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トリオ・ザ・パンチ - (2015/11/29 (日) 09:09:52) の編集履歴(バックアップ)


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トリオ・ザ・パンチ

【とりお・ざ・ぱんち】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
販売・開発元 データイースト
稼動開始日 1990年4月
判定 バカゲー
ポイント アーケード界屈指のバカゲー
何もかもが不条理
タイトルに偽り無し
ば れ た か げろげろ


概要

データイーストという会社がどんなものだったかが1発で分かるバカゲー。
正式名称の『TRIO THE PUNCH -NEVER FORGET ME...-』の名の通り、一度やったら忘れる事が出来ないぐらい妙なセンスが漂うゲーム。

内容

  • ステージ制の横スクロールアクションゲーム。
    • 各ステージは、特定の敵を倒すと出てくるハートを規定数集めると出現するボス級の敵を倒せばクリアとなる(最初からボスが出ている面もある)。
    • 1ステージごとの長さはかなり短く、ステージの数が全35面と多数ある構成になっている。
  • 1レバー3ボタン制で、ボタン3は1ステージに一度だけ使えるサブ攻撃。
    • ところが各ボタンの名前が何故か「攻撃=ビシビシ攻撃」「ジャンプ=パッとジャンプ」「サブ=ここ一番!」とインストカードに書いてある
  • 面をクリアすると「 勝ち 」という文字が当時のデコゲーで用いられた赤い明朝体でデカデカと表示される。
    • 面をクリアするごとに、チンさん(後述)がクリアー たからくじ(ルーレット)をやらせてくれる。基本はライフ回復や装備の強化だが、装備の弱化というハズレも存在している。装備最強状態で強化を引くと最弱になると言う罠*1*2プレイヤーキャラ交代というとんでもないものもあるが、同じキャラを選べるので問題は無い。
  • プレイヤーキャラクターはタフガイ、忍者、剣士の3人からプレイヤーを選ぶ。全員、異様なまでに濃い。

    タイトル画面

    異様に濃いキャラ選択
  • 忍者(カマクラくん)
    • 鉄仮面の忍者。素早い上に、(パワーアップ段階に関係なく)ジャンプ中に飛び道具を撃つことができるため使いやすい。普通は彼で遊ぶことを奨める。移動速度は特に速くもないのに、物理的におかしい角度の前傾姿勢のまま爪先立ちで忍者走る姿は笑える。だが強い。忍者の割りに、エンディングではチンさんと二人で無闇に感極まって叫び合う熱い男でもある。
  • タフガイ(サントス)
    • 見た感じ2~30代だが、ランニングに野球帽が特徴。サブ攻撃で「喝」と叫びながら顔が巨大化して画面全体攻撃、パワーアップすると段々変化するメイン武器…とネタ性は最強だが、総じてリーチが短く厳しい。ある意味本作の象徴かもしれない。武器は多彩だが、判定の強いサンドバッグ(抱えて打撃武器として使う)か、最大Lvの素手高速突進(移動にも使え、射程範囲と機動力が全キャラトップになる)が有効。ただし突進は地形に嵌って動けなくなる場合もあるので注意。
  • 剣士(ローズサブ)
    • パンツ一丁。剣士を名乗っているくせに、初期装備はたいまつである。パワーアップすると剣や M (モーニング)スターなど、まっとうな武器に持ち替えるのだが、最終段階では炎を飛ばして遠距離攻撃が出来るたいまつ系に戻ってくる。ラスタンそっくり。会話からすると、チンさんの信頼も厚いようだ。

味方が変ならもちろん敵も変。ごく一部を紹介。

  • カルノフ
    • ハゲで上裸で火を吐くヒゲ親父。アクアラングをしょってたり、変な体色で毒を吐いたり、羽が生えて空から襲ってきたり、守護神像となって神輿で運ばれてたり、色んなバリエーションで現れる。群れで大量に出て来るが、これでも元はデコの『カルノフ』の主役。こんなオッサンが主役な時点で『カルノフ』もバカゲー扱いされていて、当ゲームと下記の『チェルノブ』とあわせて「デコ三大奇ゲー』と言われている。
  • チェルノブ
    • これまたデコのゲーム『チェルノブ』の主役。2回くらいステージボスとして出て来る。デカいハンマーを振り回している。
  • チンさん
    • ステージクリア後にルーレットを引かせてくる、中華風の出で立ちをしたじいさん。どちらかと言えば味方サイド(設定ではプレイヤーが操作する3人の師匠)だが、修行と称して2回ほど襲ってくる。顔を巨大化させながら「痛」の字を飛ばしつつ左右に走り回るという無茶な攻撃をする。後のダルシムのようなズームパンチも使う。
  • 銅像
    • 巨大な手や脚など一部だけが襲ってくる。色からして青銅製で、足には「TAROSUNOASHI」とローマ字で描いてあるため、出典はギリシャのタロスらしい。本来の綴りは間違ってもTAROSUではない。握り拳から汗らしきものを落として攻撃してきたり、何処に突っ込みを入れればいいのか分からない奴?奴等?である。 他にもワニ、チンピラ、トカゲ忍者、巨大招き猫、ガイコツ、怪獣に変形するスライム、強化装甲を装備したスライム…などなど、終盤ステージを除いてキャラクターに統一性は殆どない。 また、やられ声がなんと言うか変。口で説明しにくいので実際に聞いてみて欲しい

