メトロイド フュージョン

【めとろいど ふゅーじょん】

ジャンル アクション
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売・開発元 任天堂
発売日 2003年2月14日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(FRAM)
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
配信 【3DS】アンバサダー・プログラム
【WiiU】バーチャルコンソール
2014年4月30日/702円(税8%込)
判定 なし
ポイント 良くも悪くもゲーム性の大幅な変化
お使い要素と後付け設定・矛盾
アクションゲームとしては水準以上
シリーズ完結から9年ぶりの続編
メトロイドシリーズ


概要

探索型SFアクションアドベンチャー「メトロイド」シリーズ第4作。『スーパーメトロイド』以来、9年振りに2D本編続編としてGBAで発売された。 前作でストーリー的な一区切りを迎えたシリーズではあるものの、探索アクションの完成度はそのままに、シナリオ面の洗練に大きく注力された作品であり、
作中のオープニングデモでは『METROID 4』と銘打たれ、時系列としては『メトロイド Other M』と『メトロイド ドレッド』の間にあたる。


ストーリー

BAIOLOGIC宇宙生物研究所が派遣した調査隊の警護を依頼された私は…あの惑星SR388へ、再び足を踏み入れることとなった。
メトロイドの巣窟であったこの惑星は…私とベビーメトロイドが、出会った場所でもある。

今回の目的は、メトロイドが絶滅した後のSR388の調査であった。そして私は、今まで見たこともない生命体に襲われてしまったのだ。
私にとりついた生物の正体が、「X」という寄生生物だったことは、後にわかった。
事の深刻さに気づかず、帰路についていた私を突然の異変が襲った。

「X」に神経中枢を侵された私は、意識を失い、アステロイドベルトに突入してしまった。
激突の直前に、自動的に放出された脱出ポッドを調査艇が回収し、銀河連邦本部へ運び込んだ。
しかし、到着までの間に増殖した「X」は、私の身体を、パワードスーツごと大きく蝕んでいた。
バイオ素材のパワードスーツは、装着時、私の身体を一体化することが、事態を深刻化させてしまったようだ。

意識の無い私からスーツを脱がせることはできない。したがって…
「X」に蝕まれたスーツの大部分は、身に着けたまま切り取られてゆき、私の姿をしだいに変化させていった。
だが、神経中枢の奥深くまでを侵食した「X」を取り除くすべはなく、私の命は絶望視されていた。

ところが、唯一の治療法がみつかった。「X」を除去できるワクチンが、メトロイド細胞から作り出せるというのだ。
あのベビーメトロイドの細胞組織の一部が連邦によって保管されていたらしい。

すぐにワクチンが作られ投与された。ワクチンの効果は絶大であった。結果、「X」は、みるみる消滅していった。
そして私は奇跡的に一命を取り留めた。その容姿を大きく変化させ、蘇ったのだ。

この事実を噛み締めながら、今私は思う。ベビーは、再び私の命を救ってくれたのだと…

スターシップのコンピュータが、通称「B.S.L」、「BAIOLOGIC宇宙生物研究所」への接近を告げた。
調査隊が今回捕獲した生物は全て、私の手術中に「B.S.L」へと運び込まれていた。
やがて意識を取り戻した私は、「B.S.L」で起きた原因不明の爆発事故を知ることとなった。
その事故の報せに、言い知れぬ不安を覚えた私は今、現状調査のため、「B.S.L」へと向かっているのだ。

『まもなく「B.S.L」に到着する。すみやかに着陸体制に移れ。』

(プロローグより抜粋)


