DAEMON X MACHINA

【デモンエクスマキナ】

ジャンル 3D戦闘メカアクション
対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売・開発元 マーベラス
発売日 2019年9月13日
定価 Switch版:7,800円
Steam版:8,580円
備考 Steam版は2020年2月14日発売
Switch版は体験版あり
判定 なし
ポイント 一人プレイは良好
対戦バランスは改良中
(公式では対戦はオマケ扱い)
インターフェース面に難あり


概要

所謂TPS視点のカスタマイズメカアクション。
プレイヤーは「アーセナル」を操る傭兵としてオーダーをこなしていく。
発表時は開発スタッフが『アーマード・コア』シリーズを手がけたメンバーで構成されていることで話題を呼んだ。
ハードはSwitchからリリースされ、2020年にはSteam版も発売。
CMではスーツ姿の男性がゲームをしており、上記のアーマード・コアのファンも含めた比較的高い年齢層をターゲットにしていると思われる。


ストーリー

その日、月は落下した。
「目覚めの日/THE FIRST DAY」
人々は、壊れた月を見上げ、目を背ける。

この災厄により、文明は半壊した。
そして、月から放出された新しいエネルギー資源「フェムト粒子」は、 世界に恩恵を与え、その一方で脅威をもたらしていた。

人類の制御下から離れたAIたち、通称「イモータル」の行動パターンは人類の排除。
時を同じくして生まれた、新たな人類「アウター」たち。
人類は、イモータルを封じ込めるために壁を建設。
そして、アウターで構成される傭兵集団「解放旅団」を結成した。

アウターと呼ばれる彼らは、外部装甲「アーセナル」を身に纏い、
死なない敵、自己増産を続けるAIたちと一進一退の攻防を繰り返す。
なぜイモータルは、人類に敵対するのか………。
新たな人類、アウターである自分たちは何者なのか………。

戦闘は依然として継続中。
血通う鋼鉄(アーセナル)に宿るは、神か悪魔か。
(公式サイトより抜粋)


評価点

  • 爽快感のある戦闘
    本作には飛行し続けることにデメリットが無いため、基本的に空中戦を行う事となる。 空中を自由自在縦横無尽に高速で動き回るスピード感と爽快感は他のメカアクションと比べても群を抜いている。
    • 空中で急転換する瞬間にバレルロールしたり、近接武器同士が激突した瞬間に鍔迫り合いが発生したり、旋回しながら両手の武器を全方位に射撃する等、所謂「絵になる」アクションが多い。
    • リアルタイムで次々と攻撃手段を切り替えていくことが可能で、公式サイトでも大きくアピールされている。敵の武器を奪ったり、地面にある車両や爆発物、あげくの果てには巨大な敵の一部を破壊し、落下した装甲を掴んで投擲し、敵に大ダメージを負わせることもできる。
  • もちろん、地上戦がないがしろにされているわけではない。建造物を生かして相手の誘導弾やレールガンを回避したり、地上への攻撃手段が限られる大型の敵の攻撃を封じたり、相手を地上に引きずり下ろすことでこちらの攻撃の命中率を大きく高める、などの地上ならではの戦法を取ることもできる。*1
    しかし環境が高速化し、空中戦が主体となるPvPでは、そうも言っていられないが。
  • フェムトの独自性
    • 本作のストーリーの鍵となっているフェムトと呼ばれる粒子は背景設定だけではなく戦闘においても重要な位置づけとなっており、このフェムトを活用した様々なアクションをワンボタンで使用することが出来るようになっている。
      • フェムトを腕に展開し火力を強化するアサルトシフト。
      • フェムトを翼状に展開し圧倒的な機動を可能にするウィングシフト。
      • フェムトを球体状に展開し、攻撃を防ぐ盾とするシールドシフト。
      • フェムトで自機の幻影を作り出すミラージュ。
    • その他、各種フェムトの消費と引き替えに強力な性能を持つ武装も多い。
    • フェムトを消費しきると上記の強力なアクションが使用できなくなるため、戦闘においてはこのフェムトの管理が重要となっている。
      なお、機体を移動させるブースターのエネルギーであるスタミナはこれらとは別に管理されているため、フェムトを使い切ってしまい戦闘中マトモに動けないというような状況にならないよう工夫されている。
    • 動画サイトにアップロードされている熟練者同士の対戦では、ウィングシフトで急接近、死角を取った瞬間にアサルトシフトで攻撃をたたき込むが、対戦相手も敵が視界から消えた瞬間にシールドシフトで防御や、ミラージュで攪乱する……とフェムトを基軸とした戦闘が行われ、一般的に残弾数管理が取られている他のメカアクションとは一線を画した対戦が楽しめる。

