンテンツで機能が「ひろがる」と同等になる。
最終更新:2024年07月27日 15:13

*1 これがクリア条件になっていると設定された駅の撤去が不可能になっている

*2 資材の見た目が白い箱のためこう呼ばれる。今作ではついに公式がこの愛称を認めたツイートがされた。

*3 2018年に廃止された三江線にあった、地上から高さ20メートルの高さにホームがある駅。廃止後は公園となっている。

*4 前作におけるいばらの道

*5 片側2車線道路に複線でしか敷設できず単線が作れない、車庫がない等の欠点が目立ちほとんどバスの下位互換と言ってよい状況であった為、本作での改善も期待されていた。

*6 2020年2月には富山で南北の路面電車が直通した他、2023年春には宇都宮にも新路線が開業した。

*7 LED自体は1962年に発明されたが、当時はまだ赤色のみだった。光の三原色が全てそろったのは青色LEDが発明された1986年である。

*8 クリア時に表示される開発途中のマップの表記に使われるデータ。

*9 最初から全て解放されているコンストラクションモードでは、いくら建設しても開放されない。車両も同様。

*10 既存のユーザー向けの作品を出した結果、評価こそ高かったものの作品を重ねる度に売上が下がっていってしまった。

*11 ちなみに、上記ソースにて飯塚氏に取材をしていた記者はこの二つの案に『それはそれで良さそう』とコメントしている。

*12 伊勢神宮へ向かう参宮急行電鉄(現在の近鉄山田線)、谷汲山華厳寺へ向かう谷汲鉄道(名鉄谷汲線に転換後2001年に廃止)など

*13 ただし彼女の人柄的にネタで発した台詞である可能性も充分にある。事実秘書の口から「ヒナが仕事してる」と驚かれる描写もある。