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討鬼伝2 - (2021/08/09 (月) 12:51:46) の編集履歴(バックアップ)


討鬼伝2

【とうきでん つー】

ジャンル ハンティングアクション



対応機種 プレイステーション4
プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
発売元 コーエーテクモゲームス
開発元 コーエーテクモゲームス(オメガフォース)
発売日 【PS4/PS3/PSV】2016年7月28日
【Steam】2017年3月22日
定価 【PS4/PS3/Steam】7,800円
【PSV】6,800円
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
判定 良作
ポイント 大幅に改善されたプレイアビリティ
前作までの長所を残しつつ正統進化
明らかにデバッグ不充分レベルのバグ地獄でリリース
討鬼伝シリーズ
討鬼伝 / 討鬼伝 極 / 討鬼伝2


概要

PSVitaで展開を続けていた和風ハンティングアクション『討鬼伝』の新作で、初めて据え置き機を主軸として作られた作品。
既存の狩りゲーには無かったオープンワールド化を大きく宣伝していたが、その制作発表時期が、PS4の性能に物を言わせてオープンワールドに手を出すメーカーが増え始めた時期だった事もあり、出来に関しては不安視する声もあった。しかし総合的に見れば、ゲームシステムを上手く組み合わせた続編に仕上がっていた。

本項ではPS4版を中心としてまとめていく。


ストーリー

時は明治―― 世界を滅ぼしたオオマガドキの災厄。 連綿と続いてきた「表の歴史」が滅び、 魑魅魍魎が闊歩する「裏の歴史」が世界を飲み込み始める。

遥か北の地に大量の“鬼”が出現し、人里を蹂躙しながら南下を始めた。 それを迎え撃つために横浜に展開した“鬼”を討つ戦士モノノフたちは、 “鬼”と激闘を繰り広げながら横浜の市街を防衛していく。

その最中、巨大な“鬼”が上空に現れ、 一人のモノノフが“鬼”が開いた鬼門に飲み込まれる。

そして十年後―― 西の果てにある「マホロバの里」に、 一人の記憶喪失のモノノフが流れ着く。(公式サイトより)


基本的なシステムは、『討鬼伝』を参照。

追加点・変更点

オープンワールド化

  • 『モンスターハンター』シリーズで火が付いたハンティングアクションというジャンルでは同作に倣い、拠点で準備→ギルド等の本部で任務を受注→指定されたフィールドへ向かう→エリアを移動しながら目標達成、という流れが当然のものとして存在した。本シリーズの無印編や極編でもこの流れは変わらなかったが、オープンワールドが導入された事で、それまでのこの一連の流れはサブミッションの様な存在に変化した。この任務請負による討伐は、初めから鬼域で限定された場所のみでの討伐任務が殆どの為、素材集め・ハク稼ぎなどはこちらを利用する事がメインとなる。*1
  • メインストーリーを追う場合、シナリオが進む毎に順次目標が設定され、それに従い拠点から領域へ移動、目標を達成する。マホロバの里周辺から各領域へと一切のロード無しに移動出来る。
    • しかしどちらかというと本作のそれはオープンワールドではなく、各マップをシームレス形式で移動できるように繋いだものである。各領域へは特定のルートを通らなければ侵入出来ず、ファストトラベルが解放されるまでは、決まったルートの内から侵入しなければならない。
  • 前作までと比べてフィールド面積が圧倒的に広くなり、鬼やオブジェクト、ギミックのあるポイントの配置も増えた。
    • 調べると小型鬼が大量に湧く瘴気の湧く場所、ハク*2溜まり、しるべ、歴史を紐解く為の碑文、オンライン経由で武具・防具を交換できるつづらなど、その他後述の鬼ノ手で掴む事が出来る木々や崖も多数ある。
    • フィールド上には中型鬼*3・大型鬼の沸きポイントが存在し、付近を通過すると鬼域*4が発生してこの中で戦う事となるのだが、ストーリー上の討伐目標、又は受注任務でなければ、数秒程度鬼域にぶつかり続けていれば脱出可能。ストーリー上のイベント鬼以外はこの方法でスルーしてしまう事も可能である。
      • ちなみに、任務受注の失敗条件は「リスポーン3回」と従来通りであるが*5、オープンワールド行動時は一度力尽きた場合、前回セーブしたポイントからになるので少々シビア。*6
  • 各領域は瘴気に汚染されている為に行動限界があるが、特定ポイントを解放する事で瘴気の影響を受けない結界・及び里へ戻る事が出来る一方通行のファストトラベルポイントが使用可能。また前作まで地祇石の内、「体力全回復」の石が「瘴気完全浄化(活動限界時間を最大にまで戻す)」効果に変更された。また、ストーリー進行によって各領域に一つだけ「拠点」が解放され、他のファストトラベルポイントと相互に行き来ができるようになる他、武具・防具とミタマの変更が可能となる。
    • 他にも、フィールドを散策している途中でNPCが討伐任務を進行している時がある。協力して任務を終わらせる事でNPCがその場から同行可能になる他、天狐*7が懐いて里に来るようになったり、鍛冶屋や大工の製造・修理が一回無料になったり、よろず屋の加入品目が増えたりする。
      • 戦闘中のNPCは、時にネット上の他プレイヤーデータが反映されたNPCの場合もある。この場合、そのNPCの人別札*8を受け取れる。
    • フィールドが広くなった分、通常ダッシュではスタミナを消費しなくなった。代わりにもう一段階移動速度が上がる「鬼疾風」を使う事で気力を消費するようになる。
  • また、拠点となるマホロバの里も広くなり、「人里」感がグッと増した。
    • この仕様変更に伴い、恒例であった村人からの「依頼」受注の方法も変化。本部受付で受注するスタイルから、里やフィールドに居るNPCに話しかける事で受注・進行が開始されるようになる。

