コットン2 Magical Night Dreams

【こっとんつー まじかる ないと どりーむす】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード (セガ・ST-V)
発売元 テクモ
開発元 サクセス
稼働開始日 1997年11月
プレイ人数 1~2人
判定 スルメゲー
ポイント これまでと別物になったシステム
コミカルな世界観は健在
チェーンコンボを繋いでいく快感
システムが複雑で覚える事が多くハードルが高い
シューティングというよりアクションゲーム?
コットンシリーズ

概要

ホウキに乗った魔女っ子が活躍するシューティングゲーム『コットン』シリーズ4作目でアーケード向けでは『初代』以来となる続編。
可愛らしいキャラとギャグ要素の強いコミカルな世界観を引き継ぎつつも、システムが従来から全くの別物に変化。当時人気となっていた対戦格闘ゲームを意識した要素が盛り込まれている。


ストーリー

妖精の国「フィラメント」の遥か南にある「パンプキン王国」。そこでは魔力を秘めた国宝「水ウィロー」により大地のバランスは保たれ、人々は平和に暮らしていた。
そんなある日、「水ウィロー」に願いを叶える力を持つ事を知った王国の第3王女アプリ・ケ・パンプキンは夜中に「水ウィロー」を城からこっそり持ち出す。
だがそこへ突然起こったつむじ風によりアプリは森へ飛ばされてしまう。目を覚ましたアプリだったが、手元にあったはずの「水ウィロー」がなくなっててさあ大変。
必死に「水ウィロー」を探すアプリの前にウィロー大好きの魔法使いナタ・デ・コットンが現れて…。
紆余曲折を経て一緒に「水ウィロー」を探す旅に出た2人。果たして「水ウィロー」を無事見つける事ができるのだろうか…?


主要キャラクター

  • ナタ・デ・コットン
    • 1P側の主人公。甘味とお茶を好み、特にウィローには目がない食い意地の張った魔法使い。水ウィローの事を聞きアプリと共に旅に出る事になるが…。
  • シルク
    • コットンの相棒となる真面目なエロい格好の妖精。今回は事件に巻き込まれる形になるので本当に苦労人。*1
  • アプリ・ケ・パンプキン
    • 2P側の主人公。パンプキン王国の第3王女で王室一の魔法使い。お転婆な性格でかっこいいお兄様*2が好き。水ウィローを使って何かを企んでる模様。
  • ニードル・ワーク三世*3
    • パンプキン王国に代々伝わる魔女帽子に宿った聖霊でアプリのお目付け役。どこか残念な人物が多いシリーズにおいて常識人寄りのポジション。

