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ライザンバーIII - (2011/10/23 (日) 10:23:37) の編集履歴(バックアップ)
ライザンバーIII
【らいざんばーすりー】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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PCエンジン スーパーCD-ROM2
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売・開発元
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データウエスト
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発売日
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1992年6月26日
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定価
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6,800円
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ポイント
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ライザンバーシリーズ完結編 強力「雷斬牙システム」 前作よりは難易度がマイルド化
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ライザンバーシリーズ
ライザンバー/ライザンバーII/
ライザンバーIII
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概要
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前作から約一年後にリリースされた、シリーズ最新作にして完結編にあたる一作。
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「I」は逆転確立5600万分の1、「II」では7800万分の1というキャッチフレーズであったが、本作はなんと「逆転確立0」という、非常に厳しいものとなっている。果たして本当にクリアできるのか…?
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一人プレイ専用、全6ステージ構成、二種類の難易度(スタンダードとマニアックの各モード)が用意されている。
主なルール
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基本は前作譲りだが、いくつかの追加、変更点が加えられている。以下それを示す。
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使用ボタンはショットとオーバーブースト(以下OB)の二つ。これは前作同様だが、ショットはボタン押しっぱなしでオート発射できるように変更されている。
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ショットボタンを押しっぱなしにしているとエネルギーゲージが溜まり、完全に溜まった状態(ゲージ黄色)でボタンを離すと、放出途中で分裂し8発のホーミングミサイルにて敵を追尾する「雷斬牙システム(以下溜め撃ち)」が放てる。また、ミサイル分離前にて直に敵に溜め撃ちを食らわすと、8発分のダメージの効果がある。
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前作の溜め攻撃ではボタン押しっぱなしでショットが撃てなくなってしまったが、本作は上記の通りボタン押しっぱなしでショットを撃ちながら溜めを行う形式となっている。
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前作とは違い、バックアップ・ユニット(以下BU)を取得していない自機初期状態でも溜め撃ちを出す事ができる。また、初期状態、各BU状態に関わらず、溜め撃ちの性能は一切変化しない。
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OBに関しては前作と同性能で、ボタンとレバーの組み合わせにて一定距離を超スピードにて移動できる。連続使用すると専用ゲージが溜まって使用できなくなる点や、時間経過でゲージが回復(消滅)も全く同じである。
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時折敵が落とすアイテムを取得する事で三種類のBUのどれかを付けられ、自機上下周りに補助オプションが付き、専用の特殊ショットを撃てるようになる。以下その詳細。
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「インパクト・ブラスター(黄)」…直線型ビームの特殊ショットで、自機から弾が離れている程、そのスピードと威力が増す。
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「テラ・フレイム(赤)」…射程距離が非常に短く、弾切れも起こしやすいが、最強の攻撃判定を持ち、すべての敵や障害物を貫通するバーナー型の特殊ショット。
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「イクシード・プレッシャー(緑)」…自機の上下移動によって、その機軸が変化するリング型の特殊ショット。
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各アイテムは時間経過と共に4種類の印(「↑」「→」「↓」「←」)と常に変化し、その取った状態にてBUの射程距離が変わるのは前作通り。「↑」「↓」上下方向に、「→」は前方に、「←」は後方に、BUの射程方向が変化する。
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前作同様、残機制、ミス後は戻り復活で、全部なくなるとゲームオーバー。