鬼ノ手

  • 今作の目玉要素。構えから射出し、様々な物を掴む事で効果を得られる。
    • 鬼絡(おにがらみ)
      • 鬼ノ手で鬼や木や崖などの対象を掴み、その場所へ素早く移動出来る。空中で連続して仕様可能。飛びかかり中、空中に浮いた状態で攻撃ボタンを押した場合、特定モーションでターゲットした鬼を攻撃する。
      • これにより全武器種において空中での攻撃が可能となった。これに伴い、一部武具のモーションが追加・変更されている。
    • 鬼喰(おにぐらい)
      • 五大属性の元素が集まる「地脈」に干渉し、自然の力を取り込む。取り込んだ力は前方に射出出来る他、装備武器に付与して一定時間属性武器としての効果を得られる。
    • 鬼潰(おにつぶし)
      • 道を閉ざす巨大なクモの巣や氷柱などを掴み、消滅させる事が可能。
    • 鬼返(おにがえし)
      • 突進など特定行動中に鬼が闘気を纏うが、その時に鬼ノ手で鬼を掴むと、地面に引き倒す事が出来る。
    • 鬼葬(おにはぶり)
      • 前作極編における「鬼千切・極」に使用した共闘ゲージが、鬼葬ゲージに変更。パーティーの貢献行動でゲージが溜まり、満タンになると発動。「鬼千切・極」では複数部位を一気に破壊する事が可能だったが、パーティーが近距離に居なければ発動出来ず、ゲージもパーティー内で共通だった。
      • 今作では、メンバー一人一人に固有のゲージとして存在する。*9破壊部位は一部位だけにダウングレードしたが、狙った部位をピンポイントで破壊する事が可能に。
      • また、一定条件を満たすか(あるいは満たさずとも最初から)鬼がタマハミになった状態で鬼ノ手を構えると、足や尻尾など一部分が白く光る。この部位を鬼葬すると、露出した鬼の生命力もろとも完全に消滅させる。PS4・PS3の場合は、R2ボタンを軽くタップするだけで点滅部位を優先的に自動で攻撃し、鬼葬を行う。
      • 前作までは、破壊した部位を鬼祓いしても、生命力は祓った部位の形を留めていたが、この完全部位破壊をする事でそれがなくなる。

武器・ミタマ*10

  • 追加された戦闘スタイルは「繰」、追加武器は「盾剣」と「仕込鞭」。仕込鞭は鎖鎌と似通っている部分もあるが、差別化はしっかり図られている。
  • ミタマの数は無印編と同様の200種類。削除されたものや新規で追加されたもの、戦闘スタイルが変わっているものもあるが、イラストとボイスは一新されている。
    • 前作までは、武器に3つのミタマを装備し、メインとなるミタマ1つで戦闘スタイル、それプラス他ミタマ2つの組み合わせでスキルを付加したり組み合わせたりしたが、今回は武具・防具・鬼ノ手に1つずつ装備して組み合わせるようになった。
    • タマフリ
      • 武具に装備。戦闘スタイルに応じた特殊能力が発動。
    • ニギタマフリ
      • 防具に装備。装備したミタマの戦闘スタイルに応じた特定条件を満たすと自動的に発動。
    • アラタマフリ
      • 鬼ノ手に装備。デメリットと合わせて強力な特殊能力が発動。

里の設備・その他

  • 鍛冶屋
    • 武具・防具共に熟練度が一定値に達する事で鍛錬出来た従来の使用から、素材を使った鍛錬に変更。素材さえあれば時間をかけなくても一気に性能を引き上げる事が出来るようになった。
    • 前作の魂鋼に代わる「万能石」で、必要素材が不足していても個数範囲内であれば鍛錬可能に。
  • 大工
    • カラクリ人形を整備・強化して、領域へ派遣できる。能力や装備した思考回路に応じて時間経過で素材を拾ってくる、前回までの天狐システムに近い。
  • 天狐
    • おやつをあげてごきげん度を最大に上げると、オープンワールドのフィールドへ連れていく事が出来る。素材を回収したり、鬼祓いをしてくれたりする。その他、親密度を上げる事でミタマを分霊出来る。
  • 久音
    • 前作の樒(しきみ)同様、祭祀堂の巫女で、玉串を消費して60分間、ミタマを取得しやすくしたり成長させやすくしたり出来る。また、振る舞う料理を食べる事で同じく60分間スキルを得られる、前作で言う賽銭箱に近い役割も担う。
    • ついでに言うと、オープンワールドへの同行者決定は彼女に話しかけなければならない。
  • 素材合成
    • ハクと素材を合成し、鍛錬素材を作る事が出来る。合成する素材と数によって、成功率が上下する。
    • カラクリ石1つで素材を1つ、100パーセントの確率で生成可能。
    • NPCの装備武器や特徴からスキルを使用出来るようになった前作までと変わり、任務達成時の素材獲得の数や種類が増える仕組みに変わった。また、瘴気に汚染されたエリアでの活動限界時間が僅かに延長されるようになる。

評価点

ゲームデザインの変更に伴う進化

  • オープンワールド化という大幅な仕様変更により、マンネリ化を防いだ事の功績は大きい。
    • 元々同じ作業の繰り返しとなりがちな狩りゲーというジャンルで、目新しい感覚を得られるゲームスタイルは評価されている。
      • 拠点から異界を散策している途中で突如中型・大型の鬼と遭遇したり、共同任務で思わぬ強敵と戦ったり、里の外に居るNPCに話しかけて依頼を請け負ったりという発見が、「狩りに出かける」というスタイルと上手くマッチしている。
      • 特に、里周辺での連続討伐・乱戦討伐任務は、他領域と異なり(後述)大きく開けた高低差や段差の多いエリアでの討伐になるので、地形を或る程度生かした戦術や立ち回りが求められるので、臨場感とやりごたえが増している。
    • 基本的に一度その領域に入ってしまえばストーリーの進行速度を無視して先まで進む事も出来るが、明らかに今の力量に見合っていない鬼と遭遇する場合も。ストーリー進行や依頼請負、共同任務で突発的に沸いた鬼と元々居る沸きポイントの鬼とで高難度の乱戦になったりといったハプニング要素も、この仕様に噛み合っている。
    • また、マップがただ広いだけの印象があった前作までと異なり、樹木や崖に鬼ノ手を使って瞬間的に移動したり、鬼疾風を使う事で、移動も思っている程ダレない。マッピングに関しても、非常に高低差のある崖や密集した木々などもあり、鬼ノ手が有効に活用出来るような工夫がなされている。

