NinNinDays2
【にんにんでいずつー】
| ジャンル | 恋愛アドベンチャー |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch Windows(Steam/GOG.com)
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| 発売元 | qureate | 
| 開発元 | iMel qureate
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| 発売日 | 【Switch】2021年11月18日 【Steam/GOG】2022年1月21日
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| 定価(10%税込) | 【Switch】1,000円 【Steam】1,480円
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| プレイ人数 | 1人 | 
| レーティング | CERO:D(17歳以上対象) | 
| 備考(Switch版) | ダウンロード専売 | 
| 判定 | シリーズファンから不評 | 
| ポイント | シリーズ初の続編タイトル 値段以上に増加したボリューム
 主人公とゲストキャラの描写に難あり
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| qureate作品 | 
 
概要
qureate(キュリエイト)の臼田裕次郎氏が送る低価格恋愛ADV・でいずシリーズ第6弾にして、株式会社アートアンフから独立した「株式会社qureate」としてのデビュー作。
キャラデザは『NinNinDays(以下、「無印」)』に引き続きあかさあい氏が担当。
前作『愛怒流でいず』発売以降長らく沈黙していたqureateが10月末に独立を発表し、同時にタイトルラインナップトレーラーを公開。
そのトップバッターとなったのがシリーズ初の続編モノとなる本作であった。
本作もWin版は公式サイトでR18化パッチが配信されており、FANZA及びDLsiteでも18禁Ver.単体で販売されている。
ただし、本稿ではR18表現の無い「パッチ未適用のSteam版」と「Switch版」に限定して記載する都合上、R18部分や価格格差については評価の考慮に入れないものとして扱う。
あらすじ
コンビニの夜勤でボーっとしながら仕事をしている青年の元にポニーテールの女の子が肉まんを求めてやってくる。
彼女の隣にいるのは彼氏らしく、買い物が終わると、2人で腕を組みながら仲良さそうに帰っていった。
彼女いいなあ、なんて考えているところに、くノ一のコスプレをした2人の少女が現れる。
何か買うわけでもなく、ただ商品を見つめるだけの彼女たち。
おまけに忍法だとかよくわからない話をしている。
万引き防止のために声をかけると、お金を持っていないことが判明。
万引きを疑う青年だが、少女2人の必死の懇願でコンビニのお弁当を奢ってあげることに。
この2人の少女との出会いから青年の生活は一変するのであった―
中二病くノ一と歩くラッキースケベ製造機のくノ一との共同生活がはじまる!?
2人のくノ一との新たな忍術恋絵巻が開幕!
(公式サイトより引用)
システム
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ADVゲーム
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ストーリーは主人公の目線で語られて、かつ原則1本道。ストーリー中は選択肢が6回分出る。
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エンディングが4種類あり、道中の選択肢に何を答えたかで展開が分岐する。
 
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その他
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バックログ表示、メッセージボックスの非表示、クイックセーブ・ロード、早送り、メッセージのスキップといった機能が搭載されている。
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システム画面から、文章の表示速度や言語を操作できる。BGMの音量、ヒロインの声量なども操作可能。
 
評価点
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相変わらず魅力的なヒロイン達
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鈴蘭は厨二病レトロゲーマー、桔梗はラッキースケベ製造機お姉さんという設定であり、紳士なら歓喜間違いなしのイベントも盛りだくさんである。
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また、『異世界酒場のセクステット』での反省を生かしたのか、他のシリーズ作品と比べて選択肢の回数こそ減ったものの、セクステットと比べてヒロイン一人当たりのボリュームをルート分岐を実装する形で増加。イベントスチルは19枚も用意されている。
 過去作よりも価格が25%上がった本作だが、このお陰で「本当にこの値段でいいの?」とシリーズファンからまたも驚かれたのは言うまでもない。
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尚、桔梗の声優はセクステットのルピナスも演じているが、声の雰囲気が違う事もあって初見で見抜けた人は少ない。
 