特徴

  • 1レバー3ボタン操作。2人プレイは交互リレー方式から同時プレイ方式になった。
    • Aボタンで「ショット」、Bボタンで「キャッチ」。Cボタンで魔法ストックを消費しての「魔法攻撃」
      • 従来作ではショットは常に固定だったが本作ではショットに火、氷、風、光の4種類の属性があり、画面下部の魔法ストックの状態により変化する。
        魔法ストックがない場合は無属性ショットとなり、『初代』と同じショットが発射される。 無属性ショットの場合後述の「コマンドショット」こそ可能だが、敵を倒しても「封印」(後述)ができなくなる。
      • キャラによって初期状態の装備属性が異なりコットンは火、アプリは氷でスタートとなる。
    • Bボタンを押すと自機の目の前に掴み判定が現れ、そこへボス以外のザコ敵が触れるとその敵を掴んで無力化できる。
      掴んだ状態でAまたはBボタンを押すと掴んだ敵を前方へ放り投げて攻撃できる。
      また、物を掴んでいる状態から再度Bボタンを押し、そのまま押し続けると掴み中の物を前方へ持ち直し(「ホールド」)、そこから移動しながらBボタンを離すと移動方向へ投げる事が可能。
      • 敵だけではなくボム(後述)や「TEA TIME」の湯呑み、2人同時プレイ時の相方も掴んで投げることもできる。
    • 魔法攻撃はAボタン溜め押しからCボタン1回押しに変更。魔法ストックは黄色以外のクリスタルアイテムを回収する事で増加。最大3個までストックできる。
      • クリスタルアイテムは通常ショットで敵を倒した時のみ出現する。ショットを何発当てても壊れないが魔法攻撃を当てると壊れてしまう。
      • 魔法ストックがない無属性状態でCボタンを押すと対地攻撃用のボムを発射。属性がある状態でもコマンドショットで撃つことができる。
        本作のボムは同じ属性のボム同士が当たると吸収してサイズが大きくなり、火力も上がる特徴を持つ。
    • Aボタンを押しっぱなしにしている間は高速移動が可能。ただしこの高速移動では若干慣性が働く。
    • オプションの概念が廃止。一応シルクとニードルが常に付いてはいるが演出のみで援護攻撃等はしない。
  • 一撃死制からライフ制に変更。デフォルトでは残機なしだが設定で残機ありにすることも可能。
    • ライフの回復は恒例のボス撃破後のボーナスタイム「TEA TIME」での「湯呑み」、もしくは「封印」した敵を撃ち込むと出現する「回復ウィロー」を取る事で行う。
    • 一度のダメージによるライフ減少量には上限があり、デフォルト設定ではライフ満タンから最低3回まで敵の攻撃を耐える事ができる。
      また、1ステージにつき1回のみ致死量のダメージを受けても数ドット耐える(俗に言う「根性」)。残機あり設定の場合は残機0の時のみ有効。
      • 「根性」が発動した場合、被弾演出が通常と異なる専用のものになり、移動速度も少し上昇する。
      • コンティニューをすると特典として、そのステージをクリアするまで被弾時にダメージ減少補正が入る。コンティニューを重ねる毎に補正が強くなって、より減りにくくなる。
  • コマンドショット
    • 本作の特徴となるシステムの1つ。自機には対戦格闘ゲーム風のコマンドが幾つか用意されており、入力する事で特殊な効果が発動する。
      効果は強力な特殊攻撃がメインだが、他にもゲーム開始時の魔法選択、移動速度アップ(上記の「根性」発動時と同じ状態)や、キャッチと封印を同時に行う、自滅して捨てゲー等といったものも。
    • 攻撃系のコマンドショットは発動後に短時間のクールタイムが入るため、短時間での連発はできない。
  • 封印
    • ショットに属性が付いている状態でコマンドショットもしくは黄色以外のクリスタルアイテムをザコ敵、中ボスに当てて倒すとその時のショット属性で敵を「封印」。無力化した状態となる。
      「封印」した敵に他の敵が触れるとその封印敵は消滅するが、大抵のザコ敵を一撃で倒せるだけでなく、周りの敵を巻き込んで封印させる爆風が発生する「連爆」が成立する。
      • 封印中の敵をキャッチして敵に当てるを繰り返す事で「チェーンコンボ」となり、10コンボ繋げる毎にボーナス点が得られる。
      • 封印敵が一部のザコ敵や中ボスに当てた際にその敵の耐久値を削り切れずに封印に失敗した場合や、地形に触れて一定時間経過、画面外へ飛んでキャッチが不可になる、魔法攻撃を当てるのいずれかで成立しているチェーンコンボが切れ、連爆数に応じたサイズのボーナス点と経験値増加の効果を持つ「泡ウィロー」が出現する。
      • 封印した中ボスは少々特殊で、一定回数他の敵に触れても消滅せずにそのまま触れた敵を封印させられる。
    • また連爆とは別に封印中の敵へのショット撃ち込みも可能(「ヒット」)で、10発撃ち込む毎にボーナス点が入る他、ライフを回復できる「回復ウィロー」が出現。
      撃ち込み数が増える程ライフ回復量が多くなり、封印した敵を消滅させるか他の敵へ連爆させると回収可能になる。
      • 回復ウィローを出現させるための要求撃ち込み回数は回復ウィローを出現させる毎に増えていき、ステージをクリアすると初期値へリセットされる。
+ クリスタルアイテム一覧
  • 火(赤)
    • 弾速と連射に優れた火玉を発射。魔法攻撃はシリーズおなじみの前方へ飛ぶ高威力の炎のドラゴンを召喚する「火竜」。
      封印時の挙動は一度上にバウンドした後ゆっくり落下する。その特性から上方向の敵の処理に向く。
  • 氷(青)
    • 地形に当たると反射する氷柱を発射。魔法攻撃は広範囲に巨大な氷柱をばら撒く「氷柱」。
      封印時の挙動は一旦その場で留まった後に下方向へ高速で落下する。癖のない特性で扱いやすい。
  • 風(緑)
    • 地形を貫通し、耐久値のある敵に当たるとホーミングするウェーブ弾を発射。魔法攻撃は低速で進む巨大竜巻を放つ「竜巻」。
      封印時の挙動はゆっくりと上方向へ上がっていく動きをする。地形に触れてから消滅するまでの時間が短い。
  • 光(白)
    • 敵、地形を貫通する細長い光弾を発射。魔法攻撃は全方向に照射した後前方へ収束するビームを発射する「閃光」*4
      封印時の挙動は火とは逆で下方向へ動いた後上方向へ上がっていく。6面道中及びコンティニュー時のみ出現。
  • 経験値(黄色)
    • ショット強化用の経験値ゲージが増加。敵にぶつけた場合はその敵にダメージを与える。
  • ショットのパワーアップはこれまでと同じく経験値方式で経験値ゲージが満タンになると1レベル強化、最大レベル5まで強化される。
    • 経験値ゲージは敵を倒す、黄色クリスタルの回収、泡ウィローの回収で上昇。敵の攻撃を受けると減少し、ゲージが空になるとレベルダウンする。
    • 『パノラマ』と同様、レベル最大の状態で経験値ゲージを1周させるとスコアボーナスが得られる。
  • 7面以外でボス敵を倒すとシリーズ恒例のボーナスタイム「TEA TIME」が挟まれる。
    • 湯呑み全避けシークレットボーナスも引き続き存在。今回はシークレットボーナスだけでなく「泡ウィロー」が追加で出現する。
    • 本作からTEA TIME中でもショットが撃てるようになった。湯呑みにショットを当てると破壊され、未回収扱いとなる。
  • 全7面の1周エンド構成*5。ラスボスを時間内に撃破できたか否かでスタッフロールの内容が一部変化する。

