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太鼓の達人DS ドロロン!ヨーカイ大決戦!! - (2025/04/07 (月) 17:45:50) のソース

*太鼓の達人DS ドロロン!ヨーカイ大決戦!! 
【たいこのたつじんでぃーえす どろろん よーかいだいけっせん】
|ジャンル|和太鼓リズムゲーム|#amazon(B003NCWWB2)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|メディア|512MbitDSカード|~|
|発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~|
|発売日|2010年7月1日|~|
|定価|5,040円|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|セーブデータ|2個|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|RPGとしてはストーリーに問題あり&br()音ゲーとしての出来は良好&br()本作限定曲の多さが特徴|~|
|>|>|CENTER:''[[太鼓の達人シリーズリンク>太鼓の達人シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
親子連れから中高生まで大人気の音ゲー『太鼓の達人』。本作はニンテンドーDSシリーズでは3作目に当たる。~
ストーリーモードがRPG形式になったことが前作『[[7つの島の大冒険>めっちゃ! 太鼓の達人DS 7つの島の大冒険]]』との大きな違いである。~
//ちなみに同時期に稼働していたアーケード版は『太鼓の達人13』である。

**モード内容
-モードは通常の演奏モードの他、本作のストーリーモードである「ヨーカイ大決戦」が登場。
--その他のモードはDS版ではおなじみの「毎日うでだめし」「どんちゃんのへや」「通信プレイ」が登場。

** ストーリーモード「ヨーカイ大決戦」
RPGのように、フィールドを移動して戦闘を行いつつストーリーを勧めていくモード。楽曲解禁にも絡んでいる。

&bold(){ストーリー}~
>>ある夜、どんちゃんたちは不気味な声を耳にする。押し入れを開けると、そこで狸の女の子ポンコが泣いていた。~
するとその鳴き声に引き寄せられるように2人は押し入れに吸い込まれてしまい、江戸時代に飛ばされていた。~
そこで再びポンコと出会い、父親を探しているというポンコを手助けするためにどんちゃんが同行することになった。~
しかし、ポンコはなぜかさまざまな妖怪に狙われている。~
どんちゃんはポンコを守りながら彼女の父親捜しを手伝いながら元の世界に帰る術を求めて旅に出ることになる。

&bold(){システム}~
-基本的にはRPG同様にマップを移動する。フィールドマップと街マップがあり、フィールド上の街オブジェクトに触れることで街に入ることができる。
--フィールドは日本列島を模しており、概ね現実に沿った形になっている。草地と林があり、林では妖怪にエンカウントしやすい。
---妖怪とエンカウントすると、HPに相当する「いのち」を削り合う戦いになる。~
戦闘は演奏ゲームで行われ、良い演奏を行うことで相手にダメージが与えられるが、不可を出したり打ち損ねたりするとこちらがダメージを受ける。
---先にいのちが無くなった側が負けとなり、曲が終わった時点でお互い残っていた場合引き分けとなる。
---ダメージ量はどんちゃんのレベルの他、着せ替え(ぼうしとふく)や太鼓の音色で変動する。
--街ではRPGらしく、着せ替え等の買い物の他、お題を出してくる人が居りクリアすれば報酬が貰える。
---ボス戦も街で行われる。ボス戦では相手がレーンを隠したりテンポを崩したりといった妨害をしてくるので、うまく切り抜ける必要がある。
--敵を倒すと経験値がもらえる。一定数を得るとレベルアップし、いのちや攻撃力がアップする。

**評価点
-個性的な収録曲
--AC版『14』の稼働直前の発売だった関係で、先行収録的な形での初収録曲がかなり多い。
---本作初出の楽曲はなんと''28曲''。本作の楽曲数は51曲なので半数以上が初出の曲で占められていることになる。
---ACからの初移植を含めれば更に増える上、過去の家庭用からの再録曲のうち版権曲は音源変更の都合上ほぼ例外なく譜面変更が行われている。~
再録曲の比率が高かった前作と比べ、楽曲面でのインパクトが非常に強いと言えるだろう。
--また、本作は初出楽曲が多すぎたためかACへの移植が滞り、''本作限定となっている曲が多い''。
---これはオリジナル曲だけでなく、''J-POPやアニメといった版権曲ですら該当する曲がいくつか存在する''。
--傾向としてJ-POPが少なめだが、一方でバラエティの曲が多め。
---保険会社のCMソング「まねきねこダックの歌」、マイケル・ジャクソンの名曲「スリラー」、マクドナルドとのコラボソング「パパマママック」など「バラエティ」の名に恥じない混沌ぶり。本作の大きな特徴となっている。
---「パパマママック」と「お菓子刑事の歌」は踊り子も専用仕様である。J-POPカテゴリだが「メルト」も同様。
//--今作のナムコオリジナルの収録曲はアーケードに収録されていない曲がいくらかあり、このソフトでしか楽しめない曲もある。
--本作の新規楽曲の一つ「天妖ノ舞」は歌唱が今井麻美((アイドルマスターの如月千早、Steins;Gateの牧瀬紅莉栖を演じたことで有名。))であることから人気が非常に高い。

