- 分類:短編小説
- 初出:「季刊SUN・SUN」1986年秋号
- 雑誌時挿絵:未確認
- 収録短編集:『一夜の櫛』
あらすじ
蜩が鳴いている――
姑の手首の脈を調べた医師が黙って首を振り、ただそれだけで臨終を告げた時、文代はふとそれに気づいた。夏も終わりかけ、庭の蝉の声もこの二、三日すっかり弱まっていたのに、今は信じられないほどの激しさで鳴いている。
六十三で死んだ姑のカズは、女手ひとつで息子を育てた母でありながら、嫁の文代の陰に隠れるようにして、二十年間嫁姑の諍いひとつもない、文代にとって理想的な姑だった。そんなカズが死の間際、夫の八年前の浮気相手に、桔梗の着物を贈るように言い残して……。
登場人物
解題
(スタブ)
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最終更新:2017年06月14日 19:07