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ポップンミュージック14 FEVER! - (2023/11/04 (土) 13:44:57) の編集履歴(バックアップ)


ポップンミュージック14 FEVER!

【ぽっぷんみゅーじっく ふぉーてぃーん ふぃーばー】

この項目では、アーケード版・プレイステーション2版共に解説します。
AC版は 良作 判定、PS2版は判定無しとなっています。


アーケード版

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 アーケード
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼働日 2006年5月17日
判定 良作
ポイント e-AMUSEMENT PASS初対応
「待ってダーリン!フィーバーロボがまだ出来てないわ!」
ポップンミュージックシリーズ

概要

アーケード版『pop'n music(ポップンミュージック)』シリーズのナンバリング14作目。テーマは「ディスコ」「ダンス」。
本作からデータ保存メディアが各ゲーム個別の磁気式「エントリーカード」から汎用のICカード「e-AMUSEMENT PASS」に変更され、プレイデータ保存が他のコナミゲームと共通になった。

ゲームモード

  • エンジョイモード
    • 初心者向けの簡単な譜面でプレイするモード。版権曲がメインだが一部のオリジナル曲も入っている。
  • チャレンジモード
    • お馴染みの中級者に向けた基本モード。様々なノルマを設定し、チャレンジポイントを規定数稼いだ上で全ステージクリアを達成するともう1曲オマケで遊べるEXステージが出現する。
      • ゲージは満タンから始まってミスをすると減少(コンボを繋げると回復する)するタイプの専用ゲージで、ゲージが0になった時点で強制終了となる。
  • 超チャレンジモード
    • 前作AC13「カーニバル」から搭載されたチャレンジモードの上位版。エキスパートコース専用だったCOOL判定が標準で搭載されておりより高い精度が求められる上級者向けのモードとなっている。
      • 1曲目クリア失敗で即ゲームオーバーという厳しい条件がつく代わりに、チャレンジモードと共通で選択できるノルマの配点が増加することに加え、チャレンジモードでは選べない更なる高難度ノルマが選択可能(難しい分、配点もより高い)。
      • 更にオジャマノルマ2つを個別に「最初から最後までオジャマ」状態にする「ずっと!ON」機能が新たに搭載されており、よりスリリングなオジャマプレイが楽しめるのに加え、ONにしたオジャマノルマの獲得ポイントが1.5倍になる。
        総じて難易度が高めのモードであるが、これらの要素によりチャレンジモードよりもポイントが稼ぎ易いのが利点となっている。
    • ま前作から引き続き、より高度な設定条件を満たしてクリアすることで、EXステージの代わりに通常ステージと同じタイプのゲージで最後まで曲を遊べるスーパーEXステージが出現する。
    • スコアはチャレンジ、超チャレンジ双方で別枠で管理される。
    • ネット対戦モードで獲得したオジャマが使用できるのはこのモードのみである。
  • NET対戦
    • AC12から継続して登場している全国のプレイヤーとスコアで競うリアルタイム対戦モード。
  • エキスパートモード
    • テーマ別に決められた4曲のスコア合計値を追求するやりこみモード。インターネットランキング登録専用のモードとなっている。

評価点

  • e-AMUSEMENT PASSへの移行
    • 前作までは各ゲーム毎に別々の専用エントリーカードが必要であり、データ引継ぎの度に改めて新しいものを用意する必要があったが、今作からはコナミゲーム共通のカード1枚で済むようになった。
    • 今作からカードリーダー自体が変更されたため、前作からのデータ引き継ぎ方法が変更されている。
      • 前作のエントリーカードを直接挿入することが不可能になったため、事前に確認した前作の「POP'N ID」を入力して間接的に行う形式になった。
      • POP'N IDは前作の筐体上で事前に表示されていた他、本作への稼働移行後も前作の携帯サイトや携帯アプリ『ポップンパスポート3』で確認が可能だった。
    • 共通カードとなったため、e-AMUSEMENT PASS同士の引き継ぎ等の管理は筐体上ではなく専用サイトで行うものに変更された。
  • デフォルトでオプションのHI-SPEED×5・×6、S-RANDOMを搭載。
    • 前作まではカード使用時の特典オプション(隠し)扱いだったが、無条件解禁となった。
    • 家庭用でも同年に先駆けて発売されたPS2版『12 いろは』以降よりデフォルト搭載されている。
  • 「同一曲連続選択」のデフォルト化
    • 前作までは筐体側で設定を変えない限り1プレイ内で同じ曲を再び選ぶことが不可能だった(そのプレイ中は一度選んだ曲が消滅していた)が、今作から設定自体が消滅し同じ曲を何度も選べる状態がデフォルトになった。
    • これにより、どこの筐体でも同じ曲を連続で選んで反復練習することが容易になった。
  • 削除曲が一切なく、前作AC13『カーニバル』と比較して純粋に収録曲が増加している。
    • AC14までのシリーズ中、前作までの収録曲を完全に引き継いだ作品はAC1→AC2のみであり、それ以外は何かしらの曲が削除されるケース(主に版権曲)が多いので*1、プレイヤーにとっては嬉しい点である。
  • 版権曲で任天堂とのコラボとして「スーパーマリオブラザーズBGMメドレー」を収録し、大きな話題となった。その他にも提供曲としてALI PROJECTの「愛と誠」、アルファ&スチャダラパーの「惚れたぜHarajuku」、Plus-Tech Squeeze Boxの「BABY P」などを収録。
  • ボス曲の難易度はこれまでのシリーズに比べ高い。
    • 今作のボス曲「プログレッシブバロック / Übertreffen」のEX譜面は、本作初登場時Lv42、後にLv43(現在のLv49)となった高難度譜面である。
    • AC9以降、AC10「グランヂデス(Lv42)」、AC11「ナニワヒーロー(Lv41)」、AC12「ヒップロック3(Lv42)」、AC13「コアダストビート(Lv41)」とLv43相当のボス曲が登場していなかったため、ヘビーユーザーからは喜ばれた。
    • しかし、他のLv42譜面に関しては、同レベル内でも簡単というのがもっぱらの評価である。特に「ケンカドラム」「演説」2曲のEX譜面はのちの作品でLv42からLv41(現在のLv47)に降格させられた。
+ 参考動画:プログレッシブバロックEX・ケンカドラムEX