戦闘・鬼ノ手に関して

  • これまでの本シリーズに共通する問題点として、鬼の挙動が時に理不尽な程素早い・堅い、というのがあった。しかしこれは、シリーズが豪快に鬼の部位を破壊するダイナミックさと爽快感、スピーディーでスタイリッシュなアクションを売りにしている為、それに合わせて鬼の行動も素早くしたり行動範囲・攻撃範囲を広げるなどしなければならない事に起因しており、鬼の行動パターンを劣化させてしまうとゲーム性を壊してしまう。だが鬼ノ手の仕組みを盛り込む事で、このジレンマを完全に解決した。
    • 鬼ノ手の射程は鎖鎌や仕込鞭の射程よりもずっと長く、鬼を掴んでしまえば一瞬にして飛びかかる事が出来る。本来のスピーディーなアクションの魅力を削がず、同時に鬼も弱体化させずに、「エリアを縦横無尽に駆け回る鬼を追い掛け回さなければならない」「空を飛んだままの鬼相手に飛び道具以外では手が出せない」といった状況をほぼ皆無にして、大幅にストレスを軽減した。
  • また、これまでは鎖鎌などの一部武器でしか出来なかった空中での立体的な戦闘が、全武器で可能となったので*11、見栄えもいい。これに併せて、新規鬼も高低差のある巨大な鬼や飛行型の鬼が増えている。
    • 他にも、これまでの鬼は部位破壊・鬼祓いを成功させても、鬼の生命力が消失部位をかたどって消失前とほぼ変わらない行動を取り、タマハミ・マガツヒ状態でなくとも攻撃が通る、突進後にダウンする、一部攻撃が発動しなくなるという程度の恩恵しかなかった。
      • しかし鬼ノ手の完全部位破壊により、足をもがれた鬼は終始這いつくばるようにしか動けなくなったり、両翼をもがれたらその場で跳ねるだけで飛び回れなくなったりと、行動面が大きく変化。戦局を動かす大きな要素となった。
  • 過去作で問題となっていたプレイアビリティとアクション性の両方を改善・向上させたこの一点だけでも、「(出るとしたら)次回作以降の目玉要素として、鬼ノ手以上のアイデアが思いつかない」とユーザーに言わしめる程。
  • 前作までは処理落ちが頻発したり、他のプレイヤーに悪影響を及ぼす程の過剰エフェクト*12が大きく問題視され、修正を希望するプレイヤーも少なくなかったにもかかわらず完全に無視されてしまっていた。
    • しかし、本作ではこの問題も大きく改善を見せ、基本的なエフェクトも自己主張しすぎるようなものではなくなり、更に他のキャラクターの諸々のエフェクトも何をやっているかが解る程度の最低限の簡易表示になったことで、エフェクトが原因で他のプレイヤーが被害を被ることはなくなった。

物語・登場人物

  • 異なる時代を行き来する鬼やミタマの謎を解明した前作から更に一歩進み、発見されたカラクリ技術や、鬼が生まれた謎に迫るストーリーに。シリーズ恒例の、キャラの過去を掘り下げつつ少年漫画の様な王道を行く(悪く言えばベタな)シナリオは健在。声優に坂本真綾・山寺宏一・大塚芳忠などの実力派も参加。
    • 前作までに登場したキャラも一部登場、ウタカタの里のキャラクターも一部名前だけ登場する事もある。
  • また同行NPCの組み合わせによって、今まであった独り言の他、道中の掛け合いの会話が生まれるので、その組み合わせを探してみるのも楽しい。

ミタマ

  • 戦闘スタイルが増えた事以外に、武具・防具・鬼ノ手のどれにミタマを装備するかによってアビリティが変わってくるので、単純に組み合わせを探す楽しみが増えた。レベルも、入手したハクの量に応じて経験値が溜まるのではなく、巫女に頼まなくても使い込む事によって自動的に上がる仕様になった。
  • レベルが上がっていくにつれ、ミタマのスキルが順次解放。最大3つまで好きなスキルを選択出来る。
  • アップデート前はミタマを一つずつ選択しなければスキル一覧を確認出来ず非常に手間だったが、アップデート後には表示ウィンドウを切り替えるだけで一覧が参照可能になった。

グラフィック

  • シリーズのオリジナル版であるPSVitaから比べものにならない程レベルは上がった。極編のPS4版と比較しても細部のディテールに磨きがかかっている。処理落ちも無く、フレームレートも安定している。
    • ただし、これらはPS4に限った話でPSVita版・PS3版ではカクツキも目立ち、グラフィックも前作のPSVita版よりも落ちている。
  • 映像の強化に伴い、本シリーズの特徴である部位破壊アクションの爽快感も上がった。
  • キャラクターメイキングもかなり進化しており、エディット可能な項目が非常に多く、実に多彩なキャラを作れる。
    公式で顔エディットコンテストも開催された。
    • あまりに作り込めるため納得が行くまでゲームを始める事が出来ない人が続出した。

快適さ

  • 後述の通り、作り込みの甘さ・調整不足によるストレスはあるが、アクション面に関しては問題の無いレベルに調整されている。先述した通り、大型鬼の動きに対処する鬼ノ手のシステムがとても上手く噛み合っている。そしてシリーズ共通である部位破壊の爽快感は健在。
  • 流石にローディングの読み込み速度は遅くなったが、前作までの速度が驚異的だっただけであり、十分快適と言える程度の長さ。そのローディングも、ゲーム開始時や戦闘開始・終了時、ファストトラベル使用時にストレスにならない程度の長さがあるのみ。
  • インターフェイスも従来通り、使いやすさ・遊びやすさを重視して考えられている。
  • 地味ながらも大きな改善点として、すべてのタマフリやスキル・素材・装備品などに読み仮名が付与されるようになったことや素材の入手条件が確認出来るようになったことがある。
    • 『討鬼伝 極』までは素材や装備名が読めないような難解なものであったり、いかようにも読めるようなものが多かったのだが、ミタマの列伝における名前を除いて読み仮名が振られていなかったため、ソート(50音順)で並べ替えた後で数を確認したい目的の素材がどこに行ったのか見失ってしまったり、ボイスチャット中に協力を依頼しようにも目的の素材名がピンポイントで伝えられずに結局鬼と(上級などの)難易度を伝えて…となりがちだったが、これが解消されている。
    • 入手方法に関しても、これまで装備を作れるようになった際に名前だけ出されてもどの鬼からどうやって入手するのかが見当が付かないものが多く、結局インターネットなりで調べる必要に迫られたが、これも本作では入手方法を確認出来るようになり、所謂マラソン行為もやりやすくなった。勿論、上級(下級)任務である必要があるものはちゃんとその旨も記載されている。

その他

    • 仲間同士で入る事もでき、仲間の友好度上げるとセリフが変わり、友好度を上げる良い物差しとなっている。
    • また、異性の時間にも入る事ができる。友好度が低い内は追い出されるが、高いと一緒に禊をしてもらえる。
    • ギャルゲーや乙女ゲーとも言えるセリフを言ってくれることも。