特徴

  • ホラー演出が強調された正統進化
    • 本作は「BAIOLOGIC宇宙生物研究所」通称「B.S.L」と呼ばれる巨大な宇宙ステーション内での、サムスと「X」の死闘を描いたエピソードである。
    • 前作『スーパー』は、あらゆる障害を完璧に乗り越えていく無双感を実感するゲームデザインだったが、
      今回は、サムスの手に余る非常事態の中で何とか被害の最小化を図るため奔走する。といった具合に、ホラーゲームとしても十分に成立する程に焦燥感を高める演出に磨きがかかっている。
  • ゲーム進行によって刻々と状況が変化するシナリオ
    • B.S.L各所に配置された「ナビゲーションルーム」での会話や、新規能力獲得などの節目を境に、 B.S.L内を取り巻く状況や移動できるエリアと侵入不可エリアが、目まぐるしく変化していく。
    • ボス撃破をフラグとして進行する仕様は、かつて『メトロイドII』でも用いられた手法である。 ただしひたすら探索してはメトロイドを倒す『II』とは異なり、本作では新しく登場した「スターシップに搭載されたコンピュータ」の指示に従って施設の探索を進めていくことになる。
    • 取得する武装・アビリティの多くが前作『スーパー』と共通しているため、ナビゲーションルームでアナウンスされる「近いうちに獲得できるアビリティ名」を目にした時、前作経験者であればその恩恵を容易に想像出来るだろう。
  • 恐怖の擬態生物「X」
    • 寄生した生物を死に至らしめる殺傷性に加え、DNA情報を基に寄生した生物そっくりに擬態する能力を持つ「X」と呼ばれるアメーバのような不定形寄生生物が、本作の事件の元凶であり、B.S.L内のほぼ全ての生物が「X」が擬態した偽者となっている
    • 元々は『II』の舞台でメトロイドが闊歩していた惑星SR388の原生生物で、これまではなりを潜めていたが天敵であるメトロイドが全滅したことで活動を再開。そして擬態したXがB.S.Lに持ち込まれ、未曾有の危機が訪れる展開である。
    • サムス自身もXによって一度死にかけたが、メトロイドの細胞から作られたワクチンによって一命を取り留め、新たなスーツ「フュージョンスーツ」を身に纏いXに立ち向かうこととなる。
    • 本作を象徴する宿敵「SA-X」は、Xが擬態した「もう一人のサムス」。サムスに寄生しパワードスーツごと切り離されたXが擬態したもので、ほぼ 最強状態 (ベストコンディション)のサムスと同等の能力を持っており、サムスの攻撃は終盤になるまで全く効かないため勝ち目は無い。
      • 攻撃力も非常に高く序盤では下記コンボで即死することさえあるため、遭遇した場合はSA-Xが去るまで身を隠すか、必死になって逃げるしかない。この要素はこれまでにない緊張感があり、BGMなどの演出も相まって恐怖感を煽られると好評。
      • 余談だがSA-Xは、サムスがバリアスーツを入手する前に限り、「敵(サムス)をアイスビームで凍らせた後、スーパーミサイルを食らわせる」という前作の終盤でプレイヤーが行っていたであろう戦い方を見せてくる。
  • 「X」を吸収し現況を打開する。
    • あらゆる 擬態X (クリーチャー)は、倒した時点で擬態を解き元のアメーバ状の姿に戻る。
      ゲーム冒頭の事件により、サムスはXへの完全な耐性と共に触れるだけでアメーバ状態のXを吸収する体質を獲得しており、
      体力回復やミサイル弾数の補充といった形のメリットが発生、実質確実に出現する回復アイテムとして機能している。
    • また、大型クリーチャーに擬態したボスの「コア-X」を吸収すると、サムスが失った特殊能力を取り戻す事ができる。それを意識してか本作のボスクリーチャーの特徴にサムスの特殊能力を意識したものが多い。
      • 例えばアルマジロのような姿で丸まり攻撃を仕掛けてくるボス「マルカラ」からはモーフボール能力を、高速の突進攻撃を繰り出してくるボス「イシュタル」からはスピードブースター能力を獲得できる。
      • その一方で、低温環境に適応した「青いX」も存在し、こちらはバリアスーツ入手前に吸収するとダメージを受けてしまう。
        最初は明確にサムスを倒す意思を持って自分から向かってきてダメージを与えてくるが、バリアスーツ入手後に一度でも吸収・回復してから部屋が変わって以降は逃げていくようになるといった具合に、Xの知性も表現されている。

評価点

シナリオ面
後述するが、本作はメトロイドシリーズのキモである「探索の自由度」が減少している。その代わりにシナリオに重点が置かれており、その評価はシリーズでも一二を争う程高い。

