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シャーマンキング 超・占事略決 ふんばり編・メラメラ編

【しゃーまんきんぐ ちょう せんじりゃっけつ ふんばりへん・めらめらへん】

ジャンル カードバトル

対応機種 ゲームボーイカラー(専用)
発売元 キングレコード
開発元 スタジオ最前線
発売日 2001年12月21日
定価 3980円(税抜)
判定 なし
ポイント カードゲームシミュレータとして最低限の完成度はある
しかし薄めの内容・カードプール
ボリュームが少ないのにシナリオをバージョン分け
超魔法陣・骨肉の勾玉ゲー
アニメのファンアイテムとして見れば良作
少年ジャンプシリーズ

概要

武井宏之による漫画『シャーマンキング』のアニメ版を題材としたカードゲーム『超・占事略決』(以下作中の略称に基づきマンキンカードと呼ぶ)をコンシューマーゲーム化した作品。
登場人物は『シャーマンキング』のキャラクターではなく、マンキンカードを遊ぶ小学生や彼らの通うカードショップの店員という設定のオリジナルキャラクターとなっている。
ゲームモードはオプション等を除けばシナリオモード、マップモードの二つ。プレイヤーはふんばり編・メラメラ編のそれぞれに3人ずつ存在する主人公を操作してシナリオを進める、あるいはフリー対戦を楽しみながらカードを買い集めていくことになる。

大まかなルール

2人のシャーマンを選んで32枚のデッキを組み、シャーマンとして呼び出した霊カードなどで相手のシャーマンを攻撃し全滅させることを目指す。カードは以下の種類に分かれる。

  • シャーマンカード
    • デッキの主役となるカードで、必ず1stシャーマン・2ndシャーマンの2種類を入れることになる。1stシャーマンはファイト開始時から場に出せるが、2ndシャーマンはデッキから引いてこないと出すことができない。
      • そのため2ndシャーマンは多めにデッキに入れることになるが、1stシャーマンも含めて2枚目以降はそのシャーマンのHPを回復する巫術として使用できるので手札にダブっても使い道はある。
    • シャーマンには召喚数・召喚値・HPの3つのパラメータがあり、シャーマンごとに霊を召喚できる数やその質、HPが異なる。HPが0になるとそのシャーマンは戦闘不能となる。
    • その他、各シャーマンの専用カードも多数存在するため、使いたいカードに応じてデッキに入れるシャーマンを使い分ける必要がある。
  • 霊カード
    • 他TCGで言うモンスターやクリーチャーに相当するカード。
    • 霊には攻撃力・防御力・召喚値の3つのパラメータがあり、シャーマンの召喚力の合計までしか霊を召喚することはできない*1。当然ながら、攻撃力や防御力が高い霊ほどコストにあたる召喚値も高く設定されている。また、霊にはSP霊と通常の霊の2種類がある。
    • SP霊は各シャーマンの持霊*2のことで、強力なステータスを持つが召喚値が非常に高い。その代わりその霊を持霊にしているシャーマンならば召喚値0として召喚できるので、基本的にはシャーマンと持霊をセットで採用することになる。
    • 通常の霊は原作に登場しない霊で、ステータスも低い。その分召喚値が低く様々なシャーマンで召喚することができる。また、SP霊にはない便利な効果を持っているカードも多い。
  • 必殺技カード
    • バトルの際に攻撃カードとして使用でき、霊の攻撃力に必殺技の攻撃力を加算することができる。必殺技ごとに攻撃力や使用できる霊は異なる。
    • 必殺技カードや秘技カード(後述)にはコンボレベルが書かれており、コンボレベル2のカードは手札から直接出せるが、コンボレベル3のカードは後述する付加カードを使わないと出すことができない。
  • 付加カード
    • アタックカードとも呼ばれる。いわゆる装備カードのようなもので、各シャーマンに専用の付加カードが存在する。
    • 付加カードを付加することで、そのシャーマンの召喚値や召喚数がアップする。また、戦闘の際手札の付加カードもしくは付加したカードを攻撃カードとして使うこともできる。付加したカードを攻撃カードとして使った場合、コンボレベル3の必殺技や秘技を続けて出すことができる。
  • 秘技カード
    • シャーマンごとに専用の攻撃カードで、対応するシャーマンあるいはその霊が戦闘する際に使用できる。必殺技カードのように単純に攻撃力がアップするのではなく、「相手の攻撃カードを無効化する」「自分と相手の攻撃力を入れ替える」「自分の攻撃力を倍にする」といった特殊な効果が発生する。
    • 中でも強力な効果のものはコンボレベルが3になっているため、基本的には前述の付加カードを利用しないと出せない。
  • 巫術カード
    • いわゆる魔法カードや呪文カードに当たるカード。使用条件が課せられているものが多いが、その分強力な効果を持つカードが多く、デッキのテーマとなることも多い。巫術にはどのシャーマンにも使えるものと使用できるシャーマンが決まっているものがあり、前者は相手の霊を除去するなど汎用性の高い効果が、後者はそのシャーマンをサポートする効果や、ゲーム全体に大きく影響を与える効果が多い。