-演奏モードはいつも通りの太鼓の達人であり、安心して遊べる。
--基本的には前作とほぼ同じだが、スコア基準がACと同じに戻っている。また踊り子も5人まで登場するようになった。
--フルコンボ時にも演出が出るようになった。

-各種モードにおける細かい改善点。
---「毎日うでだめし」は前作までと異なり難易度を跨ぐ際にはレベルも大きく飛ばすようになった。例えば「むずかしい★8」が登場する段位をクリアした場合、おに★1~4((本作はおに★1~2が欠番なので実質的に飛ばされるのは★3~4))を飛ばしていきなりおに★5の譜面が出てくる。~
むずかしいの高レベル譜面はおにの低レベル譜面より難易度が高いのが常であったため妥当な調整といえる。
---「どんちゃんのへや」ではメールを読むことができるが、演奏ゲームプレイ中にメールが届いた場合は読み終わったあとに部屋に戻らず直に選曲画面に戻るようになった。細かいところだが非常に嬉しいテンポ改善点である。
---「どんちゃんのへや」で音色変更を行った場合は下画面に表示される楽器のグラフィックが表示される(選曲画面から変更した場合は今まで通り表示されない)。~
余談だが今作の音色には「コンガ」「大地のコンガ」がある。かつて同開発チームがゲームキューブ向けに制作した『ドンキーコンガ』を彷彿とさせる。

-前作のボスキャラを登場させるなど、ドンだーには嬉しいファンサービスがある。
--また、ストーリーを進めると本作のボス妖怪達からも手紙が届き、その後の状況等を教えてくれる。
--遊び好きの殿様を懲らしめる為また殿様に化けようかと考えるきゅうびギツネ、手紙の文字まで走り書きの輪入道、ストーリーでは唸り声しか上げないが、本人曰く「理知的」なので非常に丁寧な文章のダイダラボッチ等、見ていて中々楽しいものがある。

-メインヒロインのポン子は太鼓の達人らしいポップでかわいらしいデザインとなっており、それなりにプレイヤーから受け入れられている。

-RPGモードのゲームバランスについては安定している。
--曲終了時に敵を倒せず引き分けに終わっても経験値が少し貰えたり、ボス妖怪との戦いで引き分けが続くと最初からボスの体力が減った状態で始まる等の配慮がきちんとなされている。
--また、装備も演奏チャレンジで手に入る物が(見た目やそれを使う勇気は別として)中々優秀な物が多く、前述の仕様と合わせれば全くお金を使用せずクリアする事も不可能ではない。

**賛否両論点
-一部の曲は何故か譜面に更にHSが掛かっており、異様に音符間隔が広くなっている。
--顕著なのが「はたラク2000」。スクロール速度変化が非常に激しい曲なのだが、標準であるBPM160地帯だけに不自然にHSが掛かっており、本来は見かけ上同速であるはずのBPM320+HS0.5地帯に突入する際に明らかにスクロールが減速しているのが視認できる。
--初心者はあまり気にならないだろうが、シリーズ経験者は気になってしまう。
//全ての曲の音符間隔が広いわけではないようです。

//-収録曲の数も''1曲''しかボリュームアップしていない。
//--RPGモードが売りなのはいいにしても肝心要の楽曲のボリューム不足は頂けない。
//ボリュームに関しては全曲入れ替えかつ今作の新曲の多さで十分相殺可能と思われます。ちなみにROM容量は前作と同じです。

