MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES

【まーぶるばーさすかぷこんつー にゅーえいじおぶひーろーず】

ジャンル 格闘ゲーム


対応機種 アーケード(NAOMI)
販売・開発元 カプコン
稼動開始日 2000年3月
移植版 ドリームキャスト版:2000年3月30日
プレイステーション2、Xbox版:2002年9月19日
Xbox360版(XboxLIVE ARCADE):2009年7月29日
プレイステーション3版(PlayStation Store):2009年8月12日
※360・PS3版は2013年12月配信終了
判定 ゲームバランスが不安定
賛否両論
ポイント 自重しない永久コンボ
完全崩壊したキャラバランス
全キャラ出現に出費がかさむDC版
世紀末ゲーの前身
人によっては神作
海外では続編が出るまで大人気だった
CAPCOMクロスオーバー関連作品シリーズ
Marvel Comics関連作品シリーズ


概要

アメリカのマーベル社との契約でできたカプコンキャラ&マーベルキャラのドリームマッチが楽しめる『VSシリーズ』の第四作。
総勢56人のキャラ達が織りなす3on3、NAOMI基板の性能を駆使したド派手な演出が最大のウリで、質、量ともにシリーズの集大成たる相応しい作品、になるはずであったのだが…。

特徴

  • 最大の特徴は使用可能キャラ総勢56人という圧倒的なボリュームである。
    • 最初から全てのキャラが解禁されているわけではなく、ゲームを遊んでポイントを溜めて行くことで順次解禁されていく仕組みになっていた。
      • アーケード版と家庭用版(DC版)はほぼ同時発売だが、それぞれ最初から使えるキャラが異なっている*1。また、AC版のコンパネに用意されたビジュアルメモリを挿すスロットに挿して遊ぶことで、AC版・DC版双方でポイントを溜められるという連携要素もあった。
+ 本作に登場する56人の勇者たち+1
  • 太字は共通して初期使用可能キャラ。下線はアーケード・家庭用のどちらかのみ初期使用可能キャラ。
  • マーベルサイド
    • 『X-MEN Children of The Atom』から登場
      • ウルヴァリン(本作ではアダマンチウム無し版も登場)*2サイクロップス・ストーム・サイロック・コロッサス・アイスマン・スパイラル・シルバーサムライ・オメガレッド・センチネル・ジャガーノートマグニートー
    • 『MARVEL SUPER HEROES』から登場
      • キャプテンアメリカスパイダーマン・アイアンマン・ハルク・ブラックハート・Dr.ドゥームシュマゴラス・サノス
    • 『X-MEN vs. STREET FIGHTER』から登場
      • ガンビットローグ・セイバートゥース
    • 『MARVEL vs. CAPCOM』から登場
      • ウォーマシン・ベノム
    • 本作から初登場
      • ケーブルマロウ
  • カプコンサイド
    • 『MARVEL vs. CAPCOM 2』オリジナルキャラ
      • ルビィハートアミンゴソンソン・アビス(ラスボス)
    • 『VS. STREET FIGHTER』2作品から登場
      • リュウ・ケン・春麗・ナッシュ・ザンギエフ・ダルシム・ベガ・豪鬼・ダン・さくら・キャミィ
    • 『MARVEL vs. CAPCOM』から登場
      • モリガンキャプテンコマンドーストライダー飛竜・ジン・ロックマン・ロール
    • 本作から初登場
      • ガイルアナカリスバレッタハヤトジルトロン・コブン・フェリシア
  • 見ての通り、従来のマーヴルのキャラクターを使った格闘ゲームに登場したキャラはほぼ全員*3が本作にも登場している。これは「マーヴルとの格ゲーはもうこれで最後にしたいから、集大成として全キャラ登場させれば誰も文句を言わないだろう」という方針によるものと言われている。
    • そのせいもあって、マーヴル側の新キャラは2人だけ。その人選も、ケーブルはともかくマロウは『X-MEN』の中でもかなりマイナーで人気も薄いメンバーであり、選ばれたことに疑問の感じられるキャラとなっている。
    • 続編『MARVEL VS. CAPCOM 3』では本作の全てのキャラは登場してないが、後述する「本作を象徴するキャラ」を優先的に出演させるなどある意味「わかっている」人選が行われている。
  • チーム人数が従来の2on2から3on3に変更。また、さらにチーム戦としての性質を強くしたシステムが搭載されている。
    • ヴァリアブルアシスト…従来から存在していたシステムだが、本作では2つの「パートナーボタン」があり、押すことで控えにいる二人それぞれを呼び出して攻撃させることができる。また、キャラを選ぶ際にアシストとして出す技をα・β・γの三種類から選べるようになった。
      • 本作では技の硬直中でもアシストを呼べるようになり、使用回数や制限もほとんど無いため、自由度と重要性が格段に上昇。チームを組む時は単体の強さ以上に、キャラクター同士のアシスト⇔前線の相性の良さも重視すべき要素であり、中には「アシスト専門」として強キャラの仲間入りをするキャラもいるほど。
      • パートナーボタンの代わりに消されたのは中パンチ、中キックボタン。中攻撃自体は存在するが、チェーンコンボ専用技となっている*4
    • ディレイドハイパーコンボ…ハイパーコンボ中に次に控えているキャラのハイパーコンボコマンドを入力すると、次のキャラがハイパーコンボを出しながら登場し、使用キャラを交代させることができる。連続技のダメージを加速させるために使ったり安全にキャラを交代するために使うなど攻防に使えるシステムである。
    • スナップバック…当てると相手のキャラを強制的に交代させることができる打撃技。ゲージを消費するが、その戦術的な価値は非常に高い。