NOTES:1290。余談だが、開発段階では更に難しい譜面を用意していたとか…(現LV50相当?)

NOTES:1237。前述の通り、EXは現在Lv47。

  • NET対戦に「ジョブ」システム導入
    • RPGのような「ジョブ」システムが導入され、ジョブごとに特殊能力(スキル)があり、自分に有利な効果を受けられる。
      • 基本職は「魔法使い」(相手へのオジャマ時間が時々延長)、「戦士」(食らったオジャマ時間が時々短縮)、「神官」(オジャマコンディションが下がりにくい)、「格闘家」(オジャマゲージが増えやすい)の4種類で、プレー毎に変更も可能。ただし、同じジョブを使い続けることで経験値(熟練度)が溜まり、徐々にそのジョブが成長していく。
      • さらに、特定の複数ジョブをマスターする、特定のオジャマを使う等の条件を満たすことで、新たに選べるようになる上級職も存在する。
      • このジョブ制の導入により戦略の幅が広がったため、好評だった。この仕様は次作以降も登場ジョブを追加・入替しつつ、AC16まで引き継がれた。
    • オジャマの獲得条件も大きく変わり、ほとんどが特定ジョブを育成していくと対応するオジャマを徐々に習得していくというものになった。
      • ごく一部を除いて純粋なプレー回数の積み重ねで獲得できるようになったため、前作までのような初心者狩りでオジャマを集める行為が大幅に減ったことが大きい。
    • 総合1位が影響するコレクション要素についても、前作までの「3位の所持している固定アイテムを1位が入手」というものではなくなり、宝箱からランダムにアイテムが獲得できるという要素になった。
      • 一応、出現するアイテムの傾向は3位のプレーヤーのジョブが一部影響するものの、ジョブはいつでも好きに変更でき、収集目当てで特定プレーヤーを狙い撃ちするという行為に旨味はなくなったため、これも狩りの防止に一役買っている。
  • キャラクター関連の評価は従来と同じように好評。
    • 特にイベント終盤の隠し曲「演説 / 猿の経」の担当キャラ「ごくそつくん」は、従来のポップンキャラとは一線を画したインパクト抜群の見た目から一時期大きな話題を呼んだ。
    • 他、「ミニッツ」「ヴィルヘルム」「翔」「蒼井硝子」なども人気が高い。
+ 参考動画:「ごくそつくん」担当曲:演説

賛否両論点

  • 本作のテーマからくるゲーム全般の渋さ・地味さ
    • 本作では「ディスコ」をテーマにしていたため、新曲は全体的に渋いイメージでやや地味めな印象の楽曲が多かった他、ボーカル曲よりもインスト曲の比率が高かった。
    • また、店舗対抗イベント後に解禁されたee'MALLの1st曲は5鍵盤『beatmania』シリーズからの選曲が多く、ポップな雰囲気が少なめで余計に渋さが際立っている。
      その上、ee'MALL曲には低難易度のものが多くEX譜面が用意されていない曲も多い。このため、テーマには合致しているものの盛り上がりがやや足りない。
    • 楽曲自体に渋めなイメージがついていた一方で、テーマ性の要でもあるディスコミュージック系統の新曲が少なかったため、「ディスコという割にいまいちらしさがない」という意見も存在していた*2
  • スーパーEXステージの出現条件が厳しい(前作AC13 カーニバルから継続)
    • スーパーEXステージはチャレンジポイントを通常よりも大量に稼いだ上でさらに細かい条件を満たす必要がある。
      • 超チャレンジを選択した上で「チャレンジポイント=3曲設定で180以上、4曲設定で238以上獲得」
      • スコア系ノルマ(50,000点以上 etc)を1回以上達成
      • コンボ系ノルマ(MAXコンボ50以上 etc) or BAD数系ノルマ(BAD100以下 etc) どちらかを1回以上達成
      • オジャマ系ノルマ(ミニポップ君 etc)を1回以上達成
    • 上記の4つの条件を1度のプレイ内で全て満たさなくてはならないため狙って出すのが難しい。とくにチャレンジポイントが通常よりも多く必要となるため、安定して出したければ高難度のノルマや超上級レベルの曲を楽にクリアできる程の実力が必要となる。
    • 万一上記の条件を満たせなくてもチャレンジポイントが通常の規定値通りに溜まっていればEXステージが出現する。
    • AC15以降はEXステージ同様にポイントを規定数稼ぐだけで出せるようになった。