-ボタン操作だと大音符でより高得点を出せる、いわゆる「特良」の判定が厳しい。
--音符の無い場所では左右のボタンを押すタイミングの誤差がほぼ許されないくらい厳しいのが分かる。実際に大音符のある場所では多少は緩くなっているのが救い。
--ただ大音符の入力判定に関しては緩すぎても大音符が多い曲について極端にミスを誘発しやすくなると言う問題がある((『ぽ~たぶる2』『七代目』収録の「大打音」が非常に有名。))。今作でも「百鬼夜行」など大音符の出現頻度が極端に高い譜面があるため、特良を捨てて叩く場合には却って叩きやすくなっている。
--なお、タッチ操作では「太鼓の面の真ん中、縁の近くをタッチ」と他の作品と同様の判定となっており、特別厳しいという訳ではない。
---またボタン操作に関しても過去のDS版シリーズと同程度ではある。あくまでPS2/PSP/Wiiの家庭用に慣れた人にとっては厳しく感じるという印象である。
//DS版3作全て猶予時間は同程度のようです。本来は本作固有の問題点として記述するのは適当ではないでしょう。

**問題点
-対戦前のセリフにヒントはあるとはいえ裏ボス(の譜面)がかなりの初見殺し。初プレイでは多数のドンだーが崩れ散っていった。
--裏ボス自体、あくまでオマケという位置づけであるのを踏まえれば、理不尽とは言い切れないが。
--ちなみに、裏ボス戦のBGMは『未来忍者』のBGMである。

-新曲が主に3連符主体の曲が多く、譜面がワンパターン。
//3連符を12分音符というのは俗称的なものであり、12分音符という呼称は楽典上存在しない。
--例を上げると、最終ボスの曲である「地獄の大王」と、その前のボスの曲である「大多羅捌伍伍壱」。鬼コースの難易度は、前者は★×10、後者は★×9と難易度が★一つ分離れているが、譜面構成が似ており体感難易度は変わらないと言われる始末。
--この他にも「メタルホーク BGM1」や「クープランの墓」などの新曲も3連符符主体である。

-難易度表記が当てにならない曲がある。
--本作で目立つのが''おに★10の幅の広さである''。当時のACのインフレの影響をモロに受けている。

#region(当時のおに★10事情。やや長いので折りたたみ)
--当時のAC版『12~13』では通称「''四天王''」((従来作から長く最難関に位置づけられていた「きたさいたま2000」、AC版『12』の「Rotter Tarmination」裏譜面、『12増量版』の「燎原ノ舞」、そして『13』で初登場し本作にも収録された「はたラク2000」が該当する。))と呼ばれる飛び抜けた難易度の曲が出揃うなどインフレが激烈に進んでおり、頂点難易度であるはずの★10の中でも上位曲と下位曲の難易度差が大きくなりつつあった時代なのである。
---本作の★10は4曲存在するが、その中でもAC四天王の一角である「はたラク2000」と下位曲に当たる「地獄の大王」の間には実際のところ''★2個分くらいの難易度差がある''と言って良いレベル。中間にあたる「mint tears」や「メタルホーク BGM1」と比べても★1個近くは違うだろう。

--実際のところ、当時のおにモードの難易度基準はもはや限界に達していた。本作のあと、『14』を経て新筐体版『[[太鼓の達人>太鼓の達人 (新筐体)]]』で大々的に難易度基準の改定が行われた。これに伴い、全体的に難易度の数値が減らされ、★10の基準難易度が大幅に引き上げられた。~
本作の楽曲でも4年後の『[[太鼓の達人 特盛り!]]』に「地獄の大王」が移植された際に★9に陥落し、「mint tears」も新筐体でなんとか★10に残留したものの現在は入門曲扱いとなっている。
#endregion

--他の明らかな詐称曲としてよく挙げられるのは「BAROQUE HOEDOWN(エレクトリカルパレードのテーマ)」。本作では★7なのだが、''直前のAC版『13』と直後の『14』では★8なのである。''
--また、本作の譜面の特徴として''大音符が妙に多い''。
---「じょいふる」、「百鬼夜行(普通譜面)」、「RHYTHM AND POLICE」あたりが代表的で、片手で押せるタッチ操作と両手押しを求められるボタン操作でかなり体感難易度が変わってくる。~
これでも本作は大音符の入力猶予が短いため特判定さえ捨てればまだ対処はしやすい方ではあるのだが……。

--本作に限らずシリーズ全体が抱える問題点ではあるが、幅広いプレイヤー層を重視しているからこそ対策が望まれている点である。
//具体例なしに「当てにならない」だけではあまりに説得力に欠けるので具体例を大幅に追記。

