Vtuberメイドラミエ
【ぶいちゅーばーめいどらみえ】
| ジャンル | 恋愛アドベンチャー |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch Windows
 Android
 | 
| 発売元 | iMel | 
| 開発元 | monime iMel
 | 
| 発売日 | 【Switch】2021年12月16日 【Windows】2022年1月21日
 【Android】2023年8月29日
 | 
| 定価(税込) | 【Switch】880円 【Windows】1,320円
 【Android】800円
 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:D(17才以上対象) | 
| 備考(Switch版) | ダウンロード専売 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 実体化した推しのVとの共同生活 でいずシリーズとの共通点が多い
 配信者らしさは皆無
 | 
 
概要
『アイカギ』シリーズや、『ハミダシクリエイティブ』『ワガママハイスペック』など数多くの作品に携わった実績を持つiMel株式会社が手掛ける恋愛ADV作品。
キャラクターデザインやイラストは実際にVTuberのデザインなどを手がけているイトハナ氏、シナリオはフリーライターで「小説家になろう」の男性向けR18作品投稿サイト「ノクターンノベルズ」にも作品を投稿しているあま味かぼちゃ氏が担当している。
「1000円前後のお手頃価格」「Artemis Engineの採用」「E-moteによりヌルヌル動く立ち絵」「システムUIのデザイン」「Steam版のR18パッチの存在」など、本作を手掛けたiMel株式会社が同じく開発に携わっているインディーゲームブランド「qureate」のでいずシリーズと同じ特徴が見られる。
尚、本稿ではR18表現の無い「パッチ未適用のSteam版」と「Nintendo Switch版」に限定して記載する都合上、R18部分や価格格差については評価の考慮に入れないものとして扱う。
あらすじ
学生時代にたまたま、デビューしたてのメイドVtuber「
天使
ラミエ」の動画を見たことが、すべての始まりだった。
日々の仕事に疲れ、生きる事にネガティブになっていく主人公。
唯一の癒やしは、「天使ラミエ」の配信を見ること。
初めはイラストだった彼女が、技術の進歩によってなめらかに動くようになっていく。
色んな人とコミュニケーションをとり、成長していく姿を画面越しに見るだけで、元気づけられるような気がしていた。
そんなある日、なぜかバーチャル世界の住人だった「天使ラミエ」が、画面を飛び越え主人公の目の前に現れて……
――元気をくれるお世話好きなメイドVtuberと過ごす、楽しくてエッチな共同生活が幕を開ける!――
(公式サイトより引用)
システム
システムやUIは完全にでいずシリーズと同一の物が使われている。
- 
ADVゲーム
- 
ストーリーは主人公の目線で語られて、かつ原則1本道。ストーリー中は2択の選択肢が5回分出る。
- 
これらの選択肢に回答した直後は、その後の会話が少し変わるだけで大元のストーリーや会話は変わらない。
- 
エンディングが2種類あり、選択肢は全部で5つ。道中の4つで正しい選択を行い、最後の選択肢に何を答えたかでグッドエンドに到達できるかどうかが判定される。
 
- 
その他
- 
バックログ表示、メッセージボックスの非表示、クイックセーブ・ロード、早送り、メッセージのスキップといった機能が搭載されている。
- 
システム画面から、文章の表示速度や言語を操作できる。BGMの音量、ヒロインの声量なども操作可能。
 
評価点
- 
主人公・
鳴海
の描写
- 
「仕事に忙殺されて生きることに疲れている飲食店店長」という設定であり、そんな心が枯れかけている彼の精神にゆとりができ、変わっていく様が丁寧に描かれている。
 
- 
ヒロインの描写
- 
枯れかけの主人公の心を癒し、笑顔にするためにバーチャルの世界から飛び出してきた天使のメイドという設定どおりの明るい性格であり、天真爛漫なその姿に癒される上、声優の春咲ひいろ氏の声と演技も非常に良く合っている。
- 
また、でいずシリーズ譲りの素晴らしいイベントスチルも勿論健在。
いいぞもっとやれ
 
- 
システム面が充実している
- 
他の低価格恋愛ADVでは、このシステム面すら満足に揃っていないものもある。しかし、本作はでいずシリーズを前身としたこともあってか、必要な機能が全て揃っている。
- 
でいずシリーズ譲りのスキップ・ジャンプ機能も健在。選択肢のあるシーンに到達するまでもの凄いスピードで文章を送ることが出来る他、バックログを開いて過去のシーンにジャンプすることも可能。
- 
勿論、Switch版は画面のタップ機能でも操作可能。
 
賛否両論点
- 
ボリュームは少な目。数時間で遊びきれてしまう。
- 
シナリオは基本的に一本道で、最後以外の選択肢は直後の台詞が変わる程度の変化しか無い。イベントスチルも14枚しかない。
- 
ただ、シナリオに描写不足などは無く、非常に綺麗に纏まっており完成度が高い。
 
- 
バッドエンドの方が印象に残るED
- 
ネタバレになるため詳細は伏せるが、グッドエンドのオチは直前のシリアスな雰囲気からの落差もあり、人によっては肩透かしを食らってしまう。
- 
尚、本作のシナリオを担当したあま味かぼちゃ氏は「グッドとバッド両方とも力を入れて書いたが、バッドエンドはシナリオ書いてる僕も書きながら泣いてた」と語っている。
 
 
問題点
- 
実体化したVTuberとの共同生活を謡ってはいるが、ラミエ本人に配信者らしい描写は皆無。
- 
天使として主人公を幸せにするために行動していることもあり、VTuber要素をメインに期待してプレイすると肩透かしを食らってしまう。
 
- 
鳴海という名前が主人公に定められている意義が皆無。
- 
唯一のボイス付きキャラであるラミエを含め、主人公の名前は全く呼ばれない。
 
- 
英語表記のオプションUI
- 
価格を考えると妥協するほかないが、コンフィング一覧が日本語で書かれていることもあり、初見だと面食らってしまう上に分かりづらい。こんなとこまででいずシリーズと一緒にせんでも
 
総評
本作の前身であろうでいずシリーズが幾つかの不安要素を内包しているシリーズであるため、本作も値段相応の何かしらがあるのではないか、はたまた二番煎じになっているんじゃないかという不安に駆られそうになるものの、蓋を開けてみれば高い完成度のシナリオで綺麗に纏まっていた作品。
紳士御用達のスチルも勿論あるため、でいずシリーズを遊んできたユーザーは勿論、初見ユーザーやシナリオのクオリティを求めているユーザーにも胸を張ってオススメできる一作と言える。
余談
- 
Windows版は2022年1月21日にSteamで配信が開始され、同年7月7日にDLsiteで、8月10日にはFANZAでも配信開始された。Steam以外では最初からR18パッチが適用されている。
- 
バーチャルYouTuberの一般的な表記は「VTuber(VTが大文字)」であるが、本作のタイトルは「Vtuber(Vのみが大文字)」となっている。
- 
タイトルコールが数パターン用意されている。その中に「バーチャルメイドストリーマーラミエ!」というものがあるが、これは本作の英語版のタイトルである。
最終更新:2024年03月28日 17:30