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ファミリーマージャン - (2025/01/27 (月) 16:20:23) のソース

*ファミリーマージャン
【ふぁみりーまーじゃん】
|ジャンル|テーブル(麻雀)|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174000538.jpg,height=250)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|日本物産|~|
|発売日|1987年8月11日|~|
|定価|3,900円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|ゲームとしてのテンポは悪い&br;ファミコンを使った麻雀の教科書|~|
|>|>|CENTER:''[[ナムコットファミリーシリーズリンク>ナムコットファミリーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要

1987年8月にナムコが発売した麻雀ゲーム。~
ナムコの『ファミリーシリーズ』の第4弾にして初めてテーブル系ゲームのジャンルとして登場。~
基本的には麻雀自体を知らない初心者向けのものになっている。

ファミコンでは4本目の麻雀ゲームで、そのうち1つはディスクソフトの『プロフェッショナル麻雀悟空』(1986年12月25日発売・アスキー)なのでロムカセットに限ればファミコン草創期の『[[4人打ち麻雀>ジャン狂]]』(1984年11月2日発売・任天堂)以来となる。

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**内容

-レッスンと実戦編に分かれている。
--レッスン1と2は実際の麻雀の解説を行い、画面上でも実際にサイコロを振ったり点棒を見せたりでプレイヤーによくわかるように見せている。
---レッスン2には、これまでの解説での知識を試す10問の4択形式のクイズがある。
--レッスン3は実戦形式だが、いろいろと救済措置が設けられている。
---「手牌オープン」で相手の手持牌を見ながらプレーできる。
---「捨牌指導」カーソルをその時、捨てが推奨される牌に合わせることで教えてくれる。
「リトライ」はもう一度同じ条件(配牌だけでなくツモまで何もかも全く同じ)で最初からやり直せる。
---ルール変更が途中で自由にできる。
---持ち点が少なくなると役満テンパイ寸前なほどの超好配牌が来る「役満チャンス」が発生する。
--実戦編は、一般的な麻雀のゲームのモードで上記のような救済措置は一切ない。対戦相手は6人。

|名前|年齢|麻雀歴|性格|得意技|
|師匠|45歳|35年|調査中|役満一筋|
|さゆり|24歳|5年|気まぐれ|一発狙い|
|めぐみ|22歳|3年|情熱的|チンイツ|
|りえ|20歳|1年|粘り強い|ホンイツ|
|ゆりえ|19歳|9ヶ月|淋しがりや|単騎勝負|
|ひでみ|18歳|3ヶ月|とにかく陽気|ニコニコ勝負|

-「師匠」が相手の場合のみ数秒の制限時間があり、それを過ぎると強制ツモ、強制捨牌(今カーソルが合っている牌)となる。


-対局時はサイコロを振って親決めをしたり、得点は単純な数字表示ではなく点棒の増減をしっかり見せる。
--つまり、アナログで麻雀をしている描写を再現している。
---そのため、点棒が尽きる(ハコテン)と、その場で終了となる。また持ち点が1000点ないとリーチがかけられない。
---相手の点数は表示されないが、10万点に達した場合でもその場で終了となる(自身の初期持ち点が27000点なので相手は72900点持っていることになる)。
---終了時には30000点返しの形で得点が計算される。

-変更できるルール。()は初期設定。
--西入(無)
---「無」なら東場南場までの半荘、「有」なら南局が終わって西場に入る。
--喰い断(無)
---「有」なら喰ってのタンヤオを認める。
--八連荘(無)
---「有」なら親が8回連続で和了れば以降の和了はすべて役満扱いとなる。
--振聴罰(有)
---フリテンチョンボの有無。
--不聴罰(有)
---流局時、片方のみがテンパイだった場合、ノーテンのプレイヤーが1500点支払う。

-メジャーなルールとの相違点。
--ウラドラはどんな場合でも1つのみ。つまりカンで表のドラは増えてもウラドラは増えない。
--自風は2人打ちの場合親が「東」で子が「南」「西」「北」のいずれかを持つが、本作では4人打ちのように東南西北で回り、いずれかのプレイヤーが「東」でない場合両者とも子扱いで局が終われば必ず親流れとなる。
//麻雀の基本ルールとしてリーチ宣言牌をロンされた場合は立直棒の供託は不要。

-上記以外での基本ルール。
--複合の役満は無効でいくつ条件を満たしていても1つ分の点数(親48000点、子32000点)にしかならない。
--5本場以降の2翻縛りは適用されていない。
--ノーテンリーチ、ノーテン和了、ヤクナシといったフリテン以外のチョンボはリーチや和了そのものを拒絶するため発生しない。