問題点

店舗対抗イベントの極端すぎる仕様

  • AC14までの解禁イベントは「店舗対抗イベント」の名の通り、隠し要素解禁の速さを店舗間で競い合うスタイル*3をとっていたため、大勢のユーザーで協力してポイントを貯めることで隠し曲を解禁するという仕様が前提だった*4
    • 本作のイベントは、特撮ヒーロー番組をモチーフとした演出の下、皆で協力して指令(ノルマ)を達成していくというものになっており、ユーザー同士の協力をより強固に打ち出していた。
      それがゆえか、ノルマ自体にかなりの手間がかかるものが多く、旧作のイベントと比して作業感がかなり強かった。
      • 店舗対抗の性質上、ノルマのハードルが高いこと自体は必然的なことではありそれ自体は珍しいことではない*5が、「みんなでCOOL&GREATを500,000個達成しろ!」「みんなでCOMBOを500,000コンボ達成しろ!」など、本作ではノルマそのものにプレイヤーの実力が絡む上に達成までのハードルがかなり高く設定されている。*6
        そして下記の通り、これらの膨大な量のノルマを 1週間という短期間で達成せねばならない という、あまりにも極端過ぎる仕様だったため、解禁速度に著しい差が生じてしまった。
        結果的に各ゲームセンターの客層の違いと人口格差により大きく差がついてしまい、従来からの問題点であった人口の少ない店舗の過疎とプレイヤーの流出が顕著になってしまった。
  • イベントは1週間(1話分)ごとに区切られており、毎週ごとに指令が変更される。
    • 期間内にノルマを達成した場合、フィーバーロボ(巨大ロボ)の建設モードになり、完成率を上げていく。
      ノルマ未達成のまま期間が過ぎてしまうとその週の曲が解禁できないまま次の週の指令へ。ただし、未解禁分の曲は翌々週(2話後)に無条件解禁された。
    • ノルマ達成時に製造されるフィーバーロボの達成率が非常に上がりづらく(1プレイにつき0.1%前後*7)、当時のプレイヤー達は「いったいどんな素晴らしい特典が解禁されるのか」と期待し、イベントを高速で消化して必死にロボ完成に勤しんだものの、実際に100%達成して解禁されたのはそのものずばり「踊るフィーバーロボ」というテーマ1曲のみだったため、ガッカリロボなどと揶揄された。
      • なお、曲はサウンドディレクターのwacが手がけており、ユニークな楽曲のクオリティや相応の難易度(旧:Lv42、現:Lv48)を持っていることもあり、曲自体の評判は悪いわけではない。AC17ではkors kによるREMIX版である「踊るフィーバーロボ Eu-Robot mix」も収録された。
      • 後述のee'MALL全削除の件もあり、当時の2chスレッドでは「ee'MALL曲が一挙全解禁されるのでは」など色々期待がこもった予想が行われていたのも一因と思われる。
    • ロボ以外の曲はノルマ失敗でも2週遅れで自動解禁されていたのだが、最終話での指令が問題だった。
      • この週は「フィーバーロボが完成していること」が前提条件になっており、まだ完成していない場合は司令室のオネイサンに「待ってダーリン!フィーバーロボがまだ出来てないわ!」のセリフと共に強制的に呼び止められ、ノルマを無視してロボ建設を強制される。
        前述のとおりフィーバーロボの達成率は非常に上がりにくいため、ロボ建設をそれまで行っていなかった筐体では到底1週間で間に合う筈がなく、無駄に中途半端な建設ゲージを見せられることになり大いに不評を買った。
    • ただし、これらの隠しも店舗対抗イベント終了2週間後に無条件全解禁されたため、その点は良心的と言えた。

ee'MALL*8での配信楽曲が稼働開始の時点で遊べなくなっていた点

  • ee'MALLのサービスは前作『13 カーニバル』の時点で終了したため、前作では救済措置として、ee'MALLで楽曲を購入していた人のみ全筐体で過去の購入曲に限り解禁されていた。しかし本作に引き継ぐとそれらが全消滅。
    • ee'MALL曲は1st分が47曲・2nd分が40曲と計87曲もあったため、過去に全解禁していたプレイヤーからすれば一気に87曲が減少したことになり、稼働当初はその点について批判があった。当初はクリアメダルもその分が差し引かれており、「今後随時解禁」とアナウンスされていたもののその詳細は明かされていなかった。
  • 後に店舗対抗イベント終了4週間後(稼働から約4ヶ月後)、前触れもなく唐突に初代ee'MALLの47曲のみが解禁されたが、ee'MALL2nd分の40曲は次回作のAC15に回された。
    • それまでee'MALL未プレイだったユーザーも無条件解禁によりプレイ可能になったため、本作で初めてee'MALL曲に触れることができたプレイヤーも多かった。
  • 解禁の際、楽曲の担当キャラクターや曲コメント、レベルが大幅に変更された。それまでのポップンシリーズでは容量制限の代理キャラ以外での担当キャラ変更は異例のことであった。
    • ee'MALL稼働当時、キャラクターのチョイスが適当、曲コメントがおかしいと評されていた楽曲もあったことから変更を歓迎する声もあった反面、変更後のキャラクターチョイスが合っていない、自分のお気に入りのキャラクターの担当曲が奪われてしまった等の意見も見られ、ユーザー間で賛否両論となっていた。
      このためか、次作のee'MALL 2nd楽曲解禁時はキャラクター変更やコメント変更が本作に比べてかなり消極的になっている。
    • 前作までは他機種からのee'MALL移植曲のみ曲名表示となっていたが、全てジャンル名に統一された。これにより「ヒップホップ」が3つになるなど、ジャンル被りが多発してしまっている。また、一部の楽曲はジャンル自体が変更された。
    • 移植曲のハリアイイラストは使い回しのままだが、ee'MALL初出オリジナル曲に限り専用のハリアイイラストが用意されている。
  • 前作まで存在したee'MALL専用のカテゴリは作られず、他機種からの移植曲及び他機種へ移植されたポップン曲を集めたBEMANIカテゴリに全て突っ込まれたため、探しづらくなってしまった。
    後にAC15~16でee'MALL専用カテゴリが作られたが、AC17で再びBEMANIカテゴリに統一され、フォルダ制に変更されたAC21では、「BEMANIシリーズフォルダ」に引き続き収められている。
    フォルダの機種別整理や区切り移動が実装されたので、選ぶ手間に関しては幾分マシになっている。
    その反面、一部、機種別サブフォルダが作られていないためレベル順、曲名順、ジャンル順フォルダなどからでないと選曲できなくなった曲が増えてしまった。

