デジタルデビル物語 女神転生Ⅱ

登録日:2012/04/23 Mon 04:36:17
更新日:2025/01/30 Thu 22:44:00
所要時間:約 7 分で読めます






「あくまをころしてへーきなの?」


デジタルデビル物語

女神転生II




『デジタルデビル物語 女神転生II(ツー)』は90年にナムコから発売された、FCRPGソフト。

当時からゲーム専門誌の中でも中核的な地位を獲得していたファミ通曰く、同時期に相次いで発売された
ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち
『ウィザードリィⅢ ダイヤモンドの騎士』
FINAL FANTASY Ⅲ
といった、FC後期にしてボリューム、質、共に異常な熟成と進化を遂げたゲームとして「FC四大RPG」の一角として紹介された。*1

95年にSFCで前作と一纏めの『旧約・女神転生』としてリメイクされ、06年に携帯アプリ版が登場している。
だがFC版を知るユーザーからの評価は芳しくない。





【概要】

87年に発売された『デジタルデビル物語 女神転生』の続編で、近未来の荒廃した世界が舞台となっているのが特徴。

「悪魔合体システム」に初めて「3身合体」が登場し、今作から悪魔絵師・金子一馬によるキャラクターデザインに変更。
3Dダンジョンが苦手なユーザーの為にオートパイロット搭載など、試行錯誤も多く見られる。
同時発音数の増加する特殊音源チップ「N106(波形メモリ音源)」を搭載したことで、FCとしては最高峰の音源を発揮。
前作から引き続き音楽を担当する増子司オーパーツ呼ばわりされるBGMを生み出した*2

この作品で独自に構築されたメガテン世界観はSFC版『真・女神転生』『真・女神転生Ⅱ』へと続いていくことになる。

【物語】


……2036年。
地上には次元の裂け目から現れた悪魔が跋扈し、地上で生き残った人々は明日をも知れぬ日々に正気を失っていた。
20世紀末に発生した最終戦争『大破壊』により壊滅した大都市TOKYO、その地下にある京浜第3シェルターに少年は居た。
平和だが閉鎖的で無機質な地下世界で生まれ育った少年は、本当の空を知らない。

そんな彼と親友が心奪われているのはシェルター生活を支えるコンピューター……その中で遊べる仮想現実を超えたゲーム「デビルバスター」だった。
ある日、遂にミノタウロスを倒し“ダイダロスの塔”を攻略した少年の前に魔王パズスが現れ、モニターの中から語りかけて来たのだった。

パズスは言う、破壊されたTOKYOに復活した古の悪魔達を倒せる勇者をゲームの中で待っていた……と。
そして主人公には「悪魔召喚プログラム」を、親友には魔法の力を与える。

時を同じくして、ネットを通じて京浜第3シェルターにも悪魔が出現。
シェルターが夜魔ネビロスにより支配されてしまい、ゾンビが現れ、生き残るため覚悟を決め銃を手に取る少年達。
仮想現実から現実世界へ……実感の湧かないまま、少年は悪魔を使役するソロモンの指輪を手に未知なる世界へと旅立って行く……。


【特徴】

本作は前作のパスワード制からセーブ制に代わっている。

新たな武器『(ガン)

本作は近未来という事もあって、武器に「銃(ガン)」が加わった。
前作でいう武器は「剣(けん)」の一括りになり、両方装備していれば戦闘中にどちらで攻撃するか選べる。モーニングスターや鞭なども「剣」扱い。
「剣」は主に敵から奪ったり、イベントで手に入れるケースが多く、実体の薄い敵(悪霊、幽鬼など)や格の高い悪魔(邪神・魔王)には特に効果がある。
逆に「ガン」は主に店で買う物で、単純な攻撃力は高く人型(狂人・邪鬼など)に強いが、霊体などには効果が薄いという違いがある。
鬼・人間・有翼・マシン系にはガンが有効だがスライムには無効。剣は獣・霊・魔族系悪魔に効果が大きい。
更に、悪魔の通常攻撃も「きりかかった」と表示されるなら剣判定、そうでなければガン判定になる。
楽をしたい場合は「きりかかった」が使える悪魔を中心にしたいところ。ただし剣反射の敵相手だと攻撃を反射されてしまう。