各プレイヤーのターンはドローフェイズ、セットアップフェイズ、召喚フェイズ、巫術フェイズ1、攻撃フェイズ1、巫術フェイズ2、攻撃フェイズ2、巫術フェイズ3、付加フェイズに分かれる。

  • ドローフェイズ
    • 手札が8枚になるようドローする。多くのTCGではデッキ切れに陥りカードが引けなくなると敗北となるが、マンキンカードではデッキが0枚になっても即座に敗北とはならず、引けるだけカードを引いて続行する。
  • セットアップフェイズ
    • 召喚フィールド、待機フィールドに行った霊を戦闘フィールドに出す。
      • 召喚フィールドは召喚直後の霊を置く場所で、ここにいる霊は防御にのみ使用できる。待機フィールドは戦闘を行った後の霊を置く場所で、ここにいる霊は攻撃にも防御にも使用できない。
  • 召喚フェイズ
    • 手札から2ndシャーマンや霊カードを召喚できる。
  • 巫術フェイズ
    • 巫術を使用することができる。
  • 攻撃フェイズ
    • 相手シャーマンに攻撃を仕掛ける。戦闘では攻撃する側がどちらのシャーマンを狙うのか選択し、防御側はシャーマン、もしくは召喚している霊から防御するカードを選択する。シャーマンを選んだ場合、その攻撃力・防御力は0として扱う。
    • 攻撃側、防御側がそれぞれ攻撃カードを出し、霊と攻撃カードの合計攻撃力を比較する。相手の攻撃カードで攻撃力が並んだ・逆転された場合は追加で攻撃カードを出す権利が与えられ、最終的に攻撃力で上回った方が戦闘に勝利する。ただし、「攻撃側は必ず1枚カードを出す」という制限さえ守っていれば出す権利を放棄してもよい。
    • 戦闘終了後、勝った霊と負けた霊の攻撃力を比較する。攻撃力の差分が負けた側の防御力以上だった場合、負けた霊は墓場に送られ、防御力が足りない分はシャーマンのダメージとなる。
      • 例1:攻撃力100となった霊が攻撃力30、防御力20の霊に勝った場合、その霊は墓場に送られ、シャーマンは50ダメージを受ける。
      • 例2:攻撃力100となった霊が攻撃力60、防御力40の霊に勝った場合、その霊は墓場に送られるが、シャーマンはダメージを受けない。
      • 例3:攻撃力100となった霊が攻撃力70、防御力50の霊に勝った場合、その霊は墓場に送られず、シャーマンもダメージを受けない。
      • シャーマンが直接戦闘した場合、負けても墓場に送られるわけではないが、攻撃力の差分がそのままシャーマンのダメージとなってしまう。
    • 戦闘後、戦闘に参加した霊は待機フィールドに行き、使用した攻撃カードは全て墓場に送る。
    • 攻撃フェイズ1の時点で手札が0枚の場合、「巫力切れ」となり敗北する。攻撃フェイズは各シャーマンにつき1ターンに一度ずつ行え、攻撃フェイズ2は行わなくてもよい。
  • 付加フェイズ
    • 手持ちの付加カードをシャーマンに付加することができる。

