カスタムバトラー ボンバーマン
【かすたむばとらー ぼんばーまん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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開発・発売元
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ハドソン
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発売日
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2008年12月4日
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定価
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4,800円(税別)
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プレイ人数
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1~8人
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レーティング
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CERO:A (全年齢対象)
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判定
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良作
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ボンバーマンシリーズ
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概要
ニンテンドーDS用に発売されたボンバーマンシリーズの一作。
今作はタイトル通りボンバーマンをカスタマイズして戦う。
ストーリーモードのある作品としては、家庭用ゲーム機における最後のハドソン製ボンバーマンである。
そのためハドソン製ボンバーマンの事実上の最終作とも言える。
ストーリー
極めて高度なテクノロジーによって平和と秩序を維持してきた機械都市「グリッドシティ」。
しかし都市をコントロールするマザーコンピュータが、たった1個のコンピュータウィルスに汚染され一変。
都市を守る機械兵士達は増殖したウィルスに侵され暴走。
都市の機能は完全に麻痺して制御不能に。
ウィルスの指令によって都市の各エリアは次々とハッキングされていった。
全住民は命からがら脱出するも、無人となった都市のネットワーク周囲にファイアーウォールの障壁が積み上げられアクセスは完全に遮断されてしまう。
ウィルスに支配された都市を取り戻すため、かつてこの星を救ったと言われる伝説の戦士「ボンバーマン」の名前を冠するウィルスバスタープログラムが最後の希望をかけてグリッドシティのサーバー空間に放たれる。
ゲームシステム
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ステージ内は3つ(例外もあり)のエリアに分けられており、それぞれにミッションが用意されている。ミッションをクリアする事で次のエリアに進め、最後のエリアのミッションをクリアして出口にたどり着けばステージクリアとなる。
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ちなみに本作は敵に当たってもダメージはない。敵の攻撃に当たる事でダメージになる。
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ボス戦のあるステージを除いた全てのステージにユニットが隠されており、入手してクリアする事で装備できるようになる。いくつ隠されているかはステージ選択画面に記されている。
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ステージをクリアすると経験値が入り、ある程度たまるとレベルが上がる。ミッションに失敗した場合もわずかに経験値は入る。
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さらにクリアタイムとクリアスコアが表示され、それぞれにランクが付けられる。最高ランクはS。
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ステージに入る前にボンバーマンのカスタマイズ画面に切り替わり、ここでボンバーマンにユニットを装備させられる。
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装備できる箇所は頭、体、手、足の4ヵ所。それぞれにユニットを装備させる事でボンバーマンが強くなる。
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ちなみに本作のボンバーマンには、おなじみの火力、ボム数、スピードの他に3つのステータスが存在する。
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攻撃力。高い程、敵に与えるダメージが大きくなる。
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防御力。高い程、攻撃を受けた時のダメージが小さくなる。
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ハック。高い程、体力や時間が回復するアイテムを取った時に多く回復する。ポイズンを取った時の悪い効果も早く切れる。
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今作のボンバーマンは近くのブロックにアイテムがあれば光る。ハックが高ければアイテム検索範囲も広くなる。
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ステージ内でアイテムを取ると一時的にステータスが上がる。ステージ終了後に効果が切れて元のステータスに戻る。
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一部のユニットは装備する事で特殊なスキルが発動できるようになる。中には特定の2つのユニットを組み合わせる事で発動できるスキルも。
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特殊なボムを使えるようになるボムスキル。ボンバーマン自身が特殊な行動を取れるようになるアクションスキル。SPゲージが追加され最大まで溜まってからYボタンを押す事で発動するSPスキルの3種が存在する。
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ただし全てのユニットには数字が振られており、装備したユニットの数字の合計値がボンバーマンの「EP」を超えると出撃できない。EPはレベルが上がると増えていく。
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なお気に入ったユニットの組み合わせはセーブ、ロードする事も可能。
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「ヴァーサスモード」という本作のユニットを使用した対戦モードも用意されている。最大4人まで遊べる。
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対戦する際に最大EPを決められる。これで設定した範囲内でカスタマイズする事になる。
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「ヴァーサスモード」とは別にいつもの対戦モードもある。こちらは8人まで対戦できる。
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バトルのルールは以下の5つ。
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ノーマルバトル。いつも通りの最後まで生き残った者が勝ち。
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パネルバトル。炎で床の色を変え、タイムアップ時に最も広範囲に色を変えた者が勝ち。
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スターバトル。スターパネルを最も集めた者の勝ち。
