※オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。
Among Us
【あもんぐ あす】
ジャンル
|
宇宙人狼系アクションゲーム
|


 クルーメイトエディション
|
対応機種
|
iOS 13.0以降 Android 6.0以上 Windows Nintendo Switch プレイステーション5 プレイステーション4 Xbox Series X/S Xbox One
|
発売元
|
クルーメイトエディション: H2 Interactive ダウンロード版: InnerSloth
|
開発元
|
InnerSloth
|
発売日
|
【iOS/Android】2018年6月15日 【Win】2018年11月16日 【Switch】2020年12月16日 【PS5/PS4/XSX/One】2021年12月15日 【クルーメイトエディション】2021年12月16日
|
定価
|
【iOS/Android】無料 【Steam/Switch】520円(税込) 【PS5/PS4】550円(税込) 【XSX/One】580円(税込) 【クルーメイトエディション】4,500円(税込)
|
プレイ人数
|
オンライン: 4〜15人 ローカル通信(Switch版のみ): 4〜8人
|
レーティング
|
CERO:B(12才以上対象)
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
ネットの口コミで大ヒットした宇宙人狼ゲーム ある程度の人数を集める必要があるのが難点 対人プレイ専用ゲームである点に注意
|
概要
InnerSlothが開発した人狼ゲームをベースとしたオンラインゲーム。
2018年発売当初は売上が振るわなかったものの、2年後の2020年に米国の人気配信者の実況プレイがきっかけで異例の大ヒット。2018年発売にもかかわらずゲーム情報サイトPolygonの「2020年のトップ10」に選出されるなど世界的な大躍進を遂げている
リリース当初は日本語非対応であったが、2020年12月に発売されたSwitch版で先行して日本語に公式対応。その後2021年3月にスマホ版・PC版も日本語に公式対応した。
特徴
-
人狼系のマルチプレイ専用ゲーム。プレイヤーは「クルー」と「インポスター」に分かれて対戦をする。
-
公平性を保つためプレイ中はコミュニケーションが取れず、外部ツールでの会話も禁止されることが多い。後述の議論中のみチャットが解禁される。
-
クルー
-
ゲーム中大多数を占める役職。
-
定められた「タスク」の達成率を100%にするか、インポスターを全員追放できればクルー側の勝利。
-
タスクとは、クルー全員に与えられた任務のこと。基本はミニゲームのようなもので、通常タスク・ショートタスク・ロングタスクの3種類がある。勝利条件となるタスクのみ、死亡後も実行することができる(=サボタージュの対処は生存中のみ)。
-
また特殊役職として、通気口を利用した移動が可能な「エンジニア」と、各プレイヤーの生死をどこでも確認可能な「科学者」に加え、インポスターの殺害を防御することができる「守護天使」、死亡すると音を鳴らして死亡場所を知らせる「ノイズメーカー」、他のメンバーに居場所を一定時間追跡できる「トラッカー」をオプションで設定できる。
-
なお、クルー役のプレイヤーがゲームから離脱した場合、そのプレイヤーのタスクはなかったことにされる。つまり、早々に殺されて抜けたプレイヤーのタスクは完了していなくとも、残りメンバーのタスクが完了していれば勝利ということになる。
-
インポスター
-
「サボタージュ」による妨害工作を起こしながら、クルーを殺害する。参加人数に応じて、1〜3人がインポスターとなる。
-
サボタージュは、マップ上のどの場所でも発動可能。例えば、部屋のドアを閉める、照明を暗くして視野を狭める、所定の場所で制限時間付きのタスクを課す、などの妨害が行える。
-
クルーとインポスターが同人数になる(=クルーがインポスターを追放できなくなる)か、一部のサボタージュの解除をクルーが時間内に行えなければ、インポスター側の勝利。
-
クルーと違い、視界が広く、停電の影響を受けない他、通気口を利用した移動ができる。
-
特殊役職として、プレイヤーの誰かに変身できる「シェイプシフター」と、一定時間姿を透明にできる「亡霊」をオプションで設定できる。
-
議論
-
クルーの死体を発見して通報する、もしくは「緊急会議」のボタンを押すことで、議論が開始される。
-
議論中は会話が解禁され、誰がインポスターかを見つけ出す。
-