「銃」も前半は「ワルサーPPK」や「デザートイーグル」といった拳銃、ショットガンやM60マシンガンなど現実に存在する銃が登場。
だがストーリーが進むにつれて「レールガン」「ビームライフル」なんていう、どこにそんなもの作る技術力があるんだ?と言いたくなるものまで登場する。
そもそも人間が持てるのか?
ちなみに手榴弾でザン、ミサイルランチャーでザンマと同じぐらいの威力を発揮するという設定。そりゃ人類も滅ぶわ

他にもとにかく装備品の種類が豊富で、スーツ、ヘルメット、グローブ、ブーツ、ゴーグル、マントと細分化されているのが特徴。
  • スーツ:体防具。主な防御力はここが占める。
  • ヘルメット:頭防具。物によっては知力アップにも有効。
  • グローブ:腕防具。防御だけでなく攻撃力にも影響する。
  • ブーツ:脚防具。防御だけでなく機敏さにも影響する。
  • ゴーグル:顔防具。主に魔法の攻撃から身を守る。男女共用だが店では買えない。
  • マント:外套。これもゴーグル同様、主に魔法対策用で男女共用非売品。
装飾品枠のゴーグルは宝箱でのみ手に入り、マントはカジノのコードブレイカーで好成績を出さないと取れない。


また、魔法の系統も大幅にリニューアル。
火炎魔法アギ、氷結魔法ブフ、電撃魔法ジオ、衝撃魔法ザン、破魔魔法ハンマ、呪殺魔法ムドなどなど…
真・女神転生』シリーズ以降の現在まで使われる魔法体系の基礎が出来上がった。
ファミコン版だとかなりの威力や精度があるので、ここぞというときの切り札として使いたい。


新たなカテゴライズ『性格

前作では悪魔によって種族の括りはあったが、仲魔になるキャラは決まった種族だけだった。
本作では新たにGOOD(善)とNEUTRAL(中立)とEVIL(悪)という性格があり、GOOD悪魔はエンカウントしない仲魔専用で、EVIL悪魔は仲魔にすることができない。
悪魔との会話も、相手が出した条件に「はい」か「いいえ」で答えるしかなかった前作から大幅に変更。
様々なリアクションによる駆け引きが可能となり、より交渉らしさが増し、会話パターンも非常に豊富に。
さらに性格のみならず、男悪魔と女悪魔で会話形式が変わるという凝りよう。
項目冒頭の「あくまをころしてへーきなの?」とNEUTRAL女悪魔に聞かれた際には、多くのプレイヤーがショックを受けた。
ちなみに主人公には隠しパラメーターに「魅力」という数値があり、仲魔にしているのと同種族の悪魔を殺すと下がり、交渉し辛くなってしまう。
このパラメーターは装備品にも設定されていて、悪魔好みの装備品(ハイレグアーマーとか)を身につける事で交渉の成功率が上がる。

これらも『真・女神転生』にてさらにブラッシュアップされていく。

新たな種族『外道』『狂人』『機械』

近未来SFサイバーテイストが融合した事で既存の「悪魔」のイメージに拘らないカテゴライズが生まれた。
本作で新たに生まれた『外道』『狂人』『機械』は、後のシリーズにも様々な形で受け継がれていく。
「外道スライム」が初登場…と言いたいが、本作では「外道:グリーンスライム」で色違いもいる。
「外道」に銃は効きづらく会話で仲魔にはならないが、大半は序盤のザコなので脅威ではない。
「狂人」も会話で仲魔にならないが、こちらはマグネタイトを持っておらず、ジオや精神系魔法に弱いが数で攻めてくる。
「機械」は仲魔にはならずマッカもマグネタイトもアイテムも持ってないし、剣の攻撃に強い耐性まであるので厄介でしかない。

ちなみに、この頃にはEVIL悪魔に「怪獣」もあったが、後のシリーズでは殆どの怪獣が「邪龍」に分類されるようになる。

新たな合体『3身合体』

シリーズでも恒例となっている3体の悪魔を合体させ、複雑な合体方式により強力な悪魔を生み出す「3身合体」が初登場。
スライム系の精霊を作ったり、特定の精霊3体を合体させることで天使と鬼神をつくることもできる。
…ただ、その3身合体が出来る邪教の館はワープを使わないと行けない場所にあるので、事実上ゲーム後半(魔界)からしか利用できない。

