「SIMPLE2000シリーズ Vol.48 THE タクシー ~運転手は君だ~」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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本項目ではPS2用ソフト『THE タクシー』とそのPSP移植版『THE マイ・タクシー』、3DS移植版『THE タクシー』の紹介をしています。~
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*SIMPLE2000シリーズ Vol.48 THE タクシー ~運転手は君だ~
【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむ48 ざ たくしー うんてんしゅはきみだ】
|ジャンル|カーアクション|&amazon(B0001L25D8)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|D3パブリッシャー|~|
|開発元|タムソフト|~|
|発売日|2004年4月8日|~|
|定価|2,000円(税別)|~|
|ポイント|リアリティのある運転手体験&br()リアリティはないけど自由な車操作&br()バリエーション面でやや難あり|~|
**概要
D3パブリッシャーによる廉価ゲームシリーズ『SIMPLE2000シリーズ』の1作。~
「虹色シティー」の新人タクシードライバーとなり、運転手としての仕事をこなして料金を稼ぐゲームである。~
**特徴
-プレイヤーはタクシー会社本部から出発して、定刻まで(ゲーム内時間で8時~13時)「道端で客を乗せる→目的地まで送る」を繰り返すことになる。
--料金設定は現実のタクシーと同様で、固定運賃に加え一定距離走るごとに運賃が逓増していく。
--時間制限が設定されており、あまり時間がかかると客は降りてしまうが、逆に早い時間で送り届けると料金に大幅なボーナスがかかる。
---早く着くことによるボーナスは最大×3倍と非常に大きい。料金水増しのためにわざと遠回りしてダラダラ走るより、素直に早く着くほうが効率が良い有効な仕様である。
---ただし、「残り何秒の時点で到着すればボーナスがかかるか」を覚えれば、ギリギリまで遠回りして料金を稼ぐこともできる。このあたりは駆け引き。
--大まかな方向を示す「矢印」とボタンで見られる「全体マップ」は表示されるが、直接的に「どこに目的地があってどう行けば着くのか」は手探りで探すことになる。
--最初はタクシー会社の本部(スタート地点)のある「虹色シティー」しか運転できないが、総売り上げ額や日数が増えてくると新しいエリアにも行けるようになる。
---娯楽施設の多いエリア、住宅地で日常的な施設の多い碁盤目状のエリアなどエリアごとの特徴もある。
-場合によっては、単に目的地へ送り届ける以上のことを要求してくる客もいる。
--複数の目的地に順番に送り届ける、走っている車から特定の車を探す、「特殊ミッション」として行動に制限を設けられるといったものがある。
--こういった客は通常より高い運賃を貰えるため実利的に有難いのはもちろん、地味なタクシー業務のアクセントにもなっている。
-毎日ノルマとなる売り上げ金額が設定されており、少なくともそのノルマは越えなければならない。
--ノルマは最初は3500円と少額だが、日が進むにつれて増えていき終いには数万単位になる。
--''一日でもノルマを達成できなければ即座にゲームオーバー''である。プレイが安定してきても気が抜けない。
--売り上げの総計額が100万円に達した時点でエンディング。その後もプレイを続けられる。
-ゲームが進むとタクシーがチューンナップされ、最高速やグリップなどの性能が上がっていく。
--特に、最高速は''約200キロまで上がる。''制限時間延長や運賃アップなどの効果を持つ「ぼんぼり」も装備できる。
--また、ある程度進むと、夜の街を走れるようになる。夜の街は客が少ない代わりに運賃上昇速度が速く、特殊な要求をする上客も多いという特徴がある。
**評価点
-道順を覚えることによるタクシードライバーとしての成長感が味わえる。
--始めは指定された目的地にすぐ辿りつけず矢印を頼りになんとか到着することになるが、段々と道を覚え、行き先を聞いただけで道順をほぼイメージできるようになる。