評価点

キャラゲーとしての出来の良さ

  • 本作はGBCの作品としては演出を頑張っており、シャーマンやその持霊を召喚した際や一部の必殺技を使用した際などにカットインが出る。
    • 特に「仏壇返し」「九龍返し」といった秘技の演出は非常に細かく描き込まれたアニメーションとなっており、かなり迫力がある。
    • テンポが気になるユーザー向けにカットインをオフにできる仕様があるのも嬉しいところ。
  • また、タイトル画面では、アニメ版『シャーマンキング』の主題歌『Over Soul』のアレンジを使用しているほか、その他にもアニメで使用されたBGMのアレンジを一部使用している。
    • タイトル画面で主題歌のアレンジが使用されるだけでなく劇中のBGMまでアレンジして使用している例はかなり珍しく、ファンとしては嬉しいところ。アレンジのクオリティも高く、曲数も多い。
  • 基本的に『シャーマンキング』のキャラクターはカードとしてしか登場しないが、マップモードにおいてごくまれに彼らと出会い、ファイトできるイベントも用意されている。

王道のシナリオ

  • シナリオモードは概ね、周囲とのファイトを通して周囲との絆を深める主人公や、そうして生まれたライバルと全国大会でしのぎを削る様子を描いた、シンプルながら王道のストーリー。
    • 「始めはマンキンカードの初心者だった主人公が、ファイトを繰り返すうちにどんどん力をつけ、ライバルと切磋琢磨するようになる。やがて全国大会の開催が決定し、共に大会出場権を勝ち取った主人公とライバルは、大会決勝で決着をつけることを誓う」というあらすじは全キャラで共通している。しかしその過程で、オドオドしており周りから子ども扱いされていたミツルがカードを通して成長していく様子や、幼馴染の快太に淡い恋心を抱くカナといった登場人物の心理を丁寧に描いており、単調に感じさせない。
  • また、高校生のマリアを「大人の女性」と感じる男子たちや、ショップで姉と顔を合わせることを気恥ずかしく思うミツル、「自分に敵う奴はいない」と話す一方で負けると「自分はまだ本気を出していない」と負け惜しみを言う中学生のサトシなど、子どもらしさが垣間見えるキャラ造形がリアリティを生んでおり、魅力的に仕上がっている。
    • サトシの言動は作中でもネタにされており、シナリオでは最初こそ強キャラ感を出してくるものの、負けた後は「SKキング」という二つ名を自ら名乗っている点や言動について主人公やギャラリーにからかわれ、捨て台詞を吐いて去っていくというのがお決まり。

初心者から上級者まで楽しめる難易度調整

  • CPが明らかなプレイングミスをすることがほとんどなく、どのキャラも上手くデッキを回せている。最高レベルのCPともなればデッキ構築にも無駄がなく、手ごわい存在となる。
    • マリガン*3をほとんど行わない、巫力切れが近い場面でも無駄にカードを消費してしまうといった穴はあるものの、さほど気にならない範疇。
  • 一方で、あまりにもファイトに負けていると対戦相手のデッキのレベルが下がる仕様となっており、ゲームに不慣れであったり序盤で十分にカードが集まらない状態であったりしても問題なく戦えるようになっている。
    • 対戦相手のデッキのレベルが下がるとプレイングも若干甘くなり、さらに難易度が下がる。

シングルカードシステム

  • TCGを題材としたゲームでは、本作のようにカードパックの購入でカード資産を増やしていくというシステムが多い。
  • しかし、現実でTCGを遊ぶ場合、パックの購入でのみデッキを強化していくのではなく、必要に応じてカードを単体で購入するのが当たり前である。本作ではその点が再現されており、通常のお金でカードパックを買う他に、ファイトで集めたポイントでシングルカードを購入できる。
    • 流石に全カードから好きなカードを選んで購入することはできないが、ランダムで出現する候補から好きなカードを好きなだけ選んで購入できる。利便性・リアリティの双方において魅力的なシステムと言えるだろう。

進化霊《侍/阿弥陀丸》を使用できる

  • ゲーム中で全国大会に優勝すると、現実でも大会の優勝者のみにプレゼントされた特別な《侍/阿弥陀丸》を入手できる。このカードは貴重なため現実ではかなりの高額で取引されており、そうしたカードを手軽に使用できることには現在でも価値がある。

漢字が多数使用されている

  • 当時のゲームは容量の都合もあり漢字のフォントが一部、あるいは全く用意されていないものも少なくなかったが、本作では「祓」のような特定のカードにしか使われない文字も含めてしっかり漢字が使用されている。
    • 細かいところだと《ファウストVIII世》の「VIII」もわざわざ個別にフォントが作られている。

