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スーパーメトロイド - (2020/04/12 (日) 20:37:49) の編集履歴(バックアップ)


スーパーメトロイド

【すーぱーめとろいど】

ジャンル アクション
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売元 任天堂
開発元 任天堂
インテリジェントシステムズ
発売日 1994年3月19日
定価 9,800円(税抜)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年9月20日/800Wiiポイント
【WiiU】2013年5月15日/800円
【New3DS】2016年4月6日/823円
判定 良作
ポイント 初期三部作の完結編であり、探索型2Dアクションの金字塔
さらにパワーアップしたグラフィック・BGM
豊富なテクニックによるシークエンスブレイクも魅力
メトロイドシリーズリンク


概要

  • 横スクロールアクションアドベンチャー『メトロイド』のシリーズ3作目。
    • ハードをSFCに移し、当時は完結作として銘打たれた作品である。

ストーリー

SR388でのクイーンメトロイドとの死闘の後、バウンティ・ハンター サムス・アランは誕生直後の刷り込みにより
自分を親だと思った唯一のメトロイドの生き残りであるベビーメトロイドを銀河連邦の研究機関に預けた。
銀河連邦の宇宙科学アカデミーに持ち込まれたベビーメトロイドは、その生態構造を研究されることとなった。
その研究の結果、メトロイドが持つ優れたエネルギー特性は人類にとって非常に有効であること、
さらにメトロイドが本来、平和的活用を目的として創りだされた人工生命体である可能性があると報告された。
その後もメトロイドの平和研究は進められ、銀河に平和と秩序が戻ってきたと思われた。

だがそんなある日、ハンターの生活に戻っていたサムスが銀河連邦の出動要請を受ける。
調査に向かったサムスの目前に広がっていたのは、何者かに襲われ壊滅した研究施設と無残に殺害された研究所員たちであった。
そしてベビーメトロイドの姿はなかった。
廃墟の奥に気配を感じたサムスはアカデミーを進み闇の中でベビーメトロイドを発見するが、そこにはかつて退けたはずの宿敵リドリーもいた。

サムスが滅ぼしたはずの惑星ゼーベスの宇宙海賊たちは、その野望と共に復活したのだ。
サムスの健闘むなしくリドリーはベビーメトロイドを奪い逃走し、サムスは命からがらアカデミーを脱出する。
奪われたベビーメトロイドを取り戻すため、サムスはより巨大な迷宮に生まれ変わった惑星ゼーベスへと再び乗り込む。
宇宙の未来を賭け、メトロイドをめぐるサムスと宇宙海賊の最後の戦いが始まるのだ…。


