A列車で行こうDS
【えーれっしゃでいこうでぃーえす】
| ジャンル | 経営シミュレーション |  |  | 
| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| メディア | 256MbitDSカード | 
| 発売元 | アートディンク | 
| 開発元 | アートディンク スタジオアートディンク
 アクセス
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| 発売日 | 通常版:2009年4月23日 ナビゲーションパック:2010年12月9日
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| 定価 | 通常版:5,500円(税込) ナビゲーションパック:6,090円(税込)
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| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 3個 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 備考 | ナビゲーションパックは10,000個限定生産 | 
| 判定 | 良作 | 
| A列車で行こうシリーズ | 
 
概要
鉄道を主眼に置いた人気シミュレーションゲーム『A列車で行こうシリーズ』の第16作目。
今回は複数のマップが用意されており、それぞれに設定された条件をこなすことでステージクリアとなる。
2010年には限定生産で公式ガイドブックを同梱したナビゲーションパックが発売された。
評価点
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DSの機能を限界まで使ったであろう「車窓モード」
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車窓モードとは、普段の2Dトップビューから視点を切り替えフル3Dポリゴンマップで表現されたリアルタイムで育つ街を歩き回るモードのこと。さすがに据え置きやPCと比べれば粗は多いが、ヌルヌル動くので自分が作った街を散歩出来るという面白さをしっかり感じることが出来る作り込みの深さ。
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これだけでも楽しめるひとには楽しめる。鉄道好きにはたまらないかも。
 
 
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チュートリアルがしっかり組まれているので初心者も安心。非常に自由度の高いA列車の世界に段階をふんでじっくり浸かることが出来る。
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基本システムを理解している常連の上級者には「いばらの道」という高難度モードが用意されており、こちらはシリーズトップクラスの難易度との評判。
 
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携帯機向けに上手くアレンジされた要素の数々。
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二画面ということで上画面はステータス表示に丸々使っており現状把握がやりやすい(表示設定でオフに出来る)。下画面はタッチ操作にすることでボタン数が少な目なDSでも快適な操作を実現、いくつかの操作はボタンにも対応している。
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タッチペンによる操作は画面の小ささなどの要因により難しく感じられるが、慣れてくれば線路や建物の設置といった何度も繰り返す作業がやりやすくなる。
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スリープモード中でもゲーム中の時間が進むか否かを設定出来る。
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何月何日に時間を停止するといった指示も出せるので、休憩していてふと忘れてしまった時大事故を引き起こさずに済む。
 
 
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A5以来久々にトラックとバスが復活。使いこなせばより高度な経営が楽しめる。
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問題点にもあるが、登場車両がオリジナルならではの要素で、車体の色を変える事が出来るシステムがある。
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しかもRGB形式なので(デフォパレットもある)、実車に似せる事も可能。
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更に性能の割り振りが出来るので、ローカル線の列車や通勤列車等と用途別に(乗客収容数的な意味でも)再現可能。
 
 
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経営シミュレーションとして見ても及第点。株システムや金融、費用使用状況もしっかりしており、経営も出来て街を眺めてと一石二鳥。
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オプションが充実している。BGM・SE設定、表示設定、カーソル設定etcとかなりある。
問題点
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セーブ数の少なさ。言ってしまえば「僕の考えた最強の街」を作るゲームにおいて、最大で3つのマップしか保存出来ないのは辛いものがある。特に今作はバラエティ豊かなマップが揃っているので尚更。
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更にフリーマップモードもある為、お気に入りの街を複数保存したい人には辛いものがある。
 
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このゲームは街を保存するシステムがブロック数を使って保存する形式で、街が発展するに従い必要数が増えていく。
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何も保存していない時は100と多く感じるかもしれないが、街を発展させると、簡単に30は行き、順調に発展し続ければ50行ってもおかしくない。
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当然ブロック数が足りなければ保存する事自体が出来なくなる。
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だったら『わりと本格的 絵心教室』のようにDSiで使用している時にSDカードにマップを保存出来る機能位付けて欲しいものである(DSiは2008年11月1日に発売。しかし説明書はDS Liteで解説されている)。
 