  • 各種カスタム要素
    • 戦闘が最も大きな売りではあるが、それとは別にパイロットとなるキャラクターの性別等を含めた外見や、各種ゲージ類の配置、拡大・縮小・透過度に至るまでプレイヤーの好きなように配置することができる。

  • ハック&スラッシュ要素
    • パーツの入手は、ショップでの購入、ファクトリーでの開発は勿論、破壊した敵のアーセナルから奪い取ることも可能。
    • ここで入手した装備はすぐその場で戦闘に使用できる他、持ち帰ることができるため、恒久的に自身のアセンブルに組み込む事が出来る。
    • ちなみに武器に限らず、メカのフレームを構成するパーツの剥ぎ取りも可能。
    • ただし、このハクスラ要素は後述する決して無視できない問題点も孕んでいる。

  • 多種多様な武器や防具
    • また、今作で手に入る装備は、ごく一部を除いて上位互換・下位互換の関係にはない。
    • 初期装備のグリムリーパーや序盤で手に入るオサフネであっても、特性を理解して装備を組み合わせれば、終盤どころかDLCボスまで使っていくことができる。
    • 武器種によって操作性や戦略もさらに多様化する。初心者向けかつ火力も十分な武器腕や、高速移動する敵をスナイパーライフルでじわじわと削っていく、大型の敵に瞬間火力の高いビームキャノンを照射する、敵メカを剣でのタイマンで撫で斬りにする……などなど。
    • 複数度にわたるアップデートにより、特にPvEにおいては、初期防具で明確に弱く設定されているオルサを除いて使い道のない武器や防具はほぼ存在しなくなっている。
    • ただし、PvPでのゲームバランスは速度に偏重しすぎている。詳しくは後述する。

  • 上達を実感しやすいゲーム性
    • 今作では、最適射程での威力上昇や粒子兵装、両手での射撃などのシステムを使いこなせるかによって与ダメージや被弾回数が大きく変わる。
    • 初めてオファーオーダー(ストーリーミッション)で遭遇した時には大苦戦した大型の敵であっても、プレイヤースキルが上達すれば上達するほど短い時間で倒せるようになる。
    • 攻略時間は大きく遅くなってしまうが、今作はフィールドの補給ポイントや人体改造のリペアなど回復手段が非常に豊富なため、初心者でもミッションをクリアできる設計になっている。

  • 豪華声優陣によるキャラクターボイス対応
    • オーダー開始時や終了時にはディアブロ役の古谷徹氏とクリムゾンロード役の池田秀一氏などといった豪華な声優陣によるフルボイスのムービーが挿入される。
    • 特に『機動戦士ガンダム』でお馴染みの古谷徹氏と池田秀一氏の共演は大きな話題を呼んだ。

問題点

本編の問題点

  • 肩越し視点から変更できない
    • 一般的にアクションゲームでは自機が中央に配置されることが多いが、本作では自機が中央より左に配置された、いわゆる肩越し視点で固定されている。
      • メカアクションではあまりない視点配置であり*2、本作では一般的な肩越し視点よりも更に大きく左に寄っている。
      • そのため機体が正面にないことで上手く動かせず障害物に引っかかる、真っ直ぐ進んでいるつもりでも微妙にズレてしまっており足場から落下する、本来なら当たらない攻撃に被弾するといった事態が慣れるまでは頻発する。
    • HUDをあれだけ自分でカスタマイズできるのだから、視点も肩越しと中央視点を選べる、または左寄り具合を調整したかったとの意見もある。

  • アタッチメントの着脱の煩雑さ
    • アタッチメントと呼ばれる装備を強化するオプションパーツ周りのインターフェースがあまり洗練されておらず、自機のアセンブルを変更するには「ハンガー」、アタッチメントの着脱は「ファクトリー」と、それぞれ別の場所で行われるため、アセンブルをする際に「ハンガー」と「ファクトリー」を往復することとなる。
    • 更に、アタッチメントの着脱は非常に小額ではあるものの料金がかかる設定であるため、着脱の際にいちいち「◯◯クレジットかかります、外しますか?」「◯◯クレジットかかります、付けますか?」と聞かれるのも煩わしい。
    • また、これらはハクスラ要素とも相性が悪く、パーツやアタッチメントを集める度に、「ファクトリー」でアタッチメントを外し、重複したパーツを「ショップ」で売る等、ハンガー内の機能が細分化されていることで倉庫整理に必要以上の時間がかかる。