特徴・評価点

  • 舞台は1作目と同じく惑星ゼーベス。行ける場所がこれまでと比べて大幅に広がった。1作目をプレイしているとニヤリと出来る場所もある。
  • ゼーベスは「植物の生い茂る区域」「灼熱の地下溶岩エリア」「難破船」「湿地帯・水中エリア」と数エリアに分かれており、マップも緻密かつ広大に作られている。1作目から大幅にパワーアップしている。
    • またマッピング機能が追加され、ステージマップを把握できるようになったため探索がより快適になった。マップ内はブロック単位で細かく区分けされており、一度通ったところが塗りつぶされるように記憶されていく。
    • エリアごとに配置されたマップコンピュータと呼ばれる施設にたどり着くと、マップのダウンロードにより、ステージマップの大部分が把握できるようになる。
  • サムスが身に纏う「パワードスーツ」は、マップ上に隠されたアイテムを取ることでパワーアップする。この追加装備の力で進める場所がどんどんと広がっていくと言う仕組みである。ゲーム中は完全にノーヒントだが、パワーアップを行う度に進めなかった場所を思い出し、自分で解いていくという快感が強い。
    • ビームやスーツ等の能力追加の他に、体力やミサイルを増やすためのタンクも各所に隠されており、パワーアップがてらそれを探す楽しみもある。
      全てのテクニックを使わず、ぎこちない操作でも慎重に進めれば、とりあえずクリアは出来る。
    • 前作までは違う種類のビームを持ち運べなかったが、本作では入手した一部の装備パーツを着脱できるようになった。また隠しテクの域だが、ビームの組み合わせによってはパワーボム選択中にチャージビームで特殊攻撃が使える。
    • ルートを完全に強制してしまうような仕組みがかなり少なくなっており、アクションの強化と合わせて自由度の高さはシリーズ随一。
  • アクションが前作より格段にパワーアップした。
    • ダッシュ機能を追加。それにより軽快かつダイナミックな動きが可能となっている。
    • 銃口を斜めに向ける事ができるようになった。本作のボスなどは巨大で上部を撃たねばならない場面が大半であり、使用頻度のかなり高いアクションである。
    • さらに説明書にも書かれていない隠しアクションもある。それによりさらに高度な進め方も可能となる。
      • 特にタイムアタックなどでマスターしなければならないのがキッククライム。これは壁を蹴って上方にジャンプするアクションで、タイミングはそれなりにシビアだが使いこなせば強引なショートカットも可能。
      • ちなみにタイトル画面で放置していると数回に分けて様々なプレイデモが流れ、その中で隠しアクションを示唆してくれている。
  • パワーアップアイテムの種類も大幅に増加。殆どが以降のシリーズでも引き継がれている。以下が追加されたアイテム。
    • スーパーミサイルタンク
      • ミサイルの数倍*1もの威力を誇る強力なスーパーミサイルが使用できる。威力・弾速ともに抜群でボス戦の切り札だが、弾数・出現率ともに小さく補充し辛いため、ボスやルート開拓以外で使うのは考えもの。
      • 壁に当てると衝撃で揺れて壁や天井の敵が落ちて来るのも細かい。
    • パワーボムタンク
      • 全画面を攻撃する強力なパワーボムが使用可能になる。探索にも役立つが、スーパーミサイルよりも装填数・入手率は少ない。
    • チャージビーム
      • ショットボタンを長押しすることで強力なビームを放つことができる。威力が通常時の3倍に上がる他、それまではミサイルなどしか効かなかった敵にもダメージが与えられる。
        さらに、チャージ中に回転ジャンプして体当たりすると、チャージアタックで雑魚敵を粉砕できる。チャージアタック中は一部の攻撃をすり抜けられるので回避としても使える。
    • グラップリングビーム
      • ロープ状のビームを放ち、アンカーブロックなどに撃ち込むことで、向こう岸に渡ったり崖登りができる。敵に引っ掛けたり、回復アイテムなどを取ったりする使い道もある。攻撃力はないが、特定の敵を一撃で倒すことも可能。
    • スピードブースター
      • ダッシュし続けることでブーストが点火し、敵や専用ブロックを破壊しながら高速で突き進むことができる。