-RPGモードのストーリー
--シナリオが超展開かつ薄味。シナリオはざっくり言えば狸の女の子がいきなり現れて、その父親を探してあげるというもの。
--味方キャラは片手で数えられるほどに少なく、日本全土を舞台にしたはずなのだが異様にこぢんまりしている。
--起伏も何もなく、味方キャラに何か頼み事をされ、目的の街やダンジョンに行き、敵を倒して移動しての繰り返しである
--その他、ラスボスを倒したら''説明もなしに変身が解け、正体が今まで探していたポン子の父親だった''など唐突な展開が多い。
--一応、父親の正体の件はポン子の付けていた葉っぱの髪飾りが「妖怪大王の姫様の証」として妖怪達が大王の命令で探している描写が序盤からあったり、この髪飾りが死んだ母親の形見である事も語られているので、全く伏線がない訳では無いが…。

//-前述のとおり基本的にゲームバランスは安定しているものの、譜面の中にあるギミック音符である「爆弾音符」を叩くと大ダメージを受けるため、リズムに乗って演奏していたら爆弾音符を叩いてしまって敗北ということも少なくない。
//--RPGということで敵キャラとの対戦を押し出しているため、妨害要素が存在すること自体は決して理不尽なことではないが、人によってはストレスに繋がるのも否めないところ。
//これを否定的に捉えたらゲーム性そのものの否定だと思うな。ストレスに繋がりやすいのは確かにそうだけど。

-前作の道場やぶり同様、楽曲解禁が絡むため、RPGモードを面白いと感じるかどうかで楽曲解禁の楽しさが大きく変わってしまうといえる。


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**総評
本作最大の特徴はかなりの数に上る本作限定曲であり、それらの楽曲に魅力を感じるなら購入する価値が十分にある作品である。~
音ゲー部分については明らかな不備もなく、問題なく遊べるゲームとなっている。

一方、本作のメインとして搭載されたストーリーモードについては非常に内容が薄く、蛇足感が否めない。~
家庭用向けに移植された音ゲーでは、遊びの幅を広げるために家庭用ならではのおまけといえるお遊び要素を搭載されることは多いが、本作のストーリーは楽曲解禁が絡むために完全なおまけとして割り切ることは難しく、本作のメインとして売りにもしていただけに底の浅さは擁護しづらい。

ゲームバランスこそ悪くないもののストーリーの作りこみの浅さと薄さ、その1点が惜しまれる。

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**その後の展開
-ニンテンドーDS向けとしては本作が最終作となった。
--2012年7月12日に発売された『[[太鼓の達人 ちびドラゴンと不思議なオーブ]]』が事実上の次回作となっている。
--他ハードを含めれば『太鼓の達人Wii みんなでパーティ☆3代目』が次回作に相当する。

**余談
-本作に登場するダイダラボッチは創作物では珍しく一つ目であるが、これは三重県志摩市に伝わる伝承を元にしたものと考えられる。
--同県では悪さを繰り返す一つ目のダイダラボッチを巨大な草鞋で追い払った伝承が伝わっており、この話は『まんが日本昔ばなし』でも取り上げられている。

-上記の通りマクドナルドとコラボしており、期間内にハッピーセットを注文すると本作の衣装、音色、そして楽曲「パパマママック」が入手出来る「あんごう」が貰えるようになっていた。
--子ども以外のプレイヤーがハッピーセットを頼むのはかなり躊躇するだろう。案の定早々にネット上であんごうの情報は流出していたため、実際に頼まざるを得なかった人はそこまで多くなかったと思われるが。
--ちなみに期間中のハッピーセットの玩具はもちろん『太鼓の達人』であった。以降も類似のコラボがたびたび行われている。

-金の王冠(フルコンボ)を200個集めた時に届くお手紙がかなり異質。
#region(ネタバレ注意)
-真っ黒な紙に大文字の英語でこう書かれている。
--&bold(){CONGRATULATIONS!! YOU GET 200 GOLD CROWNS! IT IS EXTRAORDINARILY!! YOU ARE THE TRUE TAIKO-NO-TATSUJIN THANK YOU VERY MUCH!!}
---extraordinarily…並外れで・異常な
--…といった、金の王冠を200個集めたプレイヤーを全力で祝うようなお手紙が送られてくる。
--本作の総王冠数は204個であり、本作のほぼ全ての曲を全難易度でフルコンボするのが条件である。
--当然、全てが英語(しかも大文字)で書かれているお手紙はこれまでに無く、真っ黒な紙に書かれているお手紙もこれだけである。太鼓チームのこのゲームを遊び尽くしてくれた事への感謝とサプライズといったところか。
--ちなみに、このお手紙にご褒美はついていない。よって、前作の賛否両論点にあった「全曲全難易度をフルコンボしないとご褒美が全て入手できない」という点は改善された。
#endregion