QuizKnock STADIUM

【くいずのっく すたじあむ】

ジャンル クイズ
対応機種 アーケード
Windows/Android/iOS(クラウド版)
発売・開発元 コナミアミューズメント
稼働開始日 2022年3月10日(AC)
2022年11月9日(クラウド版)
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 伊沢拓司の問題読み上げ
メンバーと99人マッチング
機能してないリーグ
高価なクイズカード
2022年のACゲームとして時代錯誤感は否めない
QuizKnock関連作品
AstroCleaner / 限界しりとり / ホロウィッツ賞クイズ / Wallprime / Tonguess / 人狼将棋 / SprintShout /
超換気 / 白地図マインスイーパ / リーガル・ジャーナル / 漢字ダッシュ / MINE BLOCKS / QKS


概要

テレビ番組『東大王』などで知られる伊沢拓司が代表を務める、YouTuber・テレビタレントとして人気のクイズ集団「QuizKnock」が製作協力している対戦型早押しクイズゲーム。
コナミのアーケードクイズとしては、現在でも『クイズマジックアカデミー』(以下『QMA』)が稼働中だが、こちらはかつてのライバル『ネットワーク対戦クイズ Answer×Answer』(2015年稼働終了、以下『An×An』)に似た仕様になっている。
4人対戦が基本だが、日時指定モードでは99人やQuizKnockメンバーとマッチング、対戦できる。
2022年11月9日からはクラウド版(コナステ)が開始し、ゲームセンター以外でも遊べるようになった。


基本仕様

  • 『An×An』と同じく早押しボタンで解答権を獲得し、タッチパネルディスプレイで問題に答える方式。
  • 問題形式は早押しを基本とした8形式。
    • 早押しというオーソドックスなものに加えて問題文表示について倍速・逆再生・虫食い・フラッシュ(瞬間表示)といった変わり種が選べる。
    • 問題文からひらがなが「_」で伏せられる「Noひらがな」はどんな問題文なのかと推理力が試される。
    • さらに画像問題としてモザイク、ダッシュ(隙間通過)の2形式。
    • 期間限定イベントとして2022年7月29日から8月7日まで「4択Knock」*1、8月8日から14日まで「パネルKnock」*2、8月15日から22日まで「4ヒントKnock」*3が開催された。これら3形式は12月以降は一定期間で登場していた。 2023年1月26日から2月6日まで「スポットライト画像Knock」が登場。これらの期間限定クイズ形式は3月31日以降、ランダムで選択出来るようになった。
    • この他に流行チェック度が試される「トレンド」が入る予定だったが、未実装のままになっている。
  • モードは基本の4人対戦(QuizKnock STADIUMリーグ)と時間限定の99人対戦が2種(ドリームチャレンジ・サバイバルLive)。
    • リーグモードは各人が選択したクイズ形式を4問ずつ出題、一番オック(ゲーム内における通貨。ゲームにおけるスコアアタックの面が強い)を稼いだプレーヤーがそのプレーの優勝者となる。
    • ドリームチャレンジは毎日定時に開催。10問出されるクイズ*4に挑戦し、未回答/誤答者・早押しワースト(生存正解者2人以上の場合)に1ダメージが入る。スタート時のライフ2~3を最後まで守りきったプレーヤー全員に10万オックを山分け。
    • サバイバルLiveは日時指定のスペシャルイベント。基本的にアーケード限定だがクラウド版(コナステ)でも開催される事もあり、QuizKnockメンバーやゲストがMC役として参加。スタートライフは4~5になり、9問目まではドリームチャレンジと同じルール。10問目にライフが残っていればMCと早押し対決になる。正解した上で早押しタイムがMCより早ければ勝利、サバイバル成功となる。*5
      • 事前の獲得オックランキング上位者にサバイバルLive優先参加権が与えられる。
  • 2023年4月より期間限定で全国対戦ランキングイベント「スターコレクション」が開催。
    • ランダムな形式で予選3ラウンドを戦ったのち、決勝の「多答ドボンKnock」でスターを獲得した数を競う。
  • 長らく1人用のトレーニングは準備中となっていたが、2022年12月22日より過去のサバイバルLiveとドリームチャレンジの問題に挑戦出来るサバイバルレコードとして導入された。その他に店内対戦(4人対戦)/フレンド対戦(クラウド版(コナステ)のみ)も存在する。