      • さらにブーストダッシュ発動中にしゃがむとブーストを維持することができ、その後回転しないジャンプを行うと、エネルギーを消耗しつつ5方向のいずれかに超高速で突進する「シャインスパーク」が発動する。
    • Xレイスコープ
      • サムスが向いている方向の地形を透かして見ることができる装備。隠されたブロックや通路などを見つけることが可能。
    • グラビティスーツ
      • バリアスーツの上位版。防御力が更に上がり、水中でも地上と同じようにブーストダッシュを含めた移動ができる。またマグマによるダメージを受けなくなる(ノルフェア深部やツーリアンなどの酸性液は防げない)。
  • 先述した通り、違う種類のビームを所持できるようになっただけではなく、ビームの効果を重ねがけできるようになった。
    • ウェイブビーム
      • 前作・前々作同様、ビームに地形貫通効果を付与する。
    • アイスビーム
      • ビームに敵を凍結させる効果を付与する。凍結の挙動が更に改められ、今作では「トドメとなる一発で凍結する」「チャージショットで耐久力のある敵も凍結する」という挙動になった。
    • スペイザー
      • ビームを3本同時に発射するウェポン。攻撃範囲が広がり更にアイス、ウェイブなどとの併用も可能だが、プラズマとの併用はできない。
    • プラズマビーム
      • 敵を貫通する効果を持つ強力なビーム。スペイザーとの併用はできないが、ウェイブと組み合わせることでほぼ同等の攻撃判定が得られる。
    • 上記4種類を組み合わせることでビームの威力を上げることができ、最強状態の「アイス+ウェイブ+プラズマ」ではノーマルビームの15倍もの威力に達する。
      ただし、アイスビームが含まれる場合、撃った敵は一度必ず凍り、次の攻撃で致死量のダメージを与えられるようになる(=一撃で倒せなくなる)ため、二発撃つのが面倒だという人は終盤まではアイスを外しておくこともある。
  • エンディングとクリア時間
    • 本作でもクリアタイムの表示にそれに応じたご褒美は健在。2時間59分以内でクリアするとSFC品質でお馴染みのご褒美が…。
    • 今作ではクリア時間の他にアイテムの回収率も表示されるようになった。回収率の方はご褒美に影響はないものの全アイテムを取得しつつ、いかに早くクリアするかという楽しみもあり自由度が高いと言える。
  • デモシーン
    • 数秒だが音声が出る、これには驚いた人も多かった。
    • 過去作を振り返る場面では一枚絵も多数、当時の作品では語られなかった出来事も。
  • SFCの機能をフル活用した派手な演出も用意、かつ繊細な箇所まで緻密に作りこまれ両立している。
  • 主人公であるサムスのドット絵は、ドット絵で描かれたゲームによくある「左向きの絵は右向きの絵を左右反転しただけ」というものではなく、きちんと右向き・左向きが描き分けられている。立ち止まっていれば呼吸に合わせて動くアニメーションも。
  • BGMも素晴らしく、有名なメインテーマを初め、疾走感がありスタイリッシュな曲調である『ブリンスタ 植物密生エリア』のBGM、重々しいながらも、後半のピアノによる美しいメロディーも特徴で、不気味さと美しさが混在した『ブリンスタ 赤土湿地エリア』のBGM、重厚なリズムと力強いコーラスが終盤の手強さを醸し出す『ノルフェア深部』のBGMなど名曲揃い。
    • 作曲は山本健誌氏と濱野美奈子氏。一部のBGMは後のシリーズ『メトロイドプライム』などでもアレンジされ使用されることになる。
  • 任天堂らしからぬハードでダークな世界観、非常に広大かつ緻密に作りこまれたマップ、シリーズの完成形とも言える豊富なアクション性で、シリーズ最高傑作と名高く、SFC最高のゲームに挙げる人も少なくない。
    • また、字幕による解説は序盤と終盤のそれぞれ一箇所に限られており、直接語らずしてストーリーやイベントを表現する手法も秀逸。ゲームのテンポが崩れることもほとんどない。
      • 例:身振りで隠しアクションを教えてくれる生物や、とあるボスの部屋の奥にある割れたカプセル、など…
      • 特に最終エリアでの「あのメトロイド」のイベントは必見。