問題点

マンキンカード自体のバランスの悪さ

強すぎる《超魔法陣》《骨肉の勾玉》

  • とりわけ問題にされやすいのが巫術《超魔法陣》の異常な強さ。「敵の霊を全滅させ、その召喚値の合計分のダメージを与える」という効果がある。
    • 「自分の場に6枚の霊を召喚する」という発動条件は一見して難しそうに思えるが、これに特化したデッキを組めば1~2ターン程度で達成可能であり、さほど難しくはない。
  • SP霊カードは80前後の高い召喚値を持っているため、通常の霊も巻き込めれば全体に100程度のダメージが期待できる。シャーマンの初期HPは200前後でまとまっているため、これだけで約半分のダメージを与えられる。
  • 加えて巫術《骨肉の勾玉》は「自分の霊を全て手札に戻し、戻した霊1枚につき20のダメージを与える」という効果を持つため、《超魔法陣》に続けて使うだけで120ダメージを与えることができ、合計200以上のダメージとなるため体力の低いシャーマンはそれだけでも倒せてしまう。
  • 実際には《骨肉の勾玉》の前にがら空きの相手に攻撃を仕掛ければそれ以上のダメージを与えられるため、本作では最大を誇るHP260の《木刀の竜》もこのコンボを耐えることは難しい。
    • 仮に耐えきったとしても巫術《静かなる海》で次のターンに霊を召喚できなくすることすら可能。
    • この《骨肉の勾玉》は《超魔法陣》ありきのカードというわけではなく、このカード単体で見ても非常に強力なカードである。自分の霊を手札に戻すというデメリットにより次の自分ターンで攻撃に霊を使えなくなり、手札が増えるためドローできる枚数が減る点も、《武将/尾張のうつけ》*4やお誘い系の霊*5を使い回すことでフォローが効く。
    • 瞬骨デッキと呼ばれる、速度を重視するため敢えて《超魔法陣》ではなく発動条件がない単体除去カードである《お経》と《骨肉の勾玉》を使い、速攻でシャーマンを1人落としに行くというコンセプトのデッキも考案された。
  • 他のカードと性能を比較してみても、《超魔法陣》の性能のおかしさは明らかである。例えば《超魔法陣》と同じく敵の霊を全滅させる巫術ならば、《お墓参り》や《大往生》もある。しかしこれらは「相手の場も含めた場全体の霊を所定の数にする」という面倒な条件を満たした上で自分もダメージやデメリット*6を受けて初めて使える。
    • もう一度言うが、《超魔法陣》は単に自分の場に霊をたくさん出すだけで使え、かつ敵の霊だけを一方的に全滅させ、おまけに大ダメージまで与えられる。明らかに強すぎるのがわかるだろう。
  • 強いて言えば《超魔法陣》は6体の霊を必要とするためほぼ理想の手札でないと1ターンで発動することができず、その1ターンで先に全体除去を打たれたり《静かなる海》でロックをかけられたりすると破綻する可能性がある。一方で《お墓参り》や《大往生》は必要な霊の数が場全体でそれぞれ4体、5体であるため必要な霊の枚数は少ない。
    • しかし、それらのカードを使うならデッキに相手の霊の数を調整する巫術や自分が受けたデメリットをフォローするためのカードを投入しなければならないため、結局はコンボパーツが増えてしまう。《黄泉との外交》*7など当時存在しなかったコンボパーツもあるため若干安定性に欠ける節もあり、《超魔法陣》に比べて早く安定してコンボが成立するかと言われれば微妙なところである。
    • その上、超魔法陣の対策になりうる《静かなる海》自体が霊カードをコストにする都合上、霊カードを大量に投入する《超魔法陣》デッキと相性がいいため、現実的な対策はこちらも《超魔法陣》デッキを使う、あるいは瞬骨デッキで早々に敵シャーマンを減らして霊を6体展開できなくすることになる。
  • その他の対策としては、シャーマンが直接攻撃できる必殺技を中心にした霊に依存しないデッキを組むくらいしかないが、当時のカードプールでは該当するカードが攻撃力不足の《霊界よりの死者》や単体では機能せず事故率が高い《オロチ降臨》程度しかなく、強力とは言い難い。
  • その結果、本作及び発売当時の環境は《超魔法陣》デッキと瞬骨デッキに支配された。ゲーム中でも快太のシナリオではCPのケビンがこの《超魔法陣》の使用に特化したデッキを使ってくるため、《超魔法陣》同士のミラーマッチに持ち込むなり、瞬骨デッキを使うなりする必要があり、どちらにしても確実に勝利するのは難しい。

