Cyber Ops
【さいばー おぷす】
ジャンル
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RTT
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対応機種
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Windows 8.1/10(Steam) MacOSX(IntelMacのみ)(Steam)
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発売元
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Games Operators
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開発元
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Octeto Studios
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発売日
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2020年5月21日
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定価
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1,520 円
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プレイ人数
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1人
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メディア
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ダウンロード専売
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セーブデータ
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1個
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判定
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なし
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ポイント
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ハッキング要素を導入したRTT 雑すぎる日本語訳
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ストーリー
バルティア国臨時内閣は未来的な有事に向けてサイバーテロ対応戦闘部隊「ガイスト師団」を設立した。
しかし、ガイスト師団設立直後にバルティア国を訪問していた統一王国首相が滞在中のホテルでテロ集団に襲われるインシデントが発生。
新兵ばかりのガイスト師団突入部隊へ着任したばかりのオペレーターが指示を出してこの危機に対処しなければならない。
概要
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テロ対策部隊のオペレーターとなり、突入部隊への指示やハッキングを行うRTT(リアルタイムタクティクス)ゲームである。
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開発元のOcteto Studiosはブラウザゲーム開発を主とするチリのゲーム会社であり、PCゲームは本作が初となる。
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本作公開から11日前の2020年5月10日に無料版の『Cyber Ops Prologue』がリリースされている。
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製品版『Cyber Ops』の最初のミッションがまるまる遊べる無料体験版的位置付けとなっている。現在のバージョンは慣れれば20分弱でクリア可能である。
以前は本編同様にチュートリアルが説明不足で、何度プレイしてもクリアできずに全滅するプレイヤーが続出し、販促のはずが逆効果になっていた。
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しかし、苦労して『Prologue』をクリアしても製品版には進行状況は引き継がれず、再び最初のミッションから新兵でのプレイとなる。
システム
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ミッション前に突入部隊のメンバーを選定する。
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隊員はサイボーグであり、ミッションクリア特典で得られた"ギア"を装着することで能力を向上させることが出来る。
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隊員には経験値があり、ミッションから無事帰還するとレベルアップすることがある。
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逆に、ミッション失敗で死ぬこともある。死んだ場合は新人隊員が補充される。
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ミッション中
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ミッション中は隊員に進路と、進行及び停止の指示を出す。
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部隊員へ「ステル
ト
」「攻撃的」「スプリント」のコンディションの指示を出せる。
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ステルスの場合、部隊員は敵との接触を避け、敵の気配がすると立ち止まる。敵の戦闘員にタグ付けされている場合はステルス殺を試みる。
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攻撃的を指示している場合は、敵と遭遇した場合は銃器で交戦する。
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スプリントの指示を出すとダッシュする。物音で敵に見つかる可能性がある。
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部隊員はハッキング可能なモノ(端末、サイボーグ兵士)にこちらからの指示がなくともリモートアクセス可能なデバイスを取り付ける。
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プレイヤーはそれらのハッキング可能なモノにハッキングを試みる事が出来る。
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ハッキングにはレベルがあり、そのハッキングレベルを維持するためにはリアルタイムのミニアアクションゲームを失敗せずに継続させる必要がある。ハッキングレベル3なら、3つのレベルのリアルタイムなミニゲームをずっと同時に成功させ続ける必要がある。
もちろんその合間に部隊員への指示や、ハッキング中の機器の制御を行う必要がある。このため、非常にてんてこ舞いな状態となる。
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白の矢印が味方である。このステージと更に次のステージが有るのに、既に半数の2名がお亡くなりになっている。
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そこから伸びている白い線が現在設定されている進行ルートである。その行き先には人質がいる。進行ルートはプレイヤーが再設定可能。