賛否両論点

  • デモの日本語字幕について
    • 設定によっては下側に日本語字幕が出るが、上部の英文と内容が微妙に異なっている。開発スタッフによるとこれは意図的なもので、洋画の日本語字幕の内容のズレを再現したものらしい。
      • 英語が読める人であればより詳細なあらすじを確認することができる。自爆装置のアナウンスも言い回しが異なっていたりと文章も凝っており、簡単な字幕で済ませるのは正直もったいない。

問題点

  • ゲームとしての難易度はかなり高い。
    • アクションが多彩になり、出来ることが大幅に増えた影響で、それらをフルに活かして進むゲームデザインになっている。下記の見つけ難い通路や広すぎて迷うマップと合わせて、アクションが苦手なプレイヤーにはかなり厳しい。
    • 本作のマップは非常に広大で攻略の自由度は高い。適切な武器やアーマーを持っていなくても高温地帯や水没地帯に侵入できたり、無視しても問題ないアイテムやフロアも多数ある。
      それ故に下手に誤った対処を行うと途端に窮地に追い込まれてしまう。*2
    • 100%クリアやショートカットを抜きにしても高度なアクションを要求される場面が多い。
      • アイテムの入手において「踏み外せば即マグマや酸の海に直行」というような崖や足場が多い。タイミングや距離を読み違えたり、ジャンプ中に飛行系の敵に当たって中断されてしまうと悲惨。
        そのようなエリアの付近には補給に使える雑魚敵が無限に涌くポイントが用意されているため、ゲームオーバーにならない配慮はある。
      • ハイジャンプ入手以降は、ボタンを押す長さでジャンプの高さを調整できるのだが、中盤~終盤の通路エリアは床と天井が両方ともダメージゾーンになっていることが多い。足場から足場へと渡る際に下手に高くジャンプしようものなら天井の棘や落石に当たって怯んだ挙げ句、マグマや巨大植物の待ち受ける穴にハマって大きく体力を削られてしまう。
    • ボスは全体的に攻撃が苛烈で一撃のダメージも重い。攻略法としては弱点部位にミサイルやスーパーミサイルを当てていくのが基本手段だが、タイミングが限られていたり、弱点が小さく他の部位に当たって弾かれたりと、ゴリ押しではまず返り討ちにされること請け合い。
      • 多くのボスは棘や火球などの飛び道具を破壊するとエネルギーやミサイルを回復出来るが、体力が減ると攻撃が激化するのでジリ貧になる。これを踏まえて被弾覚悟の短期決戦を挑んだ方が早く安全に倒せることも。
      • 中盤の難破船で戦うファントゥーンは特に手強い。地形が狭い上に、無敵状態でバウンドタイプの火球を順次設置したり、実体化に合わせて大量の火球をばら撒くため、チャージアタックによる火球すり抜けを知らないと厳しい。
        また、スーパーミサイルを当てると回避困難の火球を数回放つパターンに移行するため、「強敵にはスーパーミサイル」の定石から外れている。
      • 宿敵リドリーも最終盤で戦うだけあって凄まじい強敵。 ファントゥーンの時以上に狭いフロアを火炎を吐きながら縦横無尽に飛び回る。加えて長い尻尾を振り回すため攻撃判定が大きい。操作不能+大ダメージの拘束攻撃も厄介。
        リドリーには無敵状態や弱点の露出、特定の武器に対するカウンターなどはなく、どんなタイミングでも好きな攻撃を通せるが、それをカバーするかのごとく耐久力もべらぼうに高い。スーパーミサイルの2倍特効効果はあるものの、10発や20発程度ではびくともしないタフさを持つため、攻略は必然的にガチンコ勝負となる。当たり判定の大きな尻尾の部分は 完全無敵+スクリューアタックですり抜けられない ことも強さに拍車をかける。
      • よほど動きに慣れてもいない限り、順当にゲームを進めただけの強さで太刀打ちできる相手ではないため、エネルギータンクやスーパーミサイルが潤沢でない場合は以前のエリアに一旦戻り、アイテムを回収するのが推奨される程。
        その強さから、シリーズ最強のリドリーはスーパーメトロイドの個体であると評する声も多い。
  • マップが広く迷いやすい。また進行ルートに気づきにくい。
    • ノルフェアでグラップリングビームを取ってから難破船に行くルートに気付きにくく、ゲームの進め方が分かりにくい。
      • 一本道ではなく大きな迂回を強いられるため、すぐにリドリーと戦いたいのに溶岩で進めず、何をすれば良いか分からなくなりがち。
      • 基本的にグラビティスーツとスペースジャンプを取る終盤までそこには進めないので、取った頃にはリドリーへの道を忘れるということもありがち。