新たな指標『オニ・マーク』

これも後にシリーズ恒例となったお馴染みの戦闘画面上部に表示されるマーク。本作が初登場。
マークの状態で悪魔の数がどれくらいいるか、どの悪魔のHPが減っているか、あるいは状態異常にかかっているかが分かるようになった。

新たな派閥『宗教対立』

これも後に『真・女神転生』シリーズで恒例となった要素。
メシア教とディーバ教があり、メシア教はその名の通り救世主の降臨を説いている教会。
対してディーバ教は後のガイア教のような悪魔との共存を望むカルト宗教で、人を操りサバトを開いている。
ただし本作ではまだ序盤での雰囲気づくり程度の要素で、LawやChaosの概念もないため、物語の根幹には関わらない。

新たなCOMPの機能

ゲーム中でCOMPをパワーアップすると使えるようになる新機能。
  • セットしておいたポイントに自動的に戻ることができる「オートパイロット」
  • 戦った相手のステイタスを最新の5体まで分析する「デビルアナライズ
また、仲魔のストック数もイベントで上昇するようになり、今作では最大10体までストックできる。
オートパイロットは3Dダンジョンが苦手なユーザーのために採用された…のだが、バグが非常に多い事で有名。
オートパイロットで移動中、中断すると敵が出現しなくなる、特定条件下でフリーズなどなど…。

「カジノ」の実装

本作から寄り道要素として登場。「スロット」「ビッグアンドスモール」「コードブレーカー(要メタルカード)」の3種類。
装備品の一つ「マント」はここでしか手に入らないが、プレイする度に主人公の魅力が下がってしまう。



※以降はネタバレ含む。


【主要登場人物】

プレイヤーキャラにデフォルト名はないが、名前入力画面で空欄のまま決定すると
  • 主人公=「ワタシ?????(旧約・女神転生では、ヒーロー)」
  • 少女=「ショウジョ!!(しょうじょ)」
  • 親友=「トモダチ...(あいぼう)」
と設定される。
またFC版の説明書などでは、主人公=「ヒデト」、少女=「ロザンナ」、親友=「センダ」となっている*3
また、双葉文庫のゲームブック『デシタル・デビル物語 女神転生II メシアプロジェクト2036』では、主人公=「タクマ」、少女=「アスカ」、親友=「リュウ」となっている。


【人類】

◆少年

本作の主人公。大破壊後に京浜第3シェルターで生まれ、外の世界を知らずに育った。
ある日、親友と共に体感RPG『デビルバスター』をクリアした事により、ゲーム内に封印されていた魔王パズスを解放してしまう。
パズスから授かった「悪魔召喚プログラム」により悪魔と会話し、仲魔にすることができるようになり、救世主として旅立つ事になる。
ヒロインとの出会いや親友との別れを経て、やがてはその行動は神々の運命をも決める事になる。デビルバスターのレベルを引き継いでスタートする。
ゲーム中では喋らず魔法は使えないが、彼が行動不能だとCOMPも使えない。ぼくヒデ。

◆親友

主人公と同じ環境に育って来た少年で、共に破壊されたTOKYOに旅立つ事になる。
序盤の魔法役。シェルター内にヒロコというガールフレンドがいる。センダ(みつお)。こっちはレベル1スタート。
魔王パズスに心酔しており、逆に魔女が自分たちを騙そうとしていると主人公を諭してくる。
上昇志向と自己顕示欲が強いらしく、それをパズスに付け込まれ救世主になる事が望みだったが……。

◆少女

東京タワーに住んでいる謎の少女で「魔女」と呼ばれる。本作のヒロイン。
強力な魔力を持ち、人々を治療する「東京タワーの魔女」として知られていた。
付近の子供達からは「優しいお姉ちゃん」と慕われている。「炎の割符」を届けてくれたのも彼女。
元々はなんらかでパズスの配下に居たらしいが、彼の企みに気付いて離反した。
パズスの計画にとって邪魔な存在だった為、主人公に始末を依頼される……。
パツキンだからかロザンナ。でもFC版では赤毛。品川ではオルトロスをけしかけた犯人扱い*6


