パンダパンチ
【ぱんだぱんち】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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Windows(Steam) Nintendo Switch プレイステーション5 プレイステーション4 Xbox Series X/S Xbox One
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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ラタライカゲームス
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開発元
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Ninja Rabbit Studio
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配信開始日
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2022年12月16日
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定価
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【PC】580円(税込) 【Switch/PS5/PS4】770円(税込) 【XSX/One】500円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1箇所・オートセーブ方式
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レーティング
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IARC:3+
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判定
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なし
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ポイント
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レッサーパンダが主役のパズルチック横スクロールアクション 操作次第でクリアが詰むステージ多数 まともにデバッグができていない疑惑あり
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概要
スペインのインディーズスタジオであるラタライカゲームス発売、Ninja Rabbit Studio開発によるダウンロード専売ソフト。
ジャンルはパズル色強めの横スクロールアクション。邪悪なエイリアンから世界を守るため、父親開発のアームを装備したレッサーパンダ「ジープ」が戦う設定。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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通常54ステージ+ボス4ステージを順々に攻略していく。一度プレイしたものはステージセレクトが可能。ステージとは別で鍛冶屋にも立ち寄れる。
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特定のステージをクリアすると新たな操作や性能が追加される場合あり。また鍛冶屋にてジープの性能強化もできる(下記)。
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操作体系
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移動とジャンプ、及びアーム攻撃でジープを操作していく。一部の操作は特定ステージのクリア後でないと行えない。
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アナログスティック等左右で左右移動。スティック等下でしゃがみ。特定の地形にいる状態でスティック等下とジャンプボタンでそこから降りる。
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ジャンプボタンでジャンプ。ジャンプ中に地面に対して下方向のアーム攻撃をすると大ジャンプ。
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攻撃ボタンでアーム攻撃。スティック等上とボタンで上方向へのアーム攻撃。ジャンプ中にスティック等下とボタンで下方向のアーム攻撃。
アーム攻撃は「敵やカプセルを倒す(壊す)」「木箱を少し押し出す」「地形の破壊(性能追加後)」の効果を持つ。
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木箱に接した状態で移動すると、それを押す。同じく木箱付近で持ち上げボタンを押すと、それを持ち上げ、再びボタンを押すと近くに投げる。
木箱を持ち上げている最中はジープの移動速度とジャンプ力が極端に低下し、さらにはアーム攻撃が行えない制限がかかる。
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ローリングボタンでジープ前方へとローリングする。ローリング中は完全無敵でいつでも中断が可能。使用中は専用ゲージ消耗(時間経過で回復)。
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アイテムと鍛冶屋について
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ボス戦以外のステージでは「コイン」「スーパーコイン」「ハート」のアイテムが配置されている。
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コインは大量配置されており、同じステージ内で何度でも取得可能。スーパーコインは1箇所のみの配置で、一度取得したものは二度と出現しない。
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ハートはライフを1ポイント回復させる効果。必ずカプセルの中に入っており、それをアーム攻撃で壊すと出現する(自動取得)。
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取得したコインもしくはスーパーコインと引き換えに、ステージセレクト画面にある鍛冶屋でジープの性能強化ができる。
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強化対象は2種類あり、それぞれ13段階までの強化が可能。1段階の強化につき、コインは相当額の消費が必要だが、スーパーコインは1枚のみの消費で済む。
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ステージクリアとミス条件について
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通常ステージは「ステージ奥にあるゴールポイントに到達」、ボスステージは「即出現するボスを倒す」事でクリア。
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通常ステージの特定箇所には地面にスイッチが配置されており、木箱をこの上に乗せると封鎖通路の解除等の変化が起きる。
本作においてはスイッチの作動は必須行動であり、木箱をどう動かしていくかが重要。木箱をあらぬ位置に落としてしまうと最悪クリアが詰む。
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その他にも「大ジャンプやローリングを要所で行う」「地形を破壊して適度な足場を作る」などの過程を行わないと先に進めない局面が多数存在。
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3ポイントのライフ制で、ジープが敵やトゲに触れると1ポイントダメージ。即死トラップに触れるとライフ数に関係なく即ミス。残機無制限。
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通常ステージでは特定箇所にチェックポイントがあり、通過後にミスした場合はそれまでの状況を維持したままライフ全快でチェックポイントから再開。
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チェックポイント非通過の場合は該当ステージ初めからのやり直し。ポーズ中に「チェックポイントから」という項目を選ぶと、先述同様の再開が行える。
