エブリバディ 1-2-Switch!

【えぶりばでぃ わんつーすいっち】

ジャンル パーティエンターテインメント
対応機種 Nintendo Switch
開発元 任天堂
エヌディーキューブ
発売元 任天堂
発売日 2023年6月30日
定価 パッケージ:3,278円
ダウンロード:3,200円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
プレイ人数 2~100人
判定 良作
ポイント プレイモード・人数とも大幅増加
スマホモードは驚異のプレイ人数
1人プレイは完全廃止
1-2-Switchシリーズ
初代 / エブリバディ


概要

Nintendo Switchのローンチソフトとして発売された『1-2-Switch』(以下、『前作』)の続編。

前作ではわずかな1人用ゲームを除き2人プレイ専用となっていたが、本作では1人プレイができなくなった代わりにJoy-Conで8人まで参加可能となった。さらに、ブラウザからスマホを操作デバイスとして参加することもでき、こちらは100人まで同時プレイできる。


ゲームの流れ

  • まずはプレイモードを「Joy-Conモード」と「スマホモード」から選ぶ。
    • 「Joy-Conモード」ではJoy-Conを1人1本ずつ使用して最大8人で、「スマホモード」では1人1台スマートフォンを使用して最大100人で同時プレイができる。
      ただし一部のゲームはJoy-Conとスマホ両方で操作可能となっており、該当するゲームはJoy-Conモードから入って選択時にスマホを用意する形となる。
    • Joy-ConモードはNintendo Switch本体がオフラインでもプレイ可能。一方スマホモードはインターネット接続に加えユーザーのニンテンドーアカウント連携が必要となる。スマホでは画面に表示されたQRコードを読み込んで、ブラウザから参加する。
  • モード選択後はプレイヤー人数を設定した後、各プレイヤーの名前を入力し、アイコンを決めてスタートとなる。
    • 名前は履歴が残されており、同じ名前を使う場合はリストから選択できる。

ゲームモード

  • チームマッチ
    • L(左)チームとR(右)チームに分かれてゲームをプレイし、勝利数を競うメインパーティ。20分パーティ(3ゲーム先取)・40分パーティ(5ゲーム先取)・60分パーティ(7ゲーム先取)からプレイ時間を選択できる。
    • 前作と違い、プレイするゲームは初回を除いてプレイヤーが選択できる。ただし、選択肢はランダムで選ばれた4つのみ。
    • 一定回数プレイすると、登場するゲームのレベルを「ノーマル」または「プロ」から選択することができるようになる。「プロ」にすると派生型の難しいゲームがはじめから出る。
  • クイズ パーティ
    • 2択の早押しクイズをプレイするモード。チームマッチにも収録されているクイズゲームを発展させたもの。
    • ゲームに収録された○×クイズやサウンドクイズ、イラストクイズなどを遊ぶ「スピードクイズ」、あらかじめプレイヤーが作成しておいた2択クイズを遊べる「オリジナルクイズ」、その場でスマホから問題を募集して遊ぶ「自作クイズ」の3モードから選べる。
  • ビンゴ パーティ
    • 手持ちのスマホをビンゴカードとして使い、ビンゴゲームをするモード。
  • その他
    • チームマッチで出現したことのあるゲームから選んで1つずつ遊べる。
    • この場合もチーム分けが行われる。