  • 何故か惑星SR388の自然環境を人工的に再現したセクターが存在すること、後半で明かされる銀河連邦の怪しげな行動、サムスが妙な懐かしさを感じるスターシップのコンピュータなど、ほどよく謎や伏線をちりばめながらゲームが進行していく。
    • 最終ミッション発令の場面は、道中での伏線とうまく合わさりプレイヤーの気持ちを盛り上げてくれる、メトロイドシリーズ中でも屈指の名シーンとなっている。
  • これに合わせてシリーズで初めてキャラクター同士の会話シーンやサムスの独白が導入され、心理描写といった演出の面でも大幅に強化された。
    • これにより、過去作のようなただクリーチャーを倒して探索するだけのシナリオから脱却し、どこが目的地なのか、どう攻略すれば先に進めるのかといったゲーム進行の導線も分かりやすくなった。
  • ストーリー進行は一本道だが、それは裏を返せば迷子になりにくいという事でもある。
    • 「次に何をすればいいか分かりやすい」というのはシリーズ未経験者にとってはありがたい。前作から9年も経ち、その間にサムスの知名度をある程度上げる客演が2回ほど出た後の「新規プレイヤーのためのメトロイド入門ソフト」と考えれば、一本道のストーリーは一概に欠点とは言い切れない。
  • 前作『スーパー』で登場し、隠しアクションを教えてくれた惑星ゼーベスの原生生物エテコーン&ダチョラの生存描写や、過去作で登場したクリーチャーの再登場など、シリーズ経験者へのファンサービスも盛り込まれている。
  • 子供用にテキストを調整した「子供向けモード」を搭載。
    • 低年齢層でも良質のストーリーを楽しめるように配慮されている。

システム面など

  • 操作性が向上。GBAのボタン数に合わせて各種行動が簡略化されてはいるものの、これによってストレスを感じることは皆無。
    • 前作で煩雑だった武器の切り替えは、セレクトボタンで切り替える方式から、Rボタンとの同時押しの有無で切り替える方式に変更され、より素早く変更できるようになった。それに伴い、ミサイル系統の武器は1種に集約されるように再構成されている。
    • 前作で個別のボタンが割り振られていたダッシュボタンは廃止、スピードブースターは一定距離を走れば自動で発動するようになった。
      • スピードブースターから派生する隠しテクニック「シャインスパーク」も健在で、発動中のエネルギーの消費がなくなったため扱いやすくなっている。さらに横移動中に上り坂に差し掛かると再度スピードブースターに移行できるようになり、アイテム収集においては前作以上に高度な操作が求められる場面も。
    • 上下で別々のボタンが割り振られていた斜め撃ちは、Lボタンと上下キーで撃ちわける方式に変更。
    • ジャンプ周りの仕様も大幅に改善。
      • 前作までに見られたティッシュジャンプ(低重力下のような挙動)は廃止。上昇・下降ともに標準的な速度となった。
      • 回転ジャンプ中でもビームのチャージが進行するようになり、チャージアタックの多用もしやすくなった。
      • 通常ジャンプ中にAボタンを押すと、回転ジャンプに移行するようになった。これにより、真上にジャンプしたり空中で攻撃した後でもスペースジャンプ・スクリューアタックなどが使用可能。
      • スペースジャンプの入力受付時間が「回転ジャンプの下降中」となり、上記の仕様変更と相まって使いやすくなった。
      • 壁蹴りの隠しテクニック「キッククライム」も健在だが、慣性が強く乗るため壁の片面だけで登るのはほぼ不可能に。また、スペースジャンプを入手すると発動不可能になる。
    • 本作のサムスは、従来のパワードスーツから装甲を切除したことで軽量化されているという設定に基づき、「崖やハシゴに掴まる」アクションが追加された。
    • なお、上記で挙げた隠しテクニックは『スーパー』のようにゲーム進行中に示唆されることこそないものの、タイトル画面でしばらく操作せずに放置していると見られるデモプレイにて、それぞれの実演シーンを確認可能。
  • BGMはGBA初期作ということもあって若干音質が不安定で、前後作とも曲調が違うため好みこそ分かれるが、個々の曲のクオリティ自体は高い。動画サイトでファンに多種多様にアレンジされている曲も多く、その人気の証左と言える。
    • 序盤のステージとは思えない緊迫感に満ちたセクター1のBGMや水中のグラフィックに相応しい幻想的なセクター4のBGMは特に人気が高い。戦闘BGMも、ハイスピーディで流麗なイシュタル&ゲドゥ戦や、禍々しく不気味なナイトメア戦、お馴染みのフレーズが散りばめられたネオリドリー戦など、良曲が目白押し。
      また、ボクスやナイトメアの戦闘BGMは、両者とも『暴走した機械兵器』という設定を体現してか、狂った機械のごとく十数秒のフレーズを延々と繰り返すという構成になっており、敵の設定を秀逸に演出している。
    • SEのクオリティも高く、チャージやジャンプ時の特徴的な音や、恐怖感を煽るSA-Xの足音は今でもプレイヤー間で話題になる程。
  • ドットグラフィックもクリーチャーはもちろん背景、イベントグラフィックに至るまで十分書き込まれている。