シャーマンが2人揃わないとまともに戦えない

  • シャーマンが1人の状態では戦力の低下が著しく、まともな勝負にならない。マンキンカードではSP霊やシャーマン専用の巫術など特定のシャーマンがいないと使えないカードが多いため、かなり多くの手札が腐ってしまう。また、攻撃は1ターンにつきシャーマンの数だけ行えるため手数も半減する。そのため、2ndシャーマンをすぐ引き当てられなかった場合や、早々に片方のシャーマンがやられてしまった場合勝利は絶望的になる。
  • マンキンカードでは毎ターン手札が8枚になるようドローできるため、手札を消費すればするほど新たなカードを引けるルールになっている。しかし片方のシャーマンがいないと召喚できる霊の数が減ったり、カードが腐ったりするため手札を減らすのも一苦労。運が悪いとほとんど何もできないまま負ける。

役に立たないカードが多い

  • 明らかに役に立たない、もしくは別のカードの下位互換となるカードが多すぎる。
    • カードゲームの宿命ではあるものの、本作では下手をすると半分以上のカードに使い道がないかあるいは上位互換が存在する有様であり、流石に度を越している。
      + 詳細
    • デッキの根幹をなすシャーマンカードからして、《超魔法陣》や《骨肉の勾玉》を使うなら《道 蓮》と《ファウストVIII世》、力押しのデッキを組むなら《朝倉 葉》や《木刀の竜》あたりを中心とした構成になりがちである。その他のシャーマンにもそれぞれ専用のカードは用意されているものの、当時のカードプールでは使いづらさが目立つものが多く、これらは後々のパックによって救済されることとなる。
      • 特に不遇なのが《ホロホロ》で、彼の専用巫術《エピッタルキ・ウパシホルッケ》は付加カードで召喚数を増やさないと「霊を《ホロホロ》の場に3体召喚する」という条件を満たせないため、《超魔法陣》よりも発動が難しくなってしまっている。にもかかわらず性能は《超魔法陣》よりも弱いため、非常に使いづらい。
      • 後のパックでは元々召喚数が3の《ホロホロ》が登場したため付加カードが不要となり、《エピッタルキ・ウパシホルッケ》は手軽な代わりに効果が弱い《超魔法陣》的なポジションに収まることとなった。
    • 霊カードは、単純に他の霊に比べて同じ召喚値もしくはより高い召喚値にもかかわらずステータスが劣っているカードが多い。
      • 一応同名カードは1枚までしか出せないというルールがあるため両者を併用する意義はあるものの、そこまでして下位互換の弱いカードを使わなくとも他の強力な霊を採用すれば済むため、結局そうしたカードが採用されることはない。
      • さらに言えば、《超魔法陣》を使うなら召喚値が低い霊をたくさん並べた方が良いため、召喚値が高い霊はなかなか採用されない。かといって《超魔法陣》を使わないデッキにしても、普通の霊ではどうしてもSP霊に劣るため中途半端な立ち位置。《煙羅煙羅/ベル》《軍人/ロベルト》のような、召喚値が低いにもかかわらずステータスや効果も優秀な霊も存在するためなおさらである。
    • 必殺技カードのうちSP霊以外にしか使用条件に該当する霊がいないものは、結局SP霊が専用の必殺技を使った場合よりも合計の攻撃力が低い。そのため、各SP霊の専用技以外はせいぜい汎用性の高い《妖雷撃》《灼熱ガマ地獄》や、条件を満たす霊が場にいれば他の霊でも使える《一撃の矢》くらいしかデッキに入れる意義がない。
      • また、下位互換となるカードも数多く、全ての霊に使用できて攻撃力40の《妖雷撃》の下位互換である《鬼火》《カマイタチ》*8や、《一撃の矢》同様に条件を満たした霊が場にいれば使える性質を持つが攻撃力が《一撃の矢》に劣る《カモン!弁慶!!》などがそれにあたる。
    • 巫術カードは強いカードと弱いカードの性能差が激しく、《超魔法陣》《骨肉の勾玉》のように強すぎるカードもある一方で《白衣の魔天使》《狙い撃ち》のように発動条件の厳しさに効果が全く見合っていないカードも多い。
    • 極めつけが付加カードと秘技カードで、これらは基本的に1枚も採用されない
      • 付加カードは付加したシャーマンの召喚力や召喚数を上げられるほか、コンボレベル3の必殺技カード・秘技カードを出すために必要となる。
      • しかし、各シャーマンの持霊となるSP霊は元々召喚値を0扱いとして召喚できる上、一般的な霊にそれを上回るものはほぼいない*9。よって、召喚値目当てで付加カードを採用する意義は乏しい。また、召喚数を増やすくらいなら元々召喚数の高いシャーマンを採用すればいい話であり、わざわざ付加カードに頼るメリットは薄い。
      • そのため、採用するならコンボレベル3の必殺技カード・秘技カードとの組み合わせが前提となるが、事故率が上がる割にはどれもそこそこ止まりの性能しかなく、ロマンコンボの域を出ない。
      • 召喚値が低く《超魔法陣》デッキに採用しやすい《煙羅煙羅/ベル》や《化け提灯》の効果で付加カードを剥がせるため、わざわざ意識せずとも「ついで」で対策されてしまうのも欠点。
      • 事実、CPのデッキレベルが高くなってくると付加カードや秘技カードは採用しない、あるいは《ピンポイント》などの撃破系カード*10のみを採用するようになる。