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赤の矢印が敵である。
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黄色の矢印は民間人である。このステージのこの人物は統一王国首相。
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黄色の矢印の下のウインドウは"SYS-B"というターミナルの「操作卓(コンソール)」画面である。ここで"[A]ffect.L3.possess.B2"とコマンドを実行すれば、B2のタレットが攻撃範囲内(黄色の扇形の部分)にいる敵を攻撃する。
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また、"[A]ffect.L2.destroy.B3"を実行すればB3タレットが自爆する。
"[A]ffect.L2.destroy[SYS-B]"を実行するとタレットを操作できなくなり、詰んだも同然である。
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ゲーム画面中、赤くなっているウインドウがハッキングレベル1のミニゲームで、ウインドウの上の方で示された文字列"AYX"をその下の文字列から緑色のカーソルで選ぶ必要がある。
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その下のウインドウはハッキングレベル2のミニゲームで、緑の
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を操作して赤い
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を避け続けなければならない。
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その下のウインドウがハッキングレベル3のミニゲームで、緑の
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を操作して『パックマン』よろしく追いかけてくる赤い
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から逃げ続ける必要がある。
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民間人がいるエリアに突入部隊が行くには"A1"のドアのロックを解除する必要があり、そのための"SYS-A"ターミナルが何処かにあるはずである。
評価点
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洗練されたグラフィック
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UIも含めて、サイバーものである本作にマッチしたグラフィックに統一されており、世界観を補強している。
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斬新な設定
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テロ対策のRTTと言えば『Door Kickers』『Breach & Clear』などがあるが、ハッキングにより活路を開くというのは本作独自の要素である。
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『Door Kickers』『Breach & Clear』に比べ、本作の部隊移動ルートの作成のUIは使いやすい。
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コンソールコマンドは選択制のUIとなっており、手打ちが必要な『Hacknet』より使いやすい。
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ただし、ハッキングで活路を開くRTTと言えば既に『Satellite Reign』があり、本作と『Satellite Reign』を比較すると何もかもが見劣りする。
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そもそもRTTはプレイヤーが部隊員へ指示を出しているのだから、プレイヤーの立場を"オペレーター"と設定することでその役割がしっくり来る。
問題点
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日本語の翻訳が全体的に低品質
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シナリオの文章にて「です・ます」調「だ・である」調の混在、不自然な句読点、稚拙な言い回しや誤用等が頻繁に目に付き、極めて怪しい。翻訳担当者が日本語に堪能(母語話者)でないか、または機械翻訳の可能性がある。
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チュートリアルの「
も
ろ
に
ズームインする」など、言いたいことは分かるがぎこちない。
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一定の英語読解力があり、かつ作品の雰囲気を重視したいならば英語でのプレイを推奨する(もっとも海外のインディーズ作品でこうした雑なローカライズは少なくないが)。
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そもそもリリース直後は日本語はいわゆる豆腐型"□"の文字化けが多く、ほぼプレイ不可の状態だった。が、リリースから1週間以内にそれらのバグは対処されている。
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やや難しめである。
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難しめである最大の原因は、時間が止まらないことにある。『Door Kickers』『Breach & Clear』『Frozen Synapse』のいずれもが時間を停止してじっくり考えることが出来るが、本作は時間が止まらない上に「30分以内になんとかせよ」と
急
かされたりする。
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ハッキング状態を維持するためのミニゲームが煩雑である。
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部隊員の進行に合わせて監視カメラをハッキングしたり、敵の動きを見て突入の指示を出したりしなければならないのだが、そういう指示を出すタイミングでミニゲームの方にも危機が迫ったりすると、折角の機会を失ったり、味方を危険に晒したりする。
改善された問題点
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不親切なチュートリアル
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チュートリアルが不親切で、最初のミッションの最終ステージで全滅するというコメントが多かったが、2021年1月のアップデートでその部分のチュートリアルが強化され、敵のサイボーグ兵士を物理的に攻撃してスタン状態にしてからサイボーグ兵士をハッキングして電子脳を焼いて殺す、
もしくは、設置されているタレットのコントロールを奪ってタレットでサイボーグ兵士を殺す、という方法があるという説明が付き、かつ、その前のステージにてタレットのコントロールの奪い方のチュートリアルも付いたため、何をどうすれば良いのかがようやく明確となった。
総評
テロ対策部隊のRTTは既にいくつか存在するが、それらにハッキングという要素が加わっており、ハッキングによって活路を開くというゲーム性は新しい。
2021年のアップデート前はチュートリアルの説明不足により、最初のミッションの最終ステージで攻撃ヘリやサイボーグ兵士に蹂躙されて心が折れた人が続出した。
現在は落ち着いてタレットのハッキングに専念すればクリアできるはずではあるが、それでも簡単とは言えない難易度ではある。
最終更新:2021年11月20日 15:51