評価点

  • 進化したビジュアル面
    • 使用基板がセガサターン互換基板「ST-V」になったことで、ビジュアル面が大幅に進化。
      回転、拡大縮小を多用した演出はもちろんのこと、ドット絵のグラフィックも華麗になった。
      • 各キャラの細かい挙動も描き込まれており、作り込みの高さがうかがえる。
  • キャラクターデザインの良さ
    • キャラデザ担当が変更されて当時のアニメを意識したデザインとなったため、好みは分かれるがクオリティは高い。
    • 初登場のアプリ・ケ・パンプキンはお嬢様的な容姿に反してお転婆かつコットンに負けず劣らずの残念な性格と、明白にコットンのライバルキャラという位置づけになっており、デモシーンではコットンとのドタバタコントを繰り広げる。 コットンと共に人気を博し、後のシリーズ作や他作品へのゲスト出演でもコットンと共に度々登場することになる。
      • 一方アプリの相棒であるニードルとは仲良しな設定であり、この辺は凸凹コンビなコットン&シルクとは対照的。
  • 本作でも健在のコミカル調デモシーン
    • 今回は「水ウィロー」を巡ってのコットン/シルクとアプリ/ニードルのコントが中心。相変わらずウィローの事しか頭にないコットンと必死に水ウィローを探しつつも時折自分の欲望を剥き出しにするアプリ、それに対してツッコミを入れるシルク/ニードルのやり取りは実に楽しい。
      • エンディングのオチもコットンらしい実にブッ飛んだ内容である。どう見てもバッドエンドにしか見えないが。
  • 質の高いBGM
    • BGM担当はこれまでと同じく平田健一氏。ハードの進化により音質がパワーアップし、曲調もより多彩に。
      • 中でも人気の高い5面道中の「あやかしの沼」は『初代』道中BGMのメドレーアレンジ。ステージ内容も『初代』の6ステージを1ステージにまとめた道中を進んでいく構成であり、シリーズファンは熱くなれる事必至。
    • ボイス演出ももちろん進化。アクションをする毎に何かしら喋ってとても賑やか。
      • ナタ・デ・コットンは担当声優が変わり賛否はあるが、「いっくぽーん!」等の印象的なボイスは健在。
  • 新システムの面白さ
    • 本作はコマンドショットによる封印、そして連爆によるチェーンコンボに重点におかれた敵配置となっていて、チェーンコンボを繋ぐパターンを構築していく楽しさは本作ならでは。
      • 段々増加していく10チェーン毎のボーナススコアと共に驚愕するようなコメントになっていく様は中々に痛快で腕の上達を実感できる要素になっている。
    • 後述する問題点はあるが、こちらが行えるアクションが多彩なため、慣れるまでは大変だが出来る行動の引き出しが増える毎に面白さが倍増していく作りとなっている。
      • 「TEA TIME」は本作ではライフを回復できる場面になっているためライフ回復を優先させるか、湯飲みを全て回避してボーナスを得るか、といった戦略性が生まれた。

