木づちだクイズだ源さんだ!
【きづちだくいずだげんさんだ!】
| ジャンル | クイズ・アクション |  | 
| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | アイレム | 
| 開発元 | タムテックス | 
| 発売日 | 1992年12月18日 | 
| 定価 | 3,800円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | これまでとは一転してクイズゲームに 問題やミニゲームは豊富に用意されている
 何故か慣れない操作法のアクション
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| 大工の源さんシリーズリンク | 
 
概要
1992年12月にアイレムからゲームボーイで発売されたクイズゲームであり『大工の源さんシリーズ』4作目にあたる。
これまでのアクション路線から一転、クイズゲームになっているが、一部ミニゲームがアクションゲームになっている。
対戦はなく1人プレイ専用のクイズゲーム。
内容
あらすじ
日本征服を企む悪の地上げ屋ミスターQの手によってカンナちゃんがさらわれてしまった。
源さんはカンナちゃん救出のため、ミスターQのアジトへ向かうが今度の敵の攻撃は源さん得意の木槌は通用しないクイズ。
果たして源さんは無事カンナちゃんを取り戻すことができるのだろうか?
システム
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全ステージ1枚のマップになっており、源さんは1マスずつ進んでいく。
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HP制で最初は100。
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下記「クイズマス」で出されるクイズは三択方式。十字ボタンとAボタンで解答する。
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誤答や時間切れの場合HPが10減ることになる。0になるとゲームオーバー。
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10問を突破するとHPが10回復。10問全部正解した場合はボーナスでHPが20回復する。
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トータルの正解率はちゃんと記録されている。
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ステージを突破するとパスワードが発行(アルファベット12文字)されるので、それをメモして続きを遊ぶことができる。
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ステージ8「新宿本部」のボスのもとに辿り着けば、カンナちゃんを助け出してクリアーでエンディング。
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この時、上記のトータル正解率でカンナちゃんの反応が変わる。
 
 
マス目の種類
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クイズ(「Q」)
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敵が10問のクイズを出してくる。ある意味メインのマス。
 
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ゲームモード(源さんマーク)
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4種類のボーナスゲーム(詳細は後述)いずれかがランダムに始まる。
 
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駄菓子屋(「店」)
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クエスチョン(「?」)
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分かれ道(「矢印」)
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左右に分かれる分岐点で、どちらに行くかを選択する。Aなら右へ、Bなら左へ。
 
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基地(ミスターQマーク)
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ステージのゴールに当たる部分で、ここに辿り着くとステージクリアとなる。
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ラスト以外なら、ここに着くと3つある金袋から1つを選んでお金が貰える(100円~500円)。
 
ボーナスゲーム
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福引
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巨大なガラガラを木槌で叩くとボールが出てくる。色によって等級が違い、上位ほどたくさんのお金が貰える。
 
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お化け退治
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強制ヨコスクロールアクションゲームで、源さんの前から歩いたり飛んだり様々なオバケがどんどん向かってくるので、木槌で倒していく。倒した数や種類によって賞金が変わる。
 
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寿司屋でもぐもぐ
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猛スピードで出された寿司を順番通りに取れたらお金が貰えるという記憶力ゲーム。間違えたら即終了。
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最初にランクを「梅(4個)」「竹(6個)」「松(9個)」「特上(15個)」から決める。当然高ランク(寿司の数が多い)ほど貰える金額も高くなる。
 
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下町ダッシュ
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トップビューのステージで制限時間内に町内に散らばるアイテム(木槌・おにぎり・ヘルメット)を回収する。
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タイムが尽きたり、徘徊する黒服につかまると終了。取れたアイテムの数や種類によってお金が貰える。
 
カード
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いわゆる「補助アイテム」にあたるもので、クイズ中に左右ボタンで選択しBボタンで使うことができる。5つまでストックが可能。
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HPアップ
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10・20・30の3種類があり、その分のHPが回復する。使用してから答えを選ぶのだが、不正解だと効果を発揮しないまま消滅してしまう。絶対正解の問題を選んで使うのがポイント。
 
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タイムストップ
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パス
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無敵
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間違えてもHPが減らない(ただし不正解としてはカウントされる)。
 
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ツーアンスカード
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2度答えることができる。つまり1つを外しても残りの2つからもう1つを選べる。
 
ステージ
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ステージ1「上野支部」
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ステージ2「竹芝支部」
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ステージ3「神田支部」
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ステージ4「日比谷支部」
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ステージ5「浅草支部」
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ステージ6「両国支部」
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ステージ7「神保町支部」
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ステージ8「新宿本部」
評価点
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クイズゲームらしく膨大な数の問題数が用意されている。
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全8ステージでクイズマスの数もかなりのもので、その数に対応できておりよくある同じ問題ばかり使い回して冗長になるようなものではない。
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ミニゲームも4種類ありアクション主体ながら、その中で被るようなものがないのでそれぞれ個性を持っていてマンネリによる飽きの防止にもなっている。
 