対戦ツールとして見た場合の問題点

  • 高速戦闘が故のパーツバランスの悪さ
    • この手のゲームには付きものであるが、PvPでは本作のパーツバランスについても良いとは言えない。
    • 本作は他のメカアクションと比較しても飛び抜けてゲームスピードが高い一方で、ターゲットや銃器の性能は他ゲームと同程度であることがバランスの悪さに繋がっている。
    • ヘッドパーツはターゲットやレーダーの性能を司るが、多くのヘッドパーツのターゲットサイトのサイズが戦闘速度に対して小さく、本作の高速戦闘に耐えうる性能を持つパーツは実質的には数種類程度であり、結果としてどの機体も似たような面構えになる。
    • ボディパーツは飛行性能に影響するものの、速いボディと遅いボディの速度の差がおよそ三倍以上あり、速い機体はブーストで動いているだけで攻撃を振り切ることができ、防御力が高いとはいえ被弾が前提となる遅いボディパーツをわざわざ選ぶ必要性が薄く、こちらも実質的には数種類程度の選択肢しかない。
    • 武器についても同様で、そもそも攻撃を命中させることができない弾速の遅い武器はボディ以上に選ぶ意味が無い。
      • ただし、PvEではギガントクラスの撃破オーダーや探索オーダーなど、必ずしも高速戦闘が行われるわけではないため、ゲーム全編を通して完全に使い物にならないパーツは少ないほうと言える。

  • パーツとアタッチメント集めの水増し感
    • 対戦に使用するパーツとアタッチメントを集める作業に非常に時間がかかる。
      • これらの入手方法はオーダーをこなすことで確率で入手することとなる。*3
        またパーツ自体にはアタッチメントを装着するためのスロットがランダムで0から3まで設定されている他、アタッチメントも一種類につきその性能に応じてレベルが設定されているため、本気で対戦をしようと思ったら全身3スロット持ったパーツを集め、高レベルのアタッチメントをその分だけ用意する必要がある。
      • 無論、これはPvP、すなわち極限まで装備を強くして相手を上回らなければならない環境下のことである。PvEにおいてはアタッチメントの効果が必須というほどでもないため、スロットやアタッチメントをあまり活用できなくても十分に戦うことができる。

  • メカアクションとしては低すぎるフレームレート
    • 高速なゲームスピードに反比例してフレームレートが基本30fpsしか出ない。
    • オンラインでは、Switchというハードの特質上、Wi-Fiでのオンライン接続が多いため、ラグが発生しやすい。
    • そのため、オンラインでは読み込みがついていけず相手が瞬間移動しているようにしか見えない状況が頻繁に発生してしまう。オフラインでも、目がついていけなくなる状況が発生する。
      • 技術力やSwitchというハードの制約上、仕方が無いとも言えるものの、せめてもう少しどうにかして欲しかったところ。

賛否両論点

  • 自機アーセナルの両腕をガンアーム-MGに変更すれば火力が高くなるため、アーセナル戦、大型イモータル戦が楽になりそうだが、オブジェクトを持ち上げる事ができなくなるため、コンテナの回収が達成目標であるオーダーには向いていない。

総評

カスタマイズメカアクションという特に『アーマード・コア』ファン待望の作品であるものの、新規IP故の試行錯誤の形跡も多く、前評判ほどの評価は得られなかった。
しかし、上記の問題点の多くは、アップデートで改善できる点である(現に、改善された問題点も非常に多い)ことや、Steamへの移植もされていることから今後の展開が注目される作品である。
好き嫌いこそ出てきやすいが、メカアクションが初めての人から上級者まで幅広く楽しめる作品である。メカアクションに興味があれば、是非とも手に取ってみてはいかがだろうか。
Switch版には製品版にデータを引き継げる無料体験版もあるので、まずはそこから遊んでみるのもいいだろう。


余談

  • 2020年2月14日にSteam版が発売。
    • フレームレートは30から200までが選択可能、4K画質対応および細かなグラフィック設定に対応、テクスチャ強化、マウス・キーボード操作への最適化など、主にビジュアル面の強化が行われている。
    • Steam版では、Switch版の店舗限定購入特典がすべて付属し、見た目装備の点で非常に豪華な仕様となっている。
    • DLCも用意されているが、Switch版に存在した『ウィッチャー3 ワイルドハント』『コードギアス』『交響詩篇エウレカセブン』とのコラボDLCは未実装となっている。
  • 任天堂と長い付き合いの企業であるホリプロダクションから、本作向けに任天堂公式ライセンス商品として背面ボタンが追加された携帯モード専用グリップコントローラーが発売されている。本作や『ASTRAL CHAIN』といった「多くのボタンを使うゲーム」に向いているのは勿論、非常に握りやすい形状をしているため、携帯モードを多用する人は購入を一考する価値があるだろう。