 
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DSだから仕方が無いかもしれないが、街が発展していけば処理落ちが時折発生してしまう。
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フリーマップモードが隠し要素。マップを7つクリアしないと選ぶ事すら出来ない。
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上記のタッチペン操作は、慣れなければただやりにくいもので終わる可能性がある。特に開発終盤は高層ビルがいくつも立ち並ぶ状態になることが多く、さらにタッチしづらくなる。
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車窓モードで従来と違い、走行音が無い。
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だがSEボリュームを調整すると何故か走行音が流れる。処理との兼ね合いだろう。
 
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登場する電車は全てオリジナルで実在の物は出てこない。色変えやパラメーター調整が出来るものの、従来のファンからは不満の声が出た。
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更に開発元になる車両も「旅客列車」と「貨物列車」の2種類のみという寂しさ。
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旅客列車の見た目は一応通勤電車をモチーフにしており特急列車型車両を製作・配置する事が出来ない。
 
 
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高架駅の下がスカスカで格好悪い。
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但し、これを利用して水上に建設したり、下にまた小さな建造物やホームを作れる。
 
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環境規制という建造物の建設制限システムは不評。高層ビルが立ち並ぶ街を作る時に障害になる
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新幹線は昔のシリーズのように単線。しかもプロジェクト扱いなので撤去不可能。
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この影響で自由に新幹線が走る路線を作る事が出来ない。
 
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分岐が片開きとダイヤモンド・クロッシング位しか出来ない。
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裏技でシーサス・クロッシングが出来るがあくまで裏技なので見た目が悪くなる(特に橋の上)。
 
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遊覧船が存在しない(港を建設し、貨物船を呼び出すしかない)。
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同時にマップに同時に居れる船は1隻までで、複数港を建設してもタイミングを調整しないと金の無駄になる(説明書に記載されている)。
 
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海から隣町へ線路を通す事が出来ない。
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ただしある程度の深さまでなら「地下鉄道技術取得プラン」を実行した上で海底トンネルを掘れば隣町へ延伸することが出来る。
 
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従来と違い、公共施設を撤去する事が出来ない。しかも発展状況では勝手にCPUに建設される事がある(セーブしない以外回避不能)。
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建設すると公共団体に寄付される上、買い直しも不可能な為。
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唯一の撤去方法としては新幹線を建設する事。だが施設によっては壊せないし、壊すどころか橋脚に突き刺さるものも。
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それと同時に
地下通路や地下街(CPU限定)を撤去する事も出来ない
。建設を考えている人は要注意。
 
 
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システムセーブデータ(マップのクリア状況)を削除する事が出来ないので注意。
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相変わらず保有制限が厳しい(特にポイントと車両保有台数と駅とバス停)。
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時間進行が昔程では無いが不自然気味(1秒で4分)。これは賛否両論か。
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意図的に操作しなければ発生しないが
資金を無限に増殖させるバグがある
。しかも複雑なテクニックは必要なく方法さえ知ってしまえば誰だって実行可能。
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このため鉄道総延長、道路総延長、総資産のクリア条件は何の苦慮もなく達成出来てしまいゲームバランスは崩壊する。
 
総評
少し粗があるとはいえDSという限られた箱に、A列車の面白さを上手く抽出して詰め込んだ意欲作と言っても過言では無い。
自分で作った街を見るだけでも中々面白いだろう。
箱庭シミュレーションというジャンル(若しくは経営シミュレーションや電車の走る街を眺めたい人)に興味があるなら、是非一度はプレイしてもらいたい一品である。
余談
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本作に登場する秘書と証券会社の女の子はその容姿から高い人気を誇る。
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実は貨物列車は機関車が最後尾にいる状態だと、どんなに速度性能が良くても速度が最低になる。
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公式ではこの仕様をその後に出た『9』が初だと言ってしまっているが…。
 
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パッケージの高層マンション群は東京都中央区の大川端リバーシティ21。アートディンク本社(月島)から極めて近い場所でもある。
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本作の実質的続編となる3DSソフト『A列車で行こう3D』が2014年2月13日に発売された。
最終更新:2022年06月12日 10:30