「投票」によって、多数決で誰か1人を追放する。最多投票が複数いた場合や、「投票スキップ」を選んだ人が一番多ければ、誰も追放されない。
-
ゴースト
-
殺害・追放されたプレイヤーはクルー・インポスター問わず、「ゴースト」となる。生存者との会話は禁止。
-
ゴーストになったプレイヤーはマップ上の壁を通り抜けて自由に移動することができる。
-
ゴースト状態になったクルーは引き続きタスクの完了を目指す。インポスターなら、サボタージュによって生存しているインポスターの手助けをすることができる。
-
マップギミック
-
マップには、プレイヤーの位置、プレイヤーの生死を確認する装置や、固定された位置にある監視カメラの映像をチェックできる装置などがあり、議論のヒントとして活用できるようになっている。
-
逆にインポスターは誤った情報を広めたり、サボタージュでこれらの機器を使えなくすることも可能。
評価点
-
比較的シンプルに遊べる人狼ゲーム
-
本来、人狼ゲームには様々な役職があるのだが、本作の役職は「クルー」と「インポスター」の二つで成立するようになっている。
-
そのため、人狼初心者でも比較的ルールや役割を把握しやすく、取っつきやすい。
-
上述の科学者やシェイプシフターなど、上級者向けのオプションも用意されている。
-
言動だけでなく、相手の行動から推理をする面白さ
-
議論においては、基本的にどこに死体があり、各プレイヤーがどのような行動をしてたか(言い換えればアリバイの有無)が最も重視されるため、犯人探しをする推理ゲームのような楽しみ方をする事が出来る。
-
まったくの初心者であろうとも、「誰といつすれ違ったか」や「自分はどんなタスクをやっていたか」などの簡単な状況を覚えておくだけで十分議論に参加でき、自陣の勝利に貢献できる。逆も然りで、いくら議論誘導が巧みな上級者だとしても肝心の情報把握が少なければあっさり吊られる可能性を孕んでおり、プレイヤーの経験値の差で全てが決まるわけではないアドリブ性が魅力。
-
インポスター側には、先述のサボタージュや通気口など、嘘をつくための手段が沢山用意されている。例えば、停電のサボタージュ中に殺害を行うだけでも、死亡時期やアリバイを特定するのが難しくなる。いかにクルーを騙して勝利するかというのは、他のゲームでは味わえない独特の緊張感があると言える。
-
「タスク」と「サボタージュ」の存在
-
議論や情報整理が苦手なプレイヤーでも、タスクを手早く終わらせたりサボタージュを積極的に直したりなどの形で貢献できるため、人それぞれに活躍の幅が生まれやすい。
-
タスク完遂orサボタージュ完遂は互いの勝敗に直結する重要な要素なので、それを巡ってプレイヤーたちは必然的にステージ内をめまぐるしく動く。
これにより状況が膠着しづらくなる上、ゲームとしての緊迫感および予想外のランダム要素の発生にも繋がっている。
-
「タスク」は特にバリエーションが豊か。各ステージの雰囲気に合わせた仕事内容は没入感を高めてくれる。
-
キャッチーなキャラクター
-
操作キャラの「クルー」「インポスター」は極めてシンプルながらも一目で宇宙船員ということが分かる秀逸なデザイン。動きやスキンも作りこまれており、非常にコミカルで可愛らしい。多数のコラボやグッズ化が実現するほどにマスコット人気を確立できている。
-
それでいてクルーの死体表現、インポスターによるキル演出、容疑者追放時の仕打ちなどはなかなか容赦がなく、「人狼ゲーム」としての毒もしっかり残している。
-
設定項目の豊富さ
-
結構細かな部分まで調節できるため、プレイヤー間での実力やプレイ人数を考慮して、バランス調整することが可能。
-
設定を弄ることにより様々なローカルルールが生まれている。人気な変則ルールとして、議論の時間を限りなく短くした事実上の「無議論」ルールや、キルクールを0秒にした変則ルールなどが挙げられる。
-
また、本来の人狼ゲームとしてではなく、インポスターとクルーで「鬼ごっこ」や「缶蹴り」をする遊び方も生まれている。
-
公式も把握していたのか、2022年12月のアップデートで公式ルールとして「かくれんぼ」モードが追加された。
問題点
プレイ環境を整えるまでのハードルの高さ
-
ある程度の人数を集める必要がある
-
人狼系ゲームというジャンル上、仕方ないと言えば仕方ないのだが、ある程度の人数を集める必要がある。
-
システム上のマルチプレイができる最低人数こそ4人であるが、楽しむためには最低でも5~6人は集めた方が良い。
-
そもそものゲームデザイン上、CPUとの対戦機能も搭載されていない。オンラインであれローカルであれ、人を集めないと遊ぶことはできない。
-