--割にバランスは整っており、大体マップや建物の配置を覚えてきたあたりで新しいエリアが追加されるようになっている。
--客の出現しやすい場所があったり時たま特定の場所に客が増えることもあったりするため、そういったことも計算に入れると収益性が高くなる。
--回数をこなすことで効率が良くなり、貰える料金も増えていく。こういった、慣れが結果に大きく反映される快感が本作の醍醐味だろう。
-『チョロQ』シリーズを作ったタムソフトだけあってタクシーの操作性はとても良く、やや慣れは要るが単純な操作でレースゲームと同等以上にスイスイ運転できる。
--200キロ近い速度を出そうが道路の右側を逆走しようが歩道に乗り上げようが基本的にお咎めなし。好きなように道路をかっ飛ばせる。
---''道路に落ちているニトロをストックして使う''ことで、一時的に速度にブーストをかけることも可能。ツッコミ所が多いが気にしてはいけない。
--信号などもなく車操作としてのリアリティはほとんど皆無だが、その分ストレスは感じさせない。
--衝突や急ブレーキがあると客からの評価が下がるというデメリットはあるが基本的に影響は小さく、慣れればトロトロ律儀に左側通行で走っている他車を横目に自由にタクシーで駆け抜けられる。
**問題点
-ややボリューム不足。
--価格面を考えれば人によりけりで妥協されうるレベルではあるが、それほど長くは遊べない。
-やることは最後までほぼ変わらず、基本的に同じことの繰り返しになる。
--飽きさせない工夫は確かにされているが、ゲームの設計としてどうしてもだれやすいところはある。
--客のグラフィックや目的地のバリエーションをより増やしたり、おまけ要素をもう少し充実させるなどがあればよかったのだが。
--続編『THE タクシー2』では「送迎」やストーリーミッションの追加など、追加要素が多い。
-エリアを切り替えた際のロードが若干もたつく。
-一部の特殊ミッションが厳しい。
--「停止禁止」「スピード○○km以上禁止」「方向キーが左右逆に」あたりはまだいいとして、「右折禁止or左折禁止」や「衝突禁止」は達成が非常に面倒、もしくは困難。
---「右折or左折禁止」は右キー(or左キー)が一切効かなくなるという、極めて面倒な走行を強いられる。
---「衝突禁止」は1度ぶつかっただけで客が降りてしまう。このゲームで「一度も衝突しない」というのはかなり厳しい。
---客を無理矢理叩きだして(強制降車)実質的なギブアップをすることは可能だが、また新しい客を見つけなければいけなくなるし客からの評価も下がる。
--「急いでるから(停止禁止)」「ケガしているから(衝突禁止)」などはそれなりに妥当性のある理由がつけられているのだが、「急にハンドルが故障して右折禁止」というのはかなり無理矢理感あり。
--慣れれば問題ないことではあるが、「ブレーキ禁止」は目的地に止まるためのブレーキも禁止なので自然減速で止まらなければならない。
-強制降車がボタン一つで確認もとらずに行われてしまうため、誤爆の危険がある。やっと目的地に着こうかというときにやってしまうと悲劇。
-所長のアドバイスメッセージが画面中央近くに出るため、邪魔になりがち。
-ほぼ常にノルマに追われるため、のんびりと街を流し運転して散策するということはほとんどできない。
--クリア後はノルマなしで自由に運転できる、いわゆるフリーランを付けて欲しかったという声はある。
**総評
突き抜けた面白さがある訳ではないものの、SIMPLEシリーズの良い部分が比較的出ており、堅実な魅力のある作品。~
バランス調整がそれなりにしっかりしていて、「慣れる」過程が続くことによるものが大きい。~
『クレイジータクシー』のような派手さや勢いはないが、こちらにはこちらの個性があってまったりと楽しめる。~
ライトな雰囲気もあって、息抜きとしてそれなりにお勧めできる。
一定の中毒性がある一方で、だらだらとしたプレイになりがちなことからやや人を選ぶのが難点だろう。~
バラエティ面でもやや物足りず、どうしても作業的な側面は捨てきれない。~
今やるなら後述のPSP移植版か、続編の『THE タクシー2』のプレイをお勧めする。
**余談
-パッケージ画像には、D3パブリッシャーの名物キャラである「双葉理保」も写っている。