    • マリーディアが広すぎて非常に迷う。慣れていないと数時間浪費することも。
      • グラップリングビームで壁を登ったりモンスターや天井を利用して進むのだが、操作が難しくマップの位置関係も把握しにくいため、初心者にはキツい。
        + 以下攻略に関わるため隠し
      • さらに「パワーボムを使ってガラス通路ごと壊す」という非常に気付きにくい進行ルートがある。この場所は以前に通過したことのある通路のためなおさら気付きにくい。
      • Xレイスコープを使っても壊せることは分からないため、入手済みのマップを頼りになんとか進行ルートであることに気づく必要がある。一方通行のためこれに気付けなければまた大回りしてマリーディア入口に戻ったりと面倒なことになりがち。
      • 一応ヒントはあり、マリーディアからブリンスタへ進む際に壊れたガラス通路を通ることになる。ただしこちらはガラス部分が完全に無くなっており、一見して元がガラス通路だとは気付きにくい。
      • なお、このシチュエーションは後続シリーズにも何度か登場しているが、通過タイミングと使用する武装の入手タイミングが近づけられていたり、ガラスにヒビが入っていたりと比較的分かり易いヒントが追加されている。
  • 見つけ難いアイテムや通路の存在。
    • ボムやミサイルで壊せる壁や床の見た目が、通常の床とまったく違いがなく、判別しづらい。
      • プライムシリーズでは、床や壁の一部分が劣化していたり、ヒビが入っているなど視覚的にも分かりやすくなっている。
    • Xレイスコープの存在により大半は容易に見つける事ができるが、中にはマップ上に・印が表示されていない、心理の裏を突いて巧妙に隠されたもの、Xレイスコープが使用できない(又はしにくい)状況などもあり、自力でコンプリートする事は非常に難しい。
    • 探索用装備であるはずのXレイスコープでも透視できない通路も存在する。ノルフェアのとある場所では進行ルートそのものであり、自力で発見できなかったという声もある。
    • マップが非常に広いので攻略サイトや動画などを見ない限り初見での自力コンプリートはまず不可能だろう(それをやり込み要素として評価する向きもある)。
    • アイテムを取得するたびBGMがかかるが1個につき5秒。複数ある個所ではテンポを損ないキャンセルも出来ない、100個ともなると合計8分20秒費やした計算になる。後のシリーズでは改善されている。
  • シャインスパーク、キッククライムの習得が懲罰的。
    • そのアクションを覚えないとエリアから脱出できない習得エリアがある。最悪の場合、やり方が分からず詰む。
    • シャインスパークの習得エリアは、普通に高速走りで駆け抜けようとしたら床が壊れる仕様、つまり見た目では分からないシャインブロックの落とし穴という設計。
      • シャインスパークの出し方は、スピードブースターのダッシュで最高速になったら下キー*3を押し、体が点滅している間にジャンプボタンを押す。比較的分かりやすいほう。
      • 真上に飛ぶ(習得エリアから脱出する)ならジャンプボタンだけでよい。ジャンプボタン+斜め上射ちボタンを押せば斜め上に、ジャンプボタンを押して体が浮き上がった直後に横キー+ジャンプボタンを押せば横に飛ぶ事が可能。
      • シャインスパークはエネルギーを消耗するが、29以下になると強制停止+再使用不可。また、周囲には敵がおらず回復ポイントも用意されているため、ゲームオーバーになる事だけはない。
    • キッククライムの習得エリアは、できないとそこから一生脱出できない地獄の底。しかも習得エリア内にセーブポイントがあるので、アクション苦手な人は詰み易い。
      • キッククライムの出し方は、回転ジャンプで壁に近づいて逆方向に十字キーを入れ、サムスが壁を蹴るモーションになった瞬間にジャンプボタン。慣れればそれほど難しくないのだが、同時押しでは失敗する*4ためやり方がわかりづらい。
      • アイテムの隠された最上部はかなり高いが、脱出ルート自体はキッククライム2~3回分の高さにも用意されている。
    • これらは全て説明書にも書いてない隠しテクニックでテキストや文字による説明もなく、ダチョラやエテコーン*5達の動きだけで推測しなければならない。
      • 後に発売されたGC『ダークエコーズ』でもキッククライムの操作を強いられる場面が存在するが、こちらの場合はスキャン情報でヒントが得られる為、操作性はともかく詰みにくくなったと言える。