評価点

QuizKnock編集長・伊沢拓司の問題読み上げ

  • 合成音声(通称:伊沢ロイド)による問読み(一部例外あり)があるという、クイズ好きならばたまらない機能搭載。
  • 音声合成エンジンはコンタクトレンズなどでおなじみのHOYAによる「ReadSpeaker」を採用している。品質は高く、不自然な抑揚といった違和感はあまりない。
    • 極稀に 八幡 巻きを はちまん 巻き、TVアニメ『 星方 天使エンジェルリンクス』の「星方」を ほしかた といったように問題文の読み間違いがあったりする。これらはQMAから引っ張ってきたと思われる、期間限定だったランダム形式や期間限定イベントの多答ドボンKnockで起きやすい。

サバイバルLiveについて

  • 麻雀格闘倶楽部』のように、有名人とマッチングできるのは画期的である。
  • とは言え、向こうは通常モードに連日参加してくるのだが、こっちは月1、2回程度のイベント限定である。QuizKnockメンバーは人数も限られており、負担を考えればある程度仕方のないことではあるが。
  • QuizKnockメンバーが臨機応変なMCで盛り上げる様子をリアルタイムで聞くことができるのはさながら本式のクイズ大会に参加している気分になれるものであり、時間的、金銭的制約を乗り越えれば、という前置きがついてしまうが、単なるクイズゲームでは味わえない体験を作ることには成功している。

問題の質

  • QuizKnock監修なだけあってクイズ文法(リアルクイズ大会で推奨されるお決まりの問題の流れ)は押さえられており、理不尽な分岐問題などはほぼ出題されない。

問題点

実力がほとんど反映されないリーグ

  • 2023年5月に対戦レートによるマッチングが導入されるまではほぼ実力ではなくやり込み度合いに依存するリーグシステムによってマッチングされていた。
    • この仕様変更により実力面は対戦レートが担うことになった。リーグはやり込み度合いという面で『QMA』の階級と同じ立ち位置と思われる。
    • ただしマッチングがリーグの垣根を超えたものとなったにもかかわらず上位リーグに昇格しないと難しい難易度を出題できないという対戦ゲームとしては微妙な仕様が残っている。
    • 一応実力関連としてプラチナ1に必要な累計オックを稼いだ上で一定レート以上の場合のみマスターリーグに認定される。
    • 仕様変更前に問題視された要素
      + ...
    • 累計獲得オックと平均順位でリーグは決まるものの、オックは意図的且つ余程の誤答をしなければ減ることはなく、平均順位もシルバー→ゴールドは3位と大変甘目になっている。
    • よって2022年7月に最上位となるプラチナリーグがオープンするまでは誰でも一番上のゴールドリーグに到達できる状態であり、リーグとしては機能していなかった。
    • プラチナリーグオープンに伴い平均順位2.5位以上/以下でリーグ昇降格が発生するようになり、上位プラチナ/下位ゴールドでとりあえず分離された。
    • クラウド版は正式開始前のβテストからの仕様として「無料プレー時は獲得オック1/10」というデグレードがあるが、正式版でもこのまま採用された。
      • このことはすなわち無料プレーの範囲ではどんなに実力があろうともノーマルプレーの10分の1しか昇級しないということである。
      • 獲得オックランキングがある以上、有料プレーと無料プレーで同一にするわけにはいかないのだが、逆に連勝ランキング(2位以上をキープ)は下位リーグや過疎時で荒稼ぎできるという事態になってしまっており、無料プレーでプレー回数や正解数といった達成度は加算されないのに連勝は積み重ねできるという事態になっていた。

