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運命線上のφ - (2024/11/06 (水) 22:15:47) のソース

*運命線上のφ
【うんめいせんじょうのふぁい】
|ジャンル|未来を斬り拓くアドベンチャー|CENTER:&amazon(B00KR5YWAW)|CENTER:&amazon(B07Z95J6WR)※再販版|
|対応機種|Windows Vista/7/8|~|~|
|メディア|DVD-ROM 1枚|~|~|
|発売・開発元|Lump of Sugar|~|~|
|発売日|2014年10月31日|~|~|
|定価|8,800円(税別)|~|~|
|ディスクレス起動|可能|~|~|
|レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~|~|
|配信|FANZA:2015年9月18日/7,124円|~|~|
|廉価版|ランプオブシュガーこれくしょん&br;2020年1月31日/8,800円(税別、7/8.1/10対応)|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|パチスロ風の演出&br()遊び心があると取るか面倒と取るか|~|~|
#center{&big{''いじって、さわって、斬り拓け!''}}
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#contents(fromhere)
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**概要
-Lump of Sugarの13作目。
-独自のクロノカードシステムを採用した『[[Magical Charming!]]』が好評だったためか、本作も選択肢がやや特殊なノベルゲームである。

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**ストーリー
 太平洋に浮かぶ孤島・信天島(しんてんじま)。 少年は縁あって、その島へと向かっていた。
 調べてみたところ、信天島は幻の島と呼ばれ、オカルト的な噂話でしか語られていない。
 事実、日本の領地として認められていない、架空の島だ。
 当然のことながら、権利者も不明。 今は誰が住んでいて、どのような生活が営まれているのかも、不明。
 すべてが謎に包まれている信天島。
 そんな場所へ少年が向かう理由はただ1つ。
 自身の素性もまた、謎に包まれていたからである。
  信天島に到着した少年は、封燐館(ほうりんかん)と呼ばれる施設に案内された。
 館の主とそのメイド、そして自分と同様の客人たち。
 中には自分と同年代の人もいる…… しかも、とびきり可愛い女の子ばかり。
 「幻の離れ小島に、用途不明の怪しい洋館、ビーチと水着、そしてバカンス。 それに加えて美少女ときた」
 少年の眼が鋭く光る。
 「なるほど…… これは、事件が起きるな」
 (公式サイトから抜粋)

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**特徴
-ベースは一般的なノベルゲームだが、特殊な分岐方法である。

-冒頭で手紙が届き、開封方法によって「探偵編」「執事編」「旅情編」「剣豪編」の4ルートに分岐。その後の選択肢で細かく分岐していく形式。
--それぞれパッケージの4ヒロインに対応しており、探偵編は凪咲がメインヒロイン・執事編はリーニャがメインヒロインといった感じである。
--対応していないヒロインとのエンドを迎えることもできる。例えば探偵編でリーニャと結ばれるエンドもある。
---ただし、これらはサブエンドであり、エロ・ギャグに走った内容がほとんどである。

-1周目は凪咲がメインヒロインの探偵編で固定。
--2周目からは自由な順番で進められる。

-抜刀モード
--探偵編のイベントで解禁される。
--テキストウインドウの右上に刀のアイコンが表示され、選択肢や特定箇所で光る。
--光ったタイミングでクリックすることで抜刀し、選択肢や特定の物を斬り他の選択肢を生み出すなど、展開が変化する。
--一部の選択肢はロックされており斬れない。特定のヒロイン攻略後にアシストを受け斬れるようになる。
---ヒロインがアシストする際の演出はパチスロに例えられやすい。

#region(ヒロインのアシストありの抜刀動画)
&youtube(https://www.youtube.com/watch?v=1Eklpggn_8s)
#endregion

-調査モード
--ポイント&クリック式。部屋の怪しいもの等をクリックして進行させる。
--右クリックで反応する箇所が分かり、総当りも簡単にできる。

-おさわりモード
--エロシーン中の選択肢で入るモード。
--文字通りクリックやドラッグで反応を楽しむだけのモード。
--Windwos 8等のタブレットなら恩恵を受けやすい。

-ミニゲーム
--草刈りゲーム・おけつペンペンTIMEの2種類。
--前者は草、後者はおけつをクリックするだけのシンプルなルール。
--高スコアを出すと合言葉が表示され、公式サイトで入力すると壁紙が貰える。

-フローチャート
--現在が何編かや、どこに分岐点があるかが表示される。
--クリックすると任意の箇所にジャンプできる。

-Tips
--キャラクター紹介や用語説明。ゲームの進行に応じて自動で登録されていく。
--キャラクターの掘り下げ等が進むとTipsの情報も更新される。

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**評価点
-適度に能動的なイベントが挟まる
--遊び心のある読み物として好意的に見る声がある。
--選択肢を斬る爽快なSEや斬り崩れる演出は視覚的に楽しい。演出カットも可能。
--難易度は低めで基本的には総当りでクリアできる。

-個々のイベント
--基本的には明るいイベントが多い。
--客人をもてなしつつも自身も全力で楽しむ果凜を始めとしてキャラクター人気がある。
--大筋は分かりやすく、因縁の解消や決闘等、要所要所で見所はある。