  • ラスボス付近のマップは一度進入すると後戻りできない。該当マップのセーブステーションでうっかりデータを保存してしまうと、状況次第で相当厳しい難易度を強いられリカバリーが利かない。
    • 特に、各所で取得していないアイテムの回収が不可能になる事、スーパーミサイルの補充ができない事から、その時点で十分な回収を行っていなかった場合は目も当てられない事態に。
    • なお通常プレイでは有り得ないが、エネルギータンクが3~6個未満*6などラスボスのイベント演出によって「エネルギー300以上」を確保できない状態でセーブしてしまうと、ラスボスのイベント攻撃が耐えられなくなり、詰む
      • 事前にメトロイドやゼーベタイト等の戦闘があるので、それで体力を規定値以下に減らしすぎるとアウト。十分やり込んでいれば問題ないが、ゲームが苦手で体力をすり減らしがちな人がラスボスで詰む可能性は大いにある。
  • デフォルトでXボタンがショット
    • YかAに攻撃が割り振られる事が多い任天堂ゲームとしては独特な仕様で、慣れるまで時間がかかる。
    • ジャンプのAやダッシュのBはマリオ系と類似しているので分かりやすいが、攻撃しようとしてYをつい押してしまいやすい。
      • 合わないと感じたらオプションで変更できるのが救い。
    • 「ダッシュしながらショット」というアクションゲームで多用するアクションがデフォルト操作では難しいため、基本的に足を止めるか低速でジャンプしながらショットすることが多い。
    • 他にも「後ずさり撃ち」という任意ONの機能があるが、これが全くの邪魔者でまず使うことはない。
      • 「ショットボタンを押しながら反対方向にキー入力を行うと、ゆっくり後退しつつショットを撃つ」のだが、ビーム以外の武器については次弾が発射されない仕様上、動きが鈍るだけでメリットなし
        ビームについても、チャージビームの装備中は「ゆっくり後退しつつ次弾をチャージし、発射時に後退終了」となるため、やはり動きが鈍るだけでメリットなし
        チャージビームを外す事で未チャージのビームを連射するようになるが、最速ではないため攻撃効率が若干落ちる
      • 一応、アイコンキャンセルボタンを連打すれば、チャージビームの有無を問わず最速連射できる。ただし、操作が煩雑なのは言うまでもない。
      • 武器が実質的にビーム一択となる上、後ろに数歩走って振り向く方が安全かつ早いため、この機能が役立つ場面は皆無に近い。この為か、以降の2D作品では一切採用されてない。
  • 前作と比べて操作が少々複雑。
    • ショット、ジャンプ、ダッシュ、武器の切り替えと、必要となるボタンが非常に多い。
      • 特に問題となるのが武器の切り替えで、ビームを含め全6種類ある武装をたった一つのボタンで切り替えてショットボタンで発射するという少々煩わしい仕様。
      • 一応、瞬時にビームに戻すボタンはあるが、慣れないうちはミサイルを誤射することも多いかもしれない。
      • この点は後続シリーズでは状況によって切り替えられる武装(ミサイル系とパワーボム)が自動選択されたり、ハードのボタン数などの関係で簡略化が施される事になる。
  • 最序盤が一本道かつ単調。
    • オープニングイベント及びゼーベス着陸直後は雑魚などが出現せず、実質一本道が長く続くため何度もプレイしていると作業と化す。
    • 進行ルート上、一旦ブリンスタ中央部に進んで戻ってくる必要があるが、その際『初代』の脱出ルートに使われた縦に長い通路を往復することになる。
  • デモを飛ばす事が出来ない。いくら非常に高品質でも何度も見せられるのは辛い。
  • ダメージを受けた瞬間にサムスの向きと逆方向+ジャンプボタンで「高速離脱」という動作をするが、タイミングが厳しい上に実用性がほとんど無く、むしろ意図せずに出てしまうことがある。
  • スペースジャンプの入力受付時間が短い。前作ほどでないが、「頂点からある程度落下したときにジャンプボタンを押す」というタイミングをうまくつかむ必要がある。
    • 次回作『フュージョン』では、回転ジャンプの下降中であればいつでも成功するようになった。
  • リザーブタンクのオートモードに欠点がある。
    • サムスのエネルギーが尽きた瞬間に自動回復してくれるのだが、回復完了時に無敵時間が発生しない。このため、敵やトラップにぶつかってエネルギーが尽きた場合、回復直後に再度ダメージを受けてしまう。

