ちびロボ!
【ちびろぼ】
Wiiであそぶ ちびロボ!
【うぃーであそぶ ちびろぼ】
ジャンル
|
ちびアクションアドベンチャー
|
|
|
対応機種
|
ニンテンドーゲームキューブ Wii
|
発売元
|
任天堂
|
開発元
|
スキップ
|
発売日
|
【GC】2005年6月23日 【Wii】2009年6月11日
|
定価
|
【GC】5,524円(税別) 【Wii】3,619円(税別)
|
プレイ人数
|
1人
|
レーティング
|
CERO: A(全年齢対象)
|
備考
|
【Wii】ヌンチャク必須
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
身長10cmの「ちびロボ」がみんなをハッピーに 小ささを活かした「ちびアクション」で家中を冒険 住人たちと織り成す物語が豊富で魅力的
|
ちびロボ!シリーズ ちびロボ! - 咲かせて! - Wiiであそぶ - おかえり - 実写で - ぐるぐる!
|
概要
「それは、人をハッピーにさせる冒険です。」
「ギフトピア」で知られるスキップが4年かけて開発、任天堂が発売した3Dアクションアドベンチャー。
みんなをハッピーにするために身長10cmの二足歩行ロボット「ちびロボ」がサンダースン家の中を縦横無尽に駆け巡る。
本作を皮切りにちびロボシリーズが展開されていった。
本項ではGC版とWii移植版の内容をまとめて記載する。
ゲームシステム
-
舞台は1960年代のアメリカの一般家庭に近い「サンダースン家」。
-
ちびロボを操作して家中を冒険し、家の掃除やゴミ捨てといった家事のお手伝い、住人との会話、プレゼントなどでみんなをハッピーにする。
-
この際に獲得できる「ハッピーポイント」を集めることで、全国で高い普及率を誇っているちびロボたちが、各々の家族をどれだけハッピーにしたかを競うランキング「ちびロボランキング」を上げて、1位を目指すことが大きな目的。
-
住人をハッピーにすればちびロボ自身もハッピーになるため、お互いにとって喜ばしい行動となっている。
-
広大に見える部屋を隅々まで調べ尽くす箱庭アクションと、会話やちびロボの行動でストーリーが進行するRPG的な要素とを併せ持つ。
-
身長10cmのちびロボ視点なので、家の中はとても広大でアスレチックのようになる。ちょっとした電化製品でも、ちびロボからすると建造物サイズに。
-
引き出しの取っ手を乗り継いで上に登ったり、桟にぶら下がりながら移動したりと、小柄なボディを活かしたアクションを行う。
-
低い段差に触れながら段差の方向へスティックを倒し続けると登ることができる。
-
拾えるアイテムや引き出し、話しかけることができるキャラクターなど、何かしらのアクションを行えるものに近付いたときには「!」が表示され、Aボタンで働きかけることができる。
-
Wii版では、ここから派生するアクションの一部がWiiリモコンを振ったりひねったりするものに変更された。
-
ちびロボの頭部は開閉式となっており、様々な物をしまうことができる。
-
ゴミをしまっておいてゴミ箱へ捨てたり、大切なアイテムを保管しておいて必要に応じて取り出したりと、用途は多岐に渡る。
-
会話の際、ちびロボ自体は喋らないが、頭部から「○」「×」のパネルを出すことで意思表示ができる。
-
様々なキャラクターと交流する
-
キャラクターとやりとりをすることで、ちびロボが彼らの悩み、トラブルを解決することもある。この交流によって進むストーリーも本作における重要な要素である。
-
キャラクターの発声は、英語やフランス語を基にしたハナモゲラ語からなる。
-
自分だけで掃除などをするよりも、住人たちのお願いを聞いてあげて彼らから直接感謝される方が、貰えるハッピー量は遥かに大きい。
-
このサンダースン家では、とある理由により人間の家族だけでなく家にいるおもちゃたちも意思を持っており、
人気
のないところで動き、喋る。
-
昼夜が一定時間で切り替わる
-
昼か夜(半日)が終了するごとにちびロボの拠点「ちびロボハウス」へ強制的に移動し、ちびロボランキングが発表される。
-
また、昼と夜でキャラクターの様子が大きく変わる。
-
例えば、昼は家族が起きているが夜はベッドで寝ている、昼は動いていなかったおもちゃが夜になると動く、など。
-
ちびロボは常時バッテリーを消費しており、バッテリーがなくなると動けなくなってしまう。
-
それを防ぐために、画面右下に表示されているバッテリー残量を確認しながらこまめに充電する必要がある。
-
充電の際は臀部から出ているプラグ「ヒップラグ」を持ち上げてコンセントに差し込んで充電する。
-
このため、部屋によって行動のしやすさが異なる。「リビング」や「キッチン」にはコンセントが多いが、「うらにわ」には少ないなど。