問題点

ゲームバランスの問題点

  • 56人という大勢のキャラが登場するせいか、キャラの強弱やゲームバランスが更に自重しなくなっている
    • 通常の格ゲーではタブーである、「ハメ技」や「永久コンボ」の自由度が爆発的に上がっている。単体では永久が無いキャラも、特定の状況で特定のアシストと組み合わせると永久が成立するなんて事はザラである。
    • 普通では「詰む(ダイヤグラム8:2・9:1など)」組み合わせがあちこちに存在している。
  • 特に「ストーム」、「センチネル」、「マグニートー」は飛びぬけて壊れた性能を有している。以下にその性能を紹介。
  • ストーム(大気を操るX-MENの女性ミュータント)
    • 全体的に高い性能を持つ通常技、安定した火力、高機動力…と三拍子揃っており、安定性とお手軽度はセンチネル以上と言われることも。特にほぼ全画面判定のハイパーコンボ「アイスストーム」と、特定のアシスト無しでは文字通り捕まえられない空中制御能力が壊れている。
    • メインアタッカーというよりはチーム全体を支えるサポーターとしての起用が多い。もちろん、メインアタッカーとしての性能も十二分にあるが。
    • 強いて欠点を挙げるとすれば、防御力が平均よりやや低いこと。しかし、「死な安ゲー*5」である本作では、そんなものは欠点に数えられないようなものである。判定の関係でセンチネルに対して微不利ではあるが、対センチネル用の永パも持っている為、触ればこちらのもの。
  • センチネル(X-MENに出るミュータント捕獲・抹殺用の戦闘ロボット)
    • 『X-MEN COTA』の時は巨大キャラにありがちな高火力鈍重キャラだった。しかしカプコンは何をトチ狂ったか専用の高速移動技を追加。そのため火力・耐久・リーチ・そして速さと全要素で隙のない凶悪な性能になってしまった。
    • おまけに常時スーパーアーマー・通常攻撃をガードされても削り能力がある、適当に出しているだけで強いγアシストなど本当にどう使っても狂っている。初心者が適当に暴れるだけ、もしくはγアシストとして呼び出し続けるだけでも異常に強いのだから、それを上級者が使えばどういう事になるか想像するのは難くない。
    • さらにセンチネルの必殺技・ハイパーコンボのコマンドはいずれも干渉し合わないコマンド*6(簡単に言えばレバーの倒し方が波動拳コマンドのものが大半)のため、技の暴発も少ない。
    • 弱点はデカさゆえの当たり判定(対センチネル用の即死コンボがあるほど)と、一部の遠距離キャラ(特に下記のケーブル)や、アーマーをぶち抜かれるアシストのキャプテンコマンドーが苦手な事。
  • マグニートー(磁力を操るX-MEN名物の敵役。彼もミュータント)
    • ガード崩しとコンボ性能が凄まじく高いキャラ。ダッシュ&超低空空中ダッシュから繰り出される発生1Fの蹴り(通称:『神の小足』)がコンボ起点となるうえにめくりと裏周りも完備。そしてそこから低難易度のコンボで5割、極めれば即死に持っていける。ストーム同様極めるのは難しいが、初心者でも簡単かつ強力なコンボが繰り出せる。
    • 弱点は防御力が平均よりやや低いこと、上記2キャラに判定の差から立ち回りで不利が付くこと。しかし接近戦では5分のため十分挽回できる。
  • この3人に加え、特定の相手を圧倒できる「ケーブル」を含めて「神*7」と称されている。
  • ケーブル(次世代X-MENの主人公。やはりミュータント)
    • コンボ能力は低い、火力・防御力共に平均的、動きは遅く当たり判定もデカイ。そして最大の問題が「空中移動能力を持たない」こと。では何故このキャラが神に選ばれているのかというと、センチネルに対して圧倒的に有利に戦えるからである。センチネルの殆どの行動に対して下記の空中版ハイパーバイパーが確定反撃として使えてしまう。
