THE 数字パズル

【ざ すうじぱずる】

ジャンル パズル
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード専売
発売元 D3パブリッシャー
発売日 2018年6月7日
定価 509円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 「数独」「ナンプレ」系の数字パズル作品
問題数は多く、バリエーションも比較的豊富
操作感なども比較的良い方
難易度、数字の偏りなどにやや問題あり
THEシリーズ

概要

「数独」「ナンバープレース(ナンプレ)」等の名称でも知られる数字パズルを扱った、低価格パズル集作品。
同じD3パブリッシャー発売のSIMPLEシリーズと同じ『THE ○○』のタイトルが付けられており、広義のSIMPLEシリーズに含まれるが、公式にSIMPLEシリーズのナンバリング作品にはなっていない。
翌年に発売された『THE バラエティゲーム大集合』には、本作がオムニバス作品のひとつとして収録されている。

以下、本作で扱っているパズルの総称としては、日本で一般名詞として使われている*1「ナンプレ」を用いる。


特徴

有名な筆記パズルであるため、ナンプレ自体の詳しいルールは省略。

モード、収録数などについて

  • 「数字パズル」「ミニ数字パズル」「対角線数字パズル」「重ね合わせ数字パズル」の4種のナンプレを125問ずつ、計500問収録している。
    • 「数字パズル」…一般的なルール。9×9の盤面から、縦、横、3×3のブロックそれぞれに1~9の数字が1つずつ入るよう数字を置いていく。
    • 「ミニ数字パズル」…数字が6までしかない小型版のルール。縦2×横3のブロックを6つ繋げた6×6の盤面に、縦、横、2×3のブロックそれぞれに1~6の数字が1つずつ入るよう置いていく。
    • 「対角線数字パズル」…変則版としてよく見られるルール。縦、横、ブロックの他に、盤面の2本の対角線上も1~9の数字が1つずつ入るようにしなければならない。
    • 「重ね合わせ数字パズル」…こちらも変則版としてよく見られるルール。2つの9×9の盤面が一部重なっており、両方の盤面が条件を満たすように置かなければならない。
  • 500問の問題は、難易度別に分けられた「フリープレイ」400問と、オンラインランキングのある「ランキング」100問に分かれる。
    • 「フリープレイ」の問題は、「初級」「中級」「上級」「最上級」の難易度別にそれぞれ25問。25問×難易度4段階×形式4種類で400問となる。
    • 「ランキング」の問題は、自己ベスト記録をオンラインランキングに登録できる。25問×形式4種類の100問で、難易度の表記はない。
    • フリープレイの問題も、ベスト記録は全問記録される。
  • 実績の概念があり、各形式の問題を規定数クリアする度に解除される。
    • 実績をクリアすると後述の背景画像が貰える。
  • メニューとパズルの形式ごとに、BGMと背景を設定できる。
    • 背景画像は実績の解除で追加される。BGMは初期からあるものから増えない。

解答中の操作について

  • 正解判定は自動で、全てのマスに正しい数字を入れることで自動的にクリアとなる。
    • 後述のヒント機能を除き、間違って誤った数字を入れてしまっても、ゲーム側からの指摘もペナルティも発生しない。
  • ボタン操作とタッチパネル操作の両方に対応している。
    • タッチパネルの場合、マスをタッチすると1~9を3×3に並べた入力パレットが表示されるので、そこから選択して確定される。
    • ボタン操作の場合は、カーソルを動かしマスの上で決定すると同様に入力パレットが表示されるので、そこから選択する。
    • その他の操作は、ボタン操作の場合ワンボタンで行え、タッチパネルの場合は画面右に並んでいる各機能からタッチすることで行える。
  • 通常の「入力モード」と、メモや仮定で解いていく場合に使う「メモモード」を切り替えられる。
    • メモモードの場合、まだ数字を入れていないマスに4つまで候補の数字を入れることができる。
    • メモモードで入力した候補の数字は、通常の入力モードで数字を入れることで上書きされる。
    • メモモードの数字はあくまでメモ用であり、正解判定されない。
  • オフラインのフリープレイでは、「ヒント」機能を使える。
    • 使うと現在入れている数字の中から、間違っている数字だけが赤く色が変わる。
    • ヒントの使用回数は無制限だが、使用回数はベスト記録に記載される。
    • ランキングの問題ではヒントは使用不可。
  • その他、アンドゥ・リドゥ(操作の戻し・送り)機能や、中断機能がある(中断機能はフリープレイのみ)。
    • アンドゥは無制限ではなく50手程度だが、その間はメモモードでのメモ入力も含めて全ての動作を戻すことが可能。