賛否両論点

  • 一部隠しコマンドの受付判定が異様にシビア
    • 「ファイナルミラージュショット」と呼ばれるコマンドショットでの攻撃を立て続けに連発する隠しコマンドショットが存在するのだが、コマンドが複雑な上に受付判定が他のコマンドショット比べて非常にシビアに設定されている。どれぐらいシビアかというとスコアアタックを行っている熟練プレイヤーでも発動が安定しない程。
      • ただそのシビアな受付時間に見合った非常に強力な効果を持つ。特にホーミングする風属性の場合、全弾ヒットできるボスに対しては体力満タンから数回で沈める程の凄まじい威力となる。
      • また、発動できればボス攻略が楽になるが、使わなくてもクリアは十分に可能。
    • 自爆してゲームオーバーのコマンドも受付がややシビアだがこれに関してはコマンド暴発防止の観点もあるため、やむを得ないだろう。

問題点

  • ハードルの高さ
    • コマンドショット、封印、チェーンコンボと意欲的なシステムを搭載した反面、比較的シンプルにまとまってたこれまでと比べてシステムが大幅に煩雑化しており、結果的に人を選ぶ作品になってしまっている。
      • 常に多方向からの敵の攻撃を避けなければならないシューティングにおいてコマンド技はハードルが上がる要素であり、慣れるまでは思うようにゲームを進めるのが困難。
      • コマンドショットや封印を使わなければいいのでは?と思うかもしれないが、本作のショットはレベル最大でも弱く、従来のようにショット中心のプレイをした場合、2面辺りから硬い敵に押されてしまう。ただしボス戦で稼がずに倒す場合は通常ショットで撃ち込む方が安全なケースもあり、完全ないらない子にはなっていない。
        魔法攻撃は強力だが、ストック数が最大3個と少なくなった上に無属性になると封印ができなくなるデメリットがあり、見た目に反して無属性ショットの火力も低いため、あくまで難所での決め撃ち用の側面が強い。
      • コマンドショット、封印の影に隠れがちだが通常の掴みも使いこなせば強力。特に封印が難しい地上砲台ザコ*6を一撃で無力化できるのは大きい。
    • 各ステージの難易度もこれまで同様に覚え要素が強く、システムを理解したとしても一筋縄ではいかないバランスである。
      上記のシステムの煩雑さに加えて使いこなし必須の調整も相まってシリーズ内でもクリア難易度はやや高め。
      • 道中は前半は『初代』中盤面を思わせる狭い地形に後半は高速スクロールの4面、敵配置が熾烈な5面、中盤から中ボスラッシュが控える6面が壁になるだろう。
        ボスも1面ボスとラスボスは弱いが、それ以外は攻撃パターンを把握していなければ手も足も出ないような強敵揃い。
      • ただ、いずれの難所も決して理不尽な調整ではなく、これまで通りパターンを構築すればちゃんと突破できる範疇に収まっている。
    • ライフ回復はTEA TIME中の湯呑みを除くと、敵の攻撃の中で回復ウィローを自力で出す必要があるのでこの点も慣れるまでは厳しい。
      • ライフ回復が安全にできる場面が分かると多少の被弾が許容されるようになるのだが、ライフ回復を計算に入れたパターン構築には相応のプレイ回数が必要となる。
    • 上記のチェーンコンボを中心としたシステムと調整にした結果、普通のシューティングとして遊んだ場合「面白みがない」という意見も見られる。
      • 突き詰めた稼ぎになる程通常ショットを使う機会がなくなるため、本作のプレイヤーからは「シューティングの皮を被ったアクションゲーム」と言われる事も。
      • また、純粋なシューティングゲームだった従来作と毛色が違いすぎるシステムのため、コットンの続編である事に難色を示すプレイヤーもいた模様。
  • 一部不親切な部分がある
    • キャッチ後更にBボタン押しっぱなしにしてキャッチ中のモノを持ち直す「ホールド」は攻略上重要な操作でありながらインストカードや取扱説明書に記載されてない隠しコマンド扱い。
      • 前方の敵からの体当たり対する簡易バリアになる他、通常の投げではできない前方以外の方向へ封印敵を放り投げることができ、Aボタン押しっぱなしでの高速移動を併用すれば更に勢いをつけて投げることも可能と熟知してるか否かでパターンの幅が大幅に変わってしまうといっていい。
      • 限られたスペースで最低限の説明しなければならないインストカードは仕方ないにしても、家庭用版の取扱説明書ではもう少し踏み込んだ説明があってもよかったのでは?という声もある。
      • なお、セガサターン版のディスクをPCに入れると見られる仕様解説テキストではホールドについて触れられているが、今ほどPCが普及してない状況でこのテキストの存在に気づいた人は一体どれだけいるのだろうか…。
      • 下記の『コットン ブーメラン』セガサターン版の取扱説明書ではホールドの説明が追加されている。
  • 『初代』ほどではないが連射の重要性が高め
    • 封印敵への撃ち込みによる回復ウィローの出現やボス敵を倒す場合の撃ち込み等、本作でもそれなりにボタン連射が要求される。
      • 『初代』ではAボタンを押しつつBボタンを押す事でショットがセミオート連射になる裏ワザがあったが、本作ではそのような便利機能は用意されていない。
      • ただし、上記の通り本作では道中においては場面に応じて掴み、コマンドショット、封印を駆使していく方が重要であり、完全なボタン連打一辺倒にはなっていない。