    • ケーブルの強さを支えているのがハイパーコンボの飛び道具「空中版ハイパーバイパー(以下空中HV)」。バイパー(蛇)のように波打ちうねる極太のビームを発射する技なのだがこれが本当に狂っており、「発生が非常に早く、攻撃範囲も広い」「高火力、削り性能も高い」「貫通するので相手とアシストを同時に攻撃できる」「必殺技ハイパーキャンセル空中HVでどこからでも確定反撃を狙える」「その必殺技がよりによってヴァリアブルカウンター(ガードキャンセル)で出せるので、控えに居るだけで《ヴァリアブルカウンター→ハイパーキャンセル空中HV》を意識させられる」「仕様による出現確定ガード不能コンボ*8が《早めジャンプ空中強P→着地再ジャンプ最低空HV》で簡単に出来る」「空中HVから空中HVがつながる」…という素敵な性能でケーブルの強い理由の90%位がこの空中HVに由来していると言っても過言ではない。
    • 逆に地上版ハイパーバイパーは、発生までに少しタメがある故にガードされ易く、範囲・結果的なダメージもほぼ他キャラの飛び道具と大差無い上、技もつなぎにくい。おまけに出した後の隙も非常に大きく、相手と状況によっては「ハイパーバイパー食らってから反撃余裕でした」なんてことも起こる。同じ技なのにこの差は一体…。
    • 弱点は立ち回りが空中HVに完全に依存する形となるため、ゲージ無し時はあまり強くない事。とはいえシミターとエレクトラップを巻いて相手のうかつな攻めを咎められるというのもあり、守りは強い方で、他のキャラでゲージを貯めてから交代すれば大暴れできる。
  • 他にもスパイラル、アイアンマン、ブラックハート、ストライダー飛竜、サイロック、サイクロップスなど高性能なキャラは数多いのだが、チーム単位で見れば結局は神のうち3人で組んでも構わないというオチ。要するに神の前には雑魚同然なのである。
    ただし神のみでチームを組むと、対空アシストを持っているのが扱いの難しいケーブル、もしくは対空アシスト無しになり、立ち回りに不安要素を抱えるため、2人+対空枠という組み合わせを取る人もいる。この対空枠でメインになるのが「アシストなのに完全無敵まで持つ」「センチネルのアーマーをぶち抜いて吹っ飛ばせる」「攻撃範囲が広い」というキャプテンコマンドーである。サイロックやサイクロップスもキャラ性能よりは対空力を買われて起用される場合が多い。
  • 逆に意図的な弱キャラは逆方向に突き抜けており、どうしようもないほどに弱い。
    • ダン(『ストZERO』初出、挑発のバリエーションが豊かな胴着キャラ)
      • いつも通りのネタキャラ。挑発でゲージを多く溜めたり、挑発伝説でHCゲージをMAXにしたりできるが、対戦で使えばただの的である。
      • しかし『MVS』では完全な死に技だった3ゲージHC『漢道』は、自身の体力が1になる欠点こそ据え置きだが、投げ外し不可能となった上でダメージが全技中最高の100に引き上げられ、ロマン要素が強められた。
  • コブン(『ロックマンDASH』の敵側マスコットキャラ)
    • 紙装甲に超低火力(エリアルを入れても他キャラのパンチ1発分)というどうしようもないキャラ。
    • 一応ゲーム内で最も小さいためコンボがスカりやすい、「アシストのタイプによってハイパーコンボの内容が変わる」という至極どうでもいい唯一無二の性質はある。ただしハイパーコンボが使いやすい形態はアシストが使いにくく、アシストが使いやすい形態はハイパーコンボが当てにくいのでさらにどうでもいい。
  • ロール(ロックマンの妹ロボ。『8』版だが異様に小さくなっている)
    • 全体的にロックマンの完全劣化で、下位のさらに下に「ロールちゃん」という単独のランクが作られるほどのぶっちぎりの最弱キャラ。ダンやコブン相手にすらダイヤグラム3:7や2:8で圧倒的不利とまで言われる事も。
    • 強みは身長が画面の縦の8分の1と非常に低く、当たり判定の範囲が狭いため一部の攻撃がしゃがまなくとも当たらないことと、通常技の発生がトップクラスなので、それを駆使して先発でゲージ溜め役に徹するぐらい。あと可愛い+パンチラ