その他残念な点

  • 恒例だったクリア後のごほうびCGが廃止された。
    • チャレンジポイント制が導入されたAC5以降で登場したたおまけ要素で、ゲーム終了時に溜まっていたチャレンジポイントのパターンに応じ、エクストラステージ出現の他に異なる1枚絵がゲームオーバー画面に表示されるというもの。
      それ用のイラストを書き下ろす手間などの理由*9からと思われるが、おまけCGを目当てにプレイするのも楽しみのひとつであり、実力的にエクストラステージを出すのが難しいレベル帯のプレイヤーにとっての救済措置的なものとしても機能していただけに、廃止は残念がられた。(家庭用でも同様)

総評

ゲームとしての完成度はそれまでのシリーズと比較して特に劣るわけではなく、ゲームとしての成立を妨げるような重大な問題点なども特に存在していない。
その分、店舗対抗イベントの仕様などにより不評を買ってしまったことが惜しいが、総合的に見て良作と呼んで差し支えないタイトルである。

余談

  • 本作稼働当時のスーパー戦隊のメンバー数は多くても6人前後で構成されていたが、稼働から5年後になるとメンバー数が10人以上とフィーバー戦士 ポップン14に迫るほどの勢いで増加していたり、稼働から数年後の作品での戦隊ロボも同じくフィーバーロボに迫る程の合体数のインフレも引き起こしている等、劇中作「フィーバー戦士 ポップン14」はある意味この後の時代を予言しているとも言える。

プレイステーション2版

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2007年7月12日
定価 7,329円
判定 なし
ポイント 前作まで搭載されていた多くの要素の削除
ee’MALL曲大量収録に伴う弊害
ポップンミュージックシリーズ

概要(PS2)

AC版14作目『FEVER!』の家庭用移植版にして現時点での家庭用据え置き移植場版最終作。
家庭用では前作『13 カーニバル』のCS版が高い評価を受けていたこともあり、本作もAC版のガッカリ感を吹き飛ばして名作になるのではないかとユーザーからの期待が寄せられていた。

しかし、こちらもまた、それまでCS版に搭載されていた多くの要素が軒並み削除され、収録楽曲に関しても偏りが大きいという欠点が大きく目立ったため、AC版同様にユーザーからの評価は低いものとなってしまった。

評価点(PS2)