--客として自然な形で出すことはできたと思われるのだが、ゲーム内には全く登場しない。
*SIMPLE2500シリーズPortable!! Vol.9 THE マイ・タクシー
【しんぷるにせんごひゃくしりーずぽーたぶる ぼりゅーむ9 ざ まいたくしー】
|ジャンル|カーアクション|&amazon(B000LPVJP4)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|D3パブリッシャー|~|
|開発元|タムソフト|~|
|発売日|2007年2月22日|~|
|定価|パッケージ版:2,500円(税別)&br()ダウンロード版:2,000円|~|
**概要(PSP)
-『THE タクシー』のPSP移植版。
-ゲーム全体の改良などは行われていないが、タクシーの外観を変更する「カスタマイズパーツ」が追加された。
--パーツは、送り届けた乗客からランダムで貰うことができる。
--ボディの色からバンパー・ホイール・ナンバープレートに至るまで変更でき、ステッカーや小物アクセサリーなども沢山揃っている。
---量の面でもそれぞれ十数種類程度、全100種類以上と豊富で、ネタ的なものも多い。収集が一種のやりこみ要素にもなっている。
--外観以外に特に変化はもたらされないが、「辛うじてタクシー」みたいな車を作っても客はちゃんと乗ってくれる。
-実売価格にもよるが、完全な原作の上位互換作品である。
*@SIMPLE DLシリーズ Vol.13 THE タクシー ~僕はカリスマ運転手~
【あっとしんぷるでぃーえるしりーず ぼりゅーむ13 ざ たくしー ぼくはかりすまうんてんしゅ】
|ジャンル|カーアクション|
|対応機種|ニンテンドー3DS(ダウンロード専用)|
|発売元|D3パブリッシャー|
|開発元|タムソフト&br()WaiS(移植作業)|
|発売日|2013年6月12日|
|定価|600円|
**概要(3DS)
-3DSのダウンロード作品として登場した廉価移植版。
-PSP版のカスタマイズが引き継がれているほか、ノルマの存在しない待望のフリーモードが追加された。
--そのほか、「携帯ショップ」「英会話教室」など新しい目的地も設定されるようになった。
--また、理不尽な特殊ミッションを一部削除するなどの改善もみられる。
-……が、その一方で大きなボリューム削減が行われており、''「エリア移動」と「夜間営業」が廃止された。''
-要するに、原作では4つあったマップのうちの''初期マップ「虹色シティー」のみ、それも昼間マップのみしか運転できない''ということである。
--エリア移動のために設置されていたトンネルは、建物が置かれて無理矢理塞がれてしまっている。
--クリア目標は100万円で変わっていないため、単純に考えて''4倍冗長になっている''計算である。
--このゲームの主要な長所のひとつである「世界が広がっていく楽しみ」を思いっきり削いでおり、この変更は大いにいただけない。
-価格こそかなり安くなっているが、いまいちお勧めはできない出来となったのは残念である。
--もっとも、本作から始めるのであればそれなり程度には遊べる作品とは言える。
''本項目では以下を取り扱います。''
-''『SIMPLE2000シリーズ Vol.48 THE タクシー ~運転手は君だ』(PS2原作)''
-''『SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.9 THE マイ・タクシー』(PSP移植)''
-''『@SIMPLE DLシリーズ Vol.13 THE タクシー ~僕はカリスマ運転手~』(3DS移植)''
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*SIMPLE2000シリーズ Vol.48 THE タクシー ~運転手は君だ~
【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむよんじゅうはち ざ たくしー うんてんしゅはきみだ】
|ジャンル|カーアクション|&amazon(B0001L25D8)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|D3パブリッシャー|~|
|開発元|タムソフト|~|
|発売日|2004年4月8日|~|