-
ちびロボランキングを一定まで上げるとその都度最大バッテリー量が増加する。
-
本作における通貨である「マネ」は、落ちているマネを拾ったり、みんなをハッピーにしたりすることで入手できる。
-
集めたマネで、ちびロボハウス内の「ちびパソ」から便利なアイテムを購入できる。
-
ゲームを進めると手に入る「ジャンク」を集めるとちびロボの移動を支える「レチッカーズ」を作ることができる。
-
高い場所にはしごを架ける「アッパー」、離れた場所に一瞬で移動できる「ワープ」、地面のない場所に橋を架ける「ブリッジ」の3種類。
-
レチッカーズを使用する際にはちびロボのバッテリーを分けてあげる必要がある。
-
ゲームを進めることで、「ちびメカ」「ちびどうぐ」「きぐるみ」を入手することがある。入手したものはいつでもすぐに装備/着用できる。
-
ちびパソで購入可能な「ちびメカ」や拾った日用品の「ちびどうぐ」は、移動や攻撃、探索、仕掛けを解くのにたいへん重宝する。
-
「きぐるみ」を着るとちびロボの姿が変わり、そのきぐるみに対応したアクションを行うことができる。
-
単なるお遊び要素ではなく、全てのきぐるみのアクションが特定の効果や物語の進行に重要な役割を持つ。
評価点
小さいからこそ見える世界
-
家の中という何気ない日常風景でも、身長10cmのちびロボ視点で見つめることで新鮮に感じることができる。
-
歯ブラシをデッキブラシ、スプーンをシャベルのように扱ったり、引き出しを開けていって階段のようにしたり、排水溝が迷路のように見えたり…と枚挙にいとまがない。
個性豊かなキャラクターと豊富なイベント
-
ちびロボをサポートしてくれるマネージャーロボ「トンピー」、能天気で頼りないサンダースン家の大黒柱「パパ」、正統派のスーパーヒーローのおもちゃ「ギッチョマン」など、個性豊かな住人がストーリーを彩る。
-
カートゥーン調のキャラクターデザインが違和感なく3DCGに反映されており、親しみやすくなっている。
-
全体的に愉快な性格のキャラクターが多く、普通の会話を聞いているだけでも楽しめる。
-
きぐるみを着て話しかけたときの反応もきぐるみごとに細かく異なっており、つい色々な方法で話しかけたくなる。
-
ちびロボ自身のデザイン、アクションも愛らしく小さな身体で頑張っているいじらしさも含めて好評。
-
イベントには「○」「×」で回答するもの、ちびメカやちびどうぐを駆使するもの、特定のアイテムが必要になるものなどがあり、進める手段も、イベントそのものの数も豊富。ボリュームはかなりある。
-
中には推理的要素のあるものもあり、その際のイベント進行には思考と工夫が要求される。思わぬモノがイベント進行に役立つことも。
-
ストーリーやイベントは全体的にコミカルに楽しく進むが、シリアス、シニカルな一面もあり、そこにも趣がある。
-
ちびロボは人々にハッピーを与えている一方、行動するほど消費電力量は増加し家計を困らせるというジレンマも抱えている、など。
自由度の高いプレイスタイル
-
ストーリーは基本的に「ハッピーの獲得量に応じて上がるちびロボランキングの順位」によって進むため、一本道ではない。
-
とはいえ、目的は「住人をハッピーにすること」で共通しているので、どうすればよいか分からないということはない。
-
序盤の展開はほぼ一本道だが、チュートリアルも兼ねているのであまり問題ではない。
-
話の大小の違い、イベントが発生する順番にある程度の制約こそあれど、構成はオムニバス形式に近い。攻略の順番はプレイヤーによって様々である。
-
そのため、住人に積極的に協力するもよし、ストーリーを一切進めずに気ままに掃除やゴミ捨てをするだけでもよし、と自由度の高い楽しみ方ができる。
-
ゲームを進めるといくつかのミニゲームをプレイすることもできる。
裏技、小ネタが豊富
-
イベントには直接関係しない裏技や小ネタが多数隠されている。
-
多くは外部情報なしで普通にプレイを進めている途中でも見つけやすく、発見する喜びをたくさん味わえる。
良好なUI
-
持ち上げて拾うことのできる全てのアイテムは明滅して光っているため、アイテムかどうかの判別がしやすい。
-
さらに、重要なアイテムはちびロボの一人称視点のカメラ「ちびアイ」に切り替えることで強調して表示され、隠れていて目視できなくても視認可能。
-
活動中に頻繁に持ち替えることになるちびどうぐやきぐるみの変更メニューにもカットインなしのワンボタンでアクセスでき、たいへん便利。
-
自動カメラワークも自然で、手動での変更も容易。
賛否両論点
行動範囲は同じ家の中だけ
-
ちびロボの設定上同じ家でしか活動できず、部屋も特別多いわけではないので景色の変化やキャラクター数に乏しく、人によっては窮屈に、物足りなく感じる。
-