賛否両論点

オープンワールド化に関して

  • 先述した様に、正確に言えばシームレス形式でマップやエリアを繋げただけであり、GTAの様な海外のビッグタイトルが掲げるオープンワールドを想像すると余りにもレベルが違う。
    • 領域でNPCがランダムに動いているわけでもなく、依頼を達成してしまえば里やその周辺域以外で人と出会う事は、共同任務を除いて無い。申し訳程度に足したしるべや碑文、ミタマなどの収集要素も、それが終わってしまえばやる事も無くなってしまう。素材集めに関しては従来の任務受注による討伐の方が効率がいい為、最終的にはランダムに発生する共同作戦を消化するかミタマ集めに奔走する以外にオープンワールドのフィールドに行く意味が無くなってしまう。
    • また、瘴気に覆われた異界が里と閉ざされているという設定を上手く活用してはいるが、それでも特定ルートからしか行けないエリアばかりで移動に制限が掛かっているのは残念。
      • そもそも領域内ですら一本道のルートでエリアが区切られているに等しい。特に「雅」の領域の、一本道が多いにも関わらず無駄に複雑なマップは評価が低い。崩れた塀など、それこそ鬼ノ手があれば難なく超えて移動出来そうに見えてしまう分、余計にそう感じる。
  • 鬼の沸きポイントは、実は出現する鬼はポイントによって完全固定。特に良く通る道はすぐに鬼の種類を覚えてしまうので、出会うという事の驚きや喜びは薄くなってしまう。唯一共同任務だけが出現鬼がランダムとなっているが、実際に行かなければ何と戦わなければならないか分からない(無論それが今回の仕様の醍醐味なのだが)。
  • GTAのようなビッグタイトルのオープンワールドを想像していたユーザーからの評判は悪いが、概要にも書いた通り過度に期待をしていなかった層からは、十分面白いという声が多い。マップ自体も、作りが雑だという印象は無い。
    • ただしミニマップに関してはロードマーカーが無いので、イベントマークの通り行くと行き止まりということがしばじば起こる。
    • だが、オープンワールドがオフラインのみというのは寂しい感があるが、逆にこれでオンラインの任務…となると今度は収拾がつかなくなるのは容易に想像がつくので難しい所か。

難易度

  • 物語本編だけに限って言えば、大型鬼は過去作に比べて大幅に脆く弱くなっており、難易度は下がっている。この為、元々シリーズを通して同行NPCのAIが優秀な事もあって、「ゴリ押しゲー」「ボタン連打」の傾向がやや強くなってしまった。
    • 中でも、序盤に登場する本作初登場のオヌホウコはかなりヌルい。鬼千切や鬼葬で破壊出来る部位が多く、タマハミによる形状変化はあるが行動パターンに大きな変化無し、予備動作も隙が多い…と初心者モノノフでも上手く行けばノーダメージで倒せる。
      • 結果として付いた渾名が、「サンドバッグ」、「攻撃力チェッカー」*13
      • だが、不思議とこれを批難する声は少なく、その恐ろしい見た目とは裏腹な初心者にも優しい鬼という位置付けから、プレイヤーからは親しみを込めて「オヌホウコさん」と呼ばれている。 癒し枠である。
  • しかし難易度の問題はあくまで「物語本編」に限っての話であり、本編クリア後の上級任務からは難易度がグッと上がる。オンラインの進行度12の任務では、装備や属性、ミタマスキルを考えた組み合わせで臨まなければすぐやられてしまう事もあり、歯応えはある。そういう意味では本作の間口は広い。
  • 実際、『討鬼伝 極』では発売初期のとち狂っているとしか言いようのない難易度調整で猛反発を受けた事もあり、調整の方向性自体はちゃんと反省を活かしているものだと言えるだろう。
    • ただし、上に上げた進行度12の任務など、『討鬼伝 極』の極級任務よりも3体同時討伐をさせられる任務*14があったりで凶悪になっているものもあるのだが…。
      • また、進行度11のキー任務になっている「伏魔殿」はアヤナシ、メズコンゴウ、シンラゴウの3体討伐任務で、こちらは3体同時ではないものの、このうちの2体を討伐するまでは常に2体同時になってしまう。更にフィールドが広いわけではない所に来て討伐する鬼が巨躯の鬼3体とあって、難易度も高いだけでなく非常に混沌とした戦闘になってしまう。

グウェンと盾剣

  • オオマガドキは世界規模で起きた災厄であるらしく、西洋にも影響があった。新規キャラであるグウェンはそんなイギリスから来たモノノフなのだが、装備武器である盾剣やミタマ*15、彼女と因縁のある鬼*16など、和風アクションを基調とした世界からは若干浮いている。しかしキャラクター自体が嫌われているわけではなく、あくまで目立っているという範囲の話である事に注意したい。

前作「討鬼伝 極」と比較して

  • 武具の鍛錬に素材*17、カラクリ人形の頭脳回路作成に素材、前作で言う賽銭箱に当たる料理を食べるのに素材、強化素材を錬成する為に素材と、今作の拠点となるマホロバの里で施設を利用する時は、ほぼ必ず何かの素材が必要となる。禊場での発動スキルの方向性が任務達成時に得られる素材に関係するスキル効果に変わったのもこれに起因すると思われるが、利便性が上がった部分がある一方で手間が増える場合もあり、里の施設に関して言えば全体的に前作から劣化してしまった印象を受ける。
  • 共闘版
    • 10月のアップデートに伴い、「共闘版」というオンラインモードのみプレイ可能・スタミナによる一日のプレイ回数制限ありな、課金スタイルの基本無料版が配信開始。
    • ストーリー部分は一章途中までしかプレイ出来ないという販促程度の差別化は勿論あるので、一概にこの製作決定を悪とは言えない。が、やはり本編製品版購入者にとってはモヤっとする点もある。
    • 一応配信開始からオンラインに立つ部屋の数が一気に増えたので、一定の効果はあったと思われる。
      • しかし、無料故に仕方ないことだが課金要素が割と強烈になっている。

不満点・問題点

不完全な実装

  • シリーズの方向転換を図る意味でも大きく変更点を加えた本作だが、実装された仕様が十分機能しているわけではない。
  • 里とその周辺には昼夜の概念があり、夜は鬼が強力になるのだが、領域に入ってしまうと昼夜など関係なくなってしまう為、全体のボリュームを見ると設定倒れに等しくなってしまっている。*18