評価点
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パズルチックなアクションが楽しめる
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本作の作風としては「パズルゲーム感覚でスイッチを作動させ、道を切り開きながらゴールポイントを目指す」といった行動がメインとなる。
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アクション性とパズル性が違和感なくかみ合っており、比較的もたつきの少ない操作でさくさくとクリアできる。難易度自体もそこまで高いものではない。
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総58ステージとそこそこのボリューム感を持ち、販売価格を考慮すれば長めに遊べる内容である。
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敵や仕掛け等の種類はあまり多くはないものの、素材の組み合わせでステージのバリエーションに幅を持たせている。またボスは全員違う顔ぶれである。
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グラフィックのクオリティも良質
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同一メーカー開発の『マイストピア』で評された16bit風グラフィックの良さは本作でも健在。
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ジープの細かな動きやアームを使ったアクションの数々が見所で、まさに「動かすだけで楽しい」系の魅力あり。ステージ背景等の書き込みも丁寧な部類。
問題点
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視認性が非常に悪い
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敵や仕掛けがどこにあるのかといった視認性が確認し辛く、普通に移動するだけでも敵接触等の事故に遭遇しやすい。
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「ジャンプ後の先に見えない敵等に触れる」「唐突に激しいスクロールが起きて事故ダメージ」という環境が終始続き、ノーダメージでのクリアは至難の業。
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クリアが詰みになる現象が頻発
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ゲームルールでも記した通り、操作の手順次第によりあっけなくステージクリアが詰む現象が頻発する。
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木箱をスイッチの遥か下の地形に落とすと、スイッチを作動させるための木箱が失われてしまうため、そのままクリア詰みが確定する。
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木箱を引く操作が存在せず、木箱を壁まで押し切ってしまうと持ち上げ以外の操作ができない。特に初期ステージではこれが原因でクリアが詰みやすい。
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後半ステージにおける壊せる地形を変に壊すと足場がなくなり、これまたクリア詰み確定。厄介な事にゴールポイント付近で頻発しやすい。
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さらに困った仕様として、チェックポイントを通過しても詰みの修復は全くされない。
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そのためチェックポイントを通過しようが、詰みが発生した時点で100%クリアできなくなる。こうなるとステージの初期化以外の選択肢はない。
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詰みとはまた違った問題だが、明らかにダメージ前提のトゲ配置が所々に存在する。
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「木箱がトゲにめり込み、ダメージ後の無敵時間を利用しないと触れられない」「トゲの当たり判定が大きすぎてジャンプで超えられない」といった状況がある。
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強化の実感が沸いてこない
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鍛冶屋でジープの強化をしても、何が強くなったのかがいまいち実感が沸かない。
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そもそも具体的に何を強化するのかの説明がない。最大ライフが増える訳でも、アームの攻撃力やリーチが長くなる訳でもなく、強化の意味が見えてこない。
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ゲームバランス崩壊レベルのトンデモ仕様
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実は本作においてゲームバランス崩壊レベルのトンデモ仕様があり、詰みさえ発生しなければ簡単にオールクリアできてしまう。
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ネタバレ注意
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ポーズ中に「チェックポイントから」の項目を選ぶと、チェックポイントからの再開ができるのはゲームルールで記した通り。
しかしチェックポイント非通過、もしくはチェックポイントが存在しないボス戦ステージでもこの項目は選択できる。
チェックポイント非通過状態でこの項目を選ぶと、なぜかその場でライフが全快する。使用制限やペナルティといったものは一切ない。
これを利用すればミスする前に即ポーズをかけて項目を選び、実質ライフ無制限でステージ攻略が可能となる。
もちろんこのチート行為は正当にプレイする分には関わるものではない裏技的手段なため、触れなければゲームバランスの崩壊はない。
「チェックポイントから」の項目自体はショートカットできる利便性のある機能だが、その場でのライフ全回復は明らかにデバッグ不足の弊害だと推測される。
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ボス戦の厄介なランダム性
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ボス戦ステージ全般におけるボスの行動パターンにランダム性があり、状況次第で難易度が大きく変わってくる。
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小回りが利きにくいジープの操作感覚もあり、敵の攻撃をまともに回避し辛い。簡単に倒せる初回ボス以外では、運がないとどうしようもない局面が多い。
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もっとも上記のトンデモ仕様を利用すれば、どの道簡単にボスを倒せてしまう。ある意味、どうしても倒せないプレイヤー向けの救済処置といえる。
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ステージセレクトの確認のし辛さ
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ステージセレクト画面におけるステージ配置がごちゃごちゃしており、目的のステージがどこなのかが確認し辛い。
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ステージセレクト中は「ステージカウントとクリアの有無」「スーパーコインの取得の有無」の表示がされるので、それを目安に選択するしかない。
総評
アクションゲームとしての体裁は十分に保っており、数々の不具合を気にしないのであれば普通に遊べるが、お世辞にも完成度の高い内容とはいえない一作。
一通りのテストプレイすれば発見できるはずの荒が目立ち、「まともにデバッグができていないのでは?」と疑わずにいられない点は商業ゲーム的にいかがなものかと。
最終更新:2023年07月01日 16:56