|定価|2,000円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|リアリティのある運転手体験&br()リアリティはないけど自由な車操作&br()バリエーション面でやや難あり|~|
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**概要
D3パブリッシャーによる廉価ゲームシリーズ『SIMPLE2000シリーズ』の1作。~
「虹色シティー」の新人タクシードライバーとなり、運転手としての仕事をこなして料金を稼ぐゲームである。~
**特徴
-プレイヤーはタクシー会社本部から出発して、定刻まで(ゲーム内時間で8時~13時)「道端で客を乗せる→目的地まで送る」を繰り返すことになる。
--このゲームでは歩道が車道側と建物側に分かれており、車道側の歩道に立っている通行人は全てタクシーの客である。客を乗せていない空車の状態で客の近くにタクシーを停めると、自動でその客を乗せられる。
--客を乗せると目的地を指定してくるので、タクシーでそこへ向かう。指定された目的地の周囲には緑色の枠が表示されており、そこでタクシーを停止させることで無事に送り届けたことになり、料金を払って貰える。
--料金設定は現実のタクシーと同様で、固定運賃に加え一定距離走るごとに運賃が逓増していく。
--時間制限が設定されており、あまり時間がかかると客は降りてしまうが、逆に早い時間で送り届けると料金に大幅なボーナスがかかる。
---早く着くことによるボーナスは最大×3倍と非常に大きい。料金水増しのためにわざと遠回りしてダラダラ走るより、素直に早く着くほうが効率が良い有効な仕様である。
---ただし、「残り何秒の時点で到着すればボーナスがかかるか」を覚えれば、ギリギリまで遠回りして料金を稼ぐこともできる。このあたりは駆け引き。
--大まかな方向を示す「矢印」とボタンで見られる「全体マップ」は表示されるが、直接的に「どこに目的地があってどう行けば着くのか」は手探りで探すことになる。
--拾った客を強制降車させることもできる。目的地を覚えていない、制限時間内に辿り着けなそう、などの理由で緊急時には使える。
-最初はタクシー会社の本部(スタート地点)のある「虹色シティー」しか運転できないが、総売り上げ額や日数が増えてくると所長から認められ、新しいエリアにも行けるようになる。
--娯楽施設の多いエリア「遊楽海岸」、住宅地で日常的な施設の多い碁盤目状のエリア「夢見ヶ丘」など、エリアごとの特徴もある。
--新しいエリアには当然新しい目的地があるため、タクシーの乗客が指定してくる行先もその分増えていく。
--客を乗せたエリアと目的地があるエリアが同じとは限らず、エリアをまたいで目的地を指定してくる場合も多数ある。客は目的地の名前しか言ってくれないので、自分でどこのエリアに何があるのかは覚えておかなければならない。
-場合によっては、単に目的地へ送り届ける以上のことを要求してくる客もいる。
--複数の目的地に順番に送り届ける、走っている車から特定の車を探す、「特殊ミッション」として行動に制限を設けられるといったものがある。
--こういった客は通常より高い運賃を貰えるため実利的に有難いのはもちろん、地味なタクシー業務のアクセントにもなっている。
-タクシー運転手としての評価のパラメータがある。
--客を無事に送り届けられると上がり、早く届けると大きく上がる。
--一方、客を乗せている途中に衝突や急ブレーキが発生する、制限時間内に送れない、強制降車させる、通行人を轢きそうになる、といった客や一般人の気分を害する行為を行うと、その度に少しずつ下がる。
--評価が上がるほどタクシー待ちの客が増え、客を拾いやすくなる。
--評価の値を直接確認することはできず、運転中に所長が定期的にコメントで教えてくれる。
-毎日ノルマとなる売り上げ金額が設定されており、少なくともそのノルマは越えなければならない。
--ノルマは最初は3500円と少額だが、日が進むにつれて増えていき終いには数万単位になる。
--''一日でもノルマを達成できなければ即座にゲームオーバー''である。プレイが安定してきても気が抜けない。
--売り上げの総計額が100万円に達した時点でエンディング。その後もプレイを続けられる。
-ゲームが進むとタクシーがチューンナップされ、最高速やグリップなどの性能が上がっていく。