総評

演出面はこれまでのシリーズのウリだった部分を順当に進化。そのクオリティは現在の視点で見ても十分通用できるレベル。
意欲的な新システムもこちらが行える多彩なアクションや作り込まれた挙動もあって丁寧な出来で、他のシューティングでも味わえない独自の楽しさが味わえる。
とはいえ大幅に煩雑化したシステムに加えて覚え要素の強さによる硬派な難易度はこれまで通りのため、他のシリーズ作と比べて人を選ぶ作品になってしまったのも事実。
システムを理解するまでのハードルの高さに投げてしまったプレイヤーは少なくなく、ヒットした『初代』と比較して人気は思わしくなかったようだ。
コマンドショット、封印、連爆を駆使するアクションゲーム寄りのゲームデザインを受け付けるかどうかが評価の分かれ目と言えよう。

現在は現行機移植されてプレイするための敷居は下がったため、興味がわいた方は一度プレイしてみるのもいいだろう。
まずは細かい事を抜きにしてコットン一同によるドタバタな寸劇を楽しみ、そこからシステム面の高いハードルを乗り越えた先にはチェーンコンボを繋いでいく快感が待っているはずだ。


その後の動き

  • 翌年の1998年に本作のアッパーバージョンとなる『コットン ブーメラン Magical Night Dreams』がACで稼働開始。同年10月にはSSへの移植版も発売された。
    • 『2』との大きな違いはライフ制から一撃死の3人チーム制になったこと。コットン、アプリは火・氷・風属性別にそれぞれ独立したキャラになり、加えてプレイアブルになったシルク、ニードルの8人から選択する。
      魔法攻撃は溜め撃ち方式に戻り、代わりにメンバー交代と全画面攻撃のマジカルボンバー発動を行う「チェンジ」が追加。また、掴みボタンには近接攻撃と弾消し効果を持つ「パンチ」が追加され、敵やアイテムを掴んだままショットを撃つことが可能になった。*7
      • このようにただでさえ複雑だったシステムが更に複雑になったが、『2』では弱かった通常ショットが強化されて通常ショット主体のプレイでも進めやすくなり、更に敵の攻撃を耐えるバリアがアイテム式で復活とシューティングゲームとしては『2』より格段に遊びやすくなっている。
      • 一方で当時ヒットしていた『怒首領蜂』の影響からか弾幕寄りの調整になった事、シリーズ恒例だったストーリーデモが廃止されて一枚絵のイラストになった事については賛否が分かれる。