【サブキャラ】

◆ヒロコ
親友のガールフレンド。主人公と共に旅立つ親友をシェルターで待ち続ける。途中で人質にされたりもした。

◆鈴木社長
銀座で出会う謎の会社経営者。
人間が悪魔に追いやられた世界で、何を商売しているのは不明。モチーフは実在の人物、鈴木銀一郎。
銀座には飛鳥の大魔宮で倒された魔王ルシファーが氷漬けになっている等、謎が多い。
会社の地下に喋る生首がいる。

◆Dr.バクタ
マッドサイエンティストで人造悪魔「ミュータント」の生みの親。元ネタはベラボーマン。
アナラミンを渡せば石化回復アイテム「ペトラノン」を精製してくれる。
ちなみに通常は戦闘にならないが、「あくまのかんづめ」を使ったランダム召喚で戦う事もできる。

◆和尚
銀座の本願寺の和尚さん。救世主として銀座の怪獣バジリスクを倒せといい、クリアすると「あみだりき」をくれる。

◆マサカド
人類というか怨霊。爆心地にある魔界と現実世界とを繋ぐ境目である「王城」にいる。
魔界に送ってくれる他、条件を満たせば最強の兜である「マサカドの兜」をくれる。

【仲魔になる悪魔】

◆魔獣オルトロス

魔女により品川プリンセスホテルの一室に閉じ込められていたわんわんお。
バズスの部下で前半のイベントで仲魔になるが、すぐにいなくなる。
タワーの結界を破る役。後に親友にけしかけられ負けて逃げ去った後は行方知れず。
ケルベロスとは違い、本作以降ではイベントでの出番が少ない2番手
もっとも原典のギリシャ神話でも割とそんな感じではあるが。
ちなみに月齢が満月だと会話できずに強制戦闘になる。

◆魔獣ケルベロス

本作でもイベントで仲魔になる。『デビルバスター2』の中におり、話しかけると仲魔になる。
彼もお助けキャラ枠で、ある人の命で半世紀近くも主人公が訪れるのを待っていたとのこと。
本作では必ずしも仲魔にする必要はなく、オルトロスと違い特に出番はない。
また、通常悪魔としては出てこないのでイベントで仲魔にするしかない*7
原典ではオルトロスの兄だが特に関りはない。

【協力してくれる悪魔】

◆モーラ
大亀の姿をした魔界の巨獣。割符を持ってれば乗せてくれて、水辺を渡らせてくれる。

◆ザラタン
モーラよりも更に巨大な、島ほどある亀の怪物。腹の中は一面ダメージゾーン。

◆カロン
冥府の川の渡し守でゲームオーバー時に現れ、金と引き換えに復活させてくれる。

魔王

各所に登場するボス達の中でも別格の力を持ち、本作では物語の重要な役目を果たす。
いずれも特別な存在でランダムエンカウントはしない。

◆魔王パズス

『デビルバスター』の中に封印されていた謎の存在。メシア教の教祖を務める魔王。
ゲームをクリアした主人公と親友に、「救世主として世界を救ってくれ」と頼む。
そして主人公には「悪魔召喚プログラム」を、友人には魔法の力を与えた。
…もっとも全ては自分がTOKYOの支配者になる為にやっているだけで、シェルターが襲われたのもこいつのせい。
主人公達を『救世主』というエサで釣って利用しようとしている。(ヒロインにはバレている)

◆魔王バエル

現TOKYOの支配者であり、パズスを封印していた知恵の大魔王*8
人類の救世主として倒すようパズスに依頼される事になる。マンモン、レオナルド、バラム、ネビロスはこいつの部下。
巨大な双頭の鬼の骨らしきものの背中に、顔から触手を生やした異形の亜人が乗っている姿をしている*9
悪魔との共存を説くディーバ教を傘下にし、当時ゴミの埋め立て地だった夢の島に城を持つ。
パズスにかどわかされ道を違えたダークヒーローとの別れ。
倒すと一匹のカエルになるが、殺さず持って行くのがトゥルーエンドへの道となる。

◆魔王アスモダイ

嘆きの谷の支配者。
色欲を司るという権能で羊・禿頭の男・山羊の頭を持つ三つ首の姿。
イザナギとイザナミを誘拐したが、ベリアルにイザナミを搔っ攫われた。
どうでもいいがイザナギ達を攫った理由も、池袋に残したメッセージが誰宛のものだったのかも謎である。