ヤーン

ルーレット。当たるとチンさんが喜んでくれる

35面あるステージもまた妙なものばかり。一部を紹介する。

  • 大まかな流れとしては古代→現代→和風世界→未来→ホワイトハウス。これが何を意味しているのかはわからないが。
  • STAGE02 「にょき
    • STAGE01に無かったサブタイトルが付く面。サブタイトルはこの後も付いたり付かなかったりする。この面は地下からパイプのようなものが伸び縮みする砂漠で銅像の手を倒すというもの。「にょき」は伸縮を表していたらしい。
    • 「こういうノリが延々と続くんだ」という事をここで理解しておくと後が楽。
  • STAGE05 「羊の呪い
    • 子羊を撃ってくるピンクの羊がボス。イロモノ続きの中で比較的普通の敵かと思いきや、勝つと「 呪ってやる 」と言われる。なお、負けても呪われる。
      • この「羊の呪い」だが、後に同社の対戦格闘ゲーム『水滸演舞 ~風雲再起~』に『ファイターズヒストリー』の溝口誠がゲスト出演した時に、彼の必殺技として登場していたりする。呪ったれや!

唐突に表示される『にょき』

呪われる。このあと羊の姿に
  • STAGE06
    • この面は前ステージの呪いによりプレイヤーがピンクの羊になる。が、攻撃は使いやすく、しゃがむと当たり判定が無くなるので、はっきり言って普段の姿より強い。
  • STAGE07 「浦島太郎か(※原文ママ)」
    • 亀をいじめている敵を倒しても何も起きない。他に敵も居ないしと亀を殴ると「よくぞ見破った」のセリフと共にチンさんが出現、そのままバトルとなる。展開の説明なんて当然無い。
      ちなみに、羊の呪いは1ステージ限りらしく、このステージでは何の説明もなく姿が元に戻っている。
  • STAGE15 「月は友達
    • ここ一番!を使うと背景の月がバウンドして襲いかかってくる。サブタイトルに騙されてはいけない。
  • STAGE18 「青い鳥だ
    • 敵がケン○ッキーのあの像に良く似ている。それを倒すとフライドチキンをばらまく青い鳥(どう見ても紫色)が出現。
      流石にマズかったのか、後述のケータイアプリ版では像がピエロに変わっている。
  • STAGE20 「まさに日本
    • だるまがボス。「だるまさんがころんだ」という文字が画面に出現し、最後まで完成すると味方も敵も止まる
  • STAGE29 「おいおい
    • ここから唐突にSF風のステージになり、敵もスライムになる。サブタイトルの意味は分からない。プレイヤーのツッコミを代弁しているのだろうか?
+ そしてラストステージは……?(ネタバレ注意!)
  • STAGE35 「最後の最後
    • ホワイトハウスのような建物が背景にあるステージ。なぜか犬や鳥などが歩いてくるのでとりあえず殴ってみると
      小鳥「んなあほな
      子犬「ざんこく
      蝶々「げげ
      と言われ、最後に鳩がステージ中央の噴水に止まる。それも殴ると画面が下にスクロールし、謎の目玉と「 ば れ た か げろげろ 」のメッセージが。
  • そのまま謎のなにかは下に落ちて(降りて)行き、最後にプレイヤーキャラとチンさんとの会話でエンディング。展開の解説も最後のアレがなんだったのかの説明も終始一切 無い 。んなあほな。
    • 会話後、プレイヤーキャラが忍者なら和風世界へ、タフガイなら現代へ、剣士なら古代へ帰っていく。敵が落とすハートが「HELP!」と助けを呼んでいるので、3人とチンさんが多くの魂の解放のためいくつもの時代をまたにかけて戦っていた…という理屈なしの熱いストーリーを想像する余地がある。

衝撃のラスト

おわり
  • コンティニュー画面には何故か銅像が居て、コンティニューすると顔がこんなことになる。

評価点

  • BGMは後にゲーマデリックを結成するデータイーストのサウンドチーム制作だけあってお馬鹿な内容に似合わず格好良い曲揃い。ミステリアスな忍者テーマ、ヒロイックなタフガイテーマ、ダンサブルな剣士テーマと曲調もそれぞれが個性的。
    • ただし、プレイヤーキャラ1人につき1曲固定となっており、宝くじの効果でキャラを変更しない限りゲーム開始からラストステージ終了まで延々同じ曲が流れ続けるという、一種のトランス的なものになっている。
    • キャラごとに曲が決まっている『サイキック5』や『コナミワイワイワールド』と同様の効果を狙ったものと思われる。曲によほど自信が無ければ出来ない芸当である。本作の方が開始からエンディング直前まで完全ノンストップで流れる可能性がある分破壊力が大きいが。

総評

ゲーム全体に漂う何かが強烈すぎるため、バカゲーという評価を得ている。
得てしてビデオゲームというのは、大なり小なり「何じゃそりゃ」な物を持っているのだが、その「何じゃそりゃ」を徹底的に詰め込んでいったのがこの作品と言えるだろう。そのためゲーム本体は大味ながら、魅了されてしまう人も少なくはない。

余談

  • オレたちゲーセン族?』としてPS2に移植されているほか、ケータイアプリでもプレイ出来るので、やった事が無い人は一度触れてみる事をオススメする。
  • ちなみに開発中の(仮)タイトルは『TVすごろく』。本当に「すごろく」だったらしい。