Hyper Zone
【はいぱーぞーん】
| ジャンル | シューティング |  | 
| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| 発売・開発元 | HAL研究所 | 
| 発売日 | 1991年8月31日 | 
| 定価 | 8,500円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 『F-ZERO』のスピード感をシューティング化? 超高速で疾走しながらシューティングの爽快感
 難易度は意外と高い
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概要
1991年8月にHAL研究所がスーパーファミコンソフトとして発売した3Dシューティングゲーム。
スーパーファミコンローンチの『F-ZERO』(任天堂)同様に、自身のマシンの後ろからの視点で展開され、まるで左記作品をシューティング化したような作りになっている。
内容
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自分のマシンの後ろから見た視点で展開される疑似3Dシューティングゲーム。
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操作は至ってシンプルで、上昇下降と左右(斜め含)とブレーキングとビームの発射のみで、ビームは3連射まで可能。
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上昇と下降は十字ボタンで行うのだが、そのパターンはタイトルで選択できる。
 「NORMAL」見た目通り、上ボタンで上昇、下ボタンで下降。
 「REVERCE」上記とは逆に上ボタンで下降、下ボタンで上昇。これは飛行機の操縦桿に似せたもの。
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2番目のマシン「H-WING」以降はショットボタン長押しでチャージして放して発射する「殲滅砲」(貫通性能あり)が使用できる。
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「殲滅砲」を装備した機体に乗り換えると、画面右上にチャージ度合いを示すエネルギーゲージが見える。
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溜め切らないうちに放してしまうとムダになる。
 
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自機はライフ制で、ダメージを受けてゼロになると破壊される。基本的に敵の攻撃や体当りでダメージを受けるのだが、それ以外に下記によってもダメージを受ける。
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コースの境界線をはみ出すと「コースアウト」となり、コース内に復帰するまでダメージを受け続ける。
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ブレーキは長く使いすぎると自機がダメージを受けてしまうので、ダメージが出始めたらノーブレーキ状態である程度進まなければならないとブレーキでダメージを受ける状態が解除されない。
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『F-ZERO』のピットゾーンのような区画をはしることでダメージが回復できる。
 
 
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ある一定の得点に達すると、次のステージから新しいマシンに乗り換えられる(実質的なパワーアップ)。
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また、その特定点数に達した時点で自機のストックが1機増える。
 
マシンの種類
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BM-4
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初期状態のマシン。
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これのみ「殲滅砲」を装備していないためノーマルショットしか撃てない。
 
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H-WING
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30000点到達が条件。
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この機体からチャージショットの「殲滅砲」が装備される。
 
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P-7
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60000点到達が条件。
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「殲滅砲」の攻撃力や有効範囲が強化されている。
 
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RW-91
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80000点到達が条件。
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「殲滅砲」の攻撃力や有効範囲が更に強化され威力だけなら最強状態。
 
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X-003
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140000点到達が条件。
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コースアウトやダメージを受けてもスピードが落ちない。
 
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BM-4 REFORM
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170000点到達が条件。
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短いチャージ時間で「殲滅砲」が撃てる。
 
ステージの種類
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ステージ1 OLD CAPITAL
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基本的なステージで『F-ZERO』でシューティングをしているような感覚。
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すべての敵が破壊可能。
 
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ステージ3 MATERIAL FACTORY
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このステージから後ろから体当りして高速で飛び去り、その去り際に撃ってくる敵が出現する。
 
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ステージ4 GRASSLAND
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長く連なったドラゴンのような敵や、地面から生えてくる植物の柱のようなギミックが出現。これは火柱と違って破壊可能。
 
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ステージ6 NEO MAGALOPOLICE
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コース外部に設置され破壊不能で、行く手を遮る壁状のビームを展開する「ヨコバリー」がかなり厄介。
 
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ステージ7 BIOPLANT
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ステージ4にいたドラゴン状の敵が再登場。コースの切れ間もあり。
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「殲滅砲」が効かない敵が登場。
 
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ファイナルステージ HYPERZONE
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真っ暗な空間で、これまでのステージのボスと連続して戦うボスラッシュでそれを全て突破できるとラスボスと戦う。
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このステージではギミックがないがピットゾーンもないため耐久度の回復ができない。
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ラスボスを撃破するとエンディングを挟んで現在の自機を維持してステージ1に戻る。
 