やりこみ要素の増加

  • タイムアタックや効率のいいアイテム回収ルートを模索していく楽しさは従来作と全く変わっていない。
    • 各所に隠されているアイテムの取得の有無や部屋が隠しであるかどうかがマップで判別可能*1になり、自力で集めやすくなった。
  • 難易度は低難度のEASYから高難度のHARDまで3段階存在し、エンディング後のご褒美画像も多数用意されているため、やりごたえも十分。
    • エンディング後のご褒美画像は「難易度・クリア時間・アイテム回収率・子供向けモードか否か」といった条件によって変化し、全13種類と非常に豊富。個々のイラストのクオリティも高い。
    • 恒例の「アイテム回収100%&2時間以内クリア」も存在。しかし、それを上回る難易度の条件が「HARDでのアイテム回収1%(時間不問)」クリアである。
      途中で強制的に取る形になるミサイルタンク1個以外は何も取得できず、少しでもゲームが進んでからはたった1~2発で即死となりセーブまでの進捗が水の泡になる。よって道中のザコ敵にすらおびえつつ走り抜け、ボス撃破時にはプレイヤーの精魂が付き果てること間違いなしという超絶マゾプレイ。
      • ちなみに本作ではデータルームやコア-Xから取得する装備・特殊能力は回収率に含まず、エネルギー・ミサイル・パワーボムの各タンクの取得数のみで算出している。
      • 一応、前述のミサイルタンクを取得しない「アイテム回収0%クリア」も可能ではあるが、そのミサイルタンクを無視するには、日本版発売以前の初期の海外版でのみ可能な壁抜けバグを利用するか、「通路を塞いでいるスーパーミサイルでしか倒せない敵」をシャインスパークを無理矢理持ち込む事によってスーパーミサイル取得前に倒すルートを利用する必要がある。
      • 上記ルートでのスピードブースター維持の猶予時間はわずか7fとTASでもなければ不可能なほどに操作難易度が高いが、ポーズ連打による擬似コマ送り操作を利用することで人力による達成報告が複数*2上がっている。

賛否両論点

難易度がやや高め

  • 難易度NORMALの時点でも敵から受けるダメージが高めに設定されており、中盤以降だと一撃で100以上受ける事も多々ある。
    難易度HARDではそれが更に数割増しになる上に、エネルギータンクの効果が半減してしまう。
    • その分エネルギータンクの入手数はシリーズ最多になっているが、前作にあった隠し通路やブロックを探知できる「Xレイ・スコープ」が削除されたため見つけにくくもなっている。
    • また、各セクターのエレベーター付近には共通して全回復可能な「リチャージルーム」が配置されているが、代わりに前作ではマップの随所にあった敵無限湧きの回復スポットが激減。
      敵を倒して得られるアイテムは確実に出現するが回復量が少ないものしかないため、「回復にはルームまで引き返す必要が生まれてしまった」ともとれる。
      • ただし、ボス戦前のゲートに配置されている敵を倒せば、普通はまれにしか出現しないエネルギー・ミサイル・パワーボムをまとめて大回復できる「赤いX」が必ず出現するため最低限の配慮はなされている。
  • 壁となるボス敵が増加。
    • 中でも中盤以降に登場する大型クリーチャー「ゲドゥ」や「ナイトメア」は、斜め撃ち等を駆使する前提でないと倒せないかなりの強敵。
      難易度NOMRALは勿論の事、アクションゲームが苦手なプレイヤーなら難易度EASYですら苦戦を強いられる。
    • 難易度HARDの場合、敵の攻撃力上昇・エネルギータンクの体力上昇値半減・サムスのミサイル所持数低下が加わり、より一層手強くなる。
      更に1%回収クリア時には、アクションゲームが得意なプレイヤーですら、EASYで数十回のリトライを強いられる死闘と化す事も珍しくない。
  • フュージョンスーツのデザイン。
    • 本作のパワードスーツは前述の設定から外観が激変しており、ゲーム内でも上記の通り被ダメージが多めで打たれ弱くされている。
      また、従来の無骨で機械的なデザインから一転、有機的・生物的で毒々しい色合いのデザインに変更されているため、やや賛否が別れる。