◆魔王ベリアル

狂いの原の支配者でイザナミをアスモダイの下から又誘拐し殺した張本人。サタンの原型となる悪魔とあってか古き竜の姿。
死後もイザナミは魂だけの存在にされてベリアルに囚われている。
…こいつもこいつで、なんでわざわざさらって殺したのかよくわからない。
なお城は地獄の炎に囲まれていて入れない。

◆魔王モロク

怒りの地の支配者で子供の生贄を求める邪悪な神。魔王です
魔界の妖精の村の子供を生贄として奪っていた。神をも甦らせる反魂香を神殿に隠し持つ。
下半身が蛇、頭が牛、四本の腕を持つ緑色の怪獣のような姿をしている。

◆魔王ミトラ

ミトラの塔の支配者。別に倒す必要はない。
ただ倒すと主人公が装備できる最強の防具「ルシファーアーマー」が手に入る。装備するには一定以上の強さが必要。
真っ赤に燃えるような蛇の下半身に翼、ライオンの鬣のような頭の人型の上半身という姿。
これはミトラス教の神像とされる獅子頭の像がモチーフ*10
主人公を「アダムと同じく女の言葉に乗った裏切り者」と呼ぶ。

◆魔王アスタロート

眠りの谷の支配者。空飛ぶ蛇に跨った、有翼の長髪マッチョ。
城への途中で主人公達を眠りの罠に陥れ、ヒロインを誘拐する。ほーっほっほっ!
ドリームキッス×8の登場する難所として有名。ヒロインがパーティーにいないのも苦戦する理由。
オカマ口調なのは起源を同じくする女神イシュタルが悪魔扱いされた姿だから。

◆魔王ベルゼブブ

恐れの山の支配者。ハエの化け物。とてもキモイ。
彼の潜む「はえ穴」はダークゾーンだらけの難所で、更に戦闘ではエナジードレインまで使用して来る。
カエルを持って行くと……。
「おお、我が分身よ!」

◆大魔王ルシファー

魔界の支配者。ルシファー陛下。もとい閣下。
前作でナカジマに倒された大魔王であり、創造主の意に逆らって悪魔となった天使長。
どっかの会社で氷漬けになってたと思ったが、そんなことはなかったぜ*11
回転床、クリンクエリア、落とし穴と嫌がらせの山の先にいる。
前作の魔王然とした姿ではなく、本作では大角に六翼の大天使となっている。
「大いなる慈悲を持ってあの世へ送ってやろう」
当然ながら最強クラスの戦闘力を誇り、魔法も物理も強力な上に搦め手のテンタラフーも使ってくる。
主人公の選択によっては味方となる。でも「ルシファーの剣」は呪い装備

◆魔王サタン

鈴木カンパニーの支配者?
唯一神に協力し、ルシファー打倒の策略に手を貸した魔王。元はルシファーの家来。
ルシファーが消えた後の魔界の支配者を気取るが、役割的には完全な傀儡。
戦闘前の会話も含め、いちいち小物臭い。見た目はドラゴン+蛇+骨?
更にラスボス用BGMである『OMEGA』も不完全版というオマケつきで、優遇されているようで寧ろ不遇な印象が。
「そして、救世主伝説はここで幕を閉じるのだッ!」

こんなんでも一応設定レベルはルシファーより高い。魔法攻撃はほぼ無効化か反射される。
ステータスも当然ルシファーを上回るのだが、攻撃方法と攻撃相性の関係でタルンダで攻撃力を下げてしまえば封殺可能。


神々

神と言ってもピンからキリまで。邪神は多くがランダムエンカウントする。魔神は仲魔にできる。
一般的なイメージでは魔王<邪神の力関係だが、本作ではほとんど魔王の手下程度。

◆創造神イザナギイザナミ

ご存じ女神転生の名前の由来になっている日本の創造神夫婦。東京にいたところを魔王アスモダイに攫われる。
本作でも前作同様、囚われてる役柄…なのだが、本作では何の縁もゆかりもないので、なんで助けなければならないのかは不明*12
特に説明もなく行く先々で主人公が救助する前提で勝手に話を進め痕跡を残して、最終的になんか唐突に死んでる。
『旧約』でのみ反魂香で生き返らせると絹の糸で作ったダメージゾーンを無効化してくれる「イザナミの衣」をくれる*13
その後どこかに去ってしまうが、後にアドンの塔でルシファー神殿へワープさせてくれる。
更にルシファー神殿の奥でこれまで集めた玉を捧げ、ルシファー城へ行くのに必須の「希望の玉」に変えてくれる。
…よって助けないとクリアできないわけだが、何の説明もないので無理矢理重要キャラとしてぶっこんだ感が否めない。