56人もキャラクターがいるために起きた弊害

  • まずシナリオはEDのイラスト以外は完全にカット
    • 個別エンディングはおろか、対戦前のやりとりや対戦後の台詞すらなく、そのせいで本作オリジナルの主人公格3人は、性格はおろか一人称すら分からない事態に
    • シナリオをカットした所為で、本作オリジナルのラスボスであるアビスの正体もよく分からない。
      • 分かっているのはそいつを封印するために56人が集まったことくらいである。
  • 容量確保の為のスプライト削減
    • 登場キャラクターの多さから、各キャラクターのアニメーションのスプライト枚数が節約されて削られており、過去シリーズから比べると大きく劣化している。
      • アニメ枚数削減は家庭用移植では既にプレイステーション版などでお馴染みだったが、本作ではアーケード版の時点で本格的に削っている。
    • この弊害を大きく受けたのはジャガーノートやブラックハート、そしてセンチネル等の大型キャラである。見た目だけでなくデータも馬鹿でかいため、余計な動きはとことん削除されている。
      • 特にセンチネルは酷く、以前登場した『X-MEN Children of The Atom』の時と比べると特徴的だったパーツが落下してくる登場シーンが、本体がそのままドスンと落ちてくるというものに変更・立ちポーズがブルブル震えているようにしか見えない・勝利ポーズもさっさと排熱してしまっている(しかも途中シーンが挑発に回されている)と、とにかく削れるもの皆削っている。
      • ブラックハートは旧作では「インフェルノ」が弱・中・強で演出が稲妻・氷・炎と変化していたのだが、今作では氷のみ。
    • 全キャラからアドバンシングガードのモーションが削除された。
      • ただしこちらはガードモーション+エフェクトで違和感のないようにはなっており、そこまでは目立たない。