調整不足に関して

  • 椿
    • 物語の途中から、同行NPCの一人である椿が本部での任務受注の受付を兼任する事になるのだが、物語の進行状況によっては彼女が受付におらず、任務を受けられない時がある。*19
  • 清麿
    • 久音からの依頼で存在が判明する鍛冶屋であるが、ファストトラベルポイントを頻繁に移動するキャラである為、滅多に出会えない。会話する事で武具・防具がそれまでの限界を超えて鍛錬出来るようになったり、彼に話しかけないと作れない武具があるのだが、とにかく会えない。
      • アップデートにより出会える頻度は上がったものの、必要な時に居ない事が多い為、ストレスな事に変わりはない。かと思えば里の鍜治屋の前で待っている。 偉そうに腕組みしやがっt
  • 他、キャラクター関連
    • 一度同行者を選んで散策に出ると、道中で鬼を倒したりしていくだけで友好度がガンガン上がる。特に序盤で顕著。
      • 友好度が上がってしまうと散策中のキャラ同士の掛け合いや独り言で、キャラによってはネタバレ発言が生じてしまう。
      • その他にも、シリーズ恒例の禊場での反応の変化は友好度によって変化するのだが、あっという間に友好度が上がってしまう為その変化を楽しむ事が出来ずに終わってしまうパターンも出てしまっている。物語の進行毎に上限を設けるか、もっと上がりにくくしても良かったとする声もある。しかし後者の場合、かぐやと九葉の友好度を上げる作業が一層面倒に…*20
  • カラクリ人形
    • 探索・戦闘能力の強化や思考回路作成に必要な専用素材が、各領域で拾う以外の収集方法が無かった。
    • 非常に集まりにくい素材である事、カラクリ人形自体も強度が高くない事、挙句は強化して危険度の高い領域に派遣しても、能力強化に必要な素材を集める頃にはプレイヤーも一通りアイテムを集め終わっている事から、完全に空気だった。
      • 現在はアップデートで調整済み。共同任務にて補給隊を救助する事で専用素材を購入出来るようになった他、収得素材もそこそこ有用なものになった。
  • 錬金釜
    • いらない鬼の素材を鍛錬素材に変換するという機能。鬼の素材にそれぞれ評価値が定められており、複数の素材を入れて値が100に達する毎に1個の鍛錬素材が作成できる。
    • これについてよく言われるのはあまりにもレートが釣り合っていないこと。大体選べる素材の中で一番値の大きい物を5個入れて1個といった具合だが、膨大な量を要求される鍛錬素材をこれで賄おうとすると逆に非効率である。カラクリ石1個で鍛錬素材1個に変換できるが、入手手段が非常に限られている。
      • 狩りゲーとしては当然という声も極々僅かながらあるが、もはやトロフィー目的以外で使う意味が無いほどの産廃としてしまうのは流石に完全なる調整ミスと言わざるを得ず、「トロフィー取ったらもう使わない」「何のために追加した要素なのかまるで分からない」といった意見が多い。
  • 鍛錬
    • 賛否両論の項でも触れたが、今作では前作と違い鍛錬に熟練度を溜める必要が無い代わりに鍛錬用の素材が必要になる。何が使われるのか、いくつ使うのかはある程度統一されてるのだが、要求数が多い。
      • 最初は1個や3個など妥当な範囲だが、+8辺りになると一度に5個や7個などを要求され、あっという間に素材が枯渇する。一応任務に赴けば3個や5個を纏めてもらう事も出来るが、複数の武器、防具を鍛錬しようとすると多大な労力と時間を必要とされる。最高鍛錬を目指すと前述の清麿の仕様も重なって手間はかなりのもの。
  • 武具・ミタマ
    • またも不遇な「銃」。こちらは前作で初めて採用された武器だが、その当初も他武器と比して火力が低かった。更に本作では完全部位破壊との相性が最悪で、完全部位破壊を決めてしまうと鬼によってはよりダメージを与えることが出来る鬼の弱点とされる「霊脈」がなくなってしまう。
      • アップデートにより調整されたが、完全破壊で霊脈が無くなってしまうことは改善されていない。
    • ミタマのスキルも、頭一つ抜けて有用なタマフリスキルが存在する。新システムのアラタマフリ・ニギタマフリもスタイル毎に性能の格差が激しい(特にアラタマフリ)。特に繰スタイルはアラタマフリ「五霊明神(ごれいみょうじん)」*21が、攻と迅スタイルはアラタマフリ*22・ニギタマフリ*23が共に強力で、一時期オンラインでもこのスタイルのプレイヤーが多く、バランスが大きく崩れた部分もある。
      • また、献スタイルのニギタマフリ「魂呼(たまよばい)」も強力。戦闘不能になると発動し、戦闘不能を回復し、再度倒れない限り一定時間体力と気力が徐々に回復していく。
    • 防御的運用のニギタマフリはまだしも、アラタマフリまでクールダウンこそ設定されているが使用回数が無制限なため、余計にバランス崩壊に拍車をかけてしまっている。
    • なお、逆に使い勝手が悪い、何らかの形で他のプレイヤーにまで悪影響が及びかねないので使うべきでないとされるアラタマフリは特に癒の「生刀生弓(いくたちいくゆみ)*24」や魂の「照魔ノ法(しょうまのほう)*25」が特に指摘される。
      • 生刀生弓は代償となる体力消費量の大きさの割に効果が明らかに釣り合っておらず、失う体力は時間経過で回復可能な赤ゲージ表示となるが、赤ゲージは攻撃を受けると消失するうえ、そもそもの体力消費によって事故死の要因ともなる。
      • 照魔ノ法は特定部位以外全て(=それ以外の鬼の、通常状態の全部位・本体)が対象となり、ほかのプレイヤーもこの代償の影響を受けてしまうので、うまく使えれば効果的なダメージを見込めるのだが、デメリットが他プレイヤーにも影響する点が忌避されてしまっている。
        実際はダメージの増幅率に対して鬼の防御上昇はスズメの涙程度であり、また本作の仕様上、鬼が通常状態でいる時間が短くなっているので、デメリットは「ほぼ0」と言って差し支えないのだが、ゲーム内で数値として示されていないため、「他プレイヤーへの影響」という点が強調されて受け取られてしまったのが実情である。
      • 性質上言及されにくいが、アラタマフリの性能格差が強烈なため、賭スタイルの「天運天恵(てんうんてんけい)*26」も、破軍星光などを引き当てられればいいが、生刀生弓や照魔ノ法を引き当ててしまえば目も当てられないことになりかねない。照魔ノ法は実際はユーザーが不利になる可能性は限りなく0だが、勘違いは根強く、余計な波風を立たせかねない。
    • これらの問題により、持っているスキルは優秀でも、そのミタマの戦闘スタイルの問題でアラタマフリの使用を実質縛らざるを得ない等の問題が発生してしまうので、ビルドに組み込むのを断念するといったケースも少なくない。