--特に、最高速は''約200キロまで上がる。''制限時間延長や運賃アップなどの効果を持つ「ぼんぼり」も装備できる。
--また、ある程度進むと、夜の街を走れるようになる。夜の街は客が少ない代わりに運賃上昇速度が速く、特殊な要求をする上客も多いという特徴がある。
**評価点
-非常にシンプルなルールで遊びやすい。
--街を探して客を探し、目的地まで送り届けることを繰り返すだけと、基本ルールは非常にわかりやすい。
---かと言って適当にやっていても簡単にクリアできるほど甘くはなく、上記のようにある程度のテクニックも存在する。
--『[[クレイジータクシー]]』を筆頭に、タクシー運転を扱ったゲームは他にもあるが、本作はそれらほどシビアな走りを要求される訳では全くなく、ゲームとしての趣は大きく異なる。
--タクシーの客以外にタクシーに乗らない通行人もいないと不自然だが、かと言って両方を描くと見分けがつきにくくなるという難点も、歩道を分割するというアイデアで解消されており、結果として&bold(){「歩道に立っているのは全てタクシーの客」}という分かりやすさを実現しつつ不自然さを抑えている。
-道順を覚えることによるタクシードライバーとしての成長感が味わえる。
--始めは指定された目的地にすぐ辿りつけず矢印を頼りになんとか到着することになるが、段々と道を覚え、行き先を聞いただけで道順をほぼイメージできるようになる。
--割にバランスは整っており、大体マップや建物の配置を覚えてきたあたりで新しいエリアが追加されるようになっている。
--客の出現しやすい場所があったり時たま特定の場所に客が増えることもあったりするため、そういったことも計算に入れると収益性が高くなる。
--回数をこなすことで効率が良くなり、貰える料金も増えていく。こういった、慣れが結果に大きく反映される快感が本作の醍醐味だろう。
-[[『チョロQ』シリーズ>チョロQシリーズ]]を作ったタムソフトだけあってタクシーの操作性はとても良く、やや慣れは要るが、単純な操作でレースゲームと同等以上にスイスイ運転できる。
--200キロ近い速度を出そうが道路の右側を逆走しようが歩道に乗り上げようが基本的にお咎めなし。好きなように道路をかっ飛ばせる。
---''道路に落ちているニトロをストックして使う''ことで、一時的に速度にブーストをかけることも可能。ツッコミ所が多いが気にしてはいけない。
--信号などもなく車操作としてのリアリティはほとんど皆無だが、その分ストレスは感じさせない。
--衝突や急ブレーキによる評価ダウンのデメリットはあるが基本的に影響は小さく、慣れればトロトロ律儀に左側通行で走っている他車を横目に自由にタクシーで駆け抜けられる。
**問題点
-ややボリューム不足。
--価格面を考えれば人によりけりで妥協されうるレベルではあるが、それほど長くは遊べない。
-やることは最後までほぼ変わらず、基本的に同じことの繰り返しになる。
--飽きさせない工夫は確かにされているが、ゲームの設計としてどうしてもだれやすいところはある。
--客のグラフィックや目的地のバリエーションをより増やしたり、おまけ要素をもう少し充実させるなどがあればよかったのだが。
--続編『THE タクシー2』では「送迎」やストーリーミッションの追加など、追加要素が多い。
-エリアを切り替えた際のロードが若干もたつく。
--中盤以降になると、エリア移動はかなり頻繁に行うので気になるところである。
-一部の特殊ミッションが厳しい。
--「停止禁止」「スピード○○km以上禁止」「方向キーが左右逆に」あたりはまだいいとして、「右折禁止or左折禁止」や「衝突禁止」は達成が非常に面倒、もしくは困難。
---「右折or左折禁止」は右キー(or左キー)が一切効かなくなるという、極めて面倒な走行を強いられる。
---「衝突禁止」は1度ぶつかっただけで客が降りてしまう。このゲームで「一度も衝突しない」というのはかなり厳しい。
---客を強制降車させることで実質的なギブアップをすることは可能だが、また新しい客を見つけなければいけなくなるし客からの評価も下がる。
--「急いでるから(停止禁止)」「ケガしているから(衝突禁止)」などはそれなりに妥当性のある理由がつけられているのだが、「急にハンドルが故障して右折禁止」というのはかなり無理矢理感あり。