ドリームチャレンジのCPU

  • 99人マッチングできるモードだが、当然人が埋まらないことも多く、COMで穴埋めされる。このことと正解しても一番遅かった場合はライフが削られるルールがかみ合っておらず、そのせいで前半はただCOMが脱落していくのを見る消化試合になりがちで緊迫感がない。

稼働初期の問題数の少なさ及び問題の質

  • クイズゲームの肝は問題数であり、少なければ丸暗記することによって決まり字が出た瞬間に答える瞬発力勝負になる(百人一首になぞらえられる)。そうなると下剋上はまず狙えない。
  • 『QMA』も1~2の頃は百人一首とよく言われたが、それから15年以上経っているのにノウハウやリスクヘッジを引き継げず同じ過ちを繰り返すのはいかがなものか。
  • 少なさは特に画像クイズで顕著であり、難易度EASYを選べる仕様も相まって同じ問題が頻出していた。2プレー連続どころか同一ラウンドの2問目と4問目で同じ問題が出た、なんてことも報告されている。後述のBEMANIイントロSTADIUMでも出題方式が違った形で連続して同じ曲が出されたなんて事も起きていた。
  • オンラインゲームの常としてアップデートで徐々に問題の追加及び入れ替えがされているため、この問題自体は薄れつつある。
  • しかし、著名人の兄弟姉妹やグループユニットのメンバーといった、答えが2通り以上出てもおかしくないはずの問題で片方の答えしか出題されないなど*6、一方通行な問題が散見される為、前述のような瞬発力勝負になり兼ねない場面が頻発している。
  • 問題文そのものではなく、回答する際の表記ゆれに対する配慮が全く無いという『QMA』『An×An』に無い・早い時期に解消された難点も。
    • ほんの一例として、機械の潤滑剤を表す「グリス」と「グリース」は本来どちらでも正しいとされるが、3文字目を入力する際に「ス」と「ー」の両方が表示され、本作ではグリースだけが正解でグリスは誤答扱いである。他ゲームではこの場合キューブ等で「ー」を使って下さいと示すor両方正解にする(QMA)、3文字目に「ス」を出さないor最初に答えの文字数を指定する(AnAn)等の解決策が取られていた。

集めるハードルが高すぎる、誰得感満載なクイズカード

  • コレクションカードとして表面にQuizKnockメンバーの写真、裏面にクイズが1問書かれた「クイズカード」が印刷できる。
  • この手のカードは1ゲームごとに1枚貰えるのが標準かと思われるが、残念ながらこのゲームではカードの入手自体が基本ランダムである。
    • ゲーム終了後の抽選にはこのカードの他、カスタマイズアイテムと花火エフェクト(エール。俗称ハズレ枠)が混ぜられている闇鍋状態である上に、カードのシリーズ(弾)すら選ぶことはできない。
    • 300円で開始するプレミアムプレーなら4回利用(1回オマケ)できる。また抽選権を100円課金で2回増やすことも可能。とはいえよっぽど熱心な収集家、もしくはQuizKnockファンでなければまずコンプする気にならないだろう。
  • さらに悪いことにゲームで獲得したものは実際には「カードの印刷権」であり、欲しければ別途「カードコネクト」に100円(通常)/300円(ホロ仕様)を払って印刷する必要がある。
    • 一応プレビューとしてカードコネクト機で図柄を見ることはできるが、権利獲得から半月ほどで期限切れ、入手失敗となる。
  • ただしこのクイズカードからはゲームに干渉できず、完全にコレクターズアイテムの位置付けになっている。入手することによるゲーム上の利点は1問をカードに記載できるだけ。 そのためカードの存在を完全に無視してゲームだけプレーすることも可能。

総評

有名な「QuizKnock」の名を冠しており、リアルマッチングできるなどの点は評価できるが、リーグの仕様などで練りこみ不足感は否めない。
時代的にも家庭用・ゲームアプリではなく敢えてアーケードにした理由が乏しく、事実一部店舗では撤去もされ、更に後述の『麻雀ファイトガール』カスタムモデルへの筐体コンバートが行われた事により店舗から丸ごと消え去る現象まで起きている。
連動企画やクラウド版等でプレーヤー数は徐々に増えているものの、継続してプレーがしたくなる要素があと一歩が欲しいところである。