ストーリー面での矛盾・後付け設定の増加

  • サムスに過去に慕った上司がいた事、Xという危険生物がおりその天敵がメトロイドだった事、ベビーメトロイドの細胞が保管されていた事、これらの要素は『スーパー』以降に後付けされた設定である。
  • 本作でのサムスはメトロイドワクチンによって「冷気に弱い」というメトロイドの弱点も受け継いでしまったという設定があり、先述の「青いXを吸収するとダメージを受ける」という展開や「オメガメトロイドにアイスビームしか効かない」という描写がある。
    • しかし、過去作ではメトロイドが低温に弱いという設定ははっきりしておらず、また『II』では脱皮したメトロイドにはアイスビームが効かず、ミサイルのみが有効であった。
      • また、『スーパー』の攻略本で明かされていた設定では、アイスビームとは「撃った対象の時空間を凍結させる」というとんでもない仕組みのビームで、冷気で凍っているように見えるのはその副作用とされており、設定が異なっている*3
    • 本作以降「アイスビーム」はその名の通り冷気によって凍結させる武器、そして「メトロイドは冷気に弱い」と設定された。同時期に発売された『プライム』でも、低温化でメトロイドの機能が低下することがログブックで触れられている。
      さらに後の『サムスリターンズ』において、脱皮したメトロイドにもアイスビームが通用するようになっている。
      • なおゲスト出演と言う形だが、本作以前にこの設定を採用した作品も存在する(余談参照)。
    • また、上記の描写に関係して「オメガメトロイドにアイスミサイルが通用しない」という仕様もあるが、アイスビームが通じてアイスミサイルが効かない理由は特に触れられていない。
      • 一応、本作のミサイルは前作より威力が低くなっていることや、アイスビームは「プラズマビームやウェイブビームといった他ビームを複合している」といった要素はある。また、同じく『サムスリターンズ』ではオメガメトロイドの弱点部位に強固な皮膜が追加され、防御面での補足がなされている。
  • サムスの宿敵であり、初代と前作で爆散したはずのリドリーが、何故か原形を保ったまま冷凍保存されている。
    • ディレクターの坂本賀勇氏は、当時「秘密」と答えてその理由を明らかにしなかった。その後2010年発売の『Other M』にてこの設定に補完が入り、後付けとはいえちゃんとした理由付けがなされた。
    • また、ストーリー中ではリドリーに関する話題は何故か一切出てこない。サムスと因縁深い設定があるだけに少々不自然に見えるが、『Other M』においてもある時期を境にリドリーを意識する描写がほぼなくなるため、意図的かはともかく辻褄は合わせられている。
  • ただし、メトロイド自体シナリオ面を最重要視するゲームというわけではないし、矛盾といってもそこまで大きなものでもない。むしろ「 後付けの割には上手くまとまっている 」と褒めるべきかもしれない。
    また一旦完結した作品に、しかも9年も間が空いた状態から再び続編が出る以上、新たな設定が加わったり設定変更が行われることは中々避けられないため、やむを得ないとも言えるだろう。
    • 同時期に発売された『メトロイドプライム』は従来作と異なるFPSで「売れないのではないか」「ユーザー離れを引き起こすのではないか」と危惧されており、このため『スーパー』でストーリーが完結していたにもかかわらず、急遽従来通りのアクションゲームとして本作が製作される事になったという。そのために後付け設定や矛盾が発生したのだと思われる。

