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ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth」を以下のとおり復元します。
*ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth
【うるとらまん ふぁいてぃんぐえぼりゅーしょん りばーす】
|ジャンル|対戦格闘|&amazon(B000AMCV46)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|バンプレスト|~|
|発売日|2005年10月22日|~|
|価格|7,140円|~|
|レーティング|CERO:全年齢対象|~|
|廉価版|バンプレストベスト:2007年7月19日/2,940円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|ムービー長すぎ&br()技・キャラ減少&br()「転生」を目指した意欲は評価できる&br()偉大すぎた[[前作>ウルトラマン Fighting Evolution 3]]の威光|~|
|>|>|CENTER:''[[ウルトラマンゲーム・リンク>ウルトラマンシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
特撮番組『ウルトラマン』シリーズに登場するキャラクターを使った3D格闘ゲームシリーズの第4作だが、『4』ではなく『''リバース(転生)''』というタイトルになっている。~
これは、「『3』の発展型」としてではなく、別の方向性を追及したソフトである事を意味している。

『3』は『[[2>ウルトラマン Fighting Evolution 2]]』の発展型であり、原作でのバトルや光線技の忠実な再現を目指していたが、本作では「ゲームならではのダイナミックな表現」をメインに据えている。~
スタッフインタビューでは「原作の忠実な再現は前作で行き着いてしまった」と語られている。

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**登場キャラクター
-ウルトラヒーロー
--初代マン、セブン、タロウ、ティガ、ガイア(V2)、アグル(V2)、コスモス
-怪獣キャラ
--ブルトン、ゴモラ、改造ゴモラ、レッドキング、改造レッドキング、ジェロニモン、バルタン星人、メフィラス星人、~
エレキング、改造エレキング、タイラント、改造タイラント、改造タイラントII、キリエロイド、カオスキリエロイド、ワロガ、カオスワロガ、~
カオスロイドU、カオスロイドS、カオスロイドT、ネオカオスダークネス(C)、幻影ウルトラマンアグル(2Pアグル)

-敵専用キャラ
--ネオカオスダークネス(A、B)、ネオカオスダークネスII(A、B)

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**システム
-システムは『3』を踏襲し、シリーズ共通のストーリーモード、バトルモード、VSモードがある。『3』の項目も参照されたし。

-ウルトラモード(ストーリーモード)の内容は完全オリジナルであり、初代『ウルトラマン』に登場したライバル怪獣・宇宙人と『コスモス』のカオスヘッダーが軸になったシナリオとなっている。後述のオリジナルキャラの存在や全体的に暗い雰囲気のムービーやゲーム画面も相まって独特の作風を作りだしている。システムも前作までとは色々と異なっている。

-ネビュラコンボ
--特定の攻撃を敵に当てると発動。画面左上にボタンが出現し、そのボタンが光るタイミングに合わせて入力すると、連続攻撃が繰り出せる((2D格闘ゲームでいうチェーンコンボのようなもの。))。更にボタン入力がすべて成功すると、一定時間パワーアップする。
--ネビュラコンボしている間は敵はガードも反撃もできない。

-必殺技の仕様変更
--ふらふらゲージは廃止され、R1ボタンでゲージを溜めるとゲージ数に応じて必殺技を発動できる仕様になった。その際に相手は同じボタンを選択することで技の回避が可能。前作とは違い、ゲージさえあればいつでも使えるようになった。
--ゲージを最高まで溜めた際、一撃必殺技が使用可能になる。 

-チュートリアル
--ウルトラマンを操作しながらゴモラを相手に基本操作や必殺技等の使い方を練習することができる。

-ステージ 
--高層ビル群、怪獣島、火山口付近、水力発電所、夜の街、鍾乳洞、火山口付近、コンビナート、空港土地、小惑星、南極、異空間、ウルトラタワー、ウルトラの国、プラズマスパークと全部で15種類ある。((鍾乳洞ステージは天井が存在するため限られた組み合わせでしか選べない。))