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クイズの内容はジャンルが広く、ゲームを通して思わぬ知識が得られるのもおトク。
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わからなくても最低10問は間違える猶予があるため、すぐゲームオーバーになってばかりになるようなこともないので、繰り返しているうちに知識が身につきやすい。
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しかも、その猶予もアイテムによって、その数が増やせたりできるのでクリア(ステージ8のゴールに辿り着いてカンナちゃんに会う)の障壁自体はそれほど高くない。
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同じ8ステージ完走クリアでも正解率によってカンナちゃんの反応が変わるため、クリアした後も更なる高得点を目指しての繰り返しプレイする楽しみがある。もちろん、それを通してより知識を深めることができる。
 
 
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アイテムによる救済要素も充実。
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お金の要素もあり、それの購入によって間違えた後のダメージを緩和したり、2つ選択出来たりと、それぞれ個性を持っている。
 
問題点
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オバケ退治のミニゲームが何故かBでジャンプ、Aで攻撃とそれまでとは真逆のボタン配置。
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これに関してはどっちを宛がおうが変わるものではないので、ファミコン等で扱いなれた形そのままで良いはず。
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このような慣れない配置にする必要性が感じられず、ややこしいだけでしかない。
 
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ゲームのメインであるクイズの問題自体は豊富に用意されているものの、全て三択一本鎗。
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様々なミニゲームもあるとはいえ、こちらもフリーの文字入力で答えるような問題や映像問題のようなものでもあれば本当に抜け目なしだった。
 
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デモがスキップできない。
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デモ自身は上記の通りゲームボーイながら描き込みが見事で良い出来ではあるがスコアアタックなどをしている時はそれをスキップできないのは少々煩わしさが感じられる。
 
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ごく一部だが、問題の答えが間違っていることがある。
総評
クイズゲームとしては問題数もかなり豊富に用意され様々なミニゲームもあるなど気分転換への配慮まで細部に亘って抜かりがない。
ゲームボーイという携帯ハードとして持ち運びで楽しんだり、片手間に楽しむには好相性のゲームであり、その観点でも適度なボリュームにとどめられているのは好材料。
メインのクイズが三択一辺倒で少々単調に感じられるのは多少気にはなるがジャンルが変わっても看板作らしくさすがアイレムらしいクオリティが感じられる作品。
その後の展開
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1993年10月22日に『大工の源さん2 赤毛のダンの逆襲』をファミコンで発売。
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世界観は元通り初作品に準じているが、この作品では『ゴーストビルディングカンパニー』の要素もを引き継いでアクションとシューティングを併載した構成になっている。
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ただしシューティングそのものは『R-TYPE』をオマージュしたような新しい形になっている。
 
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1993年の年末に本作の流れを汲んだアクションクイズゲーム『源さんのクイズ・トライアスロン』がファミコンソフトとして発売される予定だった。
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開発中の情報では4人対戦可能なアクションゲームを織り交ぜたクイズゲームとのこと。
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一度1994年1月に延期されたものの、そのままお蔵入りとなり発売されることはなかった。
 
 
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直接的なシリーズ作品ではないが1993年7月30日に『主役戦隊アイレムファイター』をゲームボーイソフトとして発売。
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アイレムキャラが集合したクロスオーバーのシミュレーションRPGで源さんも登場している。
 
余談
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講談社の月刊漫画誌『コミックボンボン』『デラックスボンボン』では、本作の漫画が連載されていた(作:桜多吾作)。
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後者の1993年1~3月号はクイズが交えられており本作がベースになっている。
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作中のミスターQは、語尾に「~~のクイズ」と付けて話す奇抜なキャラ付けがなされている。
 
 
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本作で登場する「寿司屋でもぐもぐ」を踏襲したか否かはさだかではないが、後にパチンコ『CR寿司屋の大将』(2000年3月)『CR寿司屋の源さん』(2008年3月)で源さんは寿司屋をすることになる。
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前者はアイレム発売のパチンコシミュレータシリーズ『三洋パチンコパラダイス4 ~寿司屋だ源さん~』に収録されている。
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このゲームでは源さん自身をプレイヤーキャラとして進めるストーリーモードがあり、その開始冒頭で「何故大工でしかない源さんが寿司屋をするのか?」のいきさつが語られている。
 
 
最終更新:2023年11月29日 06:49