余談

BEMANIイントロSTADIUM

  • 2022年8月より順次始まり、翌年3月まで度々開催していたBEMANIシリーズとの期間限定コラボモード。各シリーズの楽曲を聞いて曲名/アーティスト名を早押しで答える対戦モード。
    • 出題対象となったのはbeatmaniaIIDX、SOUND VOLTEX、DanceDanceRevolutionの3タイトル。
    • 上位30曲の早押し速度によるポイント(BEMANI IQ=Intro Quiz パワー)に応じて段位認定称号がもらえる。ランキング称号等もあり。
    • 出題形式として選択できるのは年代、再生部分(イントロ・プレビュー(サビ)・アウトロ)、解答部分(曲名/アーティスト名)のいずれか1つ。
    • 時間経過に応じてヒントが表示されるが(このゲーム及びBEMANI初心者に配慮してか)最後はジャケットを含めて答えそのものが表示される。
    • 同時開催キャンペーンとしてプレイ回数に応じてBEMANIキャラのコラボアクリルスタンドなどの関連グッズが抽選でプレゼントされていた。
    • 対象曲が100曲しかなくBEMANIプレイヤーなら曲が流れ始めた瞬間に答えが分かってしまう問題が多い。
      • 復活時にはコナステ版からも参加できるようになったが、一部ではラグがあるため押し勝てず全くと言っていいほど解答権を得られない事態が発生した。*7
  • 言ってしまえば『クイズマジックアカデミー 輝望の刻』の「BEMANI MusiQ」と同じくBEMANIプレイヤーへの勧誘キャンペーンであり、QuizKnockの名前を冠したゲームに全く無関係の客寄せモードと言える。
    • 初日にIQ理論点(300点×30曲=9000)達成者が複数現れるなど、BEMANIプレーヤーの底力は感じさせる。

いちかのごちゃまぜMIX UP!

  • BEMANIシリーズの大型連動イベントでは、ボーナス機種扱いとしてBEMANI以外のコナミゲーも参加する事がお約束になっているのだが、今作も2022年秋に開催された『いちかのごちゃまぜMIX UP』の際にボーナス機種として参加している。
    • 設置店舗の少なさを考慮してか、ボーナス蓄積回数が5回とボーナス機種の中で2番目(最大はラウンドワン限定稼働の『DANCE aROUND』の10回。)となっている。
    • しかし、ゲームのテンポがQMAや麻雀格闘倶楽部などと比較してゆったり目であったり、BEMANIプレイヤーが上述のBEMANIイントロSTADIUMをプレーしようとしても期間限定+3機種のみのため自分が好みの機種分が選べないという状況になりやすく、初参戦の割には賛否が分かれてしまったと言わざるを得ない。

筐体コンバートについて

  • 本作の後にリリースされた麻雀ゲーム『麻雀ファイトガール』の「カスタムモデル」として一部店舗での筐体コンバートが2023年8月9日から行われ、結果的に設置店舗数の更なる減少を招いた。
    • コンバートそのものは『武装神姫アーマードプリンセスバトルコンダクター』と同様のケースではある。
最終更新:2025年03月09日 01:19

*1 出題枠に問題文とともに正答が混ざった4つの選択肢が虫食いの形で登場する。回答はQMAのように4択からではなく入力パネルで行う。

*2 回答はQMAの文字パネルと同じ。

*3 答えのヒントとなる4つの文章が表示され、1文字ずつ入力パネルで回答する。

*4 2022年11月16日アップデートまでは早押しのみ。

*5 例えゆっくり正解したとしてもMCの正解タイムより遅ければ即脱落。MCが未回答/不正解だった場合は生存正解者の勝利となる。

*6 例に挙げると、ともに俳優として活動している「W浅野」の浅野ゆう子や広瀬姉妹の広瀬アリスしか答えが出てこない。

*7 筐体プレイヤーとマッチングしているかは不明。