その他の問題点

  • 本作を極めようとするとするとぶち当たる様々なバグ
    • 実戦投入できると恐ろしい強さになったり、格闘ゲームとしての体裁すら崩れるほどの強烈なものがあったりもするが、以下のように再現が非常に容易かつお手軽バグが本作稼働黎明期に猛威をふるった事もある。
      • ジャガーノート「サイトラックバグ」:再現性100%。必殺技「サイトラックパワーアップ(次の1打のみ威力が上がる技)」を発動してからそのジャガーノートを引っ込めると、その効力が続いたままアシストとして呼び出せる。ジャガノートはもともとパワーキャラで攻撃力が高いのに、それがさらに上昇したうえに、再びサイトラックパワーアップを使用するまで効果が持続する。この状態で防御力が低いキャラにハイパーコンボを当てると、それだけで体力9割消滅というおかしな威力になる。PS2・Xbox版では修正されたが、「上位キャラへの対抗手段にそれくらい有っても構わない」という判断がされたのか、PS3・Xbox360版では復活した
      • キャプテンコマンドー「即死K投げ」:K投げ(掴み電撃攻撃)中に猛烈な勢いでレバガチャ+ボタン連打すると、時折投げられた側が即死する。腕力次第で再現性が上がる模様。これもPS2・Xbox版では修正された。
      • ガンビット「大気圏バグ」:スナップバックBを出した後にケイジャンストライクを使う。するとガンビットがなぜか画面外に上っていき、以降このバグを使用したチームのキャラクターが一人もステージに現れなくなってしまう。ガンビットのいるチーム側が残体力で勝っている状態でこの技を使えばタイムオーバーで勝利が確定する。ただし大会では当然ながら使用禁止で、PS2・Xbox版では修正された。
    • 余談だが、あまりのバグの多さに新しいバグを見つけることに楽しみを見出すプレイヤーが現れたほどである。
  • イージーモードの廃止
    • 前作まで搭載していた簡単に技を出せるモードが完全廃止。
      • 格ゲー自体初心者の人間には3人分ものコマンドを覚えなければならないのはやはりつらい。
  • DC版のネットワーク対戦の問題
    • ネットワーク対戦自体が黎明期である為、回線切断の対策が行われていなかったり、ラグの問題もあった。
      • 特に対戦格闘ゲームであるために、ラグはやはりつらい物があった。
    • 連動によるキャラ収集に非常に金額がかかる。全キャラクターを揃えると下手するとアーケード料金、ネットワーク料金込みでソフト1本分は余裕でお金が飛ぶ。

賛否両論点

  • CPU戦の1プレイ時間の長さ
    • 増やした人数と出来るだけ対戦してもらう為なのか、CPU戦はラスボスを除き7ステージ(現在使用可能な24~56人中21人)あり、さらにラスボスが3形態もある。
      • 使用キャラの火力が低い、コンボ練習をする、初心者が手間取る、等で1ステージに時間がかかるとクリアまでに30~40分は平気でかかる。
    • 長く遊べるとも言えるが、終わるのを待つ場合などはものすごく待たされる。
  • キャラ別BGMが廃止され、ステージごとに固定されたBGMが流れるように変更になった。
    • ジャズなどのブラスサウンドを主体とした曲調で統一されていてゲームに合ってるとは言い難く、出来はともかく評価は賛否両論*9
    • 一応ピエロ面のBGMはなかなかテンションが高めなのだが……。
  • 背景ステージは全て3Dで描かれ美しいのだが、過去作のような関連キャラは登場せず、味気ない。
    • 上記の変におしゃれなBGMと悪い方向に噛み合ってしまい無個性化してる感じが否めない。