-大破壊モード
--メフィラス星人の作った仮想都市をゴモラで破壊するゲーム。すべてのウルトラモードをクリアすると出現。
--フィールドは大まかに奥・中・手前3つのラインで構成されており、奥と手前に建物が存在する。
---ゲームが始まると、一部の建物にカーソルが表示され、これを破壊することで得点が加算される。カーソルは時間経過により、黄(得点中)→白(得点低)→赤(得点高)と色が変化していく。赤を狙うよりも黄色の状態で多く壊した方が高得点になりやすい。
---操作方法は他のモードとは大きく異なり、↑↓ボタンで前後移動、←→ボタンでそれぞれの向きに旋回する。攻撃は、□で近距離攻撃、△で突進攻撃、○でその場で一回転攻撃の3種類が使用できる。

-各モード切替時に任意、もしくはオートでセーブが可能。

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**評価点
-登場怪獣にメフィラス星人・ジェロニモン・キリエロイドなどシリーズ初出のキャラが追加。
--ブルトンなどのマイナー怪獣やメフィラス星人、キリエロイドなどメジャーなライバルキャラを追加したことは評価された。

-FEシリーズ初となるゲームオリジナルキャラのカオスロイドやカオス宇宙人、改造怪獣が追加。
--既存キャラのコンパチでは無く、新規に必殺技やモーションも作られ本家との差別化がしっかりなられており。1ゲームとしても評価出来る作り込みである。改造後のデザインは元の怪獣や宇宙人の戦力を更に引き延ばしたような見た目で大胆なリニューアルが施されている。
---改造ゴモラは尻尾が伸縮自在、レッドキングは腕部がマグマを帯びて肥大化しているなど。改造タイラントに至っては更に多くの怪獣と合体して四足歩行と化し、''元の2倍以上の大きさ''にまで強化され混沌とした外見になっている。
--OVシリーズ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』で主人公やライバルの操る最強怪獣として登場したEXゴモラ、EXレッドキング、およびアーケード用カードゲーム『大怪獣バトル』に登場したEXエレキング、EXタイラント、EXタイラント(デスボーン)は、本作に登場した改造怪獣が初出である。
---二次創作から実写作品に逆輸入されたウルトラシリーズとしては稀有な存在となった。

-グラフィック、モーション共に良好だった前作より更に良くなった。
--前作から60fpsから30fpsになったが元々TVでのウルトラマンはヌルヌル動いてあるわけではないため特に不評はない。というより30fpsになったためダイナミックにみえる。
--これに関連してウルトラシリーズの1つの醍醐味であるステージ破壊の表現がさらに細かくなり、車など小物の増加や窓ガラスの割れといったものが追加された。
--モーションは前作と比べるとスピーディになりゲーム的な見栄えが良いものに変化し、細かい動きも増えた。
--演出もゲーム的になり、カッコよさも相まって評価は高い。それを表しているのは必殺技で、ほぼ全てダイナミックに変化。従来のウルトラマンにはない''圧倒的な迫力''。例を出すと初代マンのスペシウム光線は後輩たちに比べれば溜めポーズのない少し地味なものに感じるが本作では「しゃがみながら腕にスペシウム溜め(ゴゴゴゴゴ・・・)→勢いよく両腕を振り払い立ち→勢いよく構え→発射''(発射勢いで少し後退、周りの建物など崩壊かつ地面が崩れる)''」とダイナミックに変化。セブンのワイドショットも''相手以上の面積''に拡大、タロウのウルトラダイナマイトも''火柱ならぬ炎柱と化している''。ガイアに至ってはスプリーム・バージョンへの変身時に''筋肉がダイナミックに隆起する。''他にもドラゴンボール並光線、隕石落とし(!)、惑星破壊(!?)など様々。[[怪獣の必殺技は必見ものである>http://www.youtube.com/watch?v=cchJQTsqCnI]]。''(音量注意)''

-前作ではコスモスは基本形であるルナモードが扱いづらい、もう一つの基本形コロナモードに変身できないなど不遇だったのだが、今作ではルナモードが扱い易くなり、コロナモードへの変身も出来る様になった(フューチャーはなくなった)。エクリプスモードのハンデもなくなった。

