きたのたましい
【きたのたましい】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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PlayStation 4 Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード
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発売元
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Merge Games
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開発元
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Infuse studio
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発売日
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【Switch】2020年7月22日 【PS4】2020年8月20日
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定価(税込)
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【PS4】2530円 【Switch】2570円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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なし
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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判定
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なし
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ポイント
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マップが広く道に迷いやすい アクションの腕は案外要求される
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概要
米国ノースカロライナ州の州都であるローリーを拠点とするインディーデベロッパー、Infuse studioによる三人称視点でキツネを操作する8章仕立てのアクションADVゲーム。
ストーリーは特に無いものの、各チャプターに分割されており、いずれも目的地に向かって進み、道をふさぐ仕掛けを解除したりする。
尚、Windows版は原題である『Spirit of the North』、XboxOne版は『Spirit of the North:Enhanced Edition』としてDL配信されている。
システム
基本
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ダメージを与えるギミックは存在しない。またキツネが高いところから落ちてもダメージとはならない。
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L/Rボタンで走る速さを若干変えられる。
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ジャンプ可能。走っているときにジャンプをすることで、飛距離を伸ばせる。
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キツネの鳴き声
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対応したボタンを押すと鳴く。青い花の近くで鳴くと、花の精霊を活性化させ青いオーラをまとうことができる。使用回数に制限はない。
オーラをまとった状態のアクション
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各種特殊能力を使えるようになる。
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最初はオーラを後述の石碑に注入することしか出来ない。
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チャプターが進むと、幽体離脱、穢れた場所の浄化や、瞬間移動ができるようになる。
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浄化
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対応したボタンを長押しして力をため、周囲に光のオーラを解き放つ。浄化をおこなうとオーラをまとった状態が解除される。
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赤黒い不気味なオブジェに使用すると、消滅させてあたりの土地を浄化できたりする。
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幽体離脱
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オーラをまとっている限りは、幽体離脱に使用回数制限は無いが幽体離脱をしていられる時間に限りはある。
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幽体に質量や実体がなく、茨や急流といった障害物をすり抜けて進む能力をもつ。
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幽体離脱したうえで、石碑を調べたり、どこかを浄化したりするアクションを求められることもある。
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瞬間移動
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向いている方向にすばやくダッシュする。空中でも使うことが出来てジャンプの飛距離を伸ばせる。
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幽体離脱中にも使える。オーラをまとっている限り何度も使えるが、連発はできない。
ステージ中のギミック
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点灯する石版
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光のオーラをまとった状態で調べると、オーラを注入し光らせることが出来る。光らせると周囲で何か起きたりする。キツネがオーラをまとっていない状態で調べると、光を奪い取りつつオーラをまとったりもできる。
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赤く点灯している石碑は、何かしらの手段で赤い光を取り除いてから出ないとオーラを注入できない。
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スイッチ
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キツネが踏むためのスイッチ。踏んでいる間だけどこかの扉が開く仕組みとなっており、大抵はキツネの肉体にスイッチを踏ませつつ幽体離脱して探索することになる。
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噴水
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石版をオーラで点灯すると、周囲で一定間隔で噴水が発生したりする。噴水に乗ると高くジャンプできる。
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光の渦
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空中のとある方向に伸びる青い渦。キツネが触れると渦が伸びる方向にジャンプさせる。
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シャーマンの亡骸
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ステージでは、杖および白骨化死体が点在している。
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杖を運んで、白骨化死体のもとに供えてあげると彼らの魂を解放できる。チャプターによっては、亡骸に杖を返却することで先に進む道が開ける場合がある。
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魂を解放した数に応じて、キツネのスキンを変えられる特典つき。攻略するうえでは義務行為ではない。
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セーブは一定区画進むごとに自動で行われる。手動セーブ不可。
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1つのチャプター内で、セーブポイントが3箇所程度ある。
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チャプターセレクトで好きな場所からリスタート可能。
評価点
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グラフィック表現
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あえて画質を粗くして絵画のように表現されたグラフィックである。
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マップがかなり広く、北の大地の神秘的な雰囲気が出ている。赤いまがまがしいオーラと、オーロラの表現の対比も特徴的。
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キツネもかわいらしい。
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音響
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北の大地に見合った荒涼なBGMが楽しめる。青い花が咲くときとSEやキツネが能力を行使しているときのSEもどこか神秘的。
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パズル性が適度に見られる
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キツネの霊的なアクションをきちんとゲームに昇華している。
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キツネがただかわいいだけでなく、霊的な能力が使えるという設定があり、その設定を活用して先に進むための方法を考えなくてはならない。
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特に向いている方向に瞬間移動するアクションは、使いどころを絶妙に考えなくてはならないゲームバランスである。
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終盤の演出
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チャプター7の地形が非常に美しく神秘的。きれいな川が流れ、青白い光につつまれた静かな森林を歩き回れる。
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チャプター6では、穢れた土地を浄化しきれず倒れる様子が描かれるが、終盤に良い意味でのどんでん返しが待っている。
賛否両論点
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マップがかなり広い
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ゲームの都合上行けないような場所もあるが、基本は見渡す限りの場所に足を運べるようになっている。評価点で述べたとおり、特に序盤やチャプター7の地形が美しいのでたださまようだけでも楽しめるプレイヤーは居ると思われる。
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ゲームをクリアするだけなら行く必要の無い範囲ももちろん存在する。目印となる地形を見つけられないと迷子になって無駄な時間に感じる場合もある。
問題点
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アクションゲームとして
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キツネのフットワークがあまりよくない。
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ジャンプすると助走していなくても必ず向いている方向に前のめりに飛んでしまうので、方向の調節が難しい。
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キツネ自体のしぐさとしてはかわいいが、水域から陸地にあがると、いちいち身震いして水を払うので時間がもったいなく感じる。
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アクションゲームとしての難易度
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ゲームオーバーこそないが、足場の配置がシビアになっているなどアクションとしての難易度はそこそこ高め。足場から足場にジャンプで飛び移る際に距離が足りず下に落下してやり直しといったケースが多い。
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右往左往しがちなマップ構造
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オーラをまとってどこかの仕掛けを動かし、またオーラをまとって…という繰り返しになりやすい。青い花の使用回数制限はないのだが、持ち歩いたりは出来ないので、何度も青い花の効果を得に咲いている場所に戻ってこなくてはならないケースが多発する。
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キツネに瞬間移動の能力が備わるが、終盤になってからなのでいまいち不便。
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チャプター内部の一定区画を進むごとにセーブされる仕組みなので、思い立って中断しにくい。
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杖に関する問題
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杖をくわえる/放すためのボタンと、青い花を咲かせるボタンが同じ。
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杖を加えた状態で青い花を調べようとすると、杖をわざわざ手放したりするので少し面倒くさい。
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またその場に置いておいた杖を拾うつもりでボタンを押すと、スイッチを作動させてしまうといったトラブルも発生する。
総評
北の荒涼な大地を舞台としたゲームであり、マップがとにかくだだっ広く迷いやすい。マップは美しさと神秘的な雰囲気も持ち合わせており、先に進むことを気にせず雰囲気を楽しめるプレイヤーには合致しているものといえるだろう。アクションゲームとしては、ゲームオーバーこそないものの足場配置など、なかなか厭らしさを持ち合わせてもいる。
最終更新:2021年10月05日 19:52