ゲーム一覧

+ Joy-Con・スマホ両方で遊べるもの
  • だるまさんがころんだ
    • プレイヤーが鬼となり、ゲームから出る子供の掛け声に合わせてプレイする。
    • コントローラーを持って足踏みすることで歩いた扱いとなるが、子供が振り向いている時に動いてしまうとスタート地点からやり直し。子供のところまでたどり着ければ上がりとなる。
    • 鬼が最後の1人になるまで継続され、子供までたどり着くのが早かった人から順に高得点となる。時間内に誰もたどり着けなかった場合は引き分け。
  • だるまさんがころんだ2
    • 子供の掛け声が露骨に速くなったバージョン。
  • だるまさんがころんだ3
    • 子供が振り向いている間に動いた瞬間一発退場になるバージョン。
  • 常識スピードクイズ
    • ○×クイズ。はじめに「ネジを回す道具は」のような問題文が表示され、数秒後に「ドライー」といった名前が表示されるので、その名前で合っているかどうかを○×で回答する。以下3つのクイズゲームはいずれも同様の出題形式。
    • 制限時間は10秒。2秒以内に答えた場合は最大100点の「スコアボーナス」が適用され、正解した場合は回答が早いほど高得点、不正解の場合は回答が早いほど大量減点になってしまう。
      それ以上かかった場合は一律で正解が+1点、不正解が-1点となる。時間内に回答できなかった場合も不正解扱い。
    • 全3問で、最終問題は得点が2倍になる。これも以下3つのクイズゲームで共通のシステム。
  • ピクチャークイズ
    • 写真が選択肢となっている2択のクイズ。
    • 選択肢が隠されているパターンとはじめから表示されているパターンがあり、後者では「何が問われるのか」のひっかけ問題となっている。
    • 制限時間は10秒、スコアボーナスは3秒以内。
  • 思考スピードクイズ
    • 計算問題を中心に、簡単な思考が必要となる2択クイズ。
    • 制限時間は12秒、スコアボーナスは10秒以内。
  • サウンドクイズ
    • 写真が選択肢となっている2択のクイズ。音声を聞いて、その音がどちらの物体から出るものかを回答する。
    • 制限時間は10秒、スコアボーナスは5秒以内。
  • トリビアクイズ
    • その名の通りトリビアに関する○×クイズ。
    • 制限時間は10秒、スコアボーナスは5秒以内。
  • 忍術修行 刀編
    • 片方が手裏剣を、片方が刀を持ち、手裏剣を2回ずつ投げ合って勝利数を競う。
    • 手裏剣側は1ターンにつき5発まで放つことができ、刀側は手裏剣が放たれたらすぐに刀を振ると防ぐことができる。1回でも当てられればそのターンは手裏剣側の勝ち、全て防げば刀側の勝ちとなる。
  • 忍術修行 手裏剣編
    • 片方が手裏剣を、片方が刀を持ち、手裏剣を1回ずつ投げ合って当てられた回数を競う。
    • 「刀編」と違い手裏剣は20発放つことができ、刀側は当てられても即アウトにはならない。純粋に当てた手裏剣の枚数で勝敗が決まる。
  • ハローUFO
    • 指示通りにコントローラーを動かして宇宙人を呼び寄せる。より指示に近い方に早く宇宙人がやってくるので、先に宇宙人を呼べた方が勝ち。
  • グッバイUFO
    • 指示通りにコントローラーを動かして宇宙人をお見送りする。より指示に近い方で早く宇宙人が帰るので、先に宇宙人を帰らせた方が勝ち。
  • 大なわとび
    • コントローラーを腰に構え、バーチャルの大縄を飛ぶ。跳べた回数×人数がチームの得点となり、より高得点の方が勝ち。
  • とうめい大なわとび
    • 縄が画面に表示されなくなった大なわとび。
  • ブレイン スクワット
    • いわゆる「旗揚げ」をスクワットで行う。「しゃがめ」の指示で1回スクワットをし、「しゃがむな」の指示では動かない。より正確に指示に従った方が勝ち。
  • ブレイン スクワット2
    • 「しゃがめ」に混じって「ザラメ」などの引っかけ指示が出る、難しくなったブレインスクワット。
  • ブレイン スクワット リバース
    • 指示と逆に、「しゃがむな」で1回スクワットをし、「しゃがめ」で動かないことがルールとなる。
  • キッチンタイマー
    • サーロインステーキを作るという設定で、数秒〜十数秒を自力でカウントする。指示タイムに近いほど高得点で、3回おこなって得点の高い方が勝ち。