その他

  • 本作は「失った能力を取り戻す」がモットーとされているため、新要素が少ない。
    • 新要素はワイドビーム、アイスミサイル、ディフュージョンミサイルの3つのみで、なおかつワイドビームは『スーパー』のスペイザーとほぼ同じため本格的な新要素はミサイル関係のみとなってしまっている。
  • プレイ中に命令違反を行わないとストーリーが進行しない箇所がいくつか存在する。
    + その一例
  • 作中では、Xが進出しないように最後までレベル4のハッチ(赤いハッチ)のロック解除を許可されなかったが、ナイトメア撃破後から進出するセクター4の海底エリアではL4のハッチを通らないと進行不能となる。
    • このため、ステージの途中にあるハッチのロックをやむを得ず解除しないと進行ができない…と言った事態に陥る。
  • GBA本体のボタンが少ないため、スピードブースターの発動条件が変更されている。
    • 前作ではスーパーファミコンだったこともありダッシュボタンを発動すると安易にスパーク状態になるが、本作以降からは前述の理由で一定歩行で発動するため、スパーク状態になるのにやや時間がかかる。
  • 後述の通り半ばお使い状態だが、8割以上が隠しエリア扱いとなっているセクター2が非常に迷いやすい。

問題点

探索の自由度、及びシステムでできる事の減少

  • B.S.Lにはナビゲーションルームが各セクターに設置されているが、大抵はセクター探索前に必ずナビルームから指令を受ける必要がある。
    そのため、ゲームでやる事は「ナビルームで指令を受ける→指定地点に行き敵の撃破やアイテム獲得等で指令完了→新たな指令を受ける→…」という流れの繰り返しとなる*4
    • また、ストーリー進行に応じて探索エリアが広がるシステムになっているため、探索の自由度はシリーズ中でも『II』と並んで最底辺。
      そしてこれはマップ等と連動しており、きちんとフラグを立てないとストーリーが進行できないようになっている*5
    • 前作は探索の自由度の高さに重点が置かれており、新たなルートの発見やシークエンスブレイク*6も可能であった。そこが好評だっただけに惜しまれている。
  • 前作に存在した各チャージコンボ・ポップンボム・連続ボムジャンプ・クリスタルフラッシュといった仕様や隠しテクニックは軒並み廃止された。
    • 一応ストーリー的な理由付けは可能だが、「前作では可能だったのにできなくなってしまった」という不満の声は決して少なくない。
    • 通常プレイにおいてゲームバランスに与える影響は大きくなく、中でも連続ボムジャンプや片面キッククライムはシークエンスブレイク手段になることも容易に想像できるが、装備のON/OFFはアクションの自由なカスタマイズに繋がり、チャージコンボといった要素にも連なる仕様であったため、これらがまとめて廃止された事は惜しまれる。
  • 前述のように「Xレイ・スコープ」が削除されたため、隠しアイテム・通路の発見がやや困難になった。
    • 探索には効果範囲の広いパワーボムが有効だが、その弾数は多くなく、補給には配置数の少ないリチャージルームに赴くか出現箇所の少ない赤いXを吸収する必要があるため、少々使いづらい。
      • ちなみに、パワーボムで敵を粉砕すれば、画面内のXをまとめて爆発地点に引き寄せる事ができる。回収の手間が省けて便利なのだが、前述のように弾数が少ない上に探索にも使うので、攻撃や回復手段として使っている余裕はあまりない。