移植

  • 『コットン2 Magical Night Dreams』(セガサターン 1997年12月4日 サクセス)
    • 元々セガサターン互換の基板を使っていたこともあり、アーケード版稼動から約1ヶ月後のスピード移植となった*8
      移植度はディスク媒体によるロード時間の存在とアーケード版と比べて処理落ちがかかりにくくなってる違いはあるが、ほぼ良好。
      • 「アーケードモード」以外に敵配置と背景がアレンジされた「サターンモード」、到達したステージを内部ランク設定込みで練習できる「トレーニング」が追加。
        また、コマンドを入力してオプションに入る事で自機キャラの入れ替えやXYZボタンにショット連射やワンボタンコマンドショットの割り当て、サウンドテスト等の「エキストラオプション」が解禁される。
    • 家庭用特典としてシリーズ恒例の「湯呑み」の他に、初回限定でカレンダーが付属されていた。
      • 上記の通りディスクをPCに入れると「仕様解説テキスト」を見ることができ、詳細なデータを含めた仕様が記載されている。
  • 『コットン ガーディアンフォース サターントリビュート』(Switch/PS4/PC(Steam) 2021年9月30日*9 シティコネクション)
    • 上記の『コットン ブーメラン』、同社製の全方向戦車STG『ガーディアンフォース』と共に収録。いずれもセガサターン以外の機種へは初移植。
      なおオムニバス収録はパッケージ版のみで、ダウンロード版はそれぞれ単品販売となる。Steam版は単品販売だけでなく上記タイトル名でバンドル販売もされている。
      • 上記の拡張RAMカートリッジ要素はカートリッジ装着済、エキストラオプションは最初から解禁済の状態で収録となっている。
    • リワインド、スローモード、中断セーブ等の追加要素あり。後のアップデートでロード時間の高速化とフリープレイ化機能が追加実装された。
      • だが発売当初はプレイに支障が出る程の入力遅延があり問題となった。上記アップデートで改善されたが、まだ気になる人は気になるレベルには残っている状態である。
      • またアーケード版、セガサターン版にあった処理落ちが完全に解消されており、一部難易度が上がっている場面がある。

余談

  • Windows 95/98用ソフトとして『コットン2てんこもり ミニゲーム付きデジタルデータ集』が発売されている。
    • ミニゲーム、スクリーンセイバー、壁紙の他に未使用も含めたほぼ全てのグラフィックと音声データを収録と豪華な内容である。
  • ライフ制、コマンドショットといった対戦格闘ゲームを意識した要素について、開発スタッフによると当時スタッフ内で流行していた『バーチャファイター』を意識したとのこと。
  • 『ロックンロール』家庭用限定版特典の「コットン大全集」によるとナンバリングの続編となる『コットン3』の企画があったものの、立ち消えとなった模様。
    • 書籍内で新キャラを含めたキャラ絵が掲載されており、アプリも引き続き登場するが本作での結末を踏まえてか、かなり様変わりした衣装となっている。
+ タグ編集
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  • コットン
  • 1997年
  • テクモ
  • AC
  • 横シューティング

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最終更新:2024年04月10日 09:45

*1 妖精の国フィラメントの危機にシルクがコットンを騙して協力させるのがシリーズ通しての大まかなストーリーの流れだが今回はそれがない。なお、今回コットンと共に行動している理由は不明。

*2 ここで言う「お兄様」とは血縁上の兄ではなく美青年のこと。節操がない上に美的センスもどこかズレてるらしく、その様子は『コットンブーメラン』で窺い知れる。

*3 フルネームが判明したのは『コットンブーメラン』から。

*4 この魔法のみ発動時の専用のボイスがない。

*5 『初代』同様7面はラスボス戦のみ。

*6 封印敵を直接当てただけでは封印されない事が多く、基本的に連爆の爆風に巻き込む必要がある。

*7 上に持ち上げた状態でのショットは公式で「出前撃ち」の名称がついている。

*8 もっともST-V基板を使った作品は家庭用版と並行開発のケースも少なくなく、このようなスピード移植は珍しいことではなかった。

*9 Steam版は2022年2月10日