評価点

  • ド派手な演出
    • シリーズでは引き続き広い画面を縦横無尽に動き回れる、お互いサポートキャラを二人ずつ出せる為画面も賑やか、HC等も非常に派手な演出になっている、等、適当なコンボからHCで締めるだけでも爽快感があり、単純に遊んでいて楽しい。
    • 背景も3Dになっており、この時代としては異例なほど滑らかに動き、また「3Dならではの演出」が多数凝らしてあり、「適当に作ったゲーム」と呼べないほど色々作りこまれている。
    • 熟練者同士が「他の格ゲーでは絶対味わえないゲーム性」を楽しめる。
    • CPU戦の難易度が低めで遊びやすい事もあり、全くの初心者でも楽しめる作りになっている。
      • 特にラスボスのアビスは「ビーム系のハイパーコンボに弱い」という点を筆頭に対処しやすい要素の多い行動パターンとなっている。*10
  • キャラ数の多さ
    • コンパチキャラもいるが、単純に56人ものキャラが使えるのは当時としてもかなりの多さ。その数は『KOF'98』をもしのぐ。前述のとおり今までのシリーズ参戦キャラは「出せる奴は全部出した」という状態で、更に追加キャラも増えている。
  • ACとDCで使用可能なキャラが違う事や連動でのポイント入手もあり、対戦外のシステムも楽しめた。
    • 稼動当初はビジュアルメモリを持ち込んでの対戦も盛んに行われた。
      • 「相手が持ってるキャラは対戦相手も使える(ZERO3↑の俺IZMキャラのとは逆)」という理不尽さに対する救済システムもしっかりしており、ライトユーザーがお祭りゲーとして遊ぶには十分過ぎるほどであった。
  • 家庭用のトレーニングモード
    • 完全移植タイトルが稀で、トレーニングモードもタイトルによってないのが普通(カプコンのごく一部タイトルのみ)という時代に、2000年代末期以降でも通用するレベルのクオリティのトレーニングモードを搭載した。
  • Myコントローラーをアーケードで使用可能。
    • NAOMI筐体の中にはコントロールパネルにDC用コントローラーの端子を搭載しているものがあり*11、家庭用での操作に慣れたプレイヤーもコントローラーを持ち込めばそのままの操作性でアーケード対戦を楽しむ事が出来た。
  • カプコン側の新規参戦キャラクターの人選。
    • 完全新規のルビィハートとアミンゴ、『ソンソン』の孫娘のソンソン以外にも『スターグラディエーター』からハヤトが、『バイオハザード』からジルが、『ロックマンDASH』からトロンとコブンが新たに参戦した。グラフィックも新しく書き起こされており、初参戦の3作はその後も様々なクロスオーバー作品に精力的に出演する事になる。
    • また、参戦済みのタイトルの『ヴァンパイア』からはアナカリス、バレッタ、フェリシアが、『ストリートファイター』からはガイルといった人気キャラクターも本作で待望のVSシリーズ初参戦。
    • トロンの「朝食ラッシュ」、コブンの「昼食ラッシュ」はコブンだけでなくデータ(『DASH』に登場するロックのお供の猿)が紛れている。料理を作っているコブンが居るにもかかわらず41ヒットしてるのはこのため。また、アナカリスには当然ながら恒例の『王家の裁き』も実装されているが、キャラが多すぎる為か「裁かれ状態」のグラフィックが本作独自の物に統一されてしまった事が残念か。

総評

とにかく出せるだけ出したと言っていい、当時でも異例の56キャラものキャラを集めた意欲作。
ド派手な演出やスピーディな展開も含め、動かしていて楽しいゲームには仕上がっているものの、それだけのキャラを詰め込んだせいでバランスは完全に崩壊しており、「早すぎた世紀末ゲー」とも称される程のぶっ壊れバランスになってしまった。
はっきり言って、上位キャラとそれ以外ではまともな勝負にはならない。
それでも(主に海外で)人気の高い作品ではあり、稼働から10年以上が経っても稼働しているゲーセンがそれなりにある辺りゲームセンターでは長らく愛されているゲームでもある。


