マキシマムカーネイジ
【まきしまむかーねいじ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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メガドライブ Super Nintendo Entertainment System
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発売元
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アクレイム (MD) LJN (SNES)
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開発元
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Software Creations
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発売日
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【MD】1995年5月26日 【SNES】1994年9月16日
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定価
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7,800円
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備考
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国内ではMD版のみ発売
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判定
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良作
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ポイント
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非常に高い原作再現度 単体のアクションとしても良質な出来 洋ゲーらしく難易度は激ムズ
メガドライブ屈指のプレミアソフト
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Marvel Comics関連作品シリーズ
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概要
アクレイムからメガドライブ末期の1995年に発売されたアクションゲーム。
国内版のタイトルからはわかりづらいが、原題は『Spider-Man and Venom: Maximum Carnage』であり、マーベルコミックのヒーロー「スパイダーマン」のゲームである。
海外では1994年にGenesis/SNESでリリースされているが、日本ではメガドライブ版のみ発売。
特徴
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基本的なシステムはベルトスクロールアクションゲーム。
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操作キャラはスパイダーマンとベノムの2人から選択できる。アクションは共通。
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近接攻撃、ジャンプ、ウェブシューター、ウェブスイングといったアクションが使用できる。
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方向ボタンとボタンの組み合わせやボタンの押す長さなどで様々な技を繰り出すことが可能。『ファイナルファイト』で言う、メガクラッシュ的なライフを消費して発動する大技も出せる。
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また、ヒーローの顔の形をしたアイテムを拾うことで、ヒーローを召喚して攻撃することも可能。
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ストーリーはスパイダーマン系タイトルのアメコミ雑誌で連載されていたクロスオーバー『Maximum Carnage』が原作となっている。
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合間にアメコミ風のカットシーンでストーリーが表示されていき、タイトルが示す通り、メインヴィランにはカーネイジが抜擢されている。
評価点
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アクション面での原作再現度の高さ
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基本的なシステムは前述の通り、ベルトスクロールアクションであるが、そこにスパイダーマンの特徴である壁登り・ウェブスイング・ウェブシューターを上手く組み入れている。
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壁を登っていくステージがあったり、ウェブシューターで敵を引き寄せたり、ステージ中にウェブスイングができるなど、スパイダーマンの能力をしっかりと再現している。
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ステージによっては、プレイアブルキャラクターとして、スパイダーマンの他にヴェノムを使用可能、使用できるアクションはスパイダーマンとほぼ同じだが、モーションは差別化されている。
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多彩な技を繰り出せるアクションの数々
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特徴に書いた通り、ボタンの押す長さや方向ボタンとの組み合わせで、様々な技を使用できる。
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操作を覚えるのにそれなりに時間はかかるが、ウェブスイングからのスイングキックや両側の敵をウェブで引き寄せぶつけるといったアクションも可能であり、これらを上手く活用できると中々に爽快。
問題点
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難易度が高い、とにかく高い。
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昔の洋ゲーにはありがちなことではあるが、本作もその例外ではない。
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ボス戦においては、基本的に1対2の戦いを強いられることが多く、苦戦は必須。
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本作において肝心のウェブシューターが通用しないボスも少なくない上、適当に殴っているだけでは倒せない。
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ボスの中でも厄介なのが「ドッペルゲンガー」。見た目は6本の腕を生やしたスパイダーマンの偽物なのだが、カラーリングがスパイダーマンと全く同じであるため、戦っている最中にドッペルゲンガーとスパイダーマンを見間違えるというミスを引き起こしてしまう。
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回復アイテム・残機を増やす1UPもあるにはあるが、回復アイテムの数は全体の敵の激しさに比べて少なく、1UPに至っては特定の場所に隠してあるため探さないと見つからないため、適当にやってるとすぐにライフと残機が尽きてゲームオーバーとなってしまう。
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コンティニューも1回しかできないため、ごり押しでの突破はほぼ不可能。
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総じてゲームをクリアするには繰り返しプレイして、プレイヤーのスキルの向上が求められる。
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1995年発売のゲームにしては、グラフィックの質が少々悪い
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参考までに、1995年前後に発売されたMD/SFCソフトには『パルスマン』や『クロノ・トリガー』といったグラフィック面で高評価を得ている作品もあり、それらと比較すると、本作のグラフィックの質は一段落ちるものとなっている。
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一応フォローしておくと「見るに堪えないほど低品質」「メガドライブのものとは思えない」という程、グラフィックの質が酷いわけではない。あくまでも「時代を考えるともう少し頑張れたのでは?」と思う程度。
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日本語ローカライズ一切無し
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ゲーム中にカットシーンでストーリーが展開されていくことは前述した通りだが、台詞が全て英語であるため、英語が読めないとストーリーを理解できない。
総評
一級の原作再現度と純粋なベルトスクロールアクションとしての完成度の高さによって、高評価を得ている作品。
最大の欠点は難易度がかなり高く、日本人のプレイヤーにとってはクリアはおろか、ストーリーを読み進めることすら困難なことである。
難易度以外はとても良質な出来であるため、マーベルファンかつ、高難度なゲームにやりごたえを感じるプレイヤーであれば、プレイを検討してみるといいだろう。
余談
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本作はメガドライブ屈指のプレミアソフトとなっている。
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まず発売日が1995年5月とメガドライブの末期となっている上に、出荷本数自体がかなり少なかったらしく、ネット上では裸ROMでも数万円は軽く超え、日本語説明書付きのものに至っては数十万以上はくだらない価格で取引されている。
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ただし、あくまでもプレミアがついているのは国内MD版のみで、SNES(海外SFC)版、もしくはGenesis(海外MD)版の裸ROMなら、上記のプレミア価格と比べれば、比較的安価で入手できる。
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不幸中の幸いというべきか、問題点で記述した通り、国内MD版でもゲーム自体にはローカライズが全く行われていないため、海外版でもプレイ体験に差は出ない。
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コレクション目的というわけでもなく、単純にプレイしたいだけならSNES版、もしくはGenesis版の裸ROMを購入するのを推奨する。無論、SNESかGenesisのソフトを遊べる環境は必須だが。
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SNES版の発売元はアクレイムではなく、死の虹ことあのLJNである。
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クソゲー界隈では有名なメーカーではあるが本作はその完成度の高さなどからLJNのゲームとしては数少ない高評価されている作品である。
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タイトル表記は、セガ公式のメガドライブのソフトウェア一覧では『マキシマムカーネイジ』のみとなっているため、本項ではこの表記を採用している。
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しかし、国内版パッケージ表面のタイトルロゴでは『
SPIDER-MAN VENOM
MAXIMUM CARNAGE』と小さい文字でスパイダーマン達の名前が表記されており、さらには国内版パッケージ裏面では『MAXIMUM CARNAGE
カーネイジの逆襲
』、国内版マニュアルでは『MAXIMUM CARNAGE
スパイダーマン&ベノム
カーネイジの逆襲
』とそれぞれサブタイトルらしきものが小さく付記された表記となっている。このため日本版のタイトルに関して表記揺れがしばしば見られる作品となっている。
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同時に、パッケージ裏面のあらすじにて「スパイダーマンは、最大の強敵ベノムと手を組んだ」として、タイトルに挙げられたカーネイジがニューヨークで暴れ回るヴィランであり、スパイダーマンとベノムが本作におけるヒーローであることが分かるようになっている。
最終更新:2024年04月21日 00:14