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エスケープバトル。隠されたカギを手に入れて隠された扉に最初に入った者の勝ち。
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クラウンバトル。王冠に最初に触れた者の勝ち。
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なお今作は全てのバトルステージで上下2画面とも使うラージサイズか、下1画面だけ使うスモールサイズかを選べる。
評価点
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とにかくユニットが豊富なカスタマイズ。
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かなりの数が用意されており、その組み合わせも膨大。カスタマイズの自由度はかなり高い。
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一部のスキルを発動するために必要な2つのユニットの組み合わせも、片方を見つければその解説にもう片方のユニットの事も記されているのでわかりやすい。
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全70ステージとなかなかのボリューム。さらにユニットの全回収やランクS狙いといったやり込みもあり。
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なお一度ストーリーをクリアすると達成率を見る事が出来るようになる。
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ボンバーマンシリーズはコミカルな世界観が多い中、本作は全体的にシリアスでいつものボンバーマンとはちょっと違う雰囲気が味わえる。
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シリアスな世界観に合わせてか、今作のボンバーマンは若干頭身が高い。
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全ステージでSランクを達成した時の意外なご褒美。
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隠し要素ネタバレ
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なんとマックスの衣装が使えるようになる。装備すると外見は完全にマックスになるファンサービス。
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賛否両論点
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本作は達成率を100%にする事で隠しエンディングが見られるのだが賛否が分かれそうな内容。
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隠しエンディングネタバレ
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本作の戦いがあらゆる危険を想定したシミュレーションであった事が明かされる。ボンバーマンのおかげでグリッドシティのウィルス対策は万全に。そしてウィルスのない世界にはもうウィルスバスタープログラムは必要ないとボンバーマンは消去される、というもの。
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見ようによっては本作の戦いが全部茶番だったと解釈出来てしまう。後述するが本作の100%クリアはかなり難しく、それらを乗り越えた結末がこれでは…
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問題点
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難易度はかなり高め。
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直近の作品と比較しても本作は明らかに難易度が高め。普通にクリアするだけでも一苦労。
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さらに100%クリアを目指した場合の難易度はシリーズでも屈指。『爆ボンバーマン』のカスタムパーツ全回収の難易度にも匹敵すると言っていい。
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今作のリモコンボムは使いにくい。
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今作のリモコンボムはボタンを押すと爆弾が赤く光る演出が入り、その後に爆発する。
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つまりボタンを押してから爆発するまでにわずかにタイムラグがある。タイミングが重要なリモコンボムでこのタイムラグは痛い。
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隠しエンドは何故か一度しか見られない。
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100%達成時に見られるだけで、以降に再度見る機能は用意されていない。
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「ヴァーサスモード」はCPU対戦は不可。つまり一人では遊べない。
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本作の対戦モードにおけるプレッシャーブロックはラージサイズの場合途中までしか降ってこない。
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そのためタイムアップによる引き分けが起こりやすい。
総評
ボンバーマンの新たな可能性を模索した意欲作。
これまでとは大きく異なるシステムでありながら特に破綻なく、ちゃんとボンバーマンとして成立している。
カスタマイズ要素も高く、非常に幅広いプレイが可能。
難易度が高く初心者にはやや向かないながらもゲームとしての出来は良く、アクションゲーム好きなら触れてみる価値はある。
余談
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欧州版では『Bomberman 2』として発売されている。
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欧州では『ボンバーマンII』の欧州NES版が『DynaBlaster』のタイトルで発売されていたため。
その後の展開
本作以降に発売されたボンバーマンシリーズは以下の通り。全て対戦専用ゲーム。
2009年6月18日
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ボンバーマンウルトラ
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PS3
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2009年10月7日
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いつでもボンバーマン
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DS
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2009年12月8日
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Bomberman LIVE: Battlefest
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Xbox 360
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Battlefestを最後にボンバーマンは家庭用ゲーム機からは姿を消す事になる。
その後ハドソンがコナミに吸収合併され、ハドソン自体がなくなってしまった。
家庭用ゲーム機へボンバーマンが帰ってくるのは2017年3月3日にコナミから発売された『スーパーボンバーマン R』(Switch版)まで待つ事になる。
最終更新:2024年06月23日 13:02