総評

操作性などの前2作の問題点を解消し、シリーズのシステムを完成させた名作である。
ダークなSFを表現したグラフィックや音楽、添え物程度ながらプレイヤーの心を大きく動かすストーリー演出など美術面の完成度も素晴らしく、
一方ゲーム面ではテクニックを駆使した華麗なプレイや、ショートカットなどプレイヤーを後々まで惹きつける奥深さがあり、今なお最高傑作と呼ばれることも多い。
熟練者にも多くの愛好者がいる一方、アクションの難易度自体はライフが非常に多くなりうる上、回復も容易なためさほど難しくはなく、謎解きさえわかれば初心者でも簡単にクリアできる。
そのため硬派な世界観でありながら間口が広い作品に仕上がっており、多くの人にお勧めできる逸品となっている。
バーチャルコンソールでも配信されているため、探索アクションゲームの模範的作品を知りたいならばぜひ本作をプレイすることをお勧めする。


スーパーテクニック

  • やりこみ許容度が非常に高い作品の一つであるため、国内外問わず現在でもファンに愛されている。
    • タイムアタックや裏技的なスーパーテクニックの研究が行われ、実機、TAS(エミュレータのステートセーブ機能を活かしたタイムアタック)による部門別のタイムアタックも行われている。常人離れしたプレイ動画も多数上がっている。
    • その裏技的なテクニックを最大限に活用することで、シークエンスブレイクも行える。イベントフラグではなくテクニックや能力に対応した地形によって行動範囲を抑える仕様のおかげで、強引に突破したとしてもバグも起こらない。
    • 余談だが、TAS動画のサムスは上記の通り常人離れした恐ろしい動きをするので、視聴者からは『キモス・アラン』『タムス・アラン』等と言われ愛されている。次回2Dシリーズ作のSA-Xをもじって『TA-S』と呼ばれる事も。

余談

  • 任天堂公式ガイドブックは資料的価値がなかなか高い。
    • シナリオの掘り下げ、イラスト資料、プロデューサーによる絵コンテ、用語集や本編ではあまり触れられないサムスの人物像も描かれている。
      • この攻略本の時点で、サムスは「幼少期に宇宙船が賊に襲撃され、一人生き残った所を鳥人族に助けられた」という経緯が明かされている
      • 「ただ敵を凍らせるだけ」と思われがちなアイスビームがプラズマビームを軽く凌駕するチート性能*7持ちなんて知っている人はどのくらいいるだろうか?
    • 情報がたくさん載っているわけではないが、ファンなら読んでみる価値はある。当時としては珍しいカバー裏もある。
  • 本作発売の際に店頭デモ映像は、部分的な実写映像とアニメ映像、実際のゲーム映像で構成されており、サムス役のナレーターによる語りと共に進んでいくという映画の予告編風の本格的なテイストになっている。
    • しかし、設定が固まり始めたばかりのころとは言え、サムスのセリフや口調が現在の公式設定と合致しておらず、実際のストーリーともかけ離れている。
      • たとえば、最初の鳥人像からミサイルタンクを手に入れるシーンでは「アイテムだ…! こんな薄気味の悪いところからは、早く逃げなければ!」というツッコミどころあるセリフが聞ける。
        + ...
  • 本作からゲームオーバー時にサムスのスーツが砕け、生身の姿が現れる演出がされるようになった。
    • 開発スタッフの発言によると当初はスーツ下は全裸であり1フレームだけ姿が見られるようにする予定であったが、さすがに色々ヤバイということからビキニ姿に変更されたという逸話がある。
  • 今作新登場の敵キャラに、面白い名前のものがある。
    • ノルフェアに生息するタツノオトシゴのような竜は「ドラコーン」だが、その二足歩行に進化した生物の名は「アルコーン」。
    • ノルフェアに設置されてある顔型の青色の火を吐く砲台は「フーネ」。さらにそれに目のついた奴は「ナミヘ」。
    • 「フーネ」と「ナミヘ」は『メトロイド フュージョン』でも名前を変えずに登場しており、『ゼロミッション』『Other M』にも似たキャラが存在する。
  • ラスボス撃破後の脱出イベント中にも細やかな隠し要素がある。大きく寄り道する必要があるため余裕はあまり無いが、エンディングにほんの少しだけ変化点が現れる。
    • ちなみに後の『フュージョン』では、この変化を起こした前提のストーリーとなっている。