-ウルトラマンタロウの掛け声「アー!」。この原作でも印象的な声も収録されており、ウルトラマンゲームの中でもかなり貴重である。

-単なる色違いであるが''V2仕様のニセウルトラマンアグルが使用できる''(2P限定カラー)。

-初代マン・セブン・タロウの主題歌はアレンジ版が収録されている。これはダイナミックにアレンジされており好評。
--また前作と比べてガイアの主題歌「ウルトラマンガイア!」が収録されている事も評価された。

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**問題点
前作は異常な内容の充実度から''「神ゲー」''と呼ばれ、一時プレミア化していた程だったが、本作はそれに何かと比較され、辛辣な意見が寄せられた。
-使用できるキャラ数が37体(ヒーロー16、怪獣21)から28体(ヒーロー7、怪獣11、改造怪獣10)に減少。しかも''新マンやエース、ダイナといった主人公格が削除''。
--必殺技も、原作で1度しか出なかったマイナー技まで使えていたものが、''1キャラ最大3種まで減少''。技の選定についてもタロウの必殺技が非常にマイナーで''前作にすら収録されていない''「ブレスレットランサー」だったりアグルの必殺技がオリジナルのカウンター攻撃だったりと奇妙な点がある。

-リプレイ・タッグ・ビューの各モードが失われた。

-ジャンプ攻撃の改悪。「ジャンプ中に攻撃」では何も起こらず、ジャンプボタンと攻撃ボタンを同時に押さないと出せない。

-ネビュラコンボの難易度がキャラによって大きくばらつきがある上タイミングが取りにくい。バルタン星人に至っては''避け攻撃から移行するが避け攻撃自体の難易度が高い''ので練習もしにくい。

-必殺技は派手でダイナミックな表現にアレンジされているのだが、ムービーが非常に長い(スキップ不可)。
--特にジェロニモンの技は使用中にトイレにも行けそうである。また技自体の種類も少ないため、飽きも早い。
---コスモスのフルムーンレクトは原作のゆっくりとした動きを強調しているため冗長な上にSEがやたらキラキラ鳴る。ウルトラモードでは実質的な主人公(改造怪獣等を元に戻せるため)なので嫌でも多用することになる。
--また、必殺技で相手にとどめを刺した時に相手の体力が0になった瞬間''BGMが止み、無音になる。''息の根が止まったのを表す演出なのかもしれないが各ウルトラマンの主題歌が流れている時は盛り上がっているところでいきなり無音になるためテンションが下がってしまう。

-キリエロイドの特徴的な声「キリキリキリ」が無い。バルタンの「フォフォフォ」にあたるものなので入れてもらいたかった。

-『ウルトラマンガイア』の怪獣が1体もいない。
--『ガイア』の怪獣は他の作品に比べると少々ややこしい設定((根源的破滅招来体は正体不明、宇宙怪獣の一部は破滅招来体の被害者、地球怪獣は最終的に共に地球に生きる仲間。))で扱い辛いのかもしれないが、今作の怪獣はジェロニモンによって蘇ったという設定なので出そうと思えば出すことはできたはずである。
---代わりということなのか、ブルトンとの戦いでクインメザードやガンQを彷彿とさせる描写がある((前者は幻影ウルトラマンアグルの出現、後者は体内に入っての戦い))。