その他

  • 多くのボスの鳴き声が異常にけたたましい。
    • イヤホンでプレイした場合、耳を痛める恐れもあるため要注意。
  • SA-Xについて、いくつか問題点が目立つ
+ その内容
  • 中盤、必ずSA-Xと鉢合わせする場面が初見殺し。
    • SA-Xを目撃する場面のほとんどは何とか発見されずにやり過ごせるのだが、中盤に一度だけ必ず鉢合わせしてしまう場面が存在し、ここが本作トップクラスの初見殺しとなっている。
    • 逃げようにも少し進んだ先は壁に阻まれており、壁はボムで破壊可能だがいきなりSA-Xと鉢合わせした事で慌て、逃げられないと勘違いしてしまい、初見では多くのプレイヤーがこの場面のSA-Xに葬られることとなりやすい。
    • この時点ではSA-Xにビームこそ効かないがアイスミサイルであれば短時間ながら動きを封じることができ、この事を知っていれば格段に逃げやすくなる。
      • スターシップのコンピュータからもアイスミサイル取得時にその事が説明されているのだが、この場面はそれからかなり物語が進行しているので、SA-Xと鉢合わせした混乱も相まってアイスミサイルの使用を忘れてしまいがちである。
      • また、この状態のサムスは強ボスであるゲドゥとの戦いで満身創痍の状態かつステージの構造上エネルギー回復がほぼできないため、十分な装備が整わず逃げきれなかった人も多いのではなかろうか。
  • 一方で最終盤で直接対決した際のSA-Xは非常に弱い。
    • 「フルパワー状態のサムスと同等の能力を持っている」という設定の割に、アイスビームとスクリューアタックしか使ってこない。アルゴリズムも単純であり、ノーダメージで勝つのも難しくない。
    • ある程度ダメージを与えると第二形態になるが更に弱く、大ジャンプして踏みつけてくるだけ。
      • 一応、サムス自身も相応のパワーアップを果たしていることと、敵のアルゴリズムが単純なのはXの設定的にも違和感はない。しかし、ようやく訪れた直接対決の機会で、なおかつ最終盤のボス戦なのに歯ごたえがないというのは少々残念と言えるだろう。
  • SA-Xは「ベストコンディション状態のサムスと同等の能力を持つ」とされているが、外観はオレンジ色のバリアスーツ状態のサムスであり、『スーパー』における最強装備であるはずのグラビティスーツ(紫色)を確認できない。これはプロローグ時のサムス本人も同様。
    • 各パッケージイラストやスマブラシリーズなどの客演において、サムスといえばオレンジ色のバリアスーツが定着していたため、致し方ない部分はある。
    • この点においても、 後の『Other M』にて「バリア機能」「グラビティ機能」という形で補完されており、SA-Xもグラビティスーツと同等の防御力を発揮していたと解釈は可能である。
    • また、ビームに関しても『スーパー』ではある手順を踏まないとできなかったスペイザーとプラズマの併用も問題なく使用可能となっている。
  • 作中終盤にて「SA-Xは増殖しており、10体以上存在している」という推測が明かされるが、残念ながらゲーム中で複数体のSA-Xを視認する場面は存在しない。実際に撃破が確認できるのは2体のみである。
  • 『スーパー』と同様に、ボス部屋前にはゲートを塞ぐ目玉のような敵が配置されているのだが、本作では攻撃可能な判定が非常にシビアかつタイミングも摑みづらい。
    • 目が開いた瞬間を狙うのが正解だが、攻撃判定が2~3フレーム程度しかない。一応、スーパーミサイル入手後なら一撃で破壊可能なほか、ややシビアではあるがチャージビームを至近距離から放てばこちらでも一撃撃破が可能。
    • 前述のように撃破後は必ず「赤いX」に変化するので、消耗してもボス戦に響かないのは救い。また、難易度EASYでは攻撃をしてこなくなるといった調整はなされている。
  • アイテム回収時、やたらとスピードブースターとスクリューアタックを酷使される。
    • 特に前者はあまりにも多すぎであり『スーパー』とは全く違う操作感のシャインスパークの知識を身に付ける必要がある。
    • 後者による攻撃は凍結中の敵も容赦なく粉砕するので戦闘においては強力だが、アイテム回収においては「アイスミサイルによって敵を凍らせて踏み台にする」形で入手するアイテムの回収難易度が意図せず上がってしまう。
      • 上記のように任意で装備をON/OFFできないため、ビーム発射による回転ジャンプのキャンセルを駆使するか、スクリューアタック入手前に回収に赴くといった工夫が必要となる。
  • 本作とゼロミッションはハイジャンプとスプリングボールが統合されてしまったため、ボール状態で高いジャンプができなくなってしまった。
  • ラスボス撃破後、スターシップで脱出したサムスの独白の台詞に誤字が存在する。(×追求 ○追及)

総評

「メトロイドシリーズとして見れば」賛否両論に分かれた作品。
本作が批判される理由は、やはり前作と大きく異なったゲーム性、特に探索要素の激減が原因であろう。
本シリーズはアクションやストーリーよりも探索の自由度の高さに重点が置かれており、それが最大の魅力であり長所でもあった。
しかし、本作はストーリー性を追求した結果ゲーム進行がほぼ一本道で自由度がなくなり、メトロイド最大の特色である探索要素が薄れてしまったのである。
また、公式・非公式問わず存在する豊富なテクニックの削除もシリーズファンにとっては不満点となった。

とはいえ、操作性は良好でバグもほとんどなく、周回プレイ前提ならかなり楽しめる造りとなっている。好みの問題はあれどストーリーやグラフィック、BGMのクオリティも高く、前作発売から9年という長いブランクを全く感じさせない完成度の高さである。
アクションゲームとしては十分及第点の出来であり、本質的な面では決して低い評価の作品ではない。