移植

  • 連動要素もあり、家庭用ではまずDC版が発売された。DC互換基板であるNAOMIを使用し、これらのシステム前提で開発されていた、とも思われる。
    • SEGAの家庭用ハード事業撤退によりDCでのマーケットが厳しくなった数年後にPS2・Xboxに移植されたが、契約解除ゆえにいずれも廃盤となっている*12。家庭用ソフトは一時期プレミア化していた(特にPS2版)。またPS2版・XBOX版ともに対戦時にプレイヤーがわかるレベルの差異がそれぞれに存在し、意図的に消されたバグもある。このため「本気でアーケードデビューするならDC版推奨」と日本のガチ勢ではなされ、海外での大会で使われる家庭用も依然DCのまま……と、ハードとソフトの販売とキャラを揃えるサービスを停止したにもかかわらずDC版を用意する必要がある、という悲劇のタイトルである。
  • 続編のMVC3発売に合わせ、360のLive Arcade、PS3のPlaystationStoreにてDL版が発売された。
    • いわゆる「おま国」が頻発していた当時のカプコン旧作のDL配信だったが、本作は日本でも配信されたことが驚きとともに高評価として挙げられたほど。
    • 前述した様に、バグは致命的なものは除去され、そうでないものは残されているというサジ加減をきかせた修正や、最初から全キャラが解放されている点などもポイントである。特に「最新ハードでプレイ可能」「進歩した環境でオンライン対戦が可能」という点だけでなく、細かい調整も「DCを寄せた調整で意図的に残したバグも多い」など、多くのプレイヤーにとって「ガチ勢も納得の出来で、マヴカプ2が最新ハードでとオンライン環境でプレイ可能」と、ネックであった「DC」というハードの問題と終了した独自サービスの問題点を解消している。
    • ただし、キャラ版権の半分はマーヴル社が当然持つため、MARVELとの契約終了に伴い、2013年12月中旬にどちらも配信が終了している。当時は価格と入手しやすさの両面から言って「遊びたければこの2つの内どちらか」または「いつどちらの環境でオンライン対戦する必要が出るかわからないので両方購入」といったのが無難であったが現在は残念ながら入手することができない。
    • また、一部の実績が「最近使用した20チームでの合計達成数」という形で判定されており、このチームの基準が「メンバーの並び順まで含めて判定」という面倒くさい仕様である点は問題視されている。

余談

  • 現在「MARVEL」の日本での読みは「マーベル」に統一されているが、本作の稼動時点では「マーヴル」と呼んでいた*13。本作以前の同シリーズでも同様。これは略称の「マヴカプ」に名残を留めている*14
  • 海外(特にマーベル人気が高い北米)では「本作こそ格ゲーの代名詞」というほどの凄まじい人気と知名度を誇り、EVO*15で『MVC3』が出るまで毎年本作が選ばれていたほどである。アメリカでは全体的に強キャラを好んで使う傾向があり、上記のストームやセンチネル中心の「みんな使えばいいじゃないか」的なフリーダムな事態になっている。これもお国柄と言うものだろうか…。
    • あちらでは大人気のマーベルキャラで、ifの組み合わせ+対戦できるのが楽しく、何より原作の雰囲気を壊していないというのも理由といえる。日本でも『ジョジョの奇妙な冒険 ~未来への遺産~』が大味なゲームバランスでも評価・人気が高いことと同じ理由である。
      • 日本では「1強」に対して反骨精神があるせいか、『北斗』でも研究や実践の甲斐あってトキが絶対的存在ではなくなったことが証明された。しかし本作は最早研究の余地なしなのか、しないのか不明だが「神」の座が覆されることは今なおない。今後も、多分ない。
  • ゲームバランスを壊しているキャラが何故かX-MEN絡みばかりだが、これは偶然の結果。「MARVEL社がカプコンに要請してMARVELキャラを軒並み強くした」という噂も流れていたが、MARVELはキャラデザや設定などの監修を行っただけであり、現在までに明示された情報の中にそのような要請があったという事実はない。
    • そもそもMARVELがキャラクターの性能にまで口を出せるのであれば、MARVELの顔であるスパイダーマン、ウルヴァリン、キャプテン・アメリカなども強キャラになっていたのではないだろうか。
    • そもそも本作は最初からお祭りゲーという趣向が強く、他の格闘ゲームからほぼそのまま調整をせずにキャラクターを流用したため、全体的にキャラクターの性能がハイレベルだったX-MEN系統が強くなってしまった、という見解が現在2chの格闘ゲーム板では一般的になっている。
  • ネットワークサービス終了後の対応
    • 当然ながら今では終了してるネットやACとの連動要素だが、それによりDC版ではソフトだけでは全キャラクターを揃える事が出来なくなってしまった。
      • カプコン側もその状況は良くないと判断したようで、『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』初回特典『CAPCOM対戦ファンディスク』に全キャラクターが出現するデータディスクをつけたり(現在では入手困難)、カプコンにビジュアルメモリを送ると、全キャラクター出現済のセーブデータをコピーしてくれる等のアフターケアが行われたが、2013年3月31日を以ってアフターケアのサービスは終了となった。発売した年を考えれば2013年まで対応してくれただけでも破格だろう。
    • 後に発売されたPS2・Xbox版ではDC版同様「マルチマッチングを利用してのポイント」の概念はあるが、こちらは普通にプレイして貯まるポイントでも(相当高額ではあるが)キャラクターが購入可能。仮に今から新規にプレイを始めるとしても時間はかかるが全要素を楽しめるようになっている。また、PS3と360のDL版は最初から全キャラ使用可能。