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ミス条件は自機がダメージをもらう事なのは、一般的なシューティングと同様。但し、ステージ1は自機側の巨大戦艦を防衛するという条件があり、その戦艦が敵の攻撃をもらったり、自機の溜め撃ち以外の攻撃を撃ち込んでしまうとダメージが蓄積され、ダメージ許容値を越えてしまうとそれもミス条件となってしまう。また、自機に対して、戦艦そのものにも当たり判定があり、味方とはいえ触れてしまうとミスしてしまう。
評価点
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前作もグラフィックは綺麗だったが、本作はそれ以上に進化している。グラフィックの書き込みが鬼レベルの繊細さであり、特にステージ1の巨大戦艦の凄さには誰もが驚くであろう。
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BGMもさらに進化し、神曲に磨きがかかっている。特に各ステージボスのBGMはかっこよすぎてアドレナリンが垂れ流れるレベル(しかも、ボス出現時とシンクロ演出あり)。しかも、今回はタイトルにてサウンドテストも可能である。
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前作では存在自体が問題点とまでいわれた溜め撃ちが強化され、しかもオートでショットを放ちながら溜められるおかげで、連射パッドがいらなくなった。
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むしろ、連射を使用すると溜め撃ちが出せなくなり、戦況が不利となってしまう。これは説明書にも記載されており、連射機能はOFFにするようにとデータウエスト側も推奨している。
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ステージの長さの適度加減は前作同様、極端に間延びもしなければ、あっけないという事もない。
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エンディングでは前々作と前作のステージ背景をバックに、同じく過去ニ作のステージ1のテーマだった曲のアレンジBGMが流されるという、ファンにとっては涙が出てきそうなサービスが待っている。
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前作のような致命的バグは、流石に本作では確認されていない。それで当然といえば当然だが…。
問題点、及び賛否が分かれそうな点
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凶悪無慈悲といわれた前作に比べると、本作は難易度はかなり落ちている。以下その理由。
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ショット撃ちっぱなしで溜め撃ちが放てるようになった上に、その溜め撃ちも8発ものホーミングが敵を狙い撃ちすつというもので、適当に放ってるだけでも敵が沈むようになっている。これにより溜め撃ちがお気軽に、かつ効率良く放てるようになり、前作のような常に敵の数と硬さに追われるという危険がぐっと減っている。
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OBを使わないとクリアできないという状況が激減した。前作ではボス戦はOB使用前提が当たり前だったが、本作はあれば便利だが無理に使う必要はないというものがほとんどであり、応用テクニックを要する機会が少なくなっている。
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流石に後半ステージや、難易度の高いマニアックモードでは使わないとやばい場所もあるが、それでも大半のステージではなくてもどうにかなる場合がほとんどである。
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初見殺しも前作よりは若干減り、覚えないと撃破出来ないという場面が緩和されている。
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ミス後の復活が他シューティングと比べても比較的容易なのは前作同様だが、本作は復活時でもすぐに溜め撃ちが放てるので、BUを取得しなくても軽々とその場をクリアできてしまう事が多い。
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このように、難易度がシビアすぎてクリアが困難だった前作ほどの難しさは鳴りを潜め、前作よりは遥かにクリアが容易となっている。しかし、それはあくまでも前作と比べてであり、同期のPCエンジンシューティングの中では、クリアするのは決して簡単ではないという点を誤解なきように。
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前作では多用されていた多重スクロールによる演出が何故か激減し、またスクロールスピードが速いステージも減ってしまった為、疾走感が多く失われてしまった。また、各ステージの背景がほとんど代わり映えしないのも前作譲りであり、外観の地味さ加減は変わっていない。
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前作の陽気なタイトルコールや棒読みアイテムボイスは消滅した。まぁ、前作がアレだった訳で別に問題ではないのだが、前作ファンからは「「ウヒョ~」が聞けないライザンバーなんてライザンバーじゃねえよ」、というけったいな批判もある…らしい。
総評
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あまりにも難しすぎた前作よりは難易度が落ち着き、普通に難しい程度にまで敷地が下がった最終作であった。実際、「『II』はどうひっくり返ってもクリアできなかったが、『III』は何とかクリアした」というプレイヤーも少なくない模様。
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難易度関係以外では、まさに正当進化というべき存在で、地味ながらも味わい深い一作として評価されている佳作として認識されているようだ。
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すでにデータウエストはゲーム事業から撤退し、シリーズ三部作のバーチャルコンソールやPCエンジンアーカイブスによる配信は極めて厳しいものとなっている(『I』に至ってはFM-TOWNSというマイナーハードなので尚更)。また、カルトな人気を持つシリーズなので続編希望の声もあるが、同じ人気シリーズ新作のアレが散々な結果に陥った事を考えると、そっとしてあげた方がファンにとってもいいのかもしれない…。