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注意:このページでは、AC『ラスタンサーガII』(クソゲー、シリーズファンから不評)とその移植版のPCE・MD(クソゲー、劣化ゲー)を全て扱う。
ラスタンサーガII
【らすたんさーが つー】
| ジャンル | 横スクロールアクションゲーム | 
| 対応機種 | アーケード(Taito B-System) | 
| 発売・開発元 | タイトー | 
| 稼動開始日 | 1988年12月 | 
| 配信 | アーケードアーカイブス 【Switch】2024年6月20日/838円(税10%込)
 【PS4】2024年6月20日/837円(税10%込)
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| 判定 | クソゲー | 
| シリーズファンから不評 | 
| ポイント | 前作からほぼ全方位劣化 大味なゲームバランスと運ゲー要素
 音楽だけは高評価
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| ラスタンサーガ・ウォリアーブレードシリーズ ラスタンサーガ / ラスタンサーガII / ウォリアーブレード / ラスタンVSバーバリアン編
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概要
前作『ラスタンサーガ』は、難易度がやや高いもののやり込めば先に進める絶妙なバランス、多彩なアクション、緻密なグラフィック、壮大なBGMが評価される完成度の高い作品となっていた。
その人気を受けて制作された本作は、主人公「ラスタン」を8方向レバー+2ボタン(アタック、ジャンプ)で操作し、3種類の武器(剣、爪、長剣)を使い分けながら全5面の攻略を目指す横スクロールアクションゲームである。二人同時プレイが可能。
問題点
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劣悪なゲームバランス。
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ラスタンの移動速度が遅く、ジャンプも重く変な軌道である。操作性は基本的に悪い。
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「ハーピーの羽」という動きを速くできるアイテムがある。が、取ると速くなり過ぎて、ただでさえ悪い操作性がさらに悪化する。
 
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ガードの概念が追加されているが、バランスが練られていないため面白味が無く、敵を倒していく爽快感を邪魔しているだけ。
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かわりに前作にあった「ジャンプ斬りは攻撃力が2倍」という爽快なゲームシステムは廃止された。
 
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敵に触れた時の無敵時間が短く、動きの重さも相まって理不尽にダメージを受けてしまう。
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3面は比較的敵配置が練られている感があるが、他のステージは「途中で投げたのでは?」と思えるほど単調でやる気の無い敵配置となっている。
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最終ボスが、やたらと耐久力があるだけで最弱クラスである(基本その場に棒立ちしているだけのため)。
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ステージクリア時に体力が回復しない。なぜ問題なのかは後述。
 
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地形やトラップが陰湿。
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細かく位置調整してギリギリジャンプをしなければならない箇所や、避けられるように出来ていないようなトラップがいくつかみられる。
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誰もが天井に頭をぶつけて穴に落ちていく2面ボス直前はネタレベル。
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ジャンプ中に「しゃがむ」と判定が横に広くなる謎仕様を知らないと、4面の浮遊台の飛び移りシーンでもやはり穴に落ちまくる。
 
 
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特定の敵を倒すとアイテムが出るが、出るものはランダムであるため運ゲーに。
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一度倒した敵は二度と現れないため、必要なアイテムが出るまで粘るという戦法は通じない。
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特に2面では、長剣(後半の隠し全回復を出すのに必須)と雷の紋章(これが無いと高得点のザコを倒せない)を取れるかで大きく難易度が変わってしまう(雷の紋章はスコアおよびエクステンドに絡むため理不尽である)。
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さらに意地悪な事に、一つのステージをクリアする毎にアイテムと武器は没収される(武器は性能が低い標準武器の剣に戻る)。
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そのくせ、前述したようにステージクリア時に体力は回復しない。
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回復は特定の敵を倒した時のアイテムだけが頼りである…が、これも赤や黄(完全回復と大回復)が出るか青(1回復)が出るかランダムなので運が絡む。そもそも、その特定の敵を倒しても何も出ない時もある。
 