デッキの内容が固定化しやすく工夫のしがいがない

  • デッキの枚数が32枚と少なく、入れないとゲームが成り立たないカードも多いため、テーマごとに必須のカードを入れただけでデッキの枠が埋まってしまい、誰が作っても同じようなレシピとなる。
  • まず、1stシャーマンは1枚、2ndシャーマンは4枚程度入れないとデッキが成り立たない。さらにSP霊カードは各シャーマンのものを3~4枚ずつ程度は入れないと厳しい。この時点で最低11枚ほどは枠を食う。これに加えて《武将/尾張のうつけ》*11のようなほぼ必須の霊カードも投入しなければならないため、あとは各デッキのテーマに沿った巫術や必殺技を投入するだけであっという間に枠が埋まる。
  • 自分なりに色々と工夫しより強いデッキを作っていくのはカードゲームにおける醍醐味の一つだが、本作では順番に強いカードを入れただけのデッキになりがちで、デッキ構築の楽しみが薄れてしまっている。

その他の問題点

収録カード数が少ない

  • マンキンカード自体が発売してから半年ちょっとという早期に発売されたせいで、収録カード数が少なく、デッキ構築の自由度が低い。購入できるパックはたった2種類しかなく、カードを買う楽しみをやや削いでしまっている感がある。
    • しかも2種類目のカードパックはシナリオモードをクリアして初めて解放されるため、それまでは約半数のカードでデッキを組むことになる。《超魔法陣》《骨肉の勾玉》といった主要なカードは最初のパックに収録されているとはいえ、自由度の面では少々問題がある。
  • この手のゲームにありがちな歯抜け収録ではなく、当時実在した第1弾(first)~メラ気合い編(EX)までの全279枚のカードに加えて全34枚のGBオリジナルカード*12を収録しているが、それでも計313枚と物足りない内容。
    • 厳密に言うと第3弾にあたる閃光のダウジング(EX2)のカード(全108枚)は未収録となっているが、こちらは発売日が2001年12月6日と本作のわずか15日前で、これは流石に致し方ないところ。
  • また、GBオリジナルカードは前述の進化霊《侍/阿弥陀丸》を除けばその大半が既存カードのステータスを少し上げただけのバージョン違いとなっており、遊び方の幅を広げているとは言い難い。
    • 前述の通りほぼ使い道がない弱小カードを除けば実質のカード数はさらに減るため、組めるデッキの種類は著しく少ない。

内容が薄い

  • ゲームモードはフリー対戦モードとショップを兼ねたマップモードを除けばシナリオモードのみで、そのシナリオモードもさほど長いものではない。
    • シナリオモードはクリアすると最初に戻り、周回することでクリア報酬を複数入手することも可能ではあるが、あまり多くデッキに入れると手札事故を起こすカードなので、さほどメリットはない。
  • 結局ある程度遊んだあとはマップモードでひたすら対戦を繰り返しながらカードを集めることになるが、前述のようにカードの種類自体がさほど多くないため、それも長くは続かない。
  • このように内容が薄いにもかかわらず、わざわざふんばり編・メラメラ編に半分ずつ主人公を分けているため、より内容の薄さが目に付く。