--慣れれば問題ないことではあるが、「ブレーキ禁止」は目的地に止まるためのブレーキも禁止なので自然減速で止まらなければならない。
-強制降車がボタン一つで確認もとらずに行われてしまうため、誤爆の危険がある。やっと目的地に着こうかというときにやってしまうと悲劇。
-所長のアドバイスメッセージが画面中央近くに出るため、邪魔になりがち。
-ほぼ常にノルマに追われるため、のんびりと街を流し運転して散策するということはほとんどできない。
--クリア後はノルマなしで自由に運転できる、いわゆるフリーランを付けて欲しかったという声はある。
**総評
突き抜けた面白さがある訳ではないものの、SIMPLEシリーズの良い部分が比較的出ており、堅実な魅力のある作品。~
バランス調整がそれなりにしっかりしていて、「慣れる」過程が続くことによるものが大きい。~
『クレイジータクシー』のような派手さや勢いはないが、こちらにはこちらの個性があってまったりと楽しめる。~
ライトな雰囲気もあって、息抜きとしてそれなりにお勧めできる。
一定の中毒性がある一方で、だらだらとしたプレイになりがちなことからやや人を選ぶのが難点だろう。~
バラエティ面でもやや物足りず、どうしても作業的な側面は捨てきれない。~
今やるなら後述のPSP移植版か、続編の『THE タクシー2』のプレイをお勧めする。
**余談
-パッケージ画像には、D3パブリッシャーの名物キャラである「双葉理保」も写っている。
--客として自然な形で出すことはできたと思われるのだが、ゲーム内には全く登場しない。
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*SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.9 THE マイ・タクシー
【しんぷるにせんごひゃくしりーずぽーたぶる ぼりゅーむきゅう ざ まいたくしー】
|ジャンル|カーアクション|&amazon(B000LPVJP4)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|発売元|D3パブリッシャー|~|
|開発元|タムソフト|~|
|発売日|2007年2月22日|~|
|定価|パッケージ版:2,500円(税別)&br()ダウンロード版:2,000円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|既存要素についてはPS2版からそのままの移植&br()車体のカスタマイズ要素が追加|~|
|>|>|CENTER:''[[SIMPLE2500シリーズ Portable!!]]''|
**概要(PSP)
『THE タクシー』のPSP移植版。~
既存要素に対しての変更はほぼ無いが、タクシーの外観を変更する「カスタマイズパーツ」が追加された。~
**特徴(PSP)
-画面のレイアウトがやや変更されている。
--画面比率がPS2版と変わったことも影響していると思われる。
--料金表示や速度メーターなどのレイアウトが変わっただけで、情報量自体は変わっていない。
-大きな変更点は&bold(){「カスタマイズパーツ」}の追加である。
--各営業日の開始前に、パーツを選んで付け替えることで、タクシーの外観を変えることができる。
--パーツの種類は「カラー」「バンパー」「ホイール」「ナンバープレート」といった分類に分かれ、それぞれを選んでセットすることが可能。
--パーツは、乗客を送り届ける度にランダムで貰うことができる。
--パーツによる性能の変更などはなく、完全に装飾要素として独立している。
**評価点(PSP)
-カスタマイズパーツはなかなか多彩。
--上記に挙げた各種で車体全体をカスタマイズでき、ステッカーや小物アクセサリーなども沢山揃っている。
--量の面でもそれぞれ十数種類程度、全100種類以上とそれなりに豊富。ネタ的なものも多く、製作・開発が同じ『族車』シリーズを意識してか族車っぽいパーツも多く見られる。
--収集が一種のやりこみ要素にもなっており、クリアして終わりで特にやりこみ要素のなかった原作からその点でも改善された。
--外観以外に特に変化はもたらされないが、「辛うじてタクシー」みたいな車を作っても客はちゃんと乗ってくれる。
**問題点(PSP)
-特に原作での問題点の改善はない。