-ウルトラモードが初見殺し。
--各ステージで、まず防衛隊の隊長と隊員による、長ったらしいナレーション入りのデモが入る。この会話がやたらと説明的で、聞いているとダレてくる。
---しかもこのデモは、そのステージを1度クリアするまではスキップできない。つまりステージ中で敗北すると、また最初から見直さなければならない。
--1面の敵は、オーソドックスな怪獣…ではなく、クセの強い特殊タイプのブルトン。更に戦闘中に「空間歪曲」というイベントが起こり、攻撃が当たらなくなる。
---「それは空間歪曲だ!攻撃が当たらなくなるぞ!」「スペシウム光線も避けられちゃうんですか?どうやって戦うんだ、ウルトラマーン!」という会話が入るが、''こういう時に限ってヒント無し''。
---投げ技を食らわすと歪曲は解除される。その際「そうか、投げか!強い衝撃で歪曲が消えたんだ」ともっともらしい説明が入るが、''攻撃が当たらなくなっているのになぜ投げだけ当たるのかがそもそもわからない''。1面からこれである…。
--その後は比較的オーソドックスな面が続くが、時々ブルトンの様なややこしい局面が出てくる。前作はステージ開始時にプレイのヒントが表示されていたのだが。
---ゴモラ戦ではムービー明け早々''何の予告もなくボタン連打を要求される。''
---改造ゴモラ戦では「×ボタンで改造ゴモラを国連軍の攻撃から庇え」という指示をされるが、この動作から発展してあるプレイに繋げなければクリア出来ず、''折角庇ったゴモラに串刺しにされて死んでしまう。''
---改造タイラント戦については攻略方法に気付かない限り''タイラントが延々と復活する。''
--クリア後の評価基準も前作のような「原作通りの行動を取ると評価点が上がる」というシステムがなく純粋に残り体力や残り時間で換算されるため中々高評価を取りにくい。その代わりとしてか特定のプレイを重ねると隠し要素が解放される「ミッションポイント」というシステムがあるのだがかなり難易度が高い上に仕様に問題がある(後述)。
--最終面は他の面より遥かに多く連戦をこなさなければならないため、難易度が極端に高くなっている。
--''しかしある面でしかできない限定の必殺技は評価されている''。

-ウルトラモード内のミニゲームが鬼畜難易度。
--クリアするのは簡単だがミッションポイントを貯める為にはノーミスクリアが必要となり、それを目指すとテストプレイしたのか怪しい程の難しさ。
---しかもイージーモードにしてもちっとも簡単にならない。

-「カオスロイド」の扱いがぞんざい。
--カオスロイドは初代マン・セブン・タロウの偽者的存在で、CMに登場したり特典ソフビになっていたりと存在を強くアピールされていたが、本編での扱いは「''ラスボスの一話前に3人まとめて出てきて、それぞれ1回で倒されて全滅する''」というあんまりなものだった。
---一応、3人で光の国を壊滅させた事やほぼ完全な新規モーションである事、技の派手さなど、ビジュアル的見せ場や非常に凝った技の作り込み等、キャラゲーとしてはかなり頑張った方であるのは間違い無い。ただ、もう少し登場時間や捻りが欲しかったところではある。
---後にこちらのカオスロイドも映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』やバトルステージに逆輸入されたが、スーツが元になったウルトラマンのものの色替え版のため黒目がついてしまっている(本作では全面赤目)。

-隠し要素は隠しキャラとステージだが、前者は1度クリアした面を''再度プレイ''し、「○○した上でクリアしろ」という条件を一定数満たしミッションポイントを貯めなければ出現しない。更に条件を満たすことに失敗しても''ポーズ画面からリトライできない''ため失敗するとステージの始めからやり直しとなる。
--最後である『彼』は非常に厳しい出現条件のため苦労した人も多いはず。
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**賛否両論点
-原作のアクションを無視した動きをするキャラが非常に多い(特に必殺技に顕著)。『''リバース(転生)''』を銘打ったこのゲームに求めるのは野暮なのだが。

-改造怪獣のデザイン、特に「第1期ウルトラシリーズ」のキャラクターのリ・デザインには保守的な層から否定的な意見があった。
--しかし近年では映像作品への逆輸入や同じコンセプトの怪獣(EXゼットンなど)が増えた為か受け入れられつつある。

-ウルトラマンの体に物が突き刺さるなどショッキングな表現が多い。特に『異形の怪獣』での改造エレキングの内臓の表現はトラウマもの。

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**総評 
前作と比べればボリューム不足と言われ、単品で見ると難易度が高くストレスが溜まるという、けっして成功したとは言えない実験作であった。~
やはり''前作が神がかりすぎたのが祟った''のであろう。~
単体で見ればウルトラモードの難易度は高いもののゲームとして遊べない出来ではなく、一新された鮮烈なビジュアルからは、新たな地平を見出そうというスタッフの気合いを感じられる。~
[[どこかのゲーム>仮面ライダー クライマックスヒーローズ]]も''これ位は気合いを入れてくれても良かったのではないだろうか''。

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