  • 家庭用の新規版権曲が前作よりも増えた
    ジャンル名 曲名 アーティスト 備考
    ロマンティック Romanticが止まらない ネオロマンティックス(カバー) C-C-Bのカバー
    マジックナイト ゆずれない願い 田村直美(本人) アニメ「魔法騎士レイアース」主題歌
    グレンラガン BREAK THROUGH THE DREAM Tatsh feat.シモン&カミナ(キャラソン) アニメ「天元突破グレンラガン」キャラクターソング
    リフォーム INSCRUTABLE BATTLE 松谷卓(インスト) リフォームバラエティ番組「劇的ビフォーアフター」メインテーマ
    • 全4曲で、内容自体もかなり豪華なラインナップである一方、AC初出の版権曲の内、任天堂とのコラボとして大きな話題だったスーパーマリオブラザーズBGMのみ未収録。制作を担当した村井聖夜氏が任天堂からの音源提供を受けずに1からサウンドの再現に取り組んだ渾身の一品だっただけに、なんとも残念。
      • とはいえ、楽曲提供元のメーカーや権利などの諸事情絡みでAC初出の曲が家庭用で未収録になる事例は過去にもよくあったのでやむを得ないだろう。
        ましてや任天堂の代名詞とも言えるスーパーマリオブラザーズBGMをPS2作品に収録することは難しかった*10とも考えられる。
  • ポップン初提供となるアーティストの参加
    • 「BEMANIの歌姫」こと星野奏子と最古参コナミコンポーザーの東野美樹が初めてポップンに曲を提供。
      • 前者のポップンへの曲提供は本作限りと思われていたが、AC20にてギタドラからの移植という形ではあるが再び曲提供を行った。また、AC21では完全新曲を提供している。
      • 後者は同じくグラディウス関連のアーティストである村井聖夜とのコラボレーションで登場し古参ファンを歓喜させた他、同期稼働したAC15ではSanaと平田祥一郎とのコラボで二度目の楽曲提供を果たした。
  • 解禁イベント「フィーバー戦士ポップン14」の仕様変更による大幅改善
    • 一人用イベントにアレンジされたことでACよりも難易度が大幅に下がり、解禁しやすくなっている。
      • 通常モードプレイ中にノルマを達成していくというAC版の仕様を引き継いでいるが、一人プレイが前提のため、AC版のように極端な負担を強いるようなノルマは存在しない。
      • 更にノルマ難易度をEASYかHARDから選べる。EASYを選ぶとノルマが易しめな内容に、HARDでは辛口な内容に設定されている。初回スタート時に難易度選択がある他、ゲームオプションからいつでも変更可能。
      • また、PS2版『7』以降からエキスパートモードの5ボタンプレイが実装されていることに加え、本作では新たに対戦モードと超チャレンジモードでも5ボタンプレイが可能になった。
        プレイに慣れていない初心者・中級者はもちろん、上級者だが手っ取り早く解禁を終わらせたいという人も5ボタンでプレイすれば難易度設定と合わせて非常に楽に進められる。
    • フィーバーロボ製作は最初から存在し、ロボの完成もかなり速くなっているため、むしろ意図してプレイしないとAC版の「待ってダーリン!」が見られないという状況に。
    • 従来通りイベントをOFFに設定してのタイムリリース解禁や、隠しコマンドによる隠し要素の一時解禁も可能。
  • ee'Mall曲関連の親切仕様
    • ee'MALL曲は過去シリーズに収録済みの11曲のみ、最初から遊べるようになっている。
      • それ以外の初収録となる35曲は、ミニゲームや楽曲のプレイによって手に入るポイントで購入するという、本家ee'MALLのシステムを模したスタイルで解禁していく。ポイントは比較的貯めやすいので解放も容易。一気に貯めたい場合もミニゲームを遊べば簡単に稼げる。
    • 楽曲購入は通常の選曲画面から試聴しつつ直接行えるためテンポも削がない。ちなみに解禁のための購入価格もAC版『ee'MALL1st』当時そのままという地味な再現が行われている*11
  • ミニゲーム
    • PS2版『12 いろは』から恒例のミニゲームは健在で、今作は「フィーバー戦士ポップン14」が収録されており、好評。
      • 内容はタイミング良くボタンを押すだけの、某『ワリオシリーズ』のプチゲームに似た瞬間アクションになっている。
    • また、プレイによって得られるのは隠し曲そのものではなく解禁ポイントのため、前作までのようにミニゲームのプレイを強いられることもない。
      • ミニゲームをやらなくても、上記のように解禁ポイントは通常プレイの範疇で充分稼ぐことが可能。
  • システム周りの調整
    • AC15『ADVENTURE』から「0.5刻みハイスピード調整機能」が先行搭載された。
      • 前作までの家庭用やAC14では1単位刻みでしかハイスピード調整が出来ず高速曲や速度変化の激しい曲に対応し辛かったため、家庭用での搭載は歓迎された。
    • アナログコントローラ使用時、これまでは各種オプション変更が十字キーの上下左右それぞれに割り当てられていたため変更項目を一方通行でしか送れなかったが、今作ではL1orR1+十字キーで逆送りが可能になった(これまではハイスピード調整が右キーでしかできなかったため数値を増やすことしかできなかったが、L1かR1+右で逆にHSを減らすことが可能になった)
    • フリーモードでもオジャマノルマが使用可能になった。
      • これはフリーとトレーニングが合併していた『Best Hits!』および『8』以来の実装となり、「フリーモード」単体としては初。
      • 前作まではCS9の時点でフリートレーニングがフリーとトレーニングに再分割された弊害で記録を残すことのできないトレーニングモードでしかオジャマが使用できないという欠点が解消された。
    • フリーモードとトレーニングモードに「クイックリトライ」機能を新たに追加。
      • 曲の途中でセレクトを押しながらスタートを押すと強制リタイア後にオプション選択画面からやり直せる。
        強制リタイア機能自体はCS初代から実装されていたが、これによりいちいち選曲画面から選び直す必要がなくなり手軽にリスタートが可能になった。
    • チャート一覧機能の改善''
      • 楽曲のプレイ情報参照欄「チャート一覧」のレイアウトが選曲画面と同一になったことで全体の見通しが良くなり、参照し易くなった。
        これ以前はチャート画面に入った段階で曲データが表示され、ページ送りをしながら先頭から順に閲覧していく(適宜ページを飛ばすことができない)不便な仕様であり、その点が解消された*12
  • エンジョイモードの仕様変更
    • エンジョイモードはAC版から版権曲の減少に伴いコナミオリジナル楽曲も収録されているのは前作までと同様だが、今作では使用ボタン数が楽曲毎に「3・5・7・9ボタン」のいずれかに割り振られたCSオリジナルの仕様になっており、少ないボタンを使った演奏からステップアップが可能になった。
  • ボタン選択の自由度の増加
    • 超チャレンジモードと対戦モードでも5ボタン選択が可能になった。
      • クレジットを心配せずに遊べる家庭用の利点も合わせ、初心者、中級者がCOOL判定や超チャレンジでしか選べないオジャマノルマに挑戦する足掛かりとしても機能するようになった。
  • チャレンジモード及び超チャレンジモードの仕様変更
    • 前作CS13時点での変更点だが、CS12で導入されたAC版の2曲保障が廃止され、コンテニューとEXステージ出現周りの仕様がCS11以前に戻された。
      • これによりCS12のチャレンジモードにおける「1曲目で落とした曲が2ステージ目以降で選曲不可*13」という欠点や、
        1曲目からコンテニューで仕切り直しが可能(落とした曲も再度選べる)
        ポイントをきちんと稼いで全ステージクリアできればコンテニューの有無に関わらずEXステージに行ける 」というCS11以前のメリットが2曲保障の導入によって潰されてしまっていた点が解消された。
    • 超チャレンジモードにおいても前作を引き継いで「コンテニュー=ON」時の仕様を反映しているため、AC版での「1曲目落ちで即ゲームオーバー」の仕様*14が消滅し、チャレンジモード同様に1曲目で失敗してもコンテニューでやり直すことができるようになった。
      • CSではコンティニュー可能設定が常にONになっている(変更不可)上にクレジットカウントが存在しないため(AC版で言うフリープレイ状態)、楽曲クリアに失敗しても無限にコンティニューが行えることを配慮してこの設定になっているものと思われる。
  • 新要素「ぽぷっとプレイヤー」
    • ゲーム中の収録楽曲を楽曲を自由に聞けるモードで、プレイリストの作成も可能。
  • 旧キャラの再登場
    • ポプキャラの中でも比較的人気の高いキャラである「睦月」と「ポエット」が新衣装で再登場。
      • 担当曲の「イノセント3 / 流転と回天」「ウィッシュ / アミュレット」もこの二人と縁の深い「WATER STAND」「パーキッツ」の楽曲であり、どちらも評価は高い。