◆鬼神スサノオ

「お願い、私を連れて行って!(⸝⸝o̴̶̷᷄ ·̭ o̴̶̷̥᷅⸝⸝)♡」
『旧約』でのみイベントで登場…なんかノリノリでギャルに女装している。
ヒロインがさらわれて不在の状態で迷いの森北にある洞窟の奥に行くと登場し、仲間にしてくれと懇願される。
YESと答えると「私ただの女じゃないのよ…女じゃなくて悪かったな」と正体を現し仲魔になる。
ヤマトタケルなら分からんでもないが……ちなみに東京からストーカーしていた変態神。

【邪神】

会話で仲魔にはならない。

◆邪神バラム

渋谷のディーバ教のボス。神聖なるミサと称し、催眠術で信者を増やしていた。
演説で小銭稼ぎしてた小物だが、主人公の知恵が7以上でないと催眠術に抗えず戦えない。

◆邪神サルガタナス

如何にもザ・悪魔な見た目の夜魔レオナルドがサバトマで呼び出す最弱の邪神。
挙句、新宿でも通常エンカウントする。多分邪神で一番影が薄い。

◆邪神マンモン

新宿の北にあるバエル城に繋がる「マンモンの門」の前にいるセコム。ナーガを魔界に封印した。
魔王パズスの首を持ってこいと命じ、了承すると新宿の結界を解く「バエルの爪」をくれる。
この時点で命令を断っても何もしてこないが、首を持ってると渡しても拒否しても戦闘になる。

◆邪神アリオク

地上の難所・バエル城の上層部で通常エンカウントするという神とは思えぬザコモブ邪神。赤い色のマンモン。
しかしテンタラフーやBIND系攻撃を使いこなすので強敵。

◆邪神エキドナ

怒りの洞窟の奥で「ださいの玉」を守っている蛇神。こいつも影が薄い。だ埼玉ではない。

◆邪神ベルフェゴール

魔界にあるベルフェゴールの塔にいる邪神。強者との戦いに飢えている。ちょっとした魔王並の強さ。
倒すと強力な剣「ヴァジュラ」をくれるが、実は攻略に必須な場所ではない。
ちなみに鈴木カンパニーでガードマンのバイトもしてる。

◆邪神ロキセトクロノス

ルシファー城で通常エンカウントする邪神三点セット。仮にもDDSでの主要悪魔や前作のボスがモブ扱い。
しかも邪神ロキはバエル城、邪神セトも魔界前半のベリアル城にも出る。
遭遇時点では経験値が美味しく、おまけに大して強くないのでパワープレイでのレベル上げ要員にされる
ただ邪神クロノスだけはそんなこともなく、長丁場で呪いをかけてくるので急いで倒さないといけない。

◆邪神ゲーリュオン

バラムの色違いで鈴木カンパニーでだけ会えるエンカウント敵最強の邪神。
ただし睨みと火炎しか持ってないという残念すぎる技構成ゆえ、強力鬼女のほうがよっぽど脅威である。

◆邪神アシュラ

鬼神阿修羅王。鈴木カンパニーで通せんぼしている最強の邪神でLvは100。
今でこそ血に飢えた邪神だが本来は善なる神。
元々はルシファーの側近の一人だったが、記憶を失ってただの廊下を自分の武闘場と思い込んでいる。
「ここは私の神聖武闘場、通りたくば我が刃をくぐってゆくのだな!」

【魔神】

イベントで仲魔にするか合体でのみ作る事ができる。

◆魔神バアル

かつて唯一神に打ち倒された古き神の一柱。
「サモトラケのニケ」のように腕がなく翼を持ち、下半身が蛇体の女性。
今は引き裂かれた半身を探しているとかいないとか。Lvは58。
能力は全て回復特化で非常に充実しており、攻撃相性の耐性も優れている。
「私はバアル。そなたの恩に報い、共に戦おう」