評価点
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ハイスピードで飛ぶような疾走感と、それに乗ったシューティングの爽快感の融合。
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スーパーファミコン草創期ということもあって、後の時代の作品を思えば少々地味に感じられるがファミコンではできなかった超スピードと、シューティングの爽快感が見事に融合できている。
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FCで似たようなコクピット視点のシューティングゲームもあるにはあったが、それとはまた違う新しいスピード感も魅力。
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SFCのグラフィック性能をフルに生かした美麗な背景の流れなども、それをより一層際立たせている。
 
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ボタンの割り当てが非常に絶妙。
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A・Y・Rで攻撃、B・X・Lがブレーキと幅広く対応しているため、プレイヤーの扱いやすい形を選んで使える。
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連射機能のついたパッドとの相性も良く、AやYを連射にしてRを殲滅砲に充てることで使い分けもしやすい。
 
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もっとも、当時はまだSFC草創期ということもあってFC同様ボタン2つでもできるからと言われればそれまでだが。
 
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パワーアップを確かに感じられる新しいマシン。
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殲滅砲の搭載から始まり、それがパワーアップしていき最後は短時間のチャージでバシバシ撃ててより殲滅性能が上がっていくといった具合にしっかりとパワーアップが感じられていく。それにより爽快感も確かに増していく。
 
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様々な個性を持つボスキャラ達。
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撃って撃って撃ちまくることで倒せるものから始まり、殲滅砲が必須なものやワープしてきたり無敵状態があったりとみなそれぞれ個性を持っている。
 
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テクニック次第でよりスコアを伸ばせる。
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『F-ZERO』と違って「コース外に出られない」のではなく「出ればダメージを受ける」だけなので、それを利用してより撃墜数を高めていくこともできる。
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そうすることで、少しでも得点を稼ぐことでマシンの獲得を早めるなど、先の展開を有利にすることにも繋がる。
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実際正攻法でコース上のみをご丁寧に辿って撃墜するだけではスコアの伸びは今一つ。
 
 
問題点
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連射の対応が3連射までと低く、FC時代のような撃って撃って撃ちまくって破壊しまくる爽快感という点では少々物足りなく感じられる。
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どちらかといえば「殲滅砲」のチャージショットのタイミングに重きを置いたバランスと言えばそれまでだが、中にはそれよりも連打でノーマルショットを撃った方が効率がいい場合もあるのでもう少し連射が効いた方がより爽快感が高まっただけに惜しい。
 
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実はクリアーしようと思ったらかなり高難易度。
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まずステージ6の「ヨコバリー」はブレーキをかけても場所が読みにくくフルスピード状態なら尚更で、まずぶつかってしまうしダメージも大きい。
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ステージ3で登場する後ろから体当りしてくる敵も、かわすのはほとんど運任せな上に超スピードで飛び去りながら撃ってくるので追撃が難しく数が多いので一方的に撃たれることが多い
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新しいマシンに乗り換えられないと、スコアの伸びが鈍くなりその後のステージでも敵の激しい出現や攻撃で撃墜が難しくなりどんどんジリ貧になっていく。
 
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FC時代からシューティングはステージクリアーだけでなく、いかにハイスコアを取るかというスコアアタックも面白味の1つだったが本作ではそれがない。
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上記の通りスコアを稼ぐことで高性能なマシンを得るという目的があるとはいえスコアらしいスコアではない。
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またハイスコアも記録されないため、大事なゲーム性の1つを切り捨ててしまっている。
 
総評
シンプルな作りではあるが『F-ZERO』同様にFCではできなかった超スピードはSFCならではのもので、そのポテンシャルを見せつけている。
そしてそのスピードで展開される超ハイスピードなシューティングの爽快感はマシンの乗り換えによるパワーアップで進めば進むほどに増し、プレイヤー自身のアドレナリンもグングン高めてくれる。
SFC草創期ということもあって、まだまだ粗削りな部分もあるが、さすがはFC時代に多数名作を送り出してきたハル研究所らしいクオリティといえるだろう。
余談
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ステージ3「MATERIAL FACTORY」のボスはどう見ても、スーパーファミコンのコントローラーの右側「A・B・X・Yボタン」の部分がモデルになっている。
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このボスは先にA・B・X・Yボタンを「殲滅砲」で破壊する必要があり、この時点でそれを装備していない最初のマシン「BM-4」のままでは詰みだがさすがに2ステージクリアまでに3万点に届いていないことはそうそうないだろう。
 
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本作の一部ステージと同名のステージが『星のカービィ2』『3』に存在する。
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名称が共通である以外の関連性は無い。HAL研究所繋がりという事で単なる遊び心だろう。
 
最終更新:2023年12月26日 16:04