  • キッチンタイマー2
    • 絶品ジェノベーゼを作るという設定で、十数秒〜数十秒を自力でカウントする。3回おこなって得点の高い方が勝ち。
  • キッチンタイマー3
    • 魚介のパエリアを作るという設定で、数十秒を自力でカウントする。3回おこなって得点の高い方が勝ち。
    • このバージョンではカウント中に料理の先生が私語を挟んでくる。
  • キッチンタイマー4
    • カップ麺を作るという設定で、3分を自力でカウントする。カウントは1回のみで、得点の高い方が勝ち。
    • このバージョンでは料理の先生が大量の数字を含む独り言を挟んでくるので、惑わされないようにしなければならない。
  • イス取りゲーム
    • 音楽が止まった瞬間にしゃがみ、バーチャルの椅子を奪い合う。最後まで残った方が勝ち。
+ Joy-Conでのみ遊べるもの
  • ギリギリバルーン
    • Joy-Conを空気入れに見立てて振り、事前に表示される目安のギリギリまで風船に空気を入れる。
    • 割ってしまったチームはその時点で負け。2チームとも割れなかった場合はより目安近くまで膨らませられたチームの勝ち。
    • 先に2回勝ったチームの勝ち。
  • ギリギリバルーン2
    • 背景の目盛がなくなり、判断が難しくなったギリギリバルーン。
  • 早割りバルーン
    • 上記と打って変わって、いかに速く風船を膨らませて割るかを競う。
  • 穴あきバルーン
    • 放置すると空気がだんだん抜けてしまう状態で、より目安ギリギリをキープできた方が勝ちとなるギリギリバルーン。
  • ヒップレスリング
    • Joy-Conを尻に構え、エアでぶつけ合って画面上のキャラクターを操作する。相手をステージから落とした方が勝ちで、どちらも落ちなかった場合はより押していた方が勝ちとなる。
    • 先に2勝した方が勝ち。
  • ヒップレスリング ミニ
    • ステージが狭くなったヒップレスリング。
  • トラブル ヒップレスリング
    • どれだけ押されているかが確認できないヒップレスリング。
  • 400mリレー
    • 4人以上でないと出現しない(と思われる)ゲーム。Joy-Conをバトンに見立てて足踏みすることで走り、バトンを渡しつつ400mを速く走り切ったチームの勝ち。
  • 40mリレー
    • バトンを渡すまでの距離が極端に短いリレー。
  • 早斬り対決
    • 指示があってから、刀に見立てたJoy-Conを振り下ろす。1発勝負で先に振った方の勝ち。
  • Joy-Conかくし
    • 片方のチームが部屋のどこかにJoy-Conを隠し、もう一方のチームが振動を頼りにそのJoy-Conを探す。見つけるまでの時間が早かったチームの勝ち。
    • 時間内に見つけられなくても直接負けにはならないが、時間内に隠せなかった場合はその時点で負けとなる。
+ スマホでのみ遊べるもの
  • オーダーメモ
    • 子供達が大量のアイスを注文するので、スマホの画面にメモをしていく。メモ後に注文を入力し、より正確な方の勝ち。
  • オーダーメモ2
    • 注文が速くなり、メモが難しくなる。
  • オーダーメモ3
    • 注文の量が増え、メモが難しくなる。
  • オーダーメモ4
    • メモできず、完全に記憶頼みとなるオーダーメモ。
  • カラーハンター
    • スマホのカメラを使用して、指定された色にできるだけ近い色を撮影する。一致度の高い方が勝ち。
  • カラーハンター2
    • 指定色の表示時間が短くなるカラーハンター。
  • 代理オークション
    • 規定の予算内でオークションに入札していき、より多くの商品を落札できた方の勝ち。
    • スマホでは作戦会議ができる。
  • 代理オークション2
    • 入札できる時間が短くなった代理オークション。
  • 代理オークション3
    • 相手の入札額がわからない代理オークション。
  • 目押しビンゴ
    • 数字のルーレットを目押しで止められるビンゴ。スマホにビンゴカードが表示されており、先にビンゴした方の勝ち。
    • スマホモード限定だが、ルーレットを止めるのはJoy-Conで行う。
  • 奇数偶数ビンゴ
    • 奇数と偶数に分かれてプレイする目押しビンゴ。