その後の展開

  • 2008年12月に第3のVSシリーズとして(タツノコ作品の単独での格ゲー化というプロセス抜きで)『タツノコ VS. CAPCOM CROSS GENERATION OF HEROES』が登場。アーケード版稼働と同日Wii版も発売された。
    • こちらは日本のみの発売だったが、2010年1月に調整版の『TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL STARS』が世界各国で発売された。
    • 引き続き登場したロールは全面リファインされ、依然として弱キャラではあるものの「キャラランク:ロールちゃん」は卒業できた。
  • そして2011年2月、PS3と360のマルチ展開で実に11年ぶりの新作となる、『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』が発売された。
    • こちらも2011年11月に完全版『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』が発売。

*1 にシリーズ皆勤賞のウルヴァリンは、アーケード版では通常のウルヴァリンが、家庭用版ではその代わりに「アダマンチウムを失ったウルヴァリン」が登場する。ただし見た目は単なる色違いキャラ。

*2 但し初期使用可能なのはアダ有り・アダ無しのどちらかのみ。

*3 ただし、アポカリプスやオンスロートなどのデカキャラ、USエージェントやリリス風モリガンなどのコンパチキャラ(ただし一部のキャラは元キャラの変身技で登場)、そしてメカ豪鬼とアニタと憲磨呂は登場していない(当然だが)。

*4 弱パンチ(キック)を当てた後に同じボタンを押すと中パンチ(キック)が発生、中パンチを当てた後に弱キックを押すと「中キック」が発生するなど

*5 「死ななければ安い」の略。ワンチャンスで即死もありうる本作のようなゲームにおいて、生き残れればまだチャンスが残っているといった意味。

*6 上手な人がプレイするとそうでもないかもしれないが、昇龍拳を出そうとして波動拳が出るのはよくある話(逆も然り)。

*7 強キャラの中でも飛び抜けて強い事から、海外でも「Top Tier」どころか「GOD Tier」と称される。

*8 ノーマルジャンプ中は1度しかガード出来ない+出現はノーマルジャンプ扱いの複合

*9 他のゲームの没BGMを流用したという説がある。

*10 ざっと挙げるなら全般的に鈍重な第1形態、射程の短い火炎放射に対して飛び道具を当てる以外はガードを固めるだけでもなんとかなる第2形態、大振りな技も多いが無防備な時間も長い最終形態、といった感じである

*11 コントローラー接続端子がなくビジュアルメモリスロットを搭載しているタイプのものもある

*12 再びカプコンとマーベルが契約したとは言っても、当然それらの再版などはかからない。

*13 アメコミの邦訳ものにおいても「マーヴルコミックス」の表記が多かった。

*14 「マーベル」が正式な表記と確定した後で「マーベルvs.カプコン」と呼ぶ事はあっても、「マベカプ」とは呼ばれない。

*15 全米最大規模の格ゲー大会。日本での「闘劇」の大規模版。