一応、公開されたサーバーに入り、野良でオンラインプレイを行うことも可能だが、今度は次の問題点が顕著になってくる。
-
ボイスチャット機能が搭載されていない
-
テキストでのチャット機能こそ搭載されているが、ボイスチャットは非搭載であるため、スムーズな議論が行いづらくなる。
-
身内プレイなどではスムーズな議論を行うためにDiscordなどの外部アプリ、BetterCrewLinkなどのMODを導入して複数人でのボイスチャットを行う例が多く見られる。
-
しかし前述した野良でサーバーを探してオンラインプレイをする場合は、テキストチャット一択となるため、PC版以外のユーザー(特にCS版)やタイピングが苦手なユーザーだと、スムーズな議論が行いづらくなってしまう。
その他の問題点
-
生存中における途中離脱のペナルティがほとんどない
-
2020年当時のオンラインゲームでは一般的に、故意のゲーム離脱や切断はペナルティ対象となっているが、本作ではプレイヤーが死亡生存にかかわらず特にペナルティがない。
-
そのため、野良プレイヤーの中には「議論で不利になったから逃げる(離脱する)」「特に用事もないけど何となく飽きたから抜ける」というような者もいる。
-
この場合1番迷惑がかかるのは残されたプレイヤーにであるが、当の本人には何らお咎めはない。
-
一方、ゴースト状態になっている場合なら、ゲームから離脱しても特に影響はない。本作は1ゲームがかなり長期化する=クルーとして早期に殺されると長時間を無為に過ごすしかなくなるので、その時点で新たなゲームに移動するという行動はしやすくなっている。
-
公式もこのことを重く見ていたのか、死んだ後も貢献できる『守護天使』を実装したり、勝敗に関わらずゲーム最後まで残っていれば経験値が得られるシステムを導入したり、生存状態で離脱すると数分間ゲームに参加できなくなるペナルティを追加する、という取り組みはされている。しかし、こうした取り組みも報酬ないし罰としてはかなり軽微であり、なおゲーム中に切断する人は多い。
-
インポスターの難易度がやや高め
-
「インポスター側が不利」という程ではないが、「クルーに見つからないようにキルする」「議論の際に嘘をつく」「タスクをしているふりをする」など必要な行動が複雑かつ多く、クルーと比べて勝利するための難易度は高め。
-
「スキャン」をするタスクが「可視タスクで設定をoff」にしても可視出来てしまうため、これを実行されると無実のプレイヤーが確定してしまい、難易度が上がってしまう。
-
The Skeldはインポスターの犯行現場となりやすく、Polusは広いこともあってリスクも伴うが、問題はMIRA HQの方。開幕のスタート地点からすぐ傍にあるので、開幕誰かがスキャンをし始めればそれだけで容疑者が絞られる形になってしまう。
総評
ネット上の口コミにより人狼系ゲームとしては異例の大ヒット作となった本作。
ここまで大ヒットした要因には、比較的シンプルなルールで人狼ゲームの面白さを楽しめる点にあるのかもしれない。
余談
-
本作の人気はあまりにもすさまじく、開発担当が続編を作るよりも既存作品のUI改善に努めた方がいいという理由で『Among Us 2』の開発中止を発表するほどである。
-
タイトルの読みについて
-
日本語非対応の時代では、読みが「アマングアス」「アモングアス」「アマンガス」などのように、読み方が統一されていなかった。
-
その後、AUTOMATONによる記事によると、開発元による公式見解としての日本語発音は「a-MON-gu a-su」なので、「アモングアス」が正しいとのこと。
-
H2 Interactiveの公式サイトでも、読みは「アモング アス」となっている。
-
任天堂のIndie Worldの紹介動画や、テレビ番組『有吉ぃぃeeeee!』で本作をプレイした際にも、「アモングアス」読みである。
-
本作は公式によってMODの制作が認められており、有志によって数多くの追加役職、ゲームモードが作られている。上述したボイスチャットMOD「BetterCrewLink」もその一つ。
-
追加役職は、会議で追放されると勝利するものや、遠隔でキルが可能なものなど、様々。こういった点での自由さも、評価点の1つでもある「遊び方の豊富さ」を後押ししているといえるだろう。
-
『The Henry Stickmin』シリーズの作者PuffballUnitedがInnerSlothに所属しているためか、随所にシリーズからの小ネタが多数仕込まれている。また、マップ「The Airship」も『HenryStickmin』シリーズからの輸入である。
最終更新:2024年10月18日 08:26