◆魔神ルシファー

仲魔になった事で魔王からジョブチェンジしたルシファー。本作最強の魔神であり堂々のLv100。
他の魔神は下記のアフラマズダLv61、シヴァLv61、バアルLv58、ヴィシュヌLv55、オーディンLv51、ブラフマンLv39。
魔王の時より小ぶりになった。ちなみにLvも20も下がり弱体化しているのは秘密だ*14
攻撃がガン相性だが最高峰のパラメータのおかげで、気にならないくらいの戦力になる。
「今こそ、古の神々と人間の黄金時代を築く時だ。私と共に、神を倒してくれるか?人の子よ」

◆魔神アフラマズダ

正気に戻ったアシュラ王の真の姿。
ルシファーが仲魔にいれば彼の呼びかけにより、光明神アフラ・マズダの姿を取り戻し仲魔になる。
ただし持ちうる攻撃魔法はこの先相手する面々には全く効かないという残念仕様。Lvは61。
やっぱり邪神の時より弱体化する。攻撃が剣相性なので殴りあいができるのは救い。
「おお、光の君ルシファーよ!私は何もかも思い出した!」

なお、バアル、アフラマズダ、ルシファーは通常の合体では作り出せず、唯一神と敵対する正規ルートでのみ仲魔になる。
逆に言えば魔王敵対ルートはこれらの最強悪魔が軒並み仲魔にできない状態で強敵達と戦うという事になる*15
それを受けてか旧約・女神転生の『Ⅱ』ではその存在を埋める悪魔として、ギリシャ神話からレト、アルテミスアポロンゼウスが登場した。

条件は『Ⅰ』から引き継ぎプレイをしつつ、バエルを倒した後でカエルを潰すこと。

カエルを潰す選択をした後、隠しエリアの固定敵が出現するポイントという『真・女神転生』の魔人と似た条件にて
  • バアルと同ステータスの魔神レト(新宿地下街)
  • ヴィシュヌ*16と同ステータスの魔神アルテミス(バエル城地下)
  • アフラマズダと同ステータスの魔神アポロン(迷いの森)

…がちょっと低確率で出現。
彼等は遭遇するだけで戦闘にもならずに無条件で仲魔になるのだが、通常の合体には使えない。
しかし、この三体を揃えることで邪教の館でイベントが発生。合体マスターという謎の男が現れ、三体を合体させてくれと言い出す。
そうして、最強の仲魔であるルシファーと同ステータスの神霊チックな見た目の魔神ゼウスを三身合体で作り出すことが可能になる。
これによって、オリジナル版では戦力的な意味でも圧倒的にアドバンテージがあった敵対ルートを選ばないメリットも出来た。
…と言えるのだが、正規ルートではルシファー以外にバアルもアフラマズダも呼び出せたのに、此方ではゼウスを作るとレト親子は消滅してしまう。
ということで矢張り戦力的には若干だが劣る形となっている。まあ後は閣下と社長をボコるだけだしねぇ。
また、知名度とか人気を考えると仕方ないがゼウスの正妻ヘラに祟られそうな選出である。




◇???














携帯アプリ版の変更点】

  • いつでもどこでもセーブ可能。チェックマンはMP消費0のトランパマンと化した。
  • 妖刀ニヒル、デスブレイドはいつでもどこでも着脱可能。歩行時にHPが減少する点はそのまま。
  • オートパイロットからマップ表示に。マッパラーいらね。
  • 悪魔の攻撃パターンは通常攻撃と魔法のみ(特殊攻撃は犠牲になったのだ)。テトラジャもパララディもペトラディもいらね。
  • BGM激減。容量足りね。





【余談】


※メシア教とディーヴァ教(ガイア教)等、後のシリーズにも通じる要素が登場しているが、本作では物語に余り関係していない。

※時代が時代の為か、主人公のグラフィックが世紀末救世主風だったり、2Dビジュアルが「ヒャッハー」風である。

※セーブとワープを行ってくれるのはトーテムポール風のチェックマンだが『旧約』では『真・女神転生』 に倣ってか「ターミナル」に変えられており落胆の声が挙がった。

※インド人のナンディさんも今作が初登場。

※本作初登場のギリメカラは邪鬼ではなく「幽鬼」に分類されているが、物理反射(まだ剣のみ)の特性を既に備えており、メガテンにおけるイメージを早くも確立している。
しかし、「ギリメカ」と間違って表記されている。