賛否両論点(PS2)

収録楽曲の偏り

  • 今回は初代『ee'MALL』で配信された全47曲の内、後のシリーズで削除された1曲を除いた46曲が全収録されている。その結果、本作は「AC14+ee'MALL1st(+α)」とも言える収録内容になっている。
    • これはアーケード版にて『ee'MALL』のサービス終了を受け、同じく初代『ee'MALL』の47曲が無条件解禁されたことに由来している。
      だがその煽りを受けてなのか、これまでのCS版における慣例であった 前作のCS隠し新曲の再録がなし *15。また、ユーザーへのアンケート結果をもとに上位にランクインした人気旧曲を再収録するイベント「ポップンリクエスト」も同様に廃止された。
      それにより、ee'MALLを除く旧曲の再収録はエキスパートコースのCSオリジナルコース用枠でACの旧曲が4曲のみというあまりに寂しい数になってしまった。
    • その上、初代ee'MALLの楽曲は過去のソフトに収録済みのものが多い(11曲が再録)。*16それまでの慣例を覆してまで全曲入れる必要はなかったのではないか、せめてそれまでどのソフトにも未収録だった曲のみを入れればよかったのではないだろうか、という意見の声も聞かれた。
    • ただし、ee'MALL稼働当時はプレイできる店舗は限られていたため、「ee'MALL曲に初めて触れたのが正式解禁されたACポプ14から」というユーザーも多く、実質的にはポプ14の収録曲の一部と言えなくもないため仕方ない一面もある。また、結果的には前作13の隠し曲の代わりにee'MALL曲が再録されたにすぎず、これまでは隠し曲再録の慣習で前作と曲が被っていることが多かったが、本作は13を既に持っているプレイヤーにとっては重複曲がほとんど無い*17ためお得感はある。ただし、13にて解禁が非常に難しかった隠し曲「サンバDEクラシック」が通常曲として再録されなかったことは少なからず惜しまれた。
      • だがその割にはee'MALLのうち1曲「UKガラージ / Jack and Mark Get Busy!」が未収録となっている。ACでも15以降より削除されているため契約切れの問題もあると思われるが、ee'MALL一斉収録を謳っていただけに片手落ち感がある。*18
    • AC版の項目でも述べたように、1st曲は初期の5鍵盤『beatmania』シリーズからの移植曲が多いため、収録曲のほとんどがAC14新曲+ee'MALL1st曲中心で占められたCS版では、AC版以上に地味さや渋さ、高難易度譜面の少なさが余計際立ってしまっている。
      • 参考までに前作CS13カーニバルと比較すると、前作が全114曲中102曲にEX譜面が存在したのに対し、今作では全112曲中88曲と、EX譜面の数が減少している。もっとも、前々作以前と比較すればあまり変わらないため、これはCS13の収録曲に高難易度が多かっただけとも言える。
    • ちなみに本作以降に発売された家庭用版『beatmania IIDX』シリーズでは5鍵盤『beatmania』のうち家庭用未発売の『III』『7th MIX』『THE FINAL』の楽曲も収録されているが、本作の5鍵移植曲は家庭用IIDX未収録の物も多く存在しており、この点からある意味では『beatmania』シリーズのファンへの需要もあると言えなくもない。
      • 本作の翌月に発売となったPS2版『beatmania IIDX 13 DistorteD』では、『beatmania』10周年企画として過去の5鍵からの移植曲がいくつか特別収録されているのだが、結果的にそちらよりも本作『14 FEVER!』の方が5鍵移植曲の収録数が遥かに多いという事態にもなってしまっている。*19
  • CS新曲についても、これまでのCSで恒例だったクラシックアレンジシリーズ*20や、前作まで人気を博していた猫叉Masterの曲などが今作では入っていない。
    • この影響でCS1~13まで皆勤賞だったキャラクター「ハマノフ」も本作ではついに未登場。一応、クラシック楽曲のロックアレンジである「パンク / そっと。」が再録されてはいる。
    • また、全5曲のCS隠し新曲枠の内、2曲が他機種からの移植曲「カーニバル / Sunshine Dance (Latino YOKAN-Mix)(『beatmania APPEND GOTTAMIX2』からの移植)」「サンクティティ / Blessing(『KEYBOARDMANIA 3rdMIX』からの移植)」なので、CSオリジナル曲が割りを食っている感が否めない。加えて、これらの担当キャラクターもee'MALLを意識したのか既存の2Pカラーである。
  • 旧曲再録枠にあたる「KID'sDEフィーバーコース」の解禁タイミングが不可解な位置にある。
    • 何故か最終話「地獄でフィーバー!ポップン14」のクライマックスであり、曲構成も「Jr.R&B・ラグタイム・キッズ・アニメヒロイン」とやや低難易度かつ明るめの構成で、イベントの展開・雰囲気的に最終話で解禁させるのはややそぐわない。しかもこれら4曲に新規追加譜面などは一切無い上、古めの曲ではあるがいずれもPS2版の過去作に収録済み*21である。これならせめてPS1版にしか入ってなかった曲を高音質で再録、あるいは前作の13隠し曲のうち、CS新曲(幻想水滸伝V、アラビアンクリスタル、中華ロック、ロックスタイル、サンバDEクラシック)を再録した方がよかったのでは…という声も。
    • このようなやや疑問符のつく位置で解禁となったのは、おそらくAC版のイベント展開をほぼそのまま流用したため、CSオリジナルの隠し要素を空いた隙間へ強引にはめ込んだからと思われる。
    • ただし、楽曲そのものはいずれも懐かしめのセレクトであり、解禁の配置がおかしかったり難易度が低めなことを除けば、再録そのものは歓迎されている。特に「キッズ / 月にいったミルク」については初出当時の激しいレベル詐称や無理押し配置がきちんと是正された上での再録になっている。
    • ちなみに本作の時点ではEX譜面が存在しなかった「Jr.R&B / S・S・L ~スーパー・スペシャル・ラブ~」と「アニメヒロイン / 魔法の扉(スペース・マコのテーマ)」の2曲は、後のシリーズで新たなEX譜面が追加されている。*22