余談

  • 前述のGC版『プライム』とは、GBAケーブルを用いる形での連動機能がある。連動させると『プライム』側で初代『メトロイド』をプレイでき、クリア後はスーツの外見を本作の「フュージョンスーツ」仕様に変更できるようになる。
    • 後に発売された『Wiiであそぶセレクション』では連動不可能になり初代『メトロイド』も未収録となったが、フュージョンスーツへの変更は本編クリア後の特典として残されている。
    • また『メトロイド サムスリターンズ』にも、専用アミーボの読み取り特典として外見をフュージョンスーツに変更できるおまけ要素がある。ただし、こちらでは設定に合わせて「被ダメージが4倍増になる超高難易度モード」という位置づけとなっている。
  • 本作は日本で開発されたにもかかわらず、なぜか北米での発売の方が早い。
    • ちなみに後発である日本版には「大人向け・子供向け」要素の追加に合わせてご褒美画像の追加も行われている。
  • 発売当時月刊マガジンZに石川堅二氏によるコミックが掲載された。
    • ディレクターの坂本賀勇氏も監修しており、公式設定扱いとなっている。石川氏は日本版で追加されたご褒美画像の一部も担当している。
    • 鳥人族のもとでやんちゃな姿を見せる幼少時のサムスや、既に危険生物として認知されているXなど見どころは多い。
    • また、同時期に連載を開始したコミックボンボンの『メトロイド サムス&ジョイ』においても、特別編として同紙に本作の序盤をコミカライズした物が掲載された。
  • 先述のように本作ではスポイルされているはずの「シークエンスブレイク」だが、実は一箇所だけ可能なルートが意図的に残されており、成功すると隠しメッセージを見ることができる。
    • だがこれを見るには、まさに「その発想はなかった」的なルートを思い付き、かなり高度な操作テクニックを用いて突破しなければならない。
  • 本作より5年前に発売された『星のカービィ3』でメトロイドがゲスト出演した際は、カービィのアイス系統のコピー能力でのみ倒せる仕様となっていた。
  • スマブラ』からの逆輸入的に「崖掴み」が実装され、後の『ゼロミッション』では崖掴まりを行える能力「パワーグリップ」というアイテムが登場した。以降の作品でも、デフォルトで実行可能なアクションとして定着している。
    • ちなみに、『スマブラX』以降のサムスのカラーバリエーションの中には、本作のフュージョンスーツの初期状態を再現したものがある。ただし、ワリオと違って色合いのみで流石にスーツの形状までは変わらないが。
      • また、『スマブラfor』以降のゼロスーツサムスのカラーバリエーションには、本作のご褒美画像の私服姿が反映されたものがある。
  • 本作は長年2Dメトロイド最後の完全新作という立場にあり、ストーリーの時間軸上ももっとも後の話となっていた。
    • その後、2021年のE3にて実に18年半ぶりとなる完全新作『メトロイド ドレッド』が発表・同年10月8日に発売され、ついに本作の更に未来のストーリーが描かれることとなった。
最終更新:2022年04月27日 18:58

*1 未回収アイテムが残されている部屋には「○」、全て回収した部屋には「・」のマークが表示される。また通常の部屋がピンクで埋まるのに対し、マップに明記されない隠し部屋は緑色になる。

*2 TASやハック等本作全般に精通するbiospark氏(https://youtu.be/kSn6yNuk--g)や通しのスピードランで達成しているspideyMZM氏(https://youtu.be/b2ho9c_DfUw)などによる。

*3 ただし、この設定は上記の攻略本でしか書かれておらず、ゲーム中及び取扱説明書などでは一切触れられていない。

*4 ただし、指定地点に行くには隠し通路を見つける必要があったり、一部のフロアはマップ表示されなかったりと、完全におんぶにだっこのお使いではない。

*5 例:装備入手後に破壊されてしまい通れなくなるハッチと壊れるようになる足場、アイスミサイルがないと足場にできない敵等。

*6 またはシーケンスブレイクとも。現在の装備や状況では行けないはずの箇所を、知識とテクニックで強行突破する事。本シリーズは仕様上これが行われても致命的なバグを起こしにくい性質の作品が多い。