評価点

  • 500円という価格帯から見て問題数500問は多く、ナンプレ限定という範囲内では種類数も多い。
    • テレビゲーム媒体で対角線や重ね合わせのルールで遊べるものは比較的珍しく、この点でもバリエーションがある。
    • 数字が6までの「ミニ」はナンプレを扱ったパズル本、パズル雑誌でもあまり採用されない形式であり、難易度は低いものの比較的新鮮味がある。
  • 操作性は割と良い方である。ラグなども無くスムーズに動く。
    • 元が筆記パズルという性質上、どちらかと言うとタッチ操作向きだが、キー入力で遊ぶ場合でもやや慣れは必要だが比較的快適に操作できる。
      • 数字の入力パレットが3×3かつ上下左右が繋がっているため、1~9どの数字にも2回以内の方向キー操作で移動できるのが大きい。
    • アンドゥ、リドゥの機能も、ある程度多数の操作を記憶してくれるため、複数手の仮定法を使う場合にも便利。
    • 現在選択しているマスと同じ列や行、同じ数字にそれぞれ色が付いて表示される、盤面上のカーソル移動が上下左右でループする、といった細かい配慮も多い。

賛否両論点

  • 難易度の高い問題がやや多め。
    • 「ミニ~」と「重ね合わせ~」は問題自体のルール上あまり難しくならないため、最上級でもさほど難しくならないが、残りの2形式は難しいものは本当に難しい。
    • このルールの数字パズルは、最も高い難易度になってくるとロジックやテクニックでは解けず、複数手を想定した仮定法でしか解けなくなってしまうのだが、そのような問題が本作には数十問は出て来る。
    • しかも中級の中盤ぐらいから仮定法を使う問題が出始めるため、この辺りから解くには9×9のマスを埋めるだけとは思えないかなりのエネルギーが必要になる。
    • ナンプレ慣れしていないプレイヤーには、中級に入ったぐらいで既に厳しい難易度だろう。ナンプレ慣れしているプレイヤーであっても、上記のような難易度の極端に高い問題は「解いていてあまり面白くない」と敬遠されることもしばしばある。
    • とは言え本作にはヒント機能もあるので、詰んでしまうことにはならない。難しいと思ったら迷うことなくヒントを使ってしまえば、問題にはなりにくい。

問題点

  • 難易度が表記に合っていない問題がしばしば出て来る。
    • 上記の難易度の高さにも繋がるが、中級ぐらいで仮定法必須の問題が出て来るのは表記と難易度が合っているとは言い難い。
    • かと思えば、超上級の問題でも少数ではあるが普通に盤面の数字からのロジックだけで解けてしまう問題がある。
  • 全ての問題形式を通して、答えの数字が一部非常に偏っている。
    • 一番左の縦列に関して、数字が「123456789」のように、やたら綺麗に上から下へ小さい順に並んでいるような問題がほぼ全てを占める。
      • 「612345789」だったり「412356789」だったりといった若干のブレは多々見られるが、「ひとつ下の数字は次の数字になる可能性が大」「大きい数字が上部に来る可能性は低い」という法則は全体に渡って見られる。
    • 問題数から見てプログラムによる自動生成で作成されているのはほぼ間違いないため、その関連でこうなってしまったものと思われるが、この法則に気付いてしまうとかなりのヒントになってしまう。
  • 仮置きを確定させる機能がない。
    • メモモードで置いた数字を確定させる機能がないため、メモモードを数字の仮置きに使った後、それをそのまま解答にしたい場合でも、入力モードに戻してまたポチポチと数字を入れていく必要がある。
    • メモの数字は1マスに4つまで入れられるものの、1つの場合にそれを解答として確定させる機能は欲しかったところである。
  • ランキングはあまり意味がないと言えばない。
    • 現在ではナンプレを自動で解く無料アプリ等も多数存在するため、それを使用することでランキング上位には簡単に載れてしまう。
    • おまけに問題となる数字の盤面は問題一覧からの選択の時点で見えているため、問題選択前にあらかじめ問題一覧の時点で解いておくことができてしまう。
    • もっとも、本作は決してプレイヤーの多いゲームとは言えず、上記のような手段でランキングを荒らされている問題もあまり多くないため、結果としてランキングは比較的正常に機能しているようには見える。
  • BGMが少ない。
    • たった4曲しかカスタム選択ができず、背景画像と違ってこちらは実績を取得しても増えない。
      • 背景画像は50もあるが、同じ問題と向き合い続ける性質上、どちらかと言うと数が欲しいのはBGMの方である。
    • メニューと4つの問題形式それぞれに1曲ずつなので、初期状態の時点で「数字パズル」と「対角線~」が同じ曲になるという被りが発生してしまっている。

総評

ナンプレを扱ったゲームとしては比較的良い方の出来ではある。
問題点もそこそこ見られるため、手放しに褒められるほどでもないが、問題数、バリエーション、操作性と肝心な部分はよく押さえている。
ナンプレだけを集めたという時点で若干人を選ぶ感は否めないものの、暇潰し用のナンプレ集が欲しい場合は十分選択肢に入れられる作品である。

最終更新:2022年08月19日 19:24

*1 「数独」はニコリの登録商標。日本では「世界ナンプレ選手権」が開催されているなど、公的なイベントでは「ナンプレ」が使われることが多い。