評価点

  • プレイスタイルの大幅増加
    • 前作では基本的に1ゲームずつのプレイしかできず、チームマッチも流しでプレイするだけだったが、本作では3種類のメインパーティをはじめ様々なモードが用意されている。
      単なるミニゲーム集になっておらず、まさに「パーティ」として多彩な楽しみ方ができる。
    • きちんと1人1台のコントローラーを使って多人数プレイすることが可能になった*1。特にスマホモードでの最大プレイ人数は驚異の100人となっており、他のパーティーゲームでは類を見ない大人数でプレイすることが可能となっている。
    • クイズパーティでは2択限定ながら自作の問題を多数出題でき、ビンゴパーティはSwitch本体以外の用具を一切準備せずビンゴゲームが楽しめる。パーティー向けのツールとしても他に類のない高機能なソフトである。
  • 「普通に」楽しめるゲームが多数
    • 前作の「向かい合ってプレイする」というコンセプトが廃され、ほとんどのゲームで画面上にも情報が表示されるため、混乱が起きにくく盛り上がりやすい。
    • 前作のようなバーチャルの物体を想像しなければならないゲームもあるが、判定基準が明快になっているので受け入れられる。
  • スマホモードの存在
    • 遊べるゲームは大幅に限られるものの、スマホ画面やジャイロ、カメラを使ったプレイが可能。『Wii Party U』でのWii U GamePadのような自由度の高いゲームを複数人プレイできるのは大きな魅力。
    • スマホ側はウェブブラウザから参加できるので、アプリインストールなど面倒な準備が必要ないのも大きい。
  • 声優陣が地味に豪華。
    • 担当者は柳原かなこ氏、木島隆一氏、小島幸子氏、黒沢ともよ氏の計4名。奇しくも柳原氏を除く3名は過去にファイアーエムブレムシリーズのキャラクターを演じた声優陣である。聞きなじみのあるプレイヤーも多いのではないだろうか。
  • その他
    • 前作は定価が5,000円超えと内容に対して高めだったが、本作ではここまでのボリューム増加でも3,000円台前半となっており、かなりお手頃な値段となっている。

問題点

  • 「その他」で任意のゲームを選択できるまでが長い
    • チームマッチで1度出現したゲームしか選べないが、未プレイが優先して出る措置もないため、何回もプレイしてもなかなか出現しないゲームが出やすい。
    • 何回かチームマッチをやって「プロ」が選べるようになると多少出やすくはなるが、それでも同じゲームばかり出ることは多い。
  • 同じゲームの派生が多い
    • 前作では低レベルをクリアしないと出現しなかったハイレベルのゲームが最大4種類にまで分割されている。これ自体はハイレベルから遊びたい層には好評だが、派生型のゲームがラインナップの大半を占めているのが大きな問題。
    • バリエーションを除いた場合、本作のゲームは17個。前作では派生抜きでも26個であるから、ゲームの種類としては激減していることになる。
    • 特にチームマッチでは、派生系ばかり出現して「また同じゲームかよ!」となるケースが少なくない。

総評

物足りなさが否めない前作から大きな進化を遂げ、ボリューム・クオリティとも良作と呼ぶのに十分な作品となった。ミニゲームだけでなくビンゴやクイズのツールとしても使うことができ、Switchでも屈指のクオリティを誇るパーティーゲームといえる。

ゲームの種類が控えめなことやチームマッチメインであることから、前作とは違い大人数向けのゲームと言えるが、2人でも十分遊ぶことができる。一緒に遊ぶ人がいるならば、ぜひ入手しておきたいソフトである。


余談

  • 非オンラインで最大100人プレイと言うと一見凄まじく多いが、実はもっと多い作品が過去に存在している。
    • もっとも、こちらは「人数分の本体+カートリッジを揃えれば理論上プレイ人数無制限」というだけなので、本当の意味で100人同時プレイができる本作とは事情が異なるが。
最終更新:2023年12月20日 17:00

*1 前作のチームマッチでも擬似的に複数人プレイをすることはできたが、ゲームに参加するのはあくまで1人ずつだった。