問題点(PS2)

  • ACからの仕様だが、ee'MALL曲は他BEMANIシリーズからの移植曲が大半であり、その担当キャラも全て過去ポップンシリーズの使い回し(ほとんどが2Pカラー)。そのため外見上の目新しさが少なく、やや手抜きと感じられてしまうことも。
    • これに関しては他機種からの移植曲は既存キャラの使い回しを割り当てるという慣例がある*23のだが、今回のCS新曲までも一部で過去キャラが使いまわされている。
      • ただし、収録曲が限られるため基本的に新キャラばかりになる傾向のCS版において、今作は懐かしの古いキャラも多く再登場して使用可能になっているという利点もある。
  • やりこみ要素の減少
    • 恒例のCS版インターネットランキングや、家庭用オリジナルのやりこみモードである全曲ぶっ通しプレイ「マラソンモード」が廃止された。このためやりこみ要素が前作までと比べかなり薄くなってしまった。
      • 前作まではイベントを最後までクリアするとマラソンが出現したため、今作でもあると思ってクリアしたがエンディングが流れて特に何も無いまま終わってしまい唖然としたという声も。
      • 特に今作の収録曲は家庭用初収録が大半のため、全曲を通してプレイできるマラソンモードの需要は大いにあったと思われるだけに、廃止されたことについては批判がある。
      • インターネットランキングの廃止に関しては、前作CS13でバグを利用した不正行為が発覚したことが原因ではないかと見られている。*24
    • ee'MALL曲の解禁が終わった後は余ったポイントの使い道もなく、ミニゲームをやりこむ意義もなくなってしまう。
  • AC版でデフォルト化した同一曲の連続選択が過去シリーズ同様に不可のまま
    • 恐らくは自由に遊べるフリーモードの存在を考慮してのことと思われるが、EX譜面の個別解禁を目指す際に安定してチャレンジポイントを稼げる曲を繰り返しプレイすることができなくなったのは少々痛いところ。
      • それを抜きにしてもAC版でできたことができないというのはやはりもどかしいところが否めない。

総評(PS2)

ゲーム単体で見た場合のクオリティはしっかりと保たれており、ゲーム性を阻害するようなバグなどは一切ない。長いシリーズを重ねてきただけあって音楽ゲームとしての根本的なところは両者ともに十分、及第点といえる。
一方で、それまでに好評だった多くの要素が削除されたこと、収録曲に関する慣例がなくなって、収録曲に偏りが出てしまったため、多くのユーザーの期待に反してガッカリしてしまう側面が大きいことは否めない。
これ以降、家庭用据え置き機での移植が途絶えてしまったため、有終の美を飾る作品としてはガッカリさせられてしまう出来栄えだったと言わざるを得ないだろう。

余談(PS2)