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無印では描かれなかった「忍びの闇」の描写
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ネタバレになるため記載しないが、本作はヒロイン含めて全体的に明るめな雰囲気であった無印に比べ、ダークな側面の設定や描写が増えている。
 
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過去作要素の増加
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すみれと無印主人公の出演もそうだが、無印に登場したあの人物が意外な形で関わってきたり、『NekoMiko』『とらぶるでいず』『異世界酒場のセクステット』のヒロイン達のコスプレをするといったシーンも用意されている。
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勿論、無印にあった忍殺ネタも健在。といってもシナリオ中には登場せず、BGMの一つの題名が「Ninja Nande!」である程度だが。
アイエエエ!
 
賛否両論点
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公式による「過去作の正史ルートエンディング」の決定
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これは『異世界酒場のセクステット』でもあった事だが、本作は冒頭からそれが明らかになることもあり、よりその傾向が強くなっている。
 そのため、公式によって考察の余地がなくなる事を嫌うユーザーにはお勧めできない。
 
問題点
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無印主人公とすみれの描写
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本作最大の問題点。
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最も指摘されるのが、シナリオ中盤で二人が『NekoMiko』の舞台となった神社の拝殿の中に無断で入り、情事をおっ始めるというシーン。
 無印主人公は常識的な人間として描かれており、すみれは現代から隔絶された古めかしい環境で育ったために(忍びとはいえ)神仏を蔑ろにするとは考えづらい。それだけに、そのイメージに反するどころか
あまりにも罰当たりかつ無断侵入と言う犯罪を堂々と犯す描写にシリーズファンが顔をしかめたのは言うまでもない。
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また、すみれは無印の時点では貞操観念がしっかりしていたはずなのだが、本作では主人公の事は「ずっと前にあったことがある気がするから」という理由だけで気を許してしまっており、主人公に胸を揉まれてもなあなあで流してしまっている。
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本作と同じく前作キャラが登場した『異世界酒場のセクステット』ではくっころ主人公は直接登場する描写は無く、カトレアの言動に違和感を抱くような事も無かった。だが、曲がりなりにもキャラクターの魅力を描く事に重きを置いたシリーズであるにもかかわらず、本作は「過去の描写を考えると全くそぐわない行動を起こさせる」という「そのキャラのファンから嫌われる描写手法」を取ってしまっているため、この点ばかりは擁護のしようが無い。
 
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本作主人公のすみれに対する描写
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彼氏が居るとわかっていながら「また会えないかなと願う」「お詫びのためにお茶に誘おうとする」といったナチュラルクズと捉えられても仕方ない描写があり、セクステット程ではないにせよシリーズファンから呆れられることになってしまった。
 この結果、「シナリオが長い作品は主人公が問題行動を起こすのでは?」というシリーズの新たな欠点にならないか心配されているのも無理は無い。
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これらのヒロイン以外の問題点が原因となり、無印主人公と本作主人公としての2つの体験が原因で自我分裂による発狂を引き起こしてしまった配信者も。
 
 
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ヒロイン毎の固有イベントスチルの減少
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イベントスチルの数自体は増えたものの、すみれのイベントスチルもあるため、結果的にヒロインが一人のみのでいずシリーズ作品と比べるとやはり少な目になってしまっている。
 
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数か所に誤字脱字が見られる。選択肢の「」をつけ忘れていたり、鈴蘭を鈴残と書いている箇所も。
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また、シナリオライターの日本語能力も足りていないのか「ライトノベルが大賞を受賞して刊行が決定した」という矛盾した文章も存在する。
 
総評
新生したqureateの第一作目となった本作だが、ヒロインの魅力を描き切れている反面、主人公とゲストキャラまわりの描写でユーザーから不興を買ってしまった。
良くも悪くもいつものでいずシリーズクオリティではあるが、無印の二人が好きなユーザーは本作を続編として捉えない方が良いだろう。
余談
最終更新:2023年10月10日 12:40