 
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グラフィックが雑、動きもデザインも滅茶苦茶で、作画崩壊アニメを思わせる。
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ラスタンが野人にしか見えない。初期装備の剣の振りかたが明らかにおかしい。
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最終ボスのデザインと動きは失笑ものである。こっちみんな
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キャラクターのアニメパターンが非常に少なく、動きがカクカクしている。
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今作は、なぜかキャラクターのサイズが格闘ゲーム並みに大型であり、これらがより目立ってしまう。
 
評価点
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音楽は『ダライアス』シリーズのOGR(小倉久佳)氏が担当したため質が高い。効果音もYack.(渡部恭久)氏が担当しておりクオリティについては十分と言って良い。レトロアーケード系BGMの話題ではほぼ名前が上がるほど人気のある曲である。
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ただし5ステージあるのにBGMは3曲しかない(奇数面と偶数面とボス戦)。
 
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どういうわけか、ステージクリア時に出る絵だけは妙に丁寧に描き込まれている。
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それだけに、なぜゲーム本編のグラフィックが雑な仕上がりなのか疑問を抱かざるを得ないが…。
 
総評
単体のゲームとして見てもゲームバランスが滅茶苦茶な上にグラフィックが雑、という致命的な問題点を抱えているのは否めない。その上、続編モノとして見ると前作の良かった所がほとんど潰された、という「失敗した続編作」のテンプレに沿ってしまった一作。救いといえば、BGMとステージクリア時に出る絵のクオリティが高いことか。
余談
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二人同時プレイで全面クリアすると、1Pラスタンと2Pラスタンの決闘(対戦ゲーム)がプレイ出来る。しかし、ゲームの出来が以上のような有様なので、これが面白いかどうかは想像におまかせする。
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シリーズ次作の『ウォーリアーブレード』は前2作とは打って変わって2画面筐体のベルトスクロールアクションとなっているが、不評だった今作と比べてファンには受け入れられている模様。
 ウォリブレから10年のブランクを得て新作『ウォーリアーブレード ラスタンvsバーバリアン編』がPS2/GCで発売されたが、同作はラスタンと関係の無い微妙な出来の洋ゲーをローカライズした際に無理矢理ウォリブレの名を冠した作品という事もあってか、結果的に本作の再来になってしまったとか何とか。作品自体の知名度が非常に少ないのが救いか。
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『メガブラスト』『飛鳥&飛鳥』と並ぶ、タイトーACクソゲー三巨頭の一つともいわれている。
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タイトルこそ「II」ではあるものの、ストーリー自体は1作目よりも前の時系列で、『彼が「ラスタン」の称号を得るまでのエピソード』というのが今作である。
 その証拠にエンディングのスタッフクレジットの後に出てくる文面には「The Story of "RASTAN SAGA 1" Will Continue」という記述があることからもそれがうかがえよう。
家庭用移植
| 対応機種 | PCエンジン メガドライブ
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| メディア | 【PCE】3MbitHuカード 【MD】4MbitROMカートリッジ
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| 発売元 | タイトー | 
| 開発元 | 【MD】オペラハウス 
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| 発売日 | 【PCE】1990年7月6日 【MD】1990年8月10日
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| 配信 | バーチャルコンソール 【Wii】2009年1月6日/600Wiiポイント
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| 備考 | PS2『タイトーメモリーズ下巻』収録タイトルの一つ | 
| 判定 | クソゲー | 
| 劣化ゲー | 
| ポイント | というか、原作がクソゲーなのでどうしようもない OGR氏が泣いている
 何故移植した
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概要(家庭用)
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散々な評判なのに何故か移植の機会には恵まれており、メガドライブ、PCエンジン、プレイステーション2(『タイトーメモリーズ』下巻)に移植されている。
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プレイステーション2は初のアーケード版完全移植であり、移植元からの劣化点もなく、評価は前述のアーケード版と同じ。
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その他の2機種はなぜか前作を差し置いてアーケード版発売から間もないうちに発売された。一応、いくつかの手直しが加えられているが、その出来は……
 
問題点(家庭用)
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唯一褒められる点のBGMが劣化してしまった。
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まともな作画だったステージクリア時の絵もカットされ、クリアBGMもなし。その上、ラスボスは耐久力がほとんどなし。
 