一部UIが不親切

  • デッキに入れたカードは種類別にしか確認できず、デッキ全体のプレビューではカードの種類別(シャーマンカード、巫術カードなど)の枚数及び採用したシャーマンの種類しか確認できない仕様となっている。
    • また、デッキ名を編集することもできない。
  • カードパックは一度に1パックしか購入できず、10パック単位で買ったり、箱買いをしたりすることはできない。
    • 大人の登場人物が「大人の特権だ」と言って箱買いをするシーンもあるので、小学生らしさに配慮した結果かもしれないが、プレイヤーとしてはやや不便さを感じるポイント。

チュートリアルが存在しない

  • マンキンカードは相手のターンに戦闘時の防御以外で行動できる余地がないことやカードの効果説明が比較的分かりやすいことなどもあり、TCGとしては比較的簡単な部類ではある。
  • とはいえTCGである以上、どうしてもルールを理解するまではプレイやデッキ編成のコツを掴みづらい部分があり、マンキンカード自体をプレイしたことのないプレイヤーには若干不親切。

非現実的すぎるカードコンプ

  • GBオリジナル枠として収録されている34枚のカードは、その大半がマップモード開始時にごくまれに手に入るラッキーボーナスでしか手に入らない仕様となっており、カードコンプは不可能に近い。
  • しかもよりによってその大半がシャーマンとSP霊というのもきつい。デッキに採用するシャーマンカードのうち、1stシャーマンは1枚で機能するが2ndシャーマンは4枚程度デッキに入れないと機能しないため、1stならともかく2ndシャーマンにGBオリジナルのカードを採用したい場合、何枚かは通常バージョンのカードと混ぜて使うなど妥協しないと構築が困難。SP霊カードに至ってはシャーマンのように1stに設定するといった逃げ道もなく、最低でも3枚は入れないと機能しないため苦しい。

一部グラフィックがしょぼい

  • シナリオ中の顔グラやファイト中のカットインは比較的出来がいいが、肝心のシャーマンのミニキャラが小さく潰れてしまっていてわかりづらい。
  • 特に葉はトレードマークのヘッドホンが描かれていない上に髪色や髪型も特徴的ではないため、原作の主人公にもかかわらずパッと見では誰なのか全く分からない。

総評

カードシミュレータとして及第点を与えられる程度の完成度はあり、アニメのBGMや主題歌を再現するなどファンアイテムとしても評価できる。
しかしながらボリュームの薄さや題材にしたカードゲームそのものの粗削りさが仇となり、純粋なゲームとして見ると凡作止まりと言わざるを得ない。
翌年に発売された2・3では収録カードが大幅に増えた上に問題点もかなり改善され、本作の評価点も概ね引き継いでいるため、今から本作を遊ぶメリットはほとんどないのが実情である。

最終更新:2023年03月29日 17:48

*1 一部例外はある

*2 原作でもパートナー的な存在として登場した霊

*3 多くのTCGに存在する、初期手札が悪い時に引き直しを行うルール。マンキンカードでは、不要なカードを好きなだけ墓場に捨てその分引き直せる

*4 召喚するだけで場の霊を全て戦闘フィールドに出し、即座に戦闘可能にする。単純なステータスも優秀

*5 召喚すると1枚ドローできる

*6 《お墓参り》は自分の霊が全て待機フィールドに行き、次の自分のターンまで戦闘に使えなくなる。《大往生》は自分の霊も全滅する

*7 相手の霊を復活させる。場の霊の数を調整するために使う

*8 それぞれ攻撃力20、30

*9 唯一恐竜系の霊はSP霊並のステータスを持つが、その代わり戦闘後に必ず墓場に行くデメリットがあり、それをフォローする巫術《スリップ博士》が登場する前の本作では使いづらい

*10 相手の攻撃カードを無効にする秘技で、コンボレベル2のため付加カードと組み合わせずとも使える。主に高火力のデッキでお返し系の秘技を対策するために投入される

*11 召喚するだけで場の霊を全て戦闘フィールドに出し、即座に戦闘可能にする。単純なステータスも優秀

*12 一部に本作の同梱カード等の実在カードを含む