ネブ*プラス
【ねぶぷらす】
ジャンル
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恋愛アドベンチャーゲーム
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対応機種
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WindowsXP/Vista/7
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発売・開発元
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Navel
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発売日
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2012年2月24日
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通常版
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4,800円(税別)
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レーティング
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アダルトゲーム
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判定
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なし
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Navel作品リンク
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概要
Navelの過去作品の人気ヒロインの新規エピソードを集めた短編集。
登場ヒロインは『SHUFFLE!』から八重 桜、『俺たちに翼はない』から渡来 明日香、『世界征服彼女』から棟本 椿子が選出されている。
彼女達は2011年の11月末に公式HP上で実施された人気投票において、各シリーズのヒロイン中1位に輝いたキャラクターである。
原画やシナリオライターはそれぞれの本編のスタッフがそのまま参加しているが、桜シナリオのライターは初出の『Really? Really!』のあごバリア氏ではなく『SHUFFLE! Essence+』の森林彬氏が担当している。
他会社の人気恋愛シミュレーションゲームに名前が似ているが、共通点はヒロインの人数ぐらいであり、もちろん関連性は無い。
システム
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各ヒロインごとに1つ、計3つのシナリオを選択してプレイする方式。それぞれのシナリオは完全に独立しており、自由な順番でプレイ可能である。
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選択肢も存在するが、影響としては後のCGが変化するのみであり、シナリオの大まかな流れに変化は無い。
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インターフェースは『世界征服彼女』準拠であり、どの作品もワイド画面対応である。
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作品ごとにウィンドウデザイン(とシステムボイス)が変わる仕様であり、『SHUFFLE!』と『俺たちに翼はない』のデザインは本作専用である。
特徴
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公式ホームページでの説明の通り、恋人同士となった各主人公とヒロインの甘い生活の描写に主軸をおいた作品であり、他のキャラクターの出番は少ない。
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各媒体での紹介を見るとシチュエーション偏重の内容が薄い作品に思えるが、シリーズの物語上それなりに重要度の高い描写も含まれるため、シナリオ重視のプレイヤーにとってもプレイする価値が皆無という訳ではない。
評価点
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一定の需要のあるシナリオ
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各ヒロインの恋人らしい一面に振り切ったシナリオは、彼女らの人気もあってどれもファンにとってニーズのある内容である。
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桜はシリーズ中での攻略ヒロインへの昇格が遅かった関係でファンディスクが存在しなかったため、単独での追加エピソードは今作が初となる。
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『SHUFFLE!Essence+』本編ではエピローグまでの楓との関係性についての描写がかなり省略されていたが、今作では多少ながら彼女のスタンスや考え方を窺い知れるシーンがある。
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明日香は『俺たちに翼はない AfterStory』で追加シナリオがあるものの、内容的には恋人になった2人を含めた周囲の人間全体の関わり方の描写も多かったため、2人きりのシーンという点ではこちらも貴重である。
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時系列としてもこれまでのシリーズで空白だった部分を描いており、シナリオの補完という観点からも意義は大きい。
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椿子は『世界征服彼女ファンディスク』で同じようなコンセプトのシナリオが収録されているものの、彼女の場合は元々恋人としての一途で直情的な部分が何より評価されているキャラである。そのため既にそれなりの供給がある上でもファンからは本作の内容は十分な需要がある。
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もちろん単なる焼き直しならないように工夫もされているため、仮に前作から連続してプレイしたとしても楽しめるだろう。
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キャラクターの使い方
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各メインヒロインの個性が十分に描かれているのはもちろん、その他のキャラクターの存在も直接的・間接的に有効活用されている。
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前述の通り出番こそ極めて少ないものの、その限られた場面での印象は大きく、シナリオへの肉付けという点で重要な役割を果たしている。
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ファンサービス要素
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それぞれのシナリオのアイキャッチやBGMは各作品準拠であり、加えて前述のウィンドウデザインもオリジナルを意識したカラーリングとなっている。
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一見すると当たり前のような特徴ではあるが、実際のプレイ感覚としては想像以上に懐かしいものになっており、特に古参のユーザーにとっては大きなメリットである。
問題点
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ボリューム
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各シナリオ間のボリュームの差が大きく、桜シナリオが2時間弱・明日香シナリオが1時間強程度の尺であるのに対して椿子シナリオは約3時間の長さがある。
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椿子シナリオがボリュームに比例してキャラクターやそれぞれの関係性も深掘りされているのに対し、他2つのシナリオは(内容は悪くないものの)やはり相対的にあっさりした印象になってしまいがちである。
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そもそもではあるが、3本のシナリオ以外の一切のコンテンツが無いこともあり、作品トータルのボリュームそのものも非常に少ない。
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今作の関連シリーズで似たポジションのタイトルは『世界征服彼女ファンディスク』が直近のものとなるが、『世界征服彼女』本編と比べて短いとされるあちらと比較してもトータルで4割程度の長さしかない。
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本作はミドルプライスなので値段も6割程度ではあるものの、感覚的な物足りなさは拭いきれない。
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プレイのハードルの高さ
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基本的にはそれぞれの本編ありきの内容であるため、全く別のシリーズを3作品プレイ済みという前提は間口が狭いと言わざるを得ない。
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もちろんストーリー性を全く無視してプレイしても良いのだが、そうすると質的な満足度も薄くなるので前述のボリューム不足の問題がより露呈してしまう。
総評
恋愛描写に特化した作品であり、コンセプトを理解して購入する分には悪くない作品である。
また、原作3タイトルの熱心なファンであり、関連するシナリオは漏れ無く読みたいというプレイヤーにとっても一定のプレイ価値はある。
が、いずれにせよボリューム不足を割り切る必要はあるだろう。
最終更新:2024年01月30日 16:47