とはいえそれぞれの部屋は広く、オブジェクトの配置やキャラクター関係も頻繁に変わるため、ゲーム進行が退屈ということではない。
初期装備のちびメカ「ちびコプター」の操作性
-
頭部からプロペラを展開して飛行できる。しかし上昇はできず、ゆっくり落下することとボタンを押すことによる一定時間の水平飛行のみが可能。
-
高所の小さな足場から足場へ乗り継ぐ際など使用する機会は(恐らく)最も多く、ちびロボの移動を支える頼みの綱と呼べる。
-
一方、操作性がかなりシビアで、水平飛行できる時間は約1秒しかない。おまけに3DCGのため奥行きの見定めが厳しく、狙った場所に着地するのが難しい。
-
着地に失敗すれば何度も同じところ(特に高所)を行き来しなければならず、状況によってはストレスとなりやすい。
-
ただ、このシビアさのおかげで求められるテクニックが刺激されるようになる、との考えもある。
問題点
半日の行動時間が短い
-
デフォルトでの半日の行動可能時間は5分しかない。アイテムを買うことで10分や15分にもできるが、それでも短い。
-
行動範囲が狭い序盤は時間が短くても問題ないが、行動範囲が広がると、探索したい箇所へ移動するだけでもかなりの時間を要してしまう。
-
手際の良さが求められるようになるとの見解もあるが、本作に激しいアクションが要求される場面は少なく、じっくりのんびり探索を進めたいときには足枷でしかない。
高所での活動
-
仕方ないことではあるが、ゲームを進めていくと、基本的にだんだん部屋の高所へと行動範囲が広がっていく。
-
そのため、常に落下のリスクが伴い、うっかり落下してしまうとバッテリーを大きく消費してしまう。
-
また、もう一度その場所へ戻るだけでも多くのバッテリーと手間をかけてしまう。
ルートを探しながらの高所への移動自体は楽しいが、何度も移動することになると億劫に感じてしまいやすい。
-
上述のレチッカーズはこの問題をある程度解消しうるものの、任意の場所に設置することはできない。
ちびどうぐの1つ「マグカップ」の有用性
-
マグカップを逆さにしてボディ全体を覆い、全方位を守る盾のようにして扱う。
-
しかし、マグカップがストーリー上必須になる場面は、能動的な攻撃手段を持たない序盤の防御手段として使う1箇所しかない。
-
攻撃手段を持ってからはその手段で攻撃した方が早く、マグカップが絶対に必要となる場面は一切ない。
-
一応、バッテリーの消費を完全に止めることができたり、高所からバッテリーを消費せずに自由落下できたりする裏技があるが、ストーリーでは役立たず作中でも言及されないため、影が薄い。
ロード時間が若干長い
-
部屋を切り替えるたびに最大8秒近くマップロードに時間を要する。
-
狭いちびロボハウスなどではロード時間は短いが他の部屋の多くはロード時間が長く、通過するだけでもロードを挟むのは冗長。
総評
家の中という身近な空間を、いろいろなちびアクションで家中を動き回る小さなちびロボによる新たな視点で見つめ直して探検できる本作。
特に多種多様な住人による豊かなストーリーは、時には笑い、時にはドキドキしながら楽しめる。
プレイしている中で見付けられる小ネタやイベントの量も数多あり、地道に遊んで長く付き合える一作である。
様々な発見、喜びを与えてくれる「ちびロボ!」は、登場人物だけでなくプレイヤーもハッピーにしてくれることだろう。
移植
-
Nintendo Switch 2専用サービス『ニンテンドー ゲームキューブ Nintendo Classics』に本作が収録されることが発表された。
余談
-
本作は元はバンダイから発売される予定だったが、任天堂の宮本茂氏や田邉賢輔氏の働きかけにより任天堂からの発売となった。
-
その名残りとして、「たまごっち」や「プリモプエル」といったバンダイ社のおもちゃが登場する。
-
スタッフクレジットでは、バンダイの社員がスペシャルサンクスとして関与している。
-
海外でも『Chibi-Robo!』のタイトルで発売された。
-
本作に登場するギッチョマンのテーマ曲「行け!宇宙刑事ギッチョマン」も英語ボーカルになってる等の変更点もある。
-
ギッチョマンはスキップの次回作『キャプテン★レインボー』にも登場する。
-
テーマ曲に「行け!宇宙刑事ギッチョマン」のインストバージョンが流れる他、条件を満たすと上記の英語ボーカルバージョンも聴くことができる。
-
公式サイトでは、本作に登場するおもちゃの1つ「ベベ」による日記「ベログ」やちびアニメ!などが閲覧できる。
-
ベログは2005年8月24日から始まり、不定期ながらも2007年3月以外は毎月更新され、2007年6月19日に続編『咲かせて!ちびロボ!』の発売により終了するまで2年近く続いた長期コーナーとなった。
最終更新:2025年04月04日 01:26