--大きな追加要素は難しいにしても、上述の降車確認の問題など、細かいレベルの修正要望は拾って欲しかったところ。
-カスタマイズパーツは、入手していないものでも選択画面でシルエット表示される。
--シルエットで内容がわからないナンバープレートはともかく、他のパーツはシルエットでネタバレになってしまっている。
**総評(PSP)
実売価格にもよるが、完全な原作の上位互換作品である。~
とは言え、強くこちらを勧めるほど大きな追加要素がある訳ではなく、好きに選択できるレベルだろう。~
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*@SIMPLE DLシリーズ Vol.13 THE タクシー ~僕はカリスマ運転手~
【あっとしんぷるでぃーえるしりーず ぼりゅーむじゅうさん ざ たくしー ぼくはかりすまうんてんしゅ】
|ジャンル|カーアクション|
|対応機種|ニンテンドー3DS(ダウンロード専用)|
|発売元|D3パブリッシャー|
|開発元|タムソフト&br()WaiS(移植作業)|
|発売日|2013年6月12日|
|定価|600円|
|判定|BGCOLOR(khaki):''劣化ゲー''|
|ポイント|&bold(){初期マップ「虹色シティー」のみの移植}&br()PSP版で追加されたカスタマイズ要素は引継ぎ&br()新たな目的地、フリーモードなど追加要素はある|
|>|CENTER:''[[@SIMPLE DLシリーズ]]''|
**概要(3DS)
SIMPLEシリーズにおける3DSのダウンロード作品ブランド「@SIMPLE DLシリーズ」で登場した廉価移植版。~
他の「@SIMPLE DLシリーズ」と同じ価格帯であり、原作より大幅に価格が引き下げられているが、そのためなのかボリュームの削減が行われている。~
その一方で追加要素も見られ、単なる廉価版とも異なるものとなっている。~
**特徴(3DS)
-ノルマの存在しないフリーモードが追加された。
--客からの評判やダッシュ用のニトロの所持数については本編と共有なので、本編で減った評判やニトロを、ノルマに追われず余裕を持って走れるフリーモードで回復させるということもできる。
-「携帯ショップ」「英会話教室」など、新しい目的地が設定された。
-「左折(右折)禁止」などの理不尽な特殊ミッションを一部削除するなど、既存要素の一部改善もみられる。
**原作からの劣化点
-大きなボリューム削減が行われており、''「エリア移動」と「夜間営業」が廃止された。''
--要するに、原作では4つあったマップのうちの''初期マップ「虹色シティー」のみ、それも昼間マップのみしか運転できない''ということである。
---エリア移動のために設置されていたトンネルは、建物が置かれて無理矢理塞がれてしまっている。
**評価点(3DS)
-改善された点についてはかねてから待望されていたことも多く、いずれも文句のない評価点である。
--フリーモードで評判やニトロを回復できるようになったことで、難易度も少しだが下がり詰みにくくなった。
--ボリューム削減に目が向きがちなものの、この価格帯への移植で追加要素を実現できたこと自体が評価には十分値する。
**問題点(3DS)
-ボリューム削減により、ゲームの楽しさが相対的に削がれている感は否めない。
--エリアは4つから1つだけになったにもかかわらず、クリア目標は100万円で変わっていない。目的地は増えているので「4倍冗長になっている」と書くのは少々誤りだが、それでも冗長になっているのは間違いない。
--エリアが増えることによる「世界が広がっていく楽しみ」もこのゲームの主要な長所のひとつであっただけに、それがボリューム削減で無くなってしまったのはやはり問題点とせざるを得ない。
**総評(3DS)
価格は原作に対してかなり安くなっており、この価格帯で追加要素や改善点が複数入っている点でも努力は十分窺える。~
とは言え、一方でかなり乱暴なボリュームの削減をしており、原作プレイヤーにはどうしてもそこが気になってしまうのも確かである。~
これが出来るのなら、価格を少々上げてでも追加要素+ボリュームそのままの移植は出来なかったのだろうかと思ってしまうところだろう。~
もっとも、本作から始めた場合でも、そうでないにしても普通に遊べる作品ではある。~
総合的な評価では、やはり原作の方に軍配が上がるだろうが。~