※『真・女神転生』シリーズとの関連は不明だが、近年の系列シリーズでは唯一神対閣下の多次元解釈がされているので、関連が生まれるかもしれないと見られている。

※体感ゲームのデビルバスターはⅠのダイダロスの塔がモデルになっている。
 ゲーム内で「あるお方」の命令で仲魔になってくれるケルベロスやクリア後のスタッフロールを考慮すると製作者は…

※SFC版『旧約』では女装していたスサノオを仲魔にできるイベントがあるが、FC版にはない。

※中盤のダンジョンであるゲーム「デビルバスター2」にはナムコ由来の名前のキャラが登場するが、『旧約』では真2の主要キャラの名前に変更されている。

都市伝説として有名な「すぐにけせ」は本作FC版にルーツがある。
 放置すると「すぐにけせ」と表示される仕様があったという話。
 ただ、完成前に削除されてしまった上に画面いっぱいに出るわけではなかった*17そうで、盛大に尾ひれがついた話なのは間違いない。
 伝わる話は真1だったり真2だったりとブレブレだし。




キョウジン ウィキごもりが8たいでた!


どうしますか?
→ついき
※しゅうせい




アニヲタはあくまのくちの中のボタンをおそうとした…………あくまのくちがとじてアニヲタはうでをくいちぎられてしまった!

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  • サイバーパンク
  • 世紀末
  • 女装スサノオ
  • 1990年
最終更新:2025年01月30日 22:44

*1 ゲームとしての面白さや開発された意義、思い出補正……といったものを抜きにして純粋にゲームソフト、作品としての“大きさ”や込められた“技術力”を評価したもの。勿論、現在の視点から見れば其れ等を加味しても十分に選ばれるに足ると推せるだけのビッグタイトルであるが。

*2 ※前述のリメイク版の評価が低い理由の一つとして、FC版のBGMの再現が出来なかったことが挙げられている

*3 ヒデト、ロザンナは出門英とロザンナ・ザンボンとのユニット「ヒデとロザンナ」のパロディ。センダは「せんだみつお」が元ネタ。

*4 金額は固定。足りなかったら腕無しの主人公を連れたまま稼ぐしかないという地獄。

*5 紫色の骨か触手が絡み合ったハイレグ以上のセクハラの塊のような鎧に、FC版では肌の色も水色になっていた。ちなみに設定画では普通の肌色で日本刀のようなサーベル状の剣を持っており、リメイク版ではこちらに準拠している。

*6 実際はオルトロスを品川プリンセスホテルに閉じ込めたのだが、タイミング的にそこでパズスを裏切った模様。オルトロスからは裏切り者と言われ相当な恨みを買っている。

*7 FC版では悪魔合体で作り出す事も可能。

*8 新参者のパズスが調子こいてたので、魔王として認めないとして封印したとのこと

*9 創造主に貶められ、醜悪な悪魔に変えられている。

*10 ただしこの像が本当にミトラを指すかは疑問が残る所であり、アイオーン、アリマニウス(ゾロアスター教のアンラ・マンユ)という説もあったりする。

*11 前作で何者かの陰謀により中島と弓子により倒されていたが、パズスを喪って自暴自棄になった親友が手を出し復活してしまった。

*12 一応、前作に続いて…というか“デジタルデビル物語”を冠さなくなった『真・女神転生』以降でもヒーローとヒロインがいる場合のメガテンの男女ペアは初代の中島と弓子と同じくイザナギとイザナミの転生…という裏設定があったりする。なので、実は本作でも前作と同様のシチュエーション=転生体に助けを求めている構図、なのだが……とにかく裏設定なので全くプレイヤーには伝わらず、シリーズを重ねるとその辺の裏設定が生きているのかいないのかすら解らなくなっていくのであった。

*13 女神転生Iで「絹の糸」を入手し、イザナミに「絹の糸」を預けてIをクリア後、女神転生IIを始めてイザナミを復活させると「イザナミの衣」が入手できる。

*14 ついでにサタンにも「また随分と小さく見えて見過ごしてしまいました!お許しを!」とメチャクチャ煽られる。

*15 ただし唯一神とは戦わないで済むので、戦力的には十分戦える。最大の難所はルシファーか。

*16 ヴィシュヌのみは通常合体でも作り出せる。

*17 削除は確実だが、この点は鈴木大司教の記憶も曖昧とのこと