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**評価点

-丁寧な解説。
--ファミコンで解説の類は、すべて説明書で行われていただけに画面上で動く形で解説されるのは非常にまれであった。
--本来ゲームに必要ない部分まで抜け目なく解説してくれるため、実戦に即しておりファミコンプレイヤー層にとっては本などを読むよりも、よりわかりやすい。

-解説するだけでなく、その知識を確認する問題や、救済機能の付いた実戦機能。
--確認問題は間違えた場合でも答えは告知されるので、見直しができる。
--救済機能の付いた実戦も、ファミコンプレイヤーによくある「慣れがないせいで負けてばかりでいつの間にやらヤル気も出ず」という投げ出すことを起きにくくしている。

-様々なロジックを持った対戦相手。
--明記されているだけではざっくりとしか特徴はわからないが、実際には1人1人に細かい個性がある。

-美女グラフィックの出来。
--師匠も含めて、こちらが和了ると面白くなさそうな顔をしたり、自分が和了ったり最後に勝ったりすると嬉しそうな顔をしたりと表情の変化もある。
--リーチやロンなどもしっかり合成音声で表現されている。

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**賛否両論点

-サイコロを振って親決めしたり得点は点棒の増減を直接見せる。
--アナログでの麻雀の感覚をリアルに演出できているので、素人がアナログでの麻雀の知識を得るには役に立つ反面ゲームとしてはテンポの良さを削いでいるのも否めない。
--点棒を見て計算するのはこれもアナログの麻雀に即しているとはいえ、数字での表示がなくプレイヤーが頭で計算しなければならないのはゲームとしては少々面倒。

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**問題点

-LESSON2のクイズは、ただ淡々と問題をこなすだけで何点だろうが総評などは一切ない。
--クイズそのものは知識の確認の上で効率的なものとは言え、ただ10問消化して終わるだけではゲームとしては味気ない。
--また問題の1つに答えが間違っているものがある。

-「捨牌指導」がイマイチあてにならないこともある。
--それぞれの個人スタイルに完全対応は無理なのだが、時としてどう考えてもありえない牌を指定されることもある。
--ファミコンでは思考ロジックの不十分さもあるのは多少は仕方ないとしても懐疑的な挙動が目立つのは実用に欠ける。

-そのままポーズがかけられるので「師匠」相手で適用される制限時間が何の意味もない。
--制限時間そのものはあるとはいえ画面を表示したままポーズがかけられるので、その状態でじっくり考えることができる。
---4年前のファミコン草創期に発売された任天堂の『[[麻雀]]』はポーズはできても同時に画面を消していたため時間制限のシステムを壊すものではなかった。

-チー・ポン・カンの操作。
--チーが左、ポンが右、カンが下と十字ボタンに紐づいており、うっかり押し間違えても取り消しがきかない。
--上記の通り、師匠戦は時間に縛りのある仕様のため、このようなボタン1つですぐできる形にしたのだろうがそもそもその時間の概念が実質的に何の意味も持たないようでは後に残るは不便だけ。

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**総評

まったく知識のない麻雀初心者の入門ソフトとしてゲームに必要なことだけでなく実際に雀卓ですることまで考えて隅々まで解説が行われておりその確認問題から入門的な実戦モードまであり、まさしく将来の雀士育成ソフト。~
既に熟知している者にとっても、様々なロジックのあるCOMPプレイヤーと対戦できるのは悪くはない。とはいえ、やはりゲームとして考えるとアナログ再現によるテンポの悪さは気になるところではある。

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**その後の展開

-『ファミリーシリーズ』は同年12月11日、テニスゲームの『ファミリーテニス』を発売。
--この作品からシリーズ看板のポニーテールの少女がパッケージに登場することになる((ただし本当の意味で初登場はシリーズに先んじて『サイドポケット』(同年10月30日発売)。))。

-1988年11月25日には本作の直接的な続編『[[ファミリーマージャンII 上海への道]]』を発売。
--本作のような初心者への解説モードはなくなり、ボーナスゲームなども付いた筐体ゲームの発展形のような形で普通に麻雀を知った者をターゲットにした構成になっている。

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**余談

-本作の開発を担った日本物産は言わずもがな日本における麻雀ゲームのメッカ的存在である。
--後に本作に倣ったようなタイトル『ニチブツマージャン』として自社発売でシリーズ化していくことになる。