Arm Wrestling

【あーむれすりんぐ】

ジャンル スポーツ(腕相撲)
対応機種 アーケード
発売・開発元 任天堂
発売日 1985年
プレイ人数 1人
備考 日本未発売
判定 なし
パンチアウト!!シリーズ
パンチアウト!! (FC / マイクタイソン) / スーパーパンチアウト!! (SFC) / Arm Wrestling / PUNCH-OUT!! (Doc Louis)


概要

任天堂が海外で発売した上下二画面・1レバー1ボタン操作のアーケードゲーム。
同型筐体を用いた『パンチアウト!!』シリーズの番外編として作られている。

特徴

  • 本作はCOMキャラクターと腕相撲で対決をするゲームで、操作は1レバー&1ボタンで行う。全5人の相手に勝ち抜くのが本作の目的である。
    • 最初はレバーを左に連打して相手の表情をよく見る。相手が表情を変えたらすかさずレバーを右に入れその後タイミングよくボタンを押すと、うまく行けばチャイム*1が流れボーナスが貰える。
      • その後レバー左連打→右→ボタンの流れを何度か繰り返すと相手は腕をつき、勝利となる。
      • しかしゲーム後半につれ敵は強くなり、腕を押し込む以外にも様々な攻撃アクションを仕掛けてくることがある。そのためレバー連打やボタン押下といったアクションを素早くこなして相手の妨害をかいくぐる必要がある。
    • 試合に勝つとボーナスゲームとして、画面上からドル袋が一度だけ降ってくる。レバーで主人公を左右に動かしてキャッチすれば高得点。
    • 最終ボスのFrank Jr.に勝利すると、1度だけ対戦順を変えて2周目が始まる。5周・20戦まで勝つと"GAME CLOSED" "SORRY! NO MONEY"と表示され、ゲーム終了となる。
  • 対戦相手
    + ...
    • Texas Mac
      • "Stab Horse"の異名を持つ、カウボーイハットをかぶったヒゲ男。勝利するとカウボーイハットが飛び出し、ハゲ頭であることが分かる。
    • Kabuki
      • 歌舞伎の隈取りをした相撲取り。試合前のアナウンスによると「日本からの特別ゲスト」らしい。
      • 2周目からは(上述のゲスト扱いも影響しているのか)Frank Jr.の後に登場するようになる。
      • 隈取りの力士という外見は『ストリートファイターII』のエドモンド本田にそっくりだが、ゲームの発売はこちらが先である。
    • Mask X
      • 名前が指し示すとおり、マスクを被った覆面マッチョ。マスクのXのロゴが飛び出すと、ヘッドバットを繰り出す。
      • プレイヤー勝利目前の状況にもヘッドバットを繰り出し、それを回避すれば、マスクを引き剥がして勝利となる*2*3
    • Alice & Ape III
      • みつあみ金髪眼鏡の女の子と猿型ロボットのコンビ。Aliceは直接腕相撲をせず、リモコンでApe IIIを操作する。
      • 追い込まれるとAliceのリモコン操作で磁石を持ち出し、右手を引き寄せて逆転を図ろうとする。磁石を持ち出した直後にレバーを右に入れると、プレイヤーが磁石を奪い取ってApe IIIをショートさせ、勝利となる。
      • Aliceは上画面のアイコンではそこそこ可愛らしく描かれているが、下画面では唇やソバカスが強調された出で立ちであり、お世辞にも可愛いとは言えない。
    • Frank Jr.
      • フランケンシュタイン風の怪物。
      • 赤と白に点滅する"WAIT!"の文字が書かれた左の掌を掲げて試合を中断させたのち、視線をプレイヤーから見て右側に向けると一気に腕を押し切ろうとし、左側に向けると炎を吐いて攻撃してくる。それぞれの攻撃に応じてレバーの左右を使い分け回避しなければならない。

評価点

  • 第一に、腕相撲を題材としたレバーとボタンのアクションゲームという点で希少なゲーム作品であること。
    • 多くの業務用腕相撲ゲームは実際に筐体の腕を握って楽しむ体感型ゲームがほとんどだったが、レバーとボタンのテクニックで楽しむ腕相撲ゲームは本作くらいしかない。
  • アーケード版『パンチアウト!!』譲りの多彩なセリフは聞いていて飽きない。
    • 『パンチアウト!!』シリーズではドラゴン・チェンの掛け声を除き、対戦相手には挑発時の"C'mon!"とゲームオーバー時の台詞しかボイスが用意されていなかったが、本作では対戦相手のボイスのバリエーションも増加している。
  • また相手キャラクターも5種類と少ないものの個性やリアクションが豊富で、コミカルで見ていて楽しい。このあたりはキャラクターデザインを大切にする任天堂の長所が発揮できているといえる。

問題点

  • 疲れる。
    • 本作はレバーを激しく左に連打するゲームであり、レバー右やボタン押下の反射神経も求められるため体力の消耗が凄まじい。加えてどの相手もかなり強く、体力の消耗も相まって倒すのが困難である。
      • さらに本作は一発の負けでゲームオーバーとなるため、クリアは困難を極める。

総評

腕相撲のゲーム化という斬新な視点から生まれた任天堂の意欲作。
しかし疲れてプレイが不快になるという点でアーケード版『パンチアウト!!』ほどの高評価を得ることはできなかった。


最終更新:2023年09月09日 20:27

*1 アーケード版『Punch-Out!!』の必殺技ゲージが溜まったときの効果音の流用で、ファミコン版『ドンキーコング』のポーズ音に似ている。

*2 その正体は『パンチアウト!!』に出演したボールド・ブル。上画面のグラフィックも同作のものをベースとしている。

*3 なお後のSFC版『スーパーパンチアウト!!』にも、覆面レスラーの格好をしてヘッドバットを繰り出してくる「マスクド・マッスル」という選手が登場する(こちらは正体は不明だがボールド・ブルとは別人であり、体型やモーションはスーパー・マッチョマンと共有している)。