評価点(家庭用)
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殆ど消え失せたと言っていい。
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強いて言えば、理不尽な地形やゲームシステムに一部手直しが加えられており、AC版よりも遊びやすくなっていることくらいか。
 
総評(家庭用)
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メガドライブ版とPCエンジン版は、アーケード版での唯一と言っていい評価点をつぶすという、前代未聞の移植により、筋金入りのクソゲーとなってしまった。
余談(家庭用)
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PS2『タイトーメモリーズ』版も、収録決定時に「なぜこんなクソゲーを収録するのか?」と物議を醸していた。
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2024年6月20日よりアーケードアーカイブスの1作品として配信が開始。「こだわり設定」にて1P側コントローラーで2P側キャラクターを使用できるようにする、ラウンド5の敵が落とすアイテムを制限する、といった事が設定可能。
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また、前日の同年6月19日には本作、前作の『ラスタンサーガ』、次回作の『ウォリアーブレード』のラスタンサーガ三部作がSwitch『タイトーマイルストーン3』に収録される事が発表された。2024年11月28日に発売。
 
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ちなみに良作である前作は移植に恵まれていない。当時、MSX2にゲームギアとアクションを移植するには難のあるハードにしか移植されず、完全移植は『タイトーメモリーズ』に収録されるまで待つこととなった。
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そのMSX2版もMSX2専用ソフトでありながら敵キャラがまさかの単色スプライトという有様で、当時のユーザーを大いに呆れさせた。
 
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また、何を血迷ったのかバーチャルコンソールでPCE版の配信が始まった。またしても前作を差し置いて、である…。
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2024年6月20日のアーケードアーカイバーにてサウンドを手掛けた小倉久佳氏がゲスト出演し、主に本作の音楽周りの話も交えた話が語られている。
    
    
        | + | 四方山話 | 
企画/ゲームデザインを担当したのは『奇々怪界』の生みの親で知られる薮崎久也氏。小倉氏は「前に『奇々怪界』や『スクランブルフォーメーション』でも一緒に仕事をしたから顔見知りではあったし、仕事に行き詰まるとよく彼の席に行って「なんか面白いこと無い?」って雑談してたりもした。そんな彼の企画だったので
"これは力入れてやらなきゃダメだな"
という気持ちでやった」と述懐している。
曲を作った時のイメージなどについて、小倉氏は「ゲームの画面は1回しか見なかった。それ以外は薮崎さんのところに行って岩の上に城が建っている背景絵などムードのある絵のカラーコピーを4、5枚ほどもらってきてそこから世界観をふくらませる感じで作った」とのこと。更に前作とBGMの雰囲気が違っていることについては「曲を作るに当たって高木とは何か話し合ったりすることは全くなかった。「IはI、ⅡはⅡ」って考え方だったので、自分で新しいラスタンⅡの世界を作り上げるという気持ちで取り組んだ。だから、(曲の雰囲気は)前作から変わって当然」と述べている。
音源チップにYM2610を使った話については「YM2610は一度『ニンジャウォーリアーズ』で使ってたけどメロとか主旋律はFMだったので、今回はPCM中心でやろうと思ったし、特に「声」を曲の中で使いたかった。」と小倉氏は述べている
AC版での「2P同時プレイ時にラスボスを倒すと最後はプレイヤー同士での戦いになる」要素は開発終盤に急遽追加されたものでこの影響で開発期間が10日ほど延びた。
PCエンジン版/メガドライブ版の仕様書には2Pプレイ時にラスボスを倒した後の専用EDメッセージやバッドエンドも存在していたが、残念ながら製品版ではこれらの要素はカットされている。
タイトルについては、企画立案時は「RASTAN SAGA2」だったのが途中で「RASTAN SAGAⅡ SKY SCRAPER」に変わった。ところが商標調査の段階でどこかの会社が「RASTAN」の商標を保有してたのか「SAVAGE」「SAVAGE FORCE」「NASTAR WARRIOR」に変わり、最終的に日本だけ商標上の問題が解決したのか製品版のタイトルは日本だけが「RASTAN SAGAⅡ」になり、北米では「NASTAR WARRIOR」、欧州では「NASTAR」というタイトルで落ち着いた。
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最終更新:2024年12月03日 23:11