-CGは全体的に好評。孤島らしさのある背景も良い。

-過去作からパワーアップしたと評されやすいエロシーン
--舞台が孤島なのを生かした野外プレイや風呂場の全裸エッチなど。
--臍や尿など微妙にアブノーマルなプレイが多いのも特徴。

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**賛否両論点
-一部のイベントは好みが分かれる。
--特に好みが分かれやすい2つのイベントを挙げる。

-高難易度ホラー「アズ鬼」
--ある選択肢から分岐する特殊シナリオ。何気ない日常イベントから突入する。フリーゲーム『[[青鬼]]』のパロディと思われる。
--''突如現れた不気味な鬼がサブヒロインを捕食しており、主人公とヒロインが追われるので逃げるイベント''。5択の選択肢で移動先を選ぶ。
--ヒントこそあるものの逃げ場や目的が分かりにくい。確率要素もあるため、逃げ切りが難しい。
--顔が大きい無表情の黒猫が無言で迫ってくるという不気味なシチュエーションのため、ホラーが苦手な人にはキツイものがある。
--オチも人を選ぶ。

#region(ネタバレ)
小便を我慢しながら逃げ回るヒロインと主人公だが、ヒロインが我慢の限界に達する。~
そこで主人公が''飲尿する''という急展開。他のヒロインが捕食されたことが暗に示されるなど恐怖描写が多いために、突然流れが変わることに戸惑いやすい。~
ギャグノリかと思えば、その後館が炎上し、主人公と一人のヒロイン以外は行方不明となる。

サブルートはぶっ飛んだネタが多めとはいえ、このイベントは特に異彩を放つ。~
なおこのイベントを見なかった場合はアズ鬼は登場しない。存在から目的まで謎である。

#endregion

-ハーレムルート
--4ルートクリア後に解禁されるルート
--ボリュームの割に選択肢が多く、バッドエンド時にデフォルメされた骸骨が表示される。『[[シャドウゲイト]]』のパロディと思われる。
--全体的にギャグのノリで、わざとハズレの選択肢を選んでリアクションを楽しむようなルートである。
--バッドエンド限定のCGもあるため、ノリを楽しめないとただただ総当りする作業になってしまう。

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**問題点
-締まらないストーリー
--トゥルーエンドの類が存在せず、どの順で攻略しても全ての謎は解決しない。時系列や関係性も不明なため、締りの悪さを感じやすい。
--恋愛ゲームならよくある仕様だが、本作はあるルートで得た情報が他のルートでも生かされるなど、なまじ繋がりを連想させる要素があるだけに気になってしまう。

-4編ある理由については剣豪編で理由付けはされているのだが、知ってもカタルシスは得られにくい。
--1周目で得られるTipsにヒントが書かれているため、2周目で剣豪編に入りやすい。~
さほど気にするほどではないが、攻略順を気にする人はこの剣豪編を最後に回したほうが良い。

#region(ネタバレ)
主人公の言霊(特殊能力のようなもの)「斬」は「竄」との掛詞であり、使用した反動として記憶や過去が改竄されている。
#endregion

-リーニャの一枚絵はやや不安定で、幼く見えるものや崩れ気味の絵がいくらかある。

-システム
--抜刀システムは条件を満たせば選択肢が増えるというだけなので、いちいち斬るのが面倒とも言われる。
--ほぼ総当りで解けてしまうため、探偵編ですらほぼ推理要素はない。

-不便なTips
--Tipsは数ページに分かれているが、Tipsボタンを押すと常に1ページ目が表示される。
--そのため、中盤以降はTipsボタンを押して、3ページを開く。という風にいちいちページ切り替えの手間がある。

-機能していない「安心プレイ機能」
--ショッキングなCGを緩和する機能。デフォルトでオンになっている。
--血の垂れた腕が削除されるだけで、アズ鬼自体のCGは消えないため恐怖要素は大して変わらない。

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**総評
キャラクターの魅力やエロは十分だが、シナリオ・システムの評価は人によってまちまち。~
全体を通したシナリオの完成度は高いとは言いがたく、システムは遊び心があるとも面倒とも捉えられる。

「意欲は認めるが惜しい」と評されやすいものの、遊び要素のあるキャラゲーを求める人なら個々のイベントを楽しめる可能性は十分にある。

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**余談
-タイトルと掛けたのか「ふぁい?」という感動詞が何度か使われる。ニュアンスとしては「えっ?」に近い。

-2020年1月31日に「ランプオブシュガーこれくしょん」として再販された。
--価格は初回版と同じ8,800円だが、抱き枕カバーが付属している。

-企画・ディレクターのしげた氏はブログで「萌えすろぱち」が趣味とプロフィールに記載している。本作の演出は氏の趣味からきていると思われる。

-ななろば華氏が初めて原画を担当したアダルトゲームである。(TGSmart 【新春特別企画】[ザ・クリエイターズ ナウ]ななろば華氏インタビュー!より)
--『オトメ三原則!』の仕事が終わるまで18禁の仕事は請けないという誓約がちょうど切れた日に、本作の仕事依頼がきたという。
--その後も氏はLump of Sugar及び[[QUINCE SOFT>もののあはれは彩の頃。]]で数作原画家を担当している。

-ChaosTCGのブースターパック「世界と世界の真ん中で & 運命線上のφ」に本作のCGを使ったカードが収録されている。

-次回作『恋想リレーション』作中の''メンコ''として本作の八重霞紫乃が登場している。