  • AC版では演奏時間のバーの長さが「最後のポップくんの落下まで」だったが、何故か本作のみ「曲が切れるまで」に変更されている。
    • 従来のシリーズでは「タイムバーが残っている=まだ叩いていないポップ君が残っている」ということであり、曲が一旦終わったと見せかけてもバーが動いている間は最後まで油断できないという仕様になっていた。
      • そのため本作の仕様に慣れていないうちは、これまでのシリーズ同様の感覚でタイムバーを見ながらラストポップ君を身構えていたものの、最後まで何もなくそのまま曲が終了し拍子抜けなんてことが起きたりする。
  • 「ハイパーJポップ3 / 1/6billionth」の担当キャラはAC8時代のジュディだったのだが、本作ではアニメーションがすべて新規に描き直されている。
    しかし、この「CS14ジュディ」誕生については妙な点がいくつかある。
    • CS14ジュディはもちろんプレーヤーキャラとしても選択可能だが、AC8当時のアニメーションが収録されていないにもかかわらず、ハリアイ絵のみはAC8当時のままとなっている。
    • そして本作のジュディはのちにAC16でアーケード版デビューを果たすのだが、AC8ジュディとの差し替え(元のAC8ジュディは消滅)という形での収録となり、もともとジュディがAC8で担当していた「ハイパーJポップ / STARS☆☆☆」に関してもこの新ジュディが担当することになった。ハリアイ絵のみAC8のままという点も本作と同様である。
      • つまり、結果としてはAC8の旧ジュディがCS14の新ジュディに丸ごと上書きリニューアルされた形である。
    • キャラクターの情報を記載した公式書籍『ポップンミュージック キャラクターイラストブック』シリーズにおいても、CS14の新ジュディはCS14の記事ではなくAC8の記事で「ハイパーJポップ」の担当キャラとして紹介された。代わりに差し替え元であるAC8当時の旧ジュディは紹介されておらず、事実上闇に葬られた状態となった。
    • アニメーション差し替えに至った理由については公式からの発表は一切なく、今なお謎に包まれている。
    • なおキャラクターアニメの差し替え自体は今回が初ではなく、例えばAC9のフォースがAC10以降で一部アニメーションを描き直されたという例がある(そちらはCS9には旧バージョンを収録)。
      • AC9の旧フォースの方は作画がかなり粗かったため修正されたことについては理解できるが、AC8の旧ジュディのアニメに関しては、見る限りでは、特に問題視すべきほどの粗やミスなどが目に見えているわけでもないため、尚のこと謎である。
  • CS限定で存在する謎のコナミコマンド
    • 普通チャレンジモードの1曲目か2曲目の選曲画面でコナミコマンド*25を入力すると、謎の「レッツゴー!」という男性ボイスが流れる。
      しかしコマンドが成立しても特に何も変わった様子はなく、隠しが出るわけでも獲得ポイントが増えるわけでもない謎のコマンドとなっている。超チャレやバトル等では無効。
    • 元々、このコマンドは『11』や『12 いろは』の隠し曲条件用に用意されたものであったのだが*26、前作『13 カーニバル』でもPS2版のみ何故か上記と同じ条件で残っており、「ピューイ」といった間の抜けた謎の効果音が流れていたがやはり何も変わった効果が見られないというものだった。今回もそれが継続された形である。
    • なお、AC版『15 ADVENUTURE』では特殊条件が必要ながらこのコナミコマンドが隠し曲の条件に再利用されている。*27
      • しかし、これは実質15の移植であるPSP版『ポータブル』には残念ながら引き継がれなかった。

その後の展開

本作以降、PS2版向けのポップンシリーズの発売は途絶え、代わりにWindows PC向けの専用マウス型コントローラでプレイする『ポップンミュージック Be-Mouse』、ボタン数が減って海外向けにデザインも大幅変化したXbox360配信版『Beat'n Groovy』、リモコンを使ってこちらも簡素な譜面をプレイするWii版『ポップンミュージック』、タッチペンで操作するニンテンドーDS版『うたっち』などの外伝作品が乱発されたが、どれも微妙な内容で終わってしまっている。

その後、紆余曲折を経て2010年よりPSPで新規家庭用作品「portable」シリーズが展開され、AC15がベースの『ポータブル』、AC16がベースの『ポータブル2』の2作品が発売された。ロード時間の長さや一部バグなどの難点はあるものの丁寧に作られており評価は高い。
一方で、ナンバリングごとの移植ではないことや、「専用コントローラの使えない携帯機でボタン数の多い音ゲーをプレイする」という物理的な限界からくるプレイアビリティの問題、新作の続報がない(ダウンロードによる楽曲配信も既に終了している)こともあり、家庭用据え置き機でのナンバリングシリーズ復活を望む声が根強い。
また、ee'MALL1st曲が本作でほぼ全て移植完了したのに対し、2nd曲はほとんど移植されていない点も惜しまれる。
さらにPSP版も2作のみで終了してしまい、AC17以降をベースとした家庭用作品は登場していない。

2013年よりスマートフォン(iOS)で『ポップンリズミン』という作品が配信されていたが、こちらはゲームルール自体が全く異なる作品である。
ただしオマケとして、本家アーケード版収録曲の譜面を流して鑑賞できる「アーケードビューアー」が搭載されている(実際にプレイはできない)。
こちらもサウンドディレクターのDes-ROWのREFLEC BEAT部門への異動に伴い2014年末より更新が止まり、2016年8月末にサービス終了となってしまった。

2020年にはWindows PC版コナステにて『ポップンミュージック Lively』が発表された。
月額課金のサブスクリプション方式となっている他、ゲームシステムのベースがアーケード第25作目『ポップンミュージック peace』準拠となっており、楽曲パックの購入や特定条件を満たすことによるボーナスなどで楽曲を入手していく。
スキンはLively独自のものになっている他、チケット購入で歴代シリーズのものやオリジナルスキンも選択できる。