  • 多様過ぎるスキルに対して少な過ぎる選択肢
    • 前作と比べタマフリやアビリティなどが大幅に増加しているが、セット可能なスキルは1ミタマにつき3つと変わっていない。*27
      強化スキルだけであっても持続時間延長・待ち時間減少・効果量増加などなどあまりに多いため必然的に目標を立てて吟味するしかない状態なのだが、「とあるスキルを持ったミタマが一人か二人しか居ない」という極端な割り振りがかなり多く、結果として「この戦法を選ぶとこのミタマを選ぶしかない」という状況が頻発する。
      特に溜め攻撃がメインの武器全般でこの問題が顕著である。素の溜め時間が非常に長いため、普段の吟味に加えて溜め時間を短縮するスキルを1~3個積むことが必要になる。
    • ミタマの数が少ない内はその限りではないが、高い実用性を求めれば最終的には選べる選択肢と言えば「どの武器を使ってどんな戦法で戦うか」程度であり、それだけでほぼ組み合わせは固定されてしまう。
      • そもそものミタマ総数が減少している*28にもかかわらず、システムの方で武器種や戦闘スタイル、更にはアラタマフリやニギタマフリを追加してしまえばどうやっても強化スキルを複数のミタマに持たせることなど出来る訳がない。
  • このほか、刷新された新録の一部ミタマボイスがイラストイメージと合っていないという指摘が多い。
    • 特に桃太郎の声は軒並み低評価で、宮本武蔵は剣豪というイメージと掛け離れたイラストが物議を醸した。
  • 領域
    • オープンワールド部分は当初、下級レベルのフィールドしか用意されていない為、上級素材が必要・上級鬼と戦う場合は任務を受注する以外に無かった。
      • この点はアップデートで改善され、里や拠点でフィールドレベルを上級と下級に切り替える事が出来るようになったが、大型鬼や共同作戦などは上級や下級の差は全く考慮されずに配置されてしまうため、組み合わせ次第では領域を徘徊している大型鬼と共同作戦で討伐対象となっている大型鬼の出現位置が被って有無も言わさず2体や酷いと3体同時討伐に持ち込まれてしまうこともある*29
      • 特に古の領域で出てくる大型鬼は非常に強力なものが多く、領域自体に狭い場所が多いために戦いづらい所に来て、共同作戦との合わせ技で狭い戦闘エリア内で上級のショウケツジュとゴウエンマを同時に相手させられて絶望した…なんてプレイヤーも少なくないだろう。
      • 共同作戦は必須事項ではなく、フィールド鬼の鬼域も走り抜けるだけでスルー可能なため、嫌なら逃げてしまうのは簡単なのが救い。
  • 鬼葬
    • 目玉の一つとしてアピールされていた「鬼葬」だが、「完全部位破壊をしたらかえって厄介な強敵になってしまった」と言うケースが一部に存在している。
      • 勿論ほとんどの鬼は完全部位破壊により大なり小なり弱体化する他、ミフチ系・ゴウエンマ骨格系などのように完全部位破壊を決めればむごいレベルで弱体化する鬼*30もいるのだが、逆にオノゴロ系、クエヤマ系、センザンオウ、イテナミ系などのように完全部位破壊を決めてしまうとむしろ「待ってました」と言わんばかりに大暴れするようになったり、回避が困難な技を連発するようになったりする鬼が存在する。
    • 一般的な感覚や印象との乖離*31や、「鬼千切・極」と異なりNPCも鬼葬が出来てしまうので鬼葬をして欲しくない鬼との戦闘時はNPCを援護指示にして無理矢理鬼葬を使用しないようにするしか無い*32のだが、そうすると今度は鬼祓いの必要が無い状況でも、部位破壊をする度にがん首揃えて鬼祓いをしに行ってしまい攻撃の手が緩んでしまうデメリットもある。
      • 前作と異なり、本作では同行者の武器ゲージの溜まり具合は確認出来るが、共闘ゲージの溜まり具合は確認出来ない*33ため、共闘ゲージが満タンの時だけ援護指示にしてそれ以外のときは攻撃指示などに切り替えるというような運用も難しい。
    • ちなみに、開発へのインタビューの中で「完全部位破壊後に鬼が一方的に攻撃を受けるだけになるのは避けたかった」と発言しており、ユーザーの考え方との齟齬が浮彫りになっている。
  • 鬼返
    • タマハミ状態になっているオノゴロ・アヤナシが繰り出す前転攻撃に対して鬼返が出来るのだが、その際、転がっていた方と逆の方向に転がっていく。それだけならば演出として悪くは無かったのだが、発売初期はなんとこの鬼返による被弾モーションにも攻撃判定が設定されており、触れてしまうと大ダメージを受け、更に気絶してしまう。
      • 流石に現行バージョンでは上記の判定自体が削除されているために問題無くなっているが、そもそも鬼葬共々プレイヤーの立ち回りを有利にするためのアクションにいちいち罠を仕込む必要性も無い事から批判意見が噴出していた。加えて、この鬼返による転がりはかなりの距離を転がってくるため、立ち位置によっては他プレイヤーが轢かれてしまうなどの形で迷惑がかかってしまっていた。
  • NPC
    • 里のモノノフはともかくとしても、人別札のモノノフを同行させるときちんと行動しないことがある。
      • 癒スタイルの人別札モノノフを連れて行けば体力が減っても回復をしてくれない、そもそも治癒で自身の回復すらしなくなる…等のように明らかに異常な挙動*34を見せることも少なくなく、そのため、元々本作では里のモノノフも十分に戦力になる*35こともあって、人別札のモノノフを使う事が敬遠されることがある。
    • それ以外にもこれは里のモノノフも同様だが、体力が減ってくると例え攻撃重視の指示を出していて、かつ鬼が広範囲の攻撃をしていないような、回避や走り回って逃げる必要も無いのになぜか治癒すら使わずに体力ゲージの赤い部分の自然回復を待ってひたすら逃げ回る、酷いと赤い部分がなくてどれだけ経とうが回復しない状況でもそんな挙動を見せたりと「基本的には」他の狩りゲーに比べれば優秀だが、一部分とは言え前作まで以上に「バカ」と言わざるを得ない挙動も目立つ*36
      • こちらに関しては集合指示を出せば良いと思われるだろうが、集合指示を出しても無視して逃げ回ることが多々あるため、解決手段になり得ない。そもそも、治癒を使えば良いだけの話なのにそれをしない*37こと自体がおかしいのである。
  • 遺跡
    • 前作「極」で言うところの無限討伐・特殊任務にあたる「遺跡」がアップデートで追加された。
      遺跡は登場する中型・大型鬼を討伐する毎に次の階層に移動するという流れを遺跡探索なら地下10階到達まで、無限探索なら帰還するまで繰り返すのだが、移動がその階層の鬼の亡骸を祓ってから3秒で勝手に移動してしまうため、自分勝手なプレイヤーがマルチプレイに混ざってしまうと、地祇石でタマフリを回復させたい…と思っていたプレイヤーが回復し損ねる事態が発生してしまう。
      • 一応、フリーチャットが使えるようになり、定型文も弄れるので前もってその旨を知らせる定型文を仕込んでおけば討伐後に地祇石を使いたい旨は通達出来るが、それでも結局、終わるのを待って貰えなければどうしようもない。
        戦闘中でも使えるのでそうしろと言うことなのだが、戦闘後に補給を行うというのはこういったゲームで珍しい事ではない自然な考えのため、次の階層に行くまでの移動時間をせめて『討鬼伝 極』の無限討伐・特殊調査任務の時のように地祇石を使うに充分なくらいは取るべきでは無かっただろうか。
    • 遺跡探索限定で「ヤトノヌシ」と「オカミヌシ」の2体が復活しているが、遺跡探索では大型鬼の部位や亡骸を祓ったり全部位破壊報酬で貰えるアイテムがかなりの確率で換金素材や汎用素材に化ける。
      • これ以外の鬼は登場する任務をこなせば、その報酬でほとんどの部位の素材をひとつずつくらい獲得出来るので、それ由来の装備が作りやすい*38が、この2体はそれが無いため、この2体由来の装備が非常に作りにくくなってしまっている。
        前作のコガネムジナ同様にまず安定して出現させる術が無く、出現した所で素材が高確率で化けるので素材が集まらず、更に遺跡探索の報酬では大型鬼の部位素材は手に入らないので、いくら遺跡探索を繰り返そうが入手できないときはとことん入手出来ない。
      • コガネムジナの時もこの仕組みでかなりの猛反発を受けて、アップデートで換金素材や汎用素材に化けなくしたというのに、同じ事をまたやらかしていることから、やはりかなりの反発意見が出ている。加えて、今回のこの2体に関しては未だ救済措置が無いという状況である。
    • 無限探索では5階層ごとに帰還するか否かを選べるのだが、こちらは逆に猶予時間が30秒と長すぎると指摘される。
      • これ自体は『討鬼伝 極』の無限討伐でも同様の仕様だったため、好みの問題の部分はあるが、平時の移動が前述の通り3秒と短すぎるため、余計に印象が悪くなっている物と思われる。また、無限討伐の時は広いマップで行われていたため、位置によってはそれでも帰還エリアに到達するのがギリギリになることもあったが、遺跡の場合はそんな広くないマップであることも大きい。
      • 更に、無限探索では帰還すると問答無用でサーバーから切断されてしまうため、無限探索を特定の階層まで行って戻るのを特定メンバーで(例えばフレンドなど)繰り返すといったプレイが困難になっている。
  • 天狐
    • 任務同行が出来るのは前作と同じだが、体力という概念がなかった前作と違い、今作の天狐には体力があり、大型の鬼の攻撃一発当たっただけで撤退してしまう。アップデートで倒れにくくなったが、それでも数発で撤退するのであまり意味がない。
  • 戦闘面
    • 本作から登場した大型鬼のウシヲキナとその変異種のアケハワニはタマハミ後に非常に細長い体つきになるのだが、そのせいでロックオンを使用するとあらぬ位置にロックオンがされてしまうため、非常に動きを追いかけにくくなっている。
      • 実際は鬼ノ手や弓などの照準を合わせる際にロックオン操作をすればその照準の位置にロックオンが出来るが、それをやっても全体像が長すぎてかなりカメラが振られるため、ロックオンを使って戦うのが基本になっているプレイヤーからは不満意見が挙がっている。
    • また、上で過剰エフェクトが改善された点を評価点に上げたが、それ自体は確かに評価されるべきなのだが、「虚空ノ顎(こくうのあぎと)」のシンボルがとても小さいものとなったことで確かに処理落ちなどの問題は解消されたのだが、なんと当たり判定までシンボルの小ささに合わせて弱体化させられてしまい、「部位破壊などでダウンを奪った鬼相手の追撃に使ってもヒットしない」と言う調整を受けたことで、前作とは違った意味で産廃と化してしまった。
      • しかし、ユーザー側が攻撃判定は弱まっていても虚空ノ顎に付与される鬼の吸引効果が弱まっていないことを利用したミタマの熟練度稼ぎのテクニックが生み出された時期もあったが、現在はアップデートで諸々のバグ諸共攻撃判定の強化という形で消滅している。
      • また、マシンスペックの関係かVita版はエフェクトの更なる簡略化または消去が行われているのだが、その結果敵のエフェクト付き攻撃がほとんど詐欺判定同然の状態になってしまい、中にはほぼ視認不可能なもの*39まで生まれてしまった。
    • 過去作の鬼は基本的にその当時のタイトルから流用されているのだが、その過去作で問題視されていた仕様や挙動までそのままである。機動力の大幅強化等で間接的に改善された要素もあるが、状態異常関連や「極」で登場した大型鬼が持つ異常なヘイト管理仕様など、明確に改善されるべき要素までそのままなのは再利用を通り越して最早手抜きと言わざるを得ない。
  • 「引き継いではじめから」の削除
    • 前作『極』では、アイテムや所持金等を引き継ぎつつ、ゲーム開始(キャラメイク)時点からやりなおす、いわゆる「強くてニューゲーム」に当たる「引き継いではじめから」というものが存在したのだが、今作ではそれがなくなってしまっている。そのため、ストーリーをもう一度楽しむためには1からプレイしなおさなければならない*40
    • 前作においては、この「引き継いではじめから」のみが、キャラメイクをやりなおす唯一の手段であったため、そういった面でもこの機能の削除を残念がる声は多い。なにより、前作まで存在したシステムを削除する必要があったのかどうかについては疑問が残る。
  • キャラメイキング周りの不便さ
    • 非常に多彩なキャラを作ることができる反面、一度キャラメイクを決定してプレイをはじめると髪型周りやメガネなどの装飾品などを除いてそのデータでは以後一切修正することができない
    • また、膨大なバリエーションのある各キャラエディット項目の内、どの部分をどう調整したかについて、あらかじめ保存しておく機能や、ゲーム内で再確認する手段がない。そのため、一度作ったキャラクターが気に入らずに微調整したい際や、1からプレイをやりなおす際に同じ容姿のキャラクターを用意したい場合は、あらかじめ自分でキャラクターエディット画面をスクショするなどして、パラメータを確認できるようにしておく必要がある。
      • その上、特に調整を要するであろうキャラクターの顔については、数分の長さではあるがチュートリアルバトルとイベントを終えなければ確認することができない。この点自体は開発の不手際とは言いがたいが、結果的に、真に納得のいくキャラメイクをするためにはそれなりの手間と根気を要する仕様になってしまっている。
    • 上の項目でも述べたが、前作のように「引き継いではじめから」を使ってのキャラメイクやりなおしも、今作では不可能となっている。

ストーリーに関して

  • ストーリーを大枠で括ってしまえば、博士と鬼ノ手(とカラクリ)があればどうにでもなると言う内容になってしまっている。
    • 何かあれば鬼ノ手なり博士によって解決してしまうと言う内容になってしまっており、ネット上のネタを使って「もう全部あいつ(博士)一人でいいんじゃないかな*41」と言われたり、あまりの博士の万能ぶり*42から「博士えもん*43」と揶揄するものも少なくない。
      • 捻くれた見方という部分も否定出来ないが、実際問題博士と鬼ノ手(とカラクリ)でほとんど作中の事態を解決してしまっていることなど、ストーリーに魅力を感じられないとして「シリーズで一番陳腐なストーリー」という批判もある。
    • もちろん博士と鬼ノ手だけでは成し得ず、主人公たちがいたからこそ成せたこともあるのだが、博士や鬼ノ手がほとんどの下地を作っていて、主人公を含めた他の面々がしたことはそれの後押しだったり駄目押しだったりばかりになってしまっているのは否めない*44
      • 何より、半ばオムニバス形式で各キャラの話になるストーリーで毎回展開が被るのはあまり良い事とは言えないだろう。

バグ関連

  • 発売当初は、仕様とバグの区別が付かないとまで言われてしまう程不具合が多かった。
    • 進行不能バグ、ミタマに関わるバランス崩壊バグ、解放した筈のファストトラベル先が表示されない、ストーリーのADVパートでキャラクターのグラフィックが消失したままシナリオが進む、などなど。
      • 特にアクション面に関するバグは、通称破天バグを代表とするとんでもなものもあった。
    • 引き継ぎ体験版と製品版のバージョン1.01まではで特定の指南を受けてしまうと一部のNPCキャラクターがプレイヤーが侵入出来ない場所に移動してしまうことでストーリーが進行出来なくなるバグがあり、これを修正するバージョン1.02を適用すると今度は「すべての任務を達成すると獲得出来るはずのトロフィー「金眼四ツ目の守り人」が取得出来ない」バグに見舞われる。
      • この件を除いてもアップデートを適用する度に何かしら別のバグを産み出しているような状態が続いた。
  • 大型アップデートの際には、遺跡探索限定で復活を遂げたヤトノヌシやオカミヌシに鬼葬でトドメを刺すか、鬼葬を当てた後のダウン中にトドメを刺してしまうと、なぜか亡骸が鬼祓い出来なくなることで進行不能になるバグも実装されてしまった。
    • 当然のようにこの2体が出現しうる領域の遺跡探索を目的としたマルチプレイの部屋には「(ヤトノヌシとオカミヌシの)ヌシ系に鬼葬厳禁」の旨が伝達に書かれるようになってしまった。
  • 進行不能バグを含む多くのバグはアップデートで修正済み。

システム

  • 会話面の不備
    • バックログが無く聞きのがした会話を確認できない。
    • ○ボタンが会話の続きの選択とスキップが同じなので間違えてスキップしてしまう。おまけにオート再生がないので上記のようなことがしばしば起こる。
    • 前作から改善されることなく、音声付きのシーンでは主人公の名前は他のキャラクターは呼んでくれず、主人公の名前だけ飛ばされて会話が進んでしまうため会話に不自然さを感じる。
      更に前作では吹雪で聞こえ難い演出やムービーの暗転時など違和感無くプレイヤー名を呼ばせるシーンもあったため余計に強く感じる人も居るだろう。
      • この手のゲームによくある、「お前」などの二人称を使用するなどの形をとっても良かったのではないだろうか。
      • 本作はこれまで以上に主人公の名前を呼ばれるケースが多いので余計に気になってきてしまう。

DLC

  • 過去作までは非常に好評だったDLCだが、本作では盛り上がりに欠ける結果となった。
    • 前作までは配信から一定の無料期間が設けられ「戦闘開始時からタマハミ状態」「速攻任務*45」「本編になかった組み合わせの鬼で高難度の乱戦・或いは連続討伐」など、工夫が見て取れた事で高評価で、これなら有料でもいい、という声もあった。*46
  • が、本作のDLCの任務集は、過去作からリストラされていた大型鬼の配信メインとなり、無料期間も無い。
    • 本編で登場しなかった敵を配信する事自体は問題ではない。しかしここで問題なのは、一つの任務集で追加鬼が一種類だけであり、属性と色が違うその変異種の鬼さえも別のDLCとして小分けに配信された事。そして一つの任務集の中身が、単体だけの「下級任務」・「上級任務」「本作既存鬼との乱戦」の3種をワンセットとして、第伍集まで捻りの無い任務を毎回ワンパターンに配信した事であった。特に工夫も加えられずにリストラした鬼を切り売りする方針には批判が強い。
    • また、本編にて武器作製ツリーで「???」の表示になっていてユーザーに期待を持たせた武器も、DLCで解放される前作武器だった事が判明。
      • 第八集から、ようやく凶暴化した条件での鬼の討伐任務・及び新防具が配信されたが、手遅れ感が否めない。
  • 広いマップに複数人で行ける「巡回ノ任、再び」も配布されたが、一部領域だけ抜けていたりもしている。
    • 更に問題なのは、これまで同様にマルチプレイでDLC任務をプレイする場合は統合本部に入室しているプレイヤー全員がそのDLCを購入・適用している必要がある点である。
      • 「討鬼伝 極」までは無料配信期間があったことで、オンラインマルチプレイでもDLC任務をプレイしやすい環境で、ほかのプレイヤーの手を借りやすかったが、本作では上記諸々の事情で導入したプレイヤーの数が少なかったのだろうか、DLC任務がマルチでプレイしにくい状態であった。
  • 制作費の回収の為、無料期間の有無に関してはまだ理解出来るが、せめて内容についてはもう少し購入するプレイヤーのことを考えて作れなかったのだろうか。
    • 任務内容もそうだが、報酬で作れる装備もかなり性能が低いかピーキーすぎて扱いづらいかのどちらかで、切り売りのリストラ鬼やちょっと特殊なシチュエーションで戦える任務に価値を見出せないなら、購買意欲は湧きにくい*47
    • 加えて、前述したDLC任務の仕様により、実質オフラインプレイ前提で購入しなければならないのもキツいものがある。
      • 勿論『討鬼伝 極』の「抜忍の装束」のような性能的に他の装備の選択肢を一蹴するような性能にしてしまうのも問題ではあるが、だからといって積極的に選択肢に入れていけないようなものばかりで良いわけもない。せめて、性能や見た目共に実用的なものであればまだ印象も違ったのだろうが…。

その他

  • エンディング曲
    • 過去作の和風オーケストラな楽曲ではなく、グウェン役・中川翔子の歌う和風ロックが採用されているが、作風に合ってないという声が多く、評価は低い。

総評

これまでの狩りゲーというジャンルにオープンワールドのシステムを導入し、過去作の持ち味を十二分に活かしつつ、続編として上手く進化させた印象を抱かせる。新要素を取り入れた事で評価された部分も多いが、同様に調整不足な部分も多い。
しかし、「前作までは、先行の狩りゲーに追いつく為のゲーム」「新しいものを作るには、モーションや敵を追加しただけじゃ駄目」「他ゲームの先を行く為にも、IPを殺す覚悟で新しい事に挑戦しなければならなかった」と開発が語った通り、手抜きから生まれた粗さという印象は薄く、シリーズ経験者も新規プレイヤーも概ね満足出来うる仕上がりとなっている。

惜しむらくはDLCによる盛り上がりが過去作と比べて極端に低く、その他調整不足な点が目立つことだろう。

実際の作品を見る限り、完全版ありきと取られる仕様が多すぎることや、いくらアップデートで改善したとは言えてんこ盛りだったバグなど、作りが雑すぎる部分はあるが、アクション面での快適さは他の同ジャンルのゲームとは段違いに高く、組み合わせや収集の楽しみも増えた。
狩りゲー特有の単調さに抵抗